証券会社の移管方法とは?株式移動の手続きと注意点を解説【2026年】

証券会社の移管方法とは?株式移動の手続きと注意点を解説【2026年】

証券会社を変えたいけれど、保有している株式をどうすればいいのか悩んでいませんか。

株式を売却せずに別の証券会社へ移すことができる「移管」という手続きがあります。

移管を利用すれば、売却による税金を気にせず、手数料の安い証券会社や使いやすいツールのある証券会社へ乗り換えられるんです。

この記事では、証券会社の移動(移管)の仕組みから具体的な手続き方法、注意すべきポイントまでを分かりやすく解説します。

移管手続きは意外と簡単で、多くの場合1週間程度で完了しますよ。

この記事の要約
  • 株式移管は証券保管振替機構(ほふり)を通じて約1週間で完了する
  • 特定口座間の移管なら取得価額が引き継がれ税務上も安心
  • NISA口座の株式や代用有価証券は移管できないため事前確認が必須
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。
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目次

証券会社の移動(移管)とは?|株式を別の証券会社に移す仕組み

証券会社の移動(移管)とは、現在保有している株式を売却せずに、そのまま別の証券会社の口座へ移す手続きのことです。株式を一度売却して別の証券会社で買い直す方法もありますが、移管なら売却による税金や手数料を気にせず、保有株式を新しい証券会社へ移せるんですね。

この手続きは「出庫」と「入庫」という2つの動きで構成されます。移管元の証券会社から株式が出ていくことを「出庫」、移管先の証券会社が株式を受け取ることを「入庫」と呼びます。実際の株券をやり取りするのではなく、電子的な記録の変更によって所有権が移転する仕組みになっています。

株式移管の基本的な仕組み

株式移管は、証券保管振替機構(ほふり)という組織を通じて行われます。2009年に株券が電子化されてからは、すべての株式がこの機構で電子的に管理されているため、証券会社間での株式の移動も電子データの書き換えで完結します。

証券保管振替機構は株券などの有価証券の保管、受渡しの合理化を図ることを目的として制定され、株券等がすべて廃止され電子化されたため、株主等の権利の管理を証券会社などの金融機関の口座で電子的に行っています。このおかげで、株券の紛失や盗難のリスクもなくなり、安全に株式を管理できるようになったんですね。

移管手続きでは、移管元の証券会社があなたの口座から株式の記録を減らし、同時に移管先の証券会社があなたの口座に株式の記録を増やします。この一連の処理は証券保管振替機構のシステムを通じて自動的に行われるため、投資家が複雑な手続きをする必要はありません。

証券保管振替機構(ほふり)の役割

証券保管振替機構は「社債、株式等の振替に関する法律」に基づく「振替機関」として内閣総理大臣・法務大臣から指定を受け、上場株式のほか、国債を除く公共債、社債、短期社債、投資信託など、資本市場における多岐にわたる種類の電子化された有価証券の振替その他の総合的な証券決済インフラ業務を行っている我が国唯一の組織です。

ほふりの主な役割は3つあります。まず、有価証券を電子的に保管・管理すること。次に、売買が成立した際の照合・清算・決済を行うこと。そして、証券会社間での株式移管の仲介を行うことです。あなたが株式を移管する際も、このほふりのシステムを通じて安全かつ確実に手続きが進められます。

株式の名義は証券保管振替機構になっていますが、実質的な株主はあなた自身です。配当金や株主優待も問題なく受け取れますし、株主総会での議決権も行使できます。電子化によって手続きが簡素化されただけで、株主としての権利は何も変わりません。

ほふりを通じた移管手続きには手数料がかかる場合がありますが、多くのネット証券では入庫手数料を無料にしています。移管元の証券会社で出庫手数料がかかることもあるため、事前に確認しておくと安心ですね。

証券保管振替機構:証券保管振替機構とは

証券会社を移動する3つのメリット|なぜ移管するのか

証券会社を移動する理由は人それぞれですが、多くの投資家が移管を選ぶ主なメリットは3つあります。手数料の削減、口座管理の効率化、そしてより良いサービスの利用です。これらのメリットを理解すれば、あなたにとって移管が最適な選択かどうか判断できるでしょう。

取引手数料を抑えられる

証券会社によって取引手数料は大きく異なります。特に対面型の証券会社からネット証券へ移管すると、手数料を大幅に削減できることが多いんです。例えば、SBI証券や楽天証券などの主要ネット証券では、国内株式の現物取引手数料が原則無料になっています。

年間で何度も取引を行う場合、手数料の差は無視できない金額になります。100万円の株式を年10回売買すると仮定した場合、手数料が1回500円かかる証券会社なら年間1万円、無料の証券会社ならゼロ円です。この差額を投資に回せば、長期的にはさらに資産を増やせる可能性が高まりますね。

移管手数料がかかる場合もあるため、移管によって本当にコストが下がるかは事前に計算しておきましょう。移管先の証券会社が入庫手数料無料キャンペーンを実施していることもあるので、タイミングを見計らうのも賢い選択です。

複数口座を一本化して管理しやすくなる

複数の証券会社に口座を持っていると、資産全体の把握が難しくなります。どの証券会社にどの銘柄があるのか、トータルでいくら投資しているのかを確認するだけでも手間がかかりますよね。移管によって口座を一本化すれば、資産管理が格段に楽になります。

特定口座を複数の証券会社で開設している場合、年間取引報告書も複数発行されます。確定申告が必要になったとき、複数の報告書を見ながら計算するのは面倒です。口座を一本化すれば、税務処理もシンプルになり、ミスのリスクも減らせます。

分散していた資金を一つの証券会社にまとめることで、信用取引の余力が増えたり、ポイント還元の効率が上がったりするメリットもあります。資産管理アプリとの連携も、口座が少ない方がスムーズに設定できますよ。

より良い取引ツールやサービスを使える

証券会社によって提供される取引ツールの使いやすさや機能は大きく異なります。チャート分析ツール、スマホアプリの操作性、情報提供の充実度など、自分の投資スタイルに合ったツールがある証券会社へ移管することで、投資効率が向上します。

例えば、マネックス証券は米国株取引のツールが充実しており、楽天証券は投資情報やマーケットスピードⅡが人気です。SBI証券は取扱商品の豊富さと総合力で選ばれています。自分が重視するポイントに強い証券会社を選べば、投資がもっと快適になるでしょう。

ポイント還元サービスも見逃せません。楽天証券なら楽天ポイント、SBI証券ならVポイントやPontaポイントなど、複数のポイントから選べます。普段使っているポイントが貯まる証券会社へ移管すれば、投資をしながらポイントも効率的に貯められて一石二鳥ですね。

株式移管の手続き方法|5つのステップで完了

株式移管の手続きは、一見複雑そうに見えますが、実際には5つのステップを順番に進めるだけで完了します。現在株式をお預けの証券会社から口座振替依頼書をご請求し、必要事項をご記入いただき署名・捺印のうえご提出いただければ、通常1週間程度で振り替えが完了します。各ステップを丁寧に説明しますので、安心して手続きを進めてくださいね。

ステップ1:移管先の証券会社で口座を開設する

まず、株式を移したい証券会社で口座を開設します。すでに口座を持っている場合はこのステップは不要です。口座開設は、多くのネット証券でオンラインで完結でき、最短で翌営業日には取引可能になります。

特定口座を開設している場合、移管先でも特定口座を開設しておく必要があります。特定口座から特定口座への移管でないと、取得価額が正しく引き継がれないため注意が必要です。口座開設時に「特定口座(源泉徴収あり)」を選択しておけば、税務処理も簡単になりますよ。

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ステップ2:口座振替依頼書を請求する

移管先の証券会社で口座開設が完了したら、次は移管元の証券会社に「口座振替依頼書」を請求します。特定口座の株式を移管する場合は「特定口座内上場株式等移管依頼書」、一般口座の株式を移管する場合は「口座振替依頼書(一般)」と、書類が異なるため注意してください。

依頼書の請求方法は証券会社によって異なりますが、多くの場合、カスタマーセンターへの電話やウェブサイトからの請求が可能です。書類は郵送で届くため、手元に届くまで数日かかることを見込んでおきましょう。

ステップ3:必要事項を記入して提出する

届いた口座振替依頼書に必要事項を記入します。記入が必要な主な項目は、移管先の証券会社の「機構加入者コード」「加入者口座コード」、移管する銘柄名・銘柄コード・株数などです。機構加入者コードと加入者口座コードは、移管先の証券会社のマイページや問い合わせで確認できます。

記入例は依頼書に添付されていることが多いですが、不明な点があれば移管元の証券会社に確認しながら進めると安心です。記入ミスがあると手続きが遅れたり、差し戻されたりするため、慎重に記入しましょう。記入が完了したら、署名・捺印のうえ、移管元の証券会社へ返送します。

ステップ4:移管元の証券会社で手続きが進む

口座振替依頼書を提出すると、移管元の証券会社で手続きが開始されます。書類の内容確認、証券保管振替機構への移管依頼、移管先の証券会社への連絡など、一連の処理が行われます。この間、あなたが特別に何かをする必要はありません。

ただし、移管手続き中は該当する株式の売買ができなくなります。移管期間中に株価が大きく変動しても売却できないため、移管のタイミングは慎重に選びましょう。権利確定日の前後や決算発表の時期は避けた方が無難ですね。

ステップ5:移管完了を確認する

証券会社等によって異なりますが、一般的にはお申込受付後、4営業日程度かかります。通常、お客さまが証券会社に口座振替依頼書を提出されてから、1週間程度で振り替えが完了します。移管が完了すると、移管先の証券会社のマイページに株式が反映されます。

移管完了後は、保有銘柄一覧で株数や取得価額が正しく表示されているか必ず確認してください。特に特定口座間の移管の場合、取得価額が正しく引き継がれているかのチェックは重要です。万が一、内容に誤りがあれば、すぐに証券会社へ問い合わせましょう。

移管完了後は、移管先の証券会社で通常通り売買が可能になります。移管元の証券会社の口座は、他に保有資産がなければ解約することもできますが、将来また使う可能性があるなら、そのまま維持しておいても問題ありません。

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移管にかかる期間と手数料|いつ完了する?コストは?

株式移管を検討する際、気になるのが完了までの期間と手数料です。移管期間中は株式の売買ができないため、どれくらいの期間がかかるのかを把握しておくことは重要です。また、手数料は証券会社によって大きく異なるため、事前に確認しておきましょう。

移管完了までの期間は約1週間

通常、お客さまが証券会社に口座振替依頼書を提出されてから、1週間程度で振り替えが完了します。ただし、これは書類提出後の期間であり、口座振替依頼書を請求してから手元に届くまでの期間や、記入して返送する期間は含まれていません。

実際には、依頼書の請求から移管完了までトータルで2〜3週間程度を見込んでおくと安心です。年末年始や3月末・9月末などの決算期には、多くの銘柄で権利確定日があるため、移管手続きが一時的に停止されることがあります。この時期は通常より時間がかかる可能性が高いため、余裕を持って手続きを開始しましょう。

移管期間中は該当する株式の売買ができないため、短期的な売買を予定している銘柄の移管は避けた方が無難です。長期保有を前提とした銘柄から優先的に移管するなど、計画的に進めることをおすすめします。

移管手数料は証券会社によって異なる

株式移管には、移管元の証券会社で「出庫手数料」、移管先の証券会社で「入庫手数料」がかかる場合があります。ただし、多くのネット証券では入庫手数料を無料にしており、移管キャンペーンで出庫手数料をキャッシュバックするケースもあります。

証券会社 出庫手数料 入庫手数料
SBI証券 無料 無料
楽天証券 無料 無料
マネックス証券 無料 無料
松井証券 無料 無料
野村證券 1銘柄あたり1,100円 無料
SMBC日興証券 1銘柄あたり1,100円 無料
大和証券 1銘柄あたり3,300円 無料

対面型の証券会社からネット証券へ移管する場合、出庫手数料がかかることが多いです。複数の銘柄を移管する場合、銘柄数に応じて手数料が加算されるため、移管する銘柄を厳選するか、移管キャンペーンを活用することを検討しましょう。

移管手数料が高額な場合は、一度売却して移管先の証券会社で買い直す方が安くなることもあります。売却による税金と移管手数料を比較して、どちらが有利か計算してから判断すると良いですね。詳しくは各証券会社の公式サイトでご確認ください。

楽天証券:国内株式の振替(移管)

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特定口座と一般口座の移管|口座区分で変わる注意点

株式移管では、移管元と移管先の口座区分(特定口座・一般口座)の組み合わせによって、取得価額の引継ぎ方法や税務上の取扱いが大きく変わります。他の証券会社で特定口座預りにしている株式等の取得価額は、当社特定口座にも引き継がれます。口座区分を正しく理解して移管しないと、後で税務上の問題が発生する可能性があるため注意が必要です。

特定口座から特定口座への移管(取得価額が引き継がれる)

最も一般的で推奨される移管方法が、特定口座から特定口座への移管です。この場合、取得価額(購入時の株価)と取得日が移管先の証券会社へ正確に引き継がれます。将来株式を売却したときの税金計算も、移管元で購入した価格をもとに自動的に行われるため、税務処理が非常にスムーズです。

特定口座(源泉徴収あり)を選択していれば、売却時の税金も自動的に源泉徴収されるため、確定申告が不要になります。移管前と同じ税務上の取扱いが維持されるため、投資家にとって最も手間がかからない方法といえるでしょう。

ただし、特定口座間の移管では、同一銘柄を一部だけ移管することはできません。特定口座で保有している同一銘柄は全株数を移管する必要があります。一部だけ移管したい場合は、まず一部を一般口座へ移動してから、その分を移管する必要がありますが、手続きが複雑になるため注意が必要です。

特定口座から一般口座への移管(自己管理が必要)

楽天証券特定口座から他社一般口座への移管は原則的にはできません。この場合、いったん楽天証券内にて特定口座から一般口座へ振替を行った後、楽天証券一般口座から他社一般口座への移管をおこなうことになります。特定口座から一般口座への移管は、税務上の取扱いが大きく変わるため慎重に判断しましょう。

特定口座から一般口座への振替後、取得日は特定口座で記帳された取得日を引き継ぎ、取得価額は特定口座で記帳された取得価額(移動平均価格)を引き継ぎます。ただし、一般口座では証券会社が自動的に税金計算をしてくれないため、自分で取得価額や売却損益を管理し、確定申告を行う必要があります。

一般口座で株式を売却した場合、年間の譲渡益が20万円を超えると確定申告が必要になります。取得価額の記録を正確に保管しておかないと、税務申告で困ることになるため、一般口座への移管は特別な理由がない限り避けた方が無難です。

一般口座から一般口座への移管

一般口座から一般口座への移管は可能ですが、取得価額の管理は自分で行う必要があります。他の証券会社で一般口座預りとなっている株式の場合、当社の一般口座へ移管となります。この場合、取得価額は移管完了日の株価が表示されます。

一般口座では、移管先の証券会社が自動的に取得価額を正しく記録してくれるとは限りません。移管完了日の株価が取得価額として表示されることもあり、実際の購入価格とは異なる場合があります。そのため、元の購入価格を自分で記録しておき、売却時の税金計算で使用する必要があります。

一般口座で保有している残高を特定口座に移すことは制度上できません。一度一般口座に移管してしまうと、後から特定口座へ戻すことはできないため、最初から特定口座間で移管することを強くおすすめします。税務処理の手間を考えると、特定口座を維持する方が圧倒的に便利ですよ。

移管パターン 取得価額の引継ぎ 税務処理 おすすめ度
特定口座→特定口座 正確に引き継がれる 自動計算・源泉徴収 ★★★
特定口座→一般口座 引き継がれるが自己管理 確定申告が必要 ★☆☆
一般口座→一般口座 自己管理が必要 確定申告が必要 ★☆☆
一般口座→特定口座 制度上不可 不可

楽天証券:特定口座

移管できない銘柄と制限事項|事前に確認したい注意点

株式移管にはいくつかの制限があり、すべての銘柄や状況で移管できるわけではありません。代用有価証券となっている株式、旧NISA、NISA成長投資枠で保有している株式は移管できません。移管手続きを始める前に、保有している株式が移管可能かどうかを必ず確認しましょう。

NISA口座の株式は移管できない

旧NISA、NISA成長投資枠で保有している株式は、特定口座・一般口座に払い出した後、移管手続きを行う必要があります。NISA口座で保有している株式は、そのまま他の証券会社のNISA口座へ移管することはできません。

NISA口座の株式を移管したい場合は、まず特定口座または一般口座へ払い出す必要があります。ただし、払い出した時点で非課税のメリットは失われ、払い出し時の時価が新たな取得価額となります。購入時より値上がりしている場合、本来の非課税メリットを享受できなくなるため、慎重に判断しましょう。

NISA口座自体を別の証券会社へ変更することは可能ですが、すでに保有している株式は移管できません。新しい証券会社のNISA口座では、新規の買付のみが可能になります。NISA口座の変更は年に1回しかできないため、タイミングも重要ですね。

移管先で取扱いのない銘柄

移管先の証券会社が取り扱っていない銘柄は移管できません。特に新興市場の銘柄や外国株式、一部のETF・REITなどは、証券会社によって取扱いの有無が異なります。移管手続きを始める前に、移管先の証券会社で該当する銘柄が取引可能かどうかを確認しましょう。

単元未満株(1株単位での保有)も、移管先の証券会社が単元未満株取引サービスを提供していない場合、移管できないことがあります。例えば、SBI証券の「S株」や楽天証券の「かぶミニ®」など、証券会社によってサービス名や取扱銘柄が異なるため注意が必要です。

整理銘柄や監理銘柄に指定されている株式も、移管が制限される場合があります。これらの銘柄は上場廃止の可能性があるため、証券会社によっては移管を受け付けないことがあります。該当する銘柄を保有している場合は、事前に移管先の証券会社へ問い合わせることをおすすめします。

外国株式・投資信託の移管制限

外国株式の移管は、国内株式よりも制限が多く、手続きも複雑です。米国株式は主要なネット証券間で移管可能なことが多いですが、中国株式やその他の国の株式は移管できないケースもあります。また、外国株式の移管には1銘柄あたり数千円の手数料がかかることが一般的です。

投資信託は、移管先の証券会社が同じファンドを取り扱っていれば移管可能です。ただし、証券会社によって取扱いファンドが大きく異なるため、移管したいファンドが移管先で取り扱われているかを事前に確認しましょう。移管できない場合は、一度売却して移管先で買い直すか、元の証券会社で保有し続けるかを選択する必要があります。

代用有価証券として信用取引の担保に使用している株式も移管できません。信用取引を利用している場合は、まず代用有価証券を解除してから移管手続きを行う必要があります。維持率の状況によっては解除できないこともあるため、余裕を持って手続きを進めましょう。

楽天証券:国内株式の振替(移管)

移管で気をつけたい5つのポイント|失敗しないための注意事項

株式移管は比較的シンプルな手続きですが、いくつかの注意点を見落とすと思わぬトラブルに遭遇することがあります。移管を成功させるために、特に気をつけたい5つのポイントを押さえておきましょう。

移管中は売買できない

移管手続き中は、該当する株式の売買が一切できなくなります。通常1週間程度の期間ですが、その間に株価が大きく変動しても売却できないため、短期的な売買を予定している銘柄の移管は避けましょう。長期保有を前提とした銘柄から優先的に移管することをおすすめします。

市場が不安定な時期や、保有銘柄の決算発表が近い時期の移管も慎重に判断しましょう。予想外のニュースで株価が急変しても対応できないリスクがあります。移管のタイミングは、相場が比較的安定している時期を選ぶと安心ですね。

権利確定日前後の移管は避ける(配当・優待を取り損ねる)

権利確定日の前後に移管手続きを行うと、配当金や株主優待を受け取れなくなる可能性があります。移管終了までにかかる期間につきましては、株式をお預けされている証券会社へお問い合わせください。移管終了後に売却をご希望になるお客様は、その期間につきまして十分にご注意ください。

権利確定日に株主名簿に記載されている必要があるため、移管手続き中で株式が「宙に浮いている」状態だと、権利を取得できません。特に3月末と9月末は多くの企業の権利確定日が集中しているため、この時期の移管は避けた方が無難です。権利確定日の2週間以上前、または権利落ち日の1週間以上後に移管手続きを開始すると安全でしょう。

取得価額の引継ぎを必ず確認する

移管完了後は、移管先の証券会社で取得価額が正しく表示されているか必ず確認してください。特定口座間の移管であれば自動的に引き継がれますが、システムの不具合や手続きミスで正しく反映されないこともゼロではありません。

取得価額が誤っていると、将来株式を売却したときの税金計算が間違ってしまいます。移管元の証券会社で取得価額を記録しておき、移管後に照合することをおすすめします。万が一誤りがあれば、すぐに証券会社へ連絡して修正を依頼しましょう。

年末年始の移管は特定口座の年間取引報告書に注意

年末年始に移管を行うと、特定口座の年間取引報告書が移管元と移管先の両方で発行される可能性があります。同じ年内に複数の証券会社で取引があった場合、確定申告が必要になることがあるため注意が必要です。

特に12月に移管を行い、移管先の証券会社で売却した場合、移管元と移管先の両方から年間取引報告書が発行されます。特定口座(源泉徴収あり)を選択していても、複数の証券会社で取引がある場合は確定申告で損益を通算した方が有利になることがあります。年末の移管は避けるか、税務処理を考慮して計画的に進めましょう。

移管手数料がかかる場合は売却・再購入も検討

移管元の証券会社で高額な出庫手数料がかかる場合、移管ではなく一度売却して移管先の証券会社で買い直す方が安くなることがあります。特に複数の銘柄を移管する場合、銘柄数に応じて手数料が加算されるため、総額が大きくなることがあります。

売却・再購入を選択する場合は、売却益に対する税金(20.315%)を考慮する必要があります。含み益が少ない銘柄や、逆に含み損がある銘柄であれば、税金の負担が少ないため売却・再購入が有利になることが多いです。移管手数料と税金を比較して、どちらが得かを計算してから判断しましょう。

移管と売却・再購入はどちらが得?|判断基準を解説

株式を別の証券会社へ移す方法には、移管と売却・再購入の2つの選択肢があります。どちらが有利かは、移管手数料、保有銘柄の含み損益、税金などを総合的に判断する必要があります。それぞれの方法が向いているケースを理解して、最適な選択をしましょう。

移管が向いているケース

移管が有利なのは、保有銘柄に大きな含み益がある場合です。例えば、100万円で購入した株式が200万円に値上がりしている場合、売却すると100万円の利益に対して約20万円の税金がかかります。移管手数料が数千円程度であれば、移管の方が圧倒的に有利ですね。

特定口座で保有している銘柄を移管する場合、取得価額が正確に引き継がれるため、将来の税金計算もスムーズです。長期保有を前提とした銘柄や、配当目的で保有している銘柄は、移管によって保有を継続する方が合理的でしょう。

移管先の証券会社が入庫手数料無料キャンペーンを実施している場合や、移管元の証券会社が出庫手数料を無料にしている場合は、コストをかけずに移管できます。主要なネット証券間の移管であれば、手数料無料で移管できることが多いため、積極的に活用しましょう。

ケース 移管の有利度 理由
含み益が大きい(50万円以上) 非常に有利 売却時の税金(約10万円以上)を回避できる
長期保有の配当株 有利 保有を継続でき、取得価額も引き継がれる
移管手数料が無料 有利 コストゼロで移管できる
複数銘柄を一度に移す 有利 個別に売却・再購入するより効率的

売却・再購入が向いているケース

売却・再購入が有利なのは、含み益が少ないか、逆に含み損がある場合です。含み益が数万円程度であれば、税金も数千円で済むため、移管手数料と大きな差がありません。むしろ、売却・再購入の方が手続きが簡単で、すぐに完了するメリットがあります。

含み損がある銘柄の場合、売却することで損失を確定させ、他の利益と損益通算できます。税金の還付を受けられる可能性があるため、売却・再購入の方が税務上有利になることが多いです。特に年内に他の銘柄で利益が出ている場合は、損失を確定させることで節税効果が得られます。

移管先の証券会社で取扱いのない銘柄や、移管に制限がある銘柄(単元未満株など)の場合も、売却・再購入が現実的な選択肢になります。また、移管元の証券会社で高額な出庫手数料がかかる場合(1銘柄あたり3,000円以上など)も、売却・再購入を検討する価値があるでしょう。

ケース 売却・再購入の有利度 理由
含み益が少ない(10万円未満) 有利 税金が少なく、手続きが簡単
含み損がある 非常に有利 損失を確定させて損益通算できる
移管手数料が高額 有利 売却・再購入の方がコストが低い
移管できない銘柄 選択肢なし 売却・再購入のみ可能

移管先の証券会社の選び方|比較すべき4つのポイント

株式を移管する際、どの証券会社を移管先に選ぶかは重要な判断です。手数料の安さだけでなく、取扱商品、ツールの使いやすさ、サービスの充実度など、総合的に比較して自分に合った証券会社を選びましょう。移管先選びで押さえておきたい4つのポイントを解説します。

移管手数料(入庫・出庫)の有無と金額

移管先を選ぶ際、まず確認したいのが移管手数料です。入庫手数料(移管先で受け取る際の手数料)は、多くのネット証券で無料になっています。SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券などの主要ネット証券は、入庫手数料が無料なので安心ですね。

一方、移管元の証券会社での出庫手数料は、証券会社によって大きく異なります。ネット証券の多くは出庫手数料も無料ですが、対面型の証券会社では1銘柄あたり1,000円〜3,000円程度かかることがあります。移管キャンペーンで出庫手数料をキャッシュバックする証券会社もあるため、キャンペーン情報もチェックしましょう。

複数の銘柄を移管する場合、出庫手数料が銘柄数に応じて加算されるため、総額が大きくなることがあります。移管する銘柄数と手数料を事前に計算して、コストを把握しておくことが重要です。詳しくは各証券会社にご確認ください。

取引手数料の安さ

移管後の取引コストを抑えるためには、取引手数料の安い証券会社を選ぶことが重要です。現在、SBI証券や楽天証券などの主要ネット証券では、国内株式の現物取引手数料が原則無料になっています。信用取引の手数料も比較的安く設定されており、頻繁に取引する投資家にとって大きなメリットです。

投資信託の購入手数料(ノーロード)や、米国株式の取引手数料も証券会社によって異なります。自分が取引する商品の手数料体系を比較して、トータルで最もコストが低い証券会社を選びましょう。長期的には、手数料の差が運用成績に大きく影響します。

取扱商品の豊富さ

取扱商品の種類や銘柄数も重要な選択基準です。国内株式だけでなく、米国株式、中国株式、投資信託、債券、ETF、REITなど、幅広い商品を取り扱っている証券会社なら、投資の選択肢が広がります。将来的に投資対象を拡大したいと考えているなら、取扱商品が豊富な証券会社を選ぶと良いでしょう。

特に米国株式の取扱銘柄数は証券会社によって大きく異なります。SBI証券は約5,000銘柄、楽天証券は約4,500銘柄、マネックス証券は約5,000銘柄と、主要ネット証券は充実していますが、証券会社によっては数百銘柄しか取り扱っていないこともあります。自分が投資したい商品が取り扱われているかを事前に確認しましょう。

取引ツールの使いやすさ

取引ツールの使いやすさは、投資効率に直結する重要なポイントです。PC向けの高機能ツール、スマホアプリの操作性、チャート分析機能、情報提供の充実度など、自分の投資スタイルに合ったツールがある証券会社を選びましょう。

楽天証券の「マーケットスピードⅡ」は、高機能な取引ツールとして人気があります。SBI証券は「HYPER SBI 2」や「SBI証券アプリ」など、複数のツールを提供しており、用途に応じて使い分けられます。マネックス証券は米国株取引ツールが充実しており、米国株投資家から高い評価を得ています。

実際に使ってみないと分からない部分もあるため、デモ版や無料体験を活用して、ツールの使いやすさを確認することをおすすめします。投資情報の充実度や、アナリストレポートの提供なども、証券会社選びの重要な要素ですね。

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よくある質問(Q&A)

株式移管に関してよく寄せられる質問と回答をまとめました。移管手続きを進める前に、疑問点を解消しておきましょう。

移管キャンペーンを使えば手数料は無料になる?

多くの証券会社が、新規顧客獲得のために移管キャンペーンを実施しています。移管元の証券会社で支払った出庫手数料を、移管先の証券会社がキャッシュバックしてくれるキャンペーンが一般的です。キャンペーン期間中に移管すれば、実質的に手数料無料で移管できることが多いですよ。ただし、キャンペーンには条件(移管金額の下限、対象銘柄の制限など)がある場合があるため、詳細を確認してから手続きを進めましょう。

複数の銘柄を一度に移管できる?

はい、複数の銘柄を一度に移管することは可能です。口座振替依頼書には複数の銘柄を記入できる欄があり、1回の手続きでまとめて移管できます。ただし、書類によって記入できる銘柄数に上限がある場合があるため、多数の銘柄を移管する場合は複数の書類が必要になることがあります。また、移管元の証券会社で出庫手数料がかかる場合、銘柄数に応じて手数料が加算されるため、総額を事前に確認しておきましょう。

相続した株式の移管はどうする?

相続した株式の移管は、通常の移管とは手続きが異なります。まず、被相続人の証券口座から相続人の証券口座へ名義変更を行う必要があります。その後、相続人の口座から別の証券会社へ移管することが可能になります。相続手続きには、戸籍謄本、遺産分割協議書、印鑑証明書などの書類が必要になるため、証券会社に問い合わせて必要書類を確認しましょう。相続税の申告も必要になる場合があるため、税理士に相談することをおすすめします。

移管手続きで不備があったらどうなる?

移管手続きで記入ミスや書類の不備があった場合、証券会社から連絡があり、書類が差し戻されます。不備を修正して再提出すれば手続きを進められますが、その分完了までの期間が延びてしまいます。記入例をよく確認し、移管先の証券会社の口座情報(機構加入者コード、加入者口座コード)を正確に記入することが重要です。不安な場合は、証券会社に問い合わせながら記入すると安心ですね。

外国株式や投資信託も移管できる?

外国株式は移管可能ですが、国内株式よりも制限が多く、手数料も高額になることが一般的です。米国株式は主要なネット証券間で移管できることが多いですが、中国株式やその他の国の株式は移管できないケースもあります。投資信託は、移管先の証券会社が同じファンドを取り扱っていれば移管可能です。取扱いのないファンドは移管できないため、事前に確認が必要です。外国株式や投資信託の移管を検討している場合は、移管先の証券会社に取扱いの有無と手数料を確認してから手続きを進めましょう。

移管中に配当金の権利確定日が来たらどうなる?

移管手続き中に権利確定日を迎えた場合、配当金や株主優待を受け取れなくなる可能性があります。権利確定日には株主名簿に記載されている必要がありますが、移管中は株式が「移動中」の状態となり、株主名簿への記載が間に合わないことがあります。配当金や株主優待を確実に受け取りたい場合は、権利確定日の2週間以上前、または権利落ち日の1週間以上後に移管手続きを開始することをおすすめします。特に3月末と9月末は多くの企業の権利確定日が集中しているため、この時期の移管は避けた方が無難です。

まとめ

証券会社の移動(移管)は、保有株式を売却せずに別の証券会社へ移す便利な手続きです。証券保管振替機構(ほふり)を通じて電子的に処理されるため、安全かつ確実に株式を移すことができます。

移管の主なメリットは、取引手数料の削減、口座管理の効率化、より良いサービスの利用です。特定口座間で移管すれば、取得価額が正確に引き継がれ、税務処理もスムーズに進みます。手続きは口座振替依頼書を提出するだけで、通常1週間程度で完了します。

ただし、NISA口座の株式や代用有価証券は移管できないため、事前に確認が必要です。移管中は売買ができなくなるため、権利確定日の前後や相場が不安定な時期の移管は避けましょう。移管手数料がかかる場合は、売却・再購入との比較も検討してください。

移管先の証券会社を選ぶ際は、移管手数料、取引手数料、取扱商品、取引ツールの使いやすさを総合的に比較することが大切です。主要なネット証券は入庫手数料が無料で、取引手数料も安いため、コストを抑えた投資が可能になります。移管キャンペーンを活用すれば、さらにお得に移管できることもありますよ。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。移管手続きや税務処理について不明な点がある場合は、各証券会社や税理士などの専門家にご相談ください。

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SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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