富裕層向け証券会社の選び方|サービスと手数料を比較

証券会社で働きたいけれど、営業のノルマや顧客対応に不安を感じていませんか。
実は証券会社には、営業以外にも多様な職種が存在します。
リサーチ部門のアナリスト、投資銀行部門の法人営業、トレーディング部門のトレーダー、そしてバックオフィス部門など、専門性を活かせる仕事が数多くあります。
この記事では、証券会社の営業以外の職種について、具体的な仕事内容から就く方法まで詳しく解説します。
新卒採用、社内異動、中途転職といった3つのルートについても、実践的な情報をお伝えします。
自分に合ったキャリアを見つけるための参考にしてください。
目次
証券会社の営業以外の職種は?
証券会社には営業職以外にも、専門性を活かせる多様な職種が存在します。大きく分けて4つの部門に分類され、それぞれ異なる役割を担っています。
ここでは各部門の特徴と具体的な仕事内容を解説します。
リサーチ部門の特徴
企業の財務分析や業界動向の調査を行い、投資判断の基礎となるレポートを作成
営業職とは異なり、ノルマはなくレポートの質と的中率が評価対象
公認会計士やCFA資格保有者が多く活躍する専門職
リサーチ部門のアナリストは、企業の財務分析や業界動向の調査を行い、投資判断の基礎となるレポートを作成します。上場企業の決算資料や経営戦略を詳細に分析し、株価の適正水準や投資価値を評価するのが主な業務です。
アナリストが作成したレポートは、機関投資家や富裕層の投資判断に活用されます。企業訪問やIR担当者へのヒアリングを通じて、財務諸表だけでは分からない経営の実態を把握することも重要な仕事です。
高度な財務知識と分析力が求められ、公認会計士やCFA(米国証券アナリスト)の資格保有者も多く活躍しています。営業職とは異なり、ノルマはありませんが、レポートの質と的中率が評価の対象となります。
投資銀行部門の特徴
企業の資金調達やM&Aのアドバイザリー業務を担当
1件あたりの取引規模が数億円から数百億円に及ぶこともある
個人営業のような日々のノルマはなく、案件の成約が評価基準
投資銀行部門は、企業の資金調達やM&A(合併・買収)のアドバイザリー業務を担当します。個人顧客を相手にする営業職とは異なり、上場企業や大企業の経営層を相手にした法人営業が中心です。
具体的には、企業が株式や債券を発行する際の引受業務、IPO(新規株式公開)の支援、企業買収や事業統合の戦略立案とサポートなどを行います。1件あたりの取引規模が数億円から数百億円に及ぶこともあり、証券会社の収益に大きく貢献する部門です。
高度な財務知識に加え、企業経営への理解、交渉力、プロジェクトマネジメント能力が求められます。個人営業のような日々のノルマはありませんが、案件の成約が評価の基準となります。
トレーディング部門の特徴
証券会社自身の資金を使って株式や債券などを売買し、利益を追求
1日に数百から数千の取引を行うこともある
営業職のような顧客対応はないが、市場変動への対応で精神的プレッシャーが大きい
トレーディング部門のトレーダーは、証券会社自身の資金を使って株式や債券などを売買し、利益を追求します。顧客の注文を市場で執行する業務と、自己勘定で取引を行う業務の2種類があります。
市場の動きを瞬時に判断し、最適なタイミングで売買を実行する能力が求められます。1日に数百から数千の取引を行うこともあり、集中力と冷静な判断力が不可欠です。
トレーダーの成績は取引による損益で明確に評価されます。営業職のような顧客対応はありませんが、市場の変動に常に対応する必要があるため、精神的なプレッシャーは大きい職種です。数学的思考力や統計分析のスキルが重視されます。
バックオフィス部門の特徴
取引の決済や口座管理を行う事務部門、法令遵守を監視するコンプライアンス部門など
営業のような直接的な収益活動ではないが、証券会社の信頼性と業務効率を支える
近年はフィンテックの進展により、システム部門の重要性が増している
バックオフィス部門は、証券会社の業務を支える重要な役割を担っています。取引の決済や口座管理を行う事務部門、法令遵守を監視するコンプライアンス部門、取引システムを管理するIT部門など、多岐にわたります。
事務部門では、株式や債券の受渡し、顧客口座の管理、税金計算などの正確な処理が求められます。コンプライアンス部門は、金融商品取引法などの法令に違反していないかをチェックし、社内規則の整備や社員教育も担当します。
システム部門は、取引システムの安定稼働や新機能の開発を行います。近年はフィンテックの進展により、システム部門の重要性が増しています。これらの部門は営業のような直接的な収益活動ではありませんが、証券会社の信頼性と業務効率を支える不可欠な存在です。
証券会社の基本的な業務
証券会社の業務は、大きく3つの役割に分類されます。これらを理解することで、各職種がどのように証券会社の事業に貢献しているかが分かります。
日本証券業協会の業務分類に基づき、証券会社の基本的な役割を解説します。
ブローカー業務は、顧客からの注文を受けて証券取引所で売買を執行する仲介業務です。証券会社は顧客と取引所の間に立ち、注文の取次ぎと決済を行います。
個人投資家が株式を購入する際、証券会社に注文を出すと、証券会社がその注文を取引所に伝えて売買を成立させます。この業務で証券会社は売買手数料を収益として得ます。
ブローカー業務を担当するのは、主に営業部門と事務部門です。営業担当者が顧客からの注文を受け、トレーディング部門が市場で執行し、事務部門が決済処理を行うという流れで業務が進みます。近年はオンライン取引の普及により、システム部門の役割も重要になっています。
ディーラー業務は、証券会社が自己の資金で株式や債券などを売買し、その差益を得る業務です。顧客の注文を執行するブローカー業務とは異なり、証券会社自身が投資家として市場に参加します。
市場の流動性を高める役割も担っており、売り手と買い手のマッチングを円滑にします。証券会社は市場の動向を予測し、適切なタイミングで売買を行うことで利益を追求します。
この業務を担当するのがトレーディング部門のトレーダーです。高度な市場分析能力とリスク管理能力が求められ、証券会社の収益に大きく貢献する一方、市場変動により損失を被るリスクもあります。
アンダーライター業務は、企業が株式や債券を発行する際に、その引受けと販売を行う業務です。証券会社は発行企業から証券を買い取り、投資家に販売します。
IPO(新規株式公開)の支援や、既存企業の増資、社債発行などが代表的な業務です。証券会社は発行価格の決定、投資家への販売、市場での価格安定化など、発行プロセス全体をサポートします。
この業務を主に担当するのが投資銀行部門です。企業の財務状況を分析し、適切な発行条件を提案する能力が求められます。1件あたりの取引規模が大きく、証券会社にとって重要な収益源となっています。
リサーチ部門の仕事
リサーチ部門のアナリストは、企業分析と投資判断の提供を通じて、投資家の意思決定をサポートします。具体的な業務内容と1日の流れを見ていきましょう。
アナリストの中心的な業務は、担当する業界や企業の詳細な分析です。上場企業の決算短信、有価証券報告書、IR資料などを精査し、財務状況や事業戦略を評価します。
売上高や利益の推移、キャッシュフローの状況、資産効率などの財務指標を分析するだけでなく、競合他社との比較や業界全体のトレンドも考慮します。企業訪問やIR担当者へのインタビューを通じて、経営陣の考え方や事業の実態を把握することも重要です。
分析結果は詳細なレポートにまとめられ、機関投資家や社内の営業部門に提供されます。レポートには企業の強みと弱み、今後の成長見通し、投資リスクなどが記載され、投資判断の重要な材料となります。
レーティングは一般的に「買い」「中立」「売り」の3段階、または「強気買い」「買い」「中立」「売り」「強気売り」の5段階で評価されます
アナリストは企業分析に基づき、株式の投資判断レーティングを決定します。一般的には「買い」「中立」「売り」の3段階、または「強気買い」「買い」「中立」「売り」「強気売り」の5段階で評価されます。
レーティングの決定には、企業の業績見通しだけでなく、現在の株価水準が適正かどうかの判断が含まれます。理論株価を算出し、現在の市場価格と比較することで、割安か割高かを評価します。
レーティングの変更は市場に大きな影響を与えることがあり、アナリストの判断には高い精度と責任が求められます。誤った判断は投資家に損失をもたらすだけでなく、証券会社の信頼性にも影響します。
アナリストは作成したレポートを機関投資家に提供し、投資判断をサポートします。年金基金、投資信託、ヘッジファンドなどの機関投資家は、アナリストレポートを投資判断の重要な材料として活用します。
電話会議やミーティングを通じて、レポートの内容を詳しく説明したり、投資家からの質問に答えたりすることもあります。企業の決算発表後には、速報レポートを作成し、迅速に投資家に提供する必要があります。
機関投資家との関係構築も重要な業務です。質の高い分析を継続的に提供することで、証券会社の評価が高まり、取引の拡大につながります。
アナリストの1日は、市場の動きと企業の情報開示に合わせて動きます。朝は前日の海外市場の動向や経済指標の確認から始まり、担当企業のニュースをチェックします。
午前中は企業訪問やIR担当者とのミーティングが入ることが多く、事業戦略や業績見通しについて詳しくヒアリングします。午後は収集した情報を整理し、財務モデルの更新やレポートの執筆を行います。
決算発表シーズンには、複数の企業が同時に決算を発表するため、夜遅くまで分析作業が続くこともあります。また、機関投資家からの問い合わせに対応したり、社内の営業部門に情報提供したりする時間も確保します。残業は多めですが、営業職のような顧客訪問や接待は少なく、分析業務に集中できる環境です。
投資銀行部門の仕事
投資銀行部門は、企業の資金調達やM&Aをサポートする専門部門です。個人営業とは異なる高度な専門性が求められます。
企業が事業拡大や設備投資のために資金を必要とする際、株式や債券の発行を支援します。IPO(新規株式公開)の場合、企業の事業計画や財務状況を精査し、適切な発行価格や発行規模を提案します。
上場準備には通常2〜3年かかり、その間、企業の管理体制の整備や開示資料の作成をサポートします。発行価格の決定には、類似企業の株価水準や市場環境を考慮した高度な分析が必要です。
既存の上場企業が増資や社債を発行する際も、投資銀行部門が中心となって進めます。機関投資家への販売活動や、発行後の株価安定化操作なども担当し、発行が成功するまで一貫してサポートします。
企業の合併・買収(M&A)において、戦略立案から交渉、実行までをサポートする業務です。買収側企業には適切な買収対象の選定や企業価値評価、買収価格の交渉支援を行います。
売却側企業には、企業価値を最大化するための戦略立案や、複数の買い手候補との交渉をサポートします。デューデリジェンス(企業調査)の調整や、契約書の作成支援なども重要な業務です。
M&A案件は数ヶ月から数年にわたる長期プロジェクトとなることが多く、高度な財務知識、法律知識、交渉力が求められます。1件の成約で数千万円から数億円の手数料を得られるため、証券会社の重要な収益源です。
投資銀行部門の法人営業は、企業の経営層や財務担当役員を相手にした提案営業が中心です。日々の株価チェックや決算報告のような短期的な対応ではなく、企業の中長期的な成長戦略に関わる提案を行います。
新規顧客の開拓では、企業の事業内容や財務状況を詳しく調査し、資金調達やM&Aのニーズを把握します。既存顧客に対しては、定期的なミーティングを通じて関係を維持し、適切なタイミングで具体的な提案を行います。
案件の受注後は、社内の専門チーム(財務分析、法務、税務など)と連携してプロジェクトを進めます。複数の部門をまとめるプロジェクトマネジメント能力も重要です。
| 項目 | 法人営業 | 個人営業 |
| 顧客 | 上場企業・大企業の経営層 | 多数の個人顧客 |
| 取引規模 | 数億円〜数百億円の大型案件 | 日々の株式・投資信託の売買 |
| 評価基準 | 案件ベースの評価 | 月次・四半期ごとの売上ノルマ |
| 必要スキル | 財務分析力・戦略立案能力・プロジェクトマネジメント | コミュニケーション能力・商品知識 |
投資銀行部門の法人営業と個人営業の最大の違いは、顧客と取引の性質です。個人営業は多数の個人顧客を相手に、株式や投資信託の売買を日々提案しますが、法人営業は少数の企業を相手に、大型案件に長期間取り組みます。
個人営業には月次や四半期ごとの売上ノルマがありますが、法人営業は案件ベースの評価が中心です。1件の案件が成約すれば大きな成果となりますが、不成約の場合は長期間の努力が報われないこともあります。
求められるスキルも異なり、個人営業ではコミュニケーション能力や商品知識が重視されますが、法人営業では財務分析力、戦略立案能力、プロジェクトマネジメント能力が必要です。顧客との関係も、個人営業は短期的な取引が多いのに対し、法人営業は長期的なパートナーシップを構築します。
トレーディング部門の仕事
トレーディング部門のトレーダーは、市場で証券を売買し、利益を追求する専門職です。瞬時の判断力と高度な分析能力が求められます。
トレーダーの基本業務は、市場での証券の売買執行です。顧客からの注文を最適な価格とタイミングで執行するエージェンシートレーディングと、証券会社自身の資金で取引を行うプロプライエタリートレーディングの2種類があります。
エージェンシートレーディングでは、顧客の注文を市場で執行する際に、市場への影響を最小限に抑えながら最良の価格で取引を成立させることが求められます。大口の注文を一度に執行すると市場価格に影響を与えるため、複数回に分けて執行するなどの工夫が必要です。
プロプライエタリートレーディングでは、市場の動きを予測し、証券会社の資金を使って売買を行います。株式、債券、為替、デリバティブなど、様々な金融商品を扱い、短期的な価格変動から利益を得ます。
各トレーダーには損失限度額(ロスカットライン)が設定されており、この範囲内で取引を行う必要があります
トレーダーにとってリスク管理は最も重要な業務の一つです。保有しているポジション(買い持ちや売り持ちの状況)を常に監視し、損失が拡大しないように適切に調整します。
各トレーダーには損失限度額(ロスカットライン)が設定されており、この範囲内で取引を行う必要があります。市場が予想と反対に動いた場合は、速やかにポジションを解消して損失を最小限に抑えます。
リスク管理部門と連携し、ポジションの状況や市場リスクを定期的に報告することも求められます。レバレッジを効かせた取引を行う場合は、より慎重なリスク管理が必要です。近年は、AIやアルゴリズムを活用したリスク管理システムも導入されています。
トレーダーには、市場分析能力と瞬時の判断力が不可欠です。経済指標、企業決算、政治情勢などの情報を素早く分析し、市場への影響を予測する能力が求められます。
数学的思考力や統計分析のスキルも重要です。過去の価格データを分析し、パターンやトレンドを見つけ出すことで、取引戦略を構築します。最近では、プログラミングスキルを持つトレーダーも増えており、自動売買システムの開発に携わることもあります。
精神的な強さも必要です。市場は常に変動し、損失を被ることもあります。感情に左右されず、冷静に判断を下す能力が求められます。また、長時間のモニター監視に耐える集中力や体力も必要です。
コミュニケーション能力も意外と重要で、社内の他部門(営業、リサーチ、リスク管理)と連携して情報を共有し、効率的に業務を進める必要があります。
バックオフィス部門の仕事
バックオフィス部門は、証券会社の業務を正確かつ安全に遂行するための基盤を支えます。フロント部門ほど目立ちませんが、証券会社の信頼性を維持する重要な役割です。
事務部門は、証券取引の決済処理や顧客口座の管理を担当します。株式や債券の売買が成立した後、証券と代金の受渡しを正確に処理し、顧客口座に反映させます。
取引の照合、決済指図、資金管理など、多岐にわたる業務を正確に行う必要があります。処理ミスは顧客とのトラブルや金銭的損失につながるため、高い正確性が求められます。
近年はシステム化が進み、多くの処理が自動化されていますが、例外処理や複雑な取引の対応には人の判断が必要です。また、顧客からの問い合わせ対応や、税金計算、報告書作成なども事務部門の重要な業務です。
証券会社は厳しい規制の下で業務を行っており、違反があれば業務停止などの重い処分を受ける可能性があります
コンプライアンス部門は、金融商品取引法をはじめとする各種法令や社内規則の遵守を監視・指導する部門です。証券会社は厳しい規制の下で業務を行っており、違反があれば業務停止などの重い処分を受ける可能性があります。
営業部門が顧客に適切な説明を行っているか、トレーディング部門が不正な取引を行っていないか、インサイダー取引の防止策が機能しているかなど、幅広い業務をチェックします。
社内規則の整備や改定、社員への法令研修の実施、監督官庁への報告書作成なども担当します。問題が発生した場合の調査や再発防止策の立案も重要な業務です。法律知識だけでなく、証券業務全般への理解が求められます。
リスク管理部門は、証券会社が直面する様々なリスク(市場リスク、信用リスク、オペレーショナルリスクなど)を識別・評価・管理します。トレーディング部門のポジション状況を監視し、過度なリスクテイクを防ぎます。
市場が急変した際のストレステストを実施し、想定される損失額を算出します。リスク限度額の設定や、リスク管理方針の策定も担当します。
近年は、AIやビッグデータを活用したリスク分析も進んでおり、高度な統計知識やデータ分析スキルが求められます。金融工学の知識を持つ専門家(クオンツ)が活躍する分野でもあります。
証券取引はほぼすべてがシステムを通じて行われるため、システムの安定稼働は証券会社の生命線です
システム・IT部門は、取引システムの開発・運用・保守を担当します。証券取引はほぼすべてがシステムを通じて行われるため、システムの安定稼働は証券会社の生命線です。
オンライン取引システム、顧客管理システム、リスク管理システムなど、多様なシステムを管理します。システム障害が発生すれば取引が停止し、顧客に大きな損害を与える可能性があるため、24時間体制での監視が行われています。
新しい金融商品や取引手法に対応するためのシステム開発も重要な業務です。フィンテックの進展により、AIを活用した投資助言システムやロボアドバイザーの開発も進んでいます。プログラミングスキル、データベース管理、セキュリティ対策など、幅広いIT知識が求められます。
営業以外の職種に就く方法
証券会社の営業以外の職種に就くには、主に3つのルートがあります。それぞれのルートで求められる条件や成功のポイントが異なります。
新卒採用で営業以外の職種に配属されるルートです。大手証券会社では、総合職として採用された後、適性や希望に応じて配属先が決まります。
リサーチ部門や投資銀行部門を希望する場合、経済学部、商学部、経営学部などの出身者が有利です。財務分析や企業評価の基礎知識があると評価されます。トレーディング部門では、数学や統計学、物理学などの理系学部出身者も多く活躍しています。
システム部門では、情報工学や計算機科学を専攻した学生が求められます。プログラミングスキルやデータベース管理の知識があると有利です。バックオフィス部門は、特定の学部に限定されませんが、法学部出身者はコンプライアンス部門で、会計学を学んだ学生は事務部門で評価されます。
証券外務員資格やFP資格を学生時代に取得しておくと、意欲の高さをアピールできます
新卒採用では、専門知識よりもポテンシャルが重視されます。論理的思考力、分析力、コミュニケーション能力などの基礎能力が評価の対象です。
エントリーシート(ES)では、なぜ証券業界を志望するのか、なぜその職種を希望するのかを具体的に説明することが重要です。インターンシップへの参加経験や、金融市場への関心を示すエピソードがあると有利です。
面接では、志望動機の深掘りに加え、ケース面接やグループディスカッションが行われることもあります。企業分析や市場動向についての質問に答えられるよう、日頃から経済ニュースをチェックしておくことが大切です。証券外務員資格やFP資格を学生時代に取得しておくと、意欲の高さをアピールできます。
証券会社に営業職として入社した後、他の職種に異動するルートです。実務経験を積んだ後のキャリアチェンジとして、多くの社員が活用しています。
社内異動には、通常2〜3年以上の営業経験が求められます。営業職で一定の実績を上げ、証券業務の基礎を理解していることが前提条件です。
異動のタイミングは、年1〜2回の人事異動時期が一般的です。社内公募制度を設けている証券会社もあり、希望する部署に自ら応募することができます。ただし、異動には上司の推薦や、異動先部門の受け入れ承認が必要です。
営業成績が極端に悪い場合や、現在の部署で問題を起こしている場合は、異動が認められないこともあります。また、営業部門の人員が不足している時期は、異動が難しくなる傾向があります。
リサーチ部門への異動を希望する場合、証券アナリスト資格やCFA資格の取得が有利に働きます。営業時代に企業分析や業界調査に積極的に取り組んだ実績があると評価されます。
投資銀行部門では、法人顧客との取引実績や、大型案件の経験が重視されます。財務知識を深めるために、公認会計士や税理士の勉強を始める人もいます。
トレーディング部門への異動は比較的難しく、市場分析能力や数学的思考力が求められます。自己資金での投資経験や、テクニカル分析の知識があると有利です。バックオフィス部門への異動は、正確性や法令知識が評価されます。コンプライアンス部門を希望する場合は、社内での法令遵守の意識の高さや、問題発見能力が重視されます。
他業界から証券会社の営業以外の職種に転職するルート、または他の証券会社の専門職に転職するルートです。即戦力としての採用が前提となります。
リサーチ部門では、アナリストとしての実務経験が求められます。証券アナリスト資格やCFA資格は必須に近く、特定の業界に精通していることが重視されます。公認会計士や税理士の資格保有者も評価されます。
投資銀行部門では、M&Aアドバイザリーの経験や、企業財務の実務経験が必要です。コンサルティングファームや会計事務所での経験者が転職することもあります。
トレーディング部門は、他の証券会社でのトレーダー経験が基本的に必須です。未経験からの転職は極めて難しく、自己資金での投資実績や、クオンツとしての専門知識が求められます。システム部門では、金融システムの開発経験やプロジェクトマネジメント経験が評価されます。
中途採用では、即戦力としての能力が厳しく評価されます。職務経歴書には、具体的な実績や成果を数値で示すことが重要です。担当した案件の規模、分析したレポート数、開発したシステムの内容など、具体的な情報を記載します。
転職エージェントの活用も効果的です。金融業界専門のエージェントは、非公開求人の情報を持っており、証券会社との交渉もサポートしてくれます。
面接では、なぜ証券業界を選ぶのか、前職の経験をどう活かせるのかを明確に説明する必要があります。証券業界の動向や、応募先の証券会社の特徴を事前に調査し、具体的な貢献策を提案できると評価が高まります。年齢が上がるほど求められる経験レベルも高くなるため、転職を考えるなら早めの行動が推奨されます。
職種別の年収・働き方
証券会社の職種によって、年収水準や働き方は大きく異なります。キャリア選択の重要な判断材料となる待遇面を比較します。
| 職種 | 入社3年目 | 経験者 | 特徴 |
| 営業職 | 500万〜700万円 | 1,000万円超も可能 | 成果報酬の比重が大きく変動幅が大きい |
| リサーチ部門 | 600万〜800万円 | 1,000万〜1,500万円 | 比較的安定した年収体系 |
| 投資銀行部門 | 700万〜900万円 | 1,500万〜3,000万円以上 | 証券会社の中でも高年収 |
| トレーディング部門 | 600万〜800万円 | 2,000万円以上も可能 | 成果に応じた報酬体系 |
| バックオフィス部門 | 450万〜600万円 | 800万〜1,200万円 | 安定した収入が得られる |
営業職の年収は、成果報酬の比重が大きく、実績により大きく変動します。大手証券会社の営業職で、入社3年目の平均年収は500万〜700万円程度ですが、トップセールスになると1,000万円を超えることもあります。一方、成績が低迷すると基本給のみとなり、年収が伸び悩むこともあります。
リサーチ部門のアナリストは、比較的安定した年収体系です。入社3年目で600万〜800万円、シニアアナリストになると1,000万〜1,500万円程度が相場です。トップアナリストはさらに高い報酬を得ることもあります。
投資銀行部門は証券会社の中でも高年収の部門です。若手でも700万〜900万円、経験を積むと1,500万〜3,000万円以上も珍しくありません。大型案件を成約させた場合は、高額なボーナスが支給されることもあります。トレーディング部門も成果に応じた報酬体系で、優秀なトレーダーは2,000万円以上の年収を得ることもあります。
バックオフィス部門は、他の部門と比べると年収水準は低めです。入社3年目で450万〜600万円、管理職になると800万〜1,200万円程度が一般的です。ただし、安定した収入が得られるメリットがあります。
営業職は、顧客対応や営業活動で残業が多く、月40〜60時間程度が一般的です。顧客との接待や、夜間・休日の勉強会なども多く、プライベートの時間は限られます。ノルマのプレッシャーも大きく、精神的な負担が重い職種です。
リサーチ部門は、決算発表シーズンには残業が増えますが、通常期は比較的落ち着いています。月30〜50時間程度の残業が平均的です。企業訪問や取材で外出することもありますが、営業職ほどの頻度ではありません。
投資銀行部門は、証券会社の中で最も激務の部門です。大型案件を進行中は、深夜まで働くことも珍しくなく、月80〜100時間以上の残業もあります。ワークライフバランスは取りにくいですが、その分高い報酬が得られます。
トレーディング部門は、市場が開いている時間(9時〜15時)は高い集中力が求められますが、市場終了後は比較的早く帰宅できることもあります。ただし、海外市場の動向をチェックするため、早朝出勤や夜間の情報収集が必要な場合もあります。
バックオフィス部門は、証券会社の中では最もワークライフバランスが取りやすい部門です。残業は月20〜40時間程度で、休日出勤も少なめです。システム障害対応などで突発的な残業が発生することもありますが、計画的に仕事を進められる環境です。
営業職と他の職種の最大の違いは、顧客対応の有無とノルマの存在です。営業職は日々顧客と接し、商品の提案や取引の執行を行いますが、他の職種は社内業務や機関投資家との対応が中心です。
ノルマについても大きな違いがあります。営業職には月次や四半期ごとの売上目標が設定され、達成状況が厳しく評価されます。一方、リサーチ部門やバックオフィス部門には明確なノルマはなく、業務の質や正確性が評価の基準となります。
キャリアパスも異なります。営業職は支店長や営業部長を目指すのが一般的ですが、専門職はスペシャリストとして専門性を深めるキャリアが中心です。投資銀行部門やトレーディング部門では、実績次第で若くして高い報酬を得ることも可能です。
求められるスキルも違います。営業職はコミュニケーション能力や人間関係構築力が重視されますが、専門職は分析力、専門知識、技術力などが求められます。自分の適性や志向に合わせて、適切な職種を選ぶことが重要です。
よくある質問(Q&A)
証券会社の営業以外の職種について、よく寄せられる質問にお答えします。
はい、大手証券会社では新卒採用で営業以外の職種に配属される可能性があります。多くの証券会社は「総合職」として一括採用し、研修後に適性や希望に応じて配属先を決定します。
ただし、新卒の大半は営業職に配属されるのが実態です。リサーチ部門や投資銀行部門への配属を希望する場合は、選考時にその意向を明確に伝え、関連する知識やスキルをアピールすることが重要です。システム部門は、情報工学などの専門性を持つ学生を対象に、別枠で採用を行う証券会社もあります。
証券外務員資格は、顧客との取引を行う営業職には必須ですが、営業以外の職種では必ずしも必須ではありません。ただし、証券会社で働く上で基礎知識として有用なため、多くの社員が取得しています。
リサーチ部門や投資銀行部門では、証券外務員資格よりも証券アナリスト資格やCFA資格の方が重視されます。トレーディング部門では、外務員資格に加えて、デリバティブなどの専門知識が求められます。バックオフィス部門では、職種により異なりますが、コンプライアンス部門では法令知識が、システム部門ではIT関連資格が重視されます。
営業から他職種への異動は可能ですが、職種により難易度が異なります。バックオフィス部門への異動は比較的実現しやすく、営業経験を活かしてコンプライアンス部門や事務部門で活躍する人も多くいます。
リサーチ部門や投資銀行部門への異動は、専門知識や資格が求められるため、ハードルが高めです。営業時代に証券アナリスト資格を取得したり、企業分析の経験を積んだりすることで、異動の可能性が高まります。
トレーディング部門への異動は最も難しく、特別な適性や実績が必要です。社内公募制度を活用し、希望する部署に積極的にアピールすることが重要です。異動を希望する場合は、現在の部署で一定の実績を上げた上で、上司に相談することから始めましょう。
新卒採用であれば、未経験から営業以外の職種に就くことは可能です。特にシステム部門は、情報工学の専門知識があれば、証券業界未経験でも採用されるチャンスがあります。
中途採用の場合、完全未経験からの採用は難しいのが実情です。ただし、関連する業界での経験があれば可能性があります。例えば、会計事務所での経験があればリサーチ部門や投資銀行部門、IT企業での経験があればシステム部門への転職が考えられます。
コンサルティングファームでの経験は、投資銀行部門で評価されることが多く、財務分析や戦略立案の経験が活かせます。未経験から挑戦する場合は、証券アナリスト資格などの専門資格を取得し、金融市場への理解を深めることが推奨されます。
営業職のような明確な売上ノルマは、多くの営業以外の職種には設定されていません。ただし、職種により異なる形での目標設定や評価基準が存在します。
リサーチ部門では、レポート作成数や分析の的中率が評価されます。投資銀行部門では、案件の成約件数や取引金額が実績として評価されますが、営業職のような月次ノルマではなく、年間や案件ベースでの評価が一般的です。
トレーディング部門では、取引による損益が明確に評価されます。損失限度額の範囲内で利益を追求することが求められ、成績が悪いと配置転換されることもあります。バックオフィス部門は、業務の正確性や効率性が評価の基準で、数値目標よりも質的な評価が中心です。
はい、証券会社のデジタル化に伴い、新しい職種が増えています。データサイエンティストは、顧客データや市場データを分析し、投資戦略の立案や顧客サービスの改善に貢献します。
ロボアドバイザーの開発・運用に携わるフィンテック専門職も増加しています。AIを活用した投資助言システムの開発や、アルゴリズム取引の高度化に取り組む人材が求められています。
サイバーセキュリティの専門家も重要性が増しています。オンライン取引の拡大に伴い、顧客情報の保護や不正アクセスの防止が重要課題となっており、セキュリティエンジニアの需要が高まっています。デジタルマーケティングの専門家も、オンライン顧客の獲得や、デジタル広告の最適化に携わっています。
証券会社には営業職以外にも、リサーチ部門、投資銀行部門、トレーディング部門、バックオフィス部門など、多様な職種が存在します。それぞれの部門で求められるスキルや働き方は大きく異なり、自分の適性や志向に合わせた選択が可能です。
営業以外の職種に就くには、新卒採用で希望を伝える方法、営業職から社内異動する方法、中途採用で転職する方法の3つのルートがあります。新卒採用では専門知識よりもポテンシャルが重視され、社内異動では実績と資格取得が、中途採用では即戦力としての経験が求められます。
職種により年収水準や働き方も異なります。投資銀行部門やトレーディング部門は高年収ですが激務、バックオフィス部門は年収は控えめですがワークライフバランスが取りやすい傾向があります。営業職のような明確なノルマはありませんが、それぞれの職種で異なる形での目標設定や評価基準が存在します。
デジタル化の進展により、データサイエンティストやフィンテック専門職など、新しい職種も増えています。証券業界でのキャリアを考える際は、自分の強みや興味を活かせる職種を見極め、必要な知識やスキルを計画的に身につけることが重要です。
なお、キャリア選択は個人の状況や適性により異なります。詳しくは各証券会社の採用情報をご確認いただき、ご自身の判断で慎重にご検討ください。
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