証券会社に向いてる人の特徴|適性診断と働き方のリアル

証券会社に向いてる人の特徴|適性診断と働き方のリアル

証券会社への就職や転職を考えているけれど、自分に向いているのか不安に感じていませんか。

証券業界は高収入とキャリアアップの機会がある一方で、ノルマや長時間労働など厳しい側面もあります。

この記事では、証券会社に向いている人の特徴を5つに整理し、職種別・企業タイプ別の適性まで詳しく解説します。

向いていない人の特徴やきつさを乗り越える方法も紹介するので、入社後のミスマッチを防げます。

自分の適性を客観的に判断し、証券業界でのキャリアを具体的にイメージできるようになります。

この記事の要約
  • 証券会社に向いている人は、コミュニケーション能力・ストレス耐性・学習意欲が高い
  • 職種やタイプ(大手・ネット・外資系)で求められる適性が大きく異なる
  • 適性診断チェックリストで自分の向き不向きを客観的に判断できる
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

証券会社に向いてる人の5つの特徴

証券会社で活躍するために必要な資質は、職種や企業タイプによって多少の違いはありますが、共通して求められる特徴があります。

ここでは、証券業界で成功している人に共通する5つの特徴を詳しく解説します。

コミュニケーション能力が高い人

証券会社の仕事は、顧客との信頼関係が何よりも重要です。

個人投資家や法人の担当者と日常的にやり取りし、複雑な金融商品を分かりやすく説明する力が求められます。

相手の投資目的やリスク許容度を正確に聞き取り、最適な提案をする傾聴力も欠かせません。

また、社内でも営業チームや商品企画部門、トレーディング部門など多くの関係者と連携します。

情報を的確に伝え、協力を引き出すコミュニケーション力は、証券会社で働く上での基盤となるスキルです。

ストレスやプレッシャーに強い人

証券業界は常に数字と向き合う世界です。

営業職であれば月次・四半期ごとのノルマがあり、目標達成に向けた強いプレッシャーがかかります。

市場が急変すれば顧客対応に追われ、時には顧客の損失に向き合う精神的な負担も生じます。

トレーダーやディーラーであれば、瞬時の判断ミスが大きな損失につながる緊張感の中で働きます。

こうしたストレスフルな環境でも冷静さを保ち、パフォーマンスを発揮できるメンタルの強さが必要です。

数字やデータ分析が好きな人

証券会社では、株価や為替レート、経済指標など膨大な数値データを扱います。

市場の動きを読み解き、投資判断の根拠を示すためには、数字を分析し意味を見出す力が不可欠です。

リテール営業でも、顧客のポートフォリオを数値で把握し、リスクとリターンのバランスを提案します。

投資銀行部門やリサーチ部門では、財務諸表の分析や企業価値評価など、高度な数値分析能力が求められます。

数字を見るのが苦にならない、むしろ楽しめる人は証券業界に向いています。

金融や経済に興味がある人

証券業界で働くには、金融市場や経済の動きへの関心が欠かせません。

日々のニュースや経済指標の発表が、株価や為替にどう影響するかを理解し、顧客に説明する必要があります。

金融商品の仕組みや税制、法規制も常にアップデートされるため、業界の動向に興味を持ち続けることが大切です。

もともと経済ニュースを読むのが好きな人、投資や資産運用に関心がある人は、証券会社の仕事を楽しめるでしょう。

継続的に学び続けられる人

証券業界では、入社後も学ぶべきことが尽きません。

証券外務員資格の取得は必須ですし、その後もファイナンシャルプランナーやアナリスト資格など、キャリアアップに応じた資格取得が求められます。

金融商品は次々と新しいものが登場し、税制や法規制も頻繁に改正されます。

顧客に正確な情報を提供するには、常に最新知識を学び続ける姿勢が必要です。

自己研鑽を苦にせず、むしろ成長を楽しめる人が証券業界で長く活躍できます。

自分の適性を診断してみよう

以下のチェックリストで、自分が証券会社に向いているか確認してみましょう。

  • 人と話すことが好きで、初対面の人とも自然に会話できる
  • プレッシャーがかかる状況でも冷静に判断できる
  • 数字やグラフを見て分析するのが得意、または苦にならない
  • 経済ニュースや株価の動きに日常的に関心がある
  • 新しい知識を学ぶことに積極的で、資格取得にも意欲的
  • 目標達成のために努力を惜しまない
  • 競争環境の中で自分を高めることにやりがいを感じる
  • 顧客の資産形成をサポートすることに使命感を持てる

5つ以上当てはまる人は、証券会社での適性が高いと言えます。

3〜4つの人は、職種や企業タイプを選べば活躍できる可能性があります。

2つ以下の人は、他の業界も含めて検討することをおすすめします。

証券会社に向いていない人の特徴

証券会社への就職を考える際、向いている特徴だけでなく、向いていない特徴も理解しておくことが重要です。

入社後のミスマッチを防ぎ、自分に合ったキャリア選択をするために、以下の特徴に当てはまらないか確認してみましょう。

ノルマや競争が苦手な人

証券会社、特に営業職では明確なノルマが設定されることがほとんどです。

月次・四半期ごとの目標達成が評価の中心となり、成績は社内で共有されます。

同期や同僚との競争も激しく、常に順位を意識しながら働く環境です。

数字で評価されることにストレスを感じる人、競争よりも協調を重視したい人には、証券会社の営業職は向いていません。

ノルマ未達成が続くと精神的な負担が大きくなり、長く続けることが難しくなります。

ワークライフバランスを最優先したい人

証券会社は、特に営業職やトレーディング部門では長時間労働になりがちです。

市場が開いている時間帯は常に対応が必要で、顧客からの問い合わせや相場の急変に備える必要があります。

決算期や市場が荒れている時期は、残業や休日出勤が増えることもあります。

定時で帰りたい、プライベートの時間を最優先したいという人には、証券業界の働き方は合わない可能性が高いです。

変化や不確実性が苦手な人

金融市場は常に変動し、予測不可能な出来事が頻繁に起こります。

経済指標の発表、政治的なニュース、企業の業績発表など、さまざまな要因で株価や為替が大きく動きます。

こうした不確実性の中で柔軟に対応し、顧客に適切なアドバイスをする必要があります。

安定した環境で計画的に仕事を進めたい人、変化に対応するのが苦手な人には、証券業界は向いていません。

向いていないと感じたときの対処法

もし証券会社に入社後、向いていないと感じた場合でも、すぐに諦める必要はありません。

まずは職種の変更を検討してみましょう。

営業職が合わなくても、バックオフィスやリサーチ部門など、異なる適性が求められる職種があります。

また、証券会社のタイプを変えることも選択肢です。

大手証券のノルマ文化が合わなければ、ネット証券のサポート職や外資系のスペシャリスト職など、働き方が異なる環境を探してみましょう。

それでも難しい場合は、証券業界で培った金融知識や営業スキルを活かして、他業界への転職を考えることもできます。

証券会社の主な職種と求められる適性

証券会社には多様な職種があり、それぞれで求められる適性が異なります。

自分の強みや志向に合った職種を見つけることが、証券業界で活躍するための第一歩です。

リテール営業(個人向け営業)

リテール営業は、個人投資家を対象に株式や投資信託、債券などの金融商品を提案する仕事です。

顧客との信頼関係を築き、資産形成をサポートする役割を担います。

向いている人の特徴

人と接することが好きで、顧客との長期的な関係構築に喜びを感じる

営業ノルマに対してモチベーションを保てる

複雑な金融商品を分かりやすく説明できるコミュニケーション力がある

顧客の人生設計に寄り添い、資産形成をサポートしたいという使命感がある

リテール営業は、顧客の「ありがとう」を直接感じられるやりがいのある仕事です。

一方で、ノルマのプレッシャーや顧客対応の大変さもあるため、対人スキルとメンタルの強さが求められます。

法人営業(ホールセール)

法人営業は、企業や機関投資家を対象に、株式発行の引受けやM&Aのアドバイス、大口の資産運用提案などを行います。

取引金額が大きく、高度な金融知識と交渉力が必要です。

向いている人の特徴

論理的思考力があり、複雑な金融スキームを構築できる

企業の財務状況を分析し、最適な提案をする能力がある

経営層と対等に話せるコミュニケーション力と専門性がある

大きな案件を動かすことにやりがいを感じる

法人営業は、個人営業よりも専門性が高く、企業の経営戦略に関わる重要な仕事です。

高い報酬と社会的影響力を得られる一方、責任も大きく、長時間労働になることも多いです。

トレーダー・ディーラー

トレーダーは顧客の注文を執行し、ディーラーは自社の資金で株式や債券、為替などを売買して利益を上げる仕事です。

市場の動きを瞬時に判断し、リスクを管理しながら取引を行います。

向いている人の特徴

数字に強く、データ分析やチャート分析が得意

瞬時の判断力と冷静さを持ち、プレッシャーに強い

市場の動きに常に関心を持ち、経済ニュースを追い続けられる

リスクを取ることを恐れず、結果に対して責任を持てる

トレーダー・ディーラーは、証券会社の中でも特に高い専門性とストレス耐性が求められる職種です。

成功すれば高収入を得られますが、失敗すれば大きな損失を出すリスクもあります。

投資銀行部門(IB)

投資銀行部門は、企業のM&AやIPO(新規株式公開)、資金調達などをサポートする仕事です。

企業の成長戦略を金融面から支援し、大型案件を手掛けることが多いです。

向いている人の特徴

高度な財務分析力と企業価値評価のスキルがある

複雑なプロジェクトを管理し、多くの関係者を調整できる

長時間労働や激務に耐えられる体力と精神力がある

企業の成長に貢献することに強いやりがいを感じる

投資銀行部門は、証券業界の中でも最も高収入が期待できる職種の一つですが、その分、求められる能力も高く、労働時間も長くなります。

キャリアアップを重視し、激務を乗り越える覚悟がある人に向いています。

証券会社のタイプ別|向いてる人の違い

証券会社には、大手証券、ネット証券、外資系証券、中堅・地方証券など、さまざまなタイプがあります。

それぞれの企業文化や働き方、求められる人材像が異なるため、自分の志向に合ったタイプを選ぶことが重要です。

大手証券会社に向いてる人

大手証券会社は、野村證券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、みずほ証券などが代表例です。

全国に支店を持ち、幅広い金融商品を扱い、企業規模が大きく安定しています。

  • 安定した企業で長期的なキャリアを築きたい
  • 充実した研修制度で基礎から学びたい
  • 幅広い顧客層(個人・法人)を担当したい
  • 伝統的な営業スタイルやノルマ文化に適応できる

大手証券は、新卒採用が充実しており、未経験者でも体系的に学べる環境が整っています。

一方で、ノルマや営業目標が厳しく、競争も激しいため、成果主義の環境で成長したい人に向いています。

ネット証券に向いてる人

ネット証券は、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券などが代表例です。

対面営業ではなく、オンラインでのサービス提供が中心で、手数料が安く、デジタル技術を活用した業務が特徴です。

  • 対面営業よりもシステムやデータ分析に興味がある
  • 顧客サポートやコールセンター業務に適性がある
  • ITリテラシーが高く、デジタルツールを使いこなせる
  • ワークライフバランスを重視したい

ネット証券は、大手証券に比べてノルマのプレッシャーが少なく、働き方も柔軟な傾向があります。

営業よりもサポート業務やシステム開発に興味がある人に向いています。

外資系証券に向いてる人

外資系証券は、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、JPモルガンなどが代表例です。

グローバルなネットワークを持ち、高度な専門性と成果主義が特徴です。

  • 高い報酬とキャリアアップを最優先する
  • 英語力があり、グローバルな環境で働きたい
  • 成果主義の厳しい環境で自分を試したい
  • 専門性を極めてスペシャリストとして活躍したい

外資系証券は、日系証券よりも報酬が高い一方、成果が出なければ退職を迫られることもあります。

実力主義の環境で高いパフォーマンスを発揮できる自信がある人に向いています。

中堅・地方証券に向いてる人

中堅・地方証券は、岡三証券、岩井コスモ証券、東海東京証券などが代表例です。

地域密着型の営業スタイルで、地元企業や個人投資家との関係を重視します。

  • 地元で長く働きたい、地域貢献に興味がある
  • 大手証券ほどの激しい競争を避けたい
  • 顧客との長期的な信頼関係を大切にしたい
  • アットホームな企業文化で働きたい

中堅・地方証券は、大手に比べてノルマが緩やかで、地域に根ざした営業ができるのが魅力です。

地元で安定したキャリアを築きたい人に向いています。

証券会社の仕事がきつい理由と乗り越え方

証券会社の仕事は「きつい」と言われることが多いです。

実際、ノルマのプレッシャーや長時間労働など、厳しい側面があります。

しかし、その理由を理解し、対処法を知っておけば、乗り越えることも可能です。

ノルマのプレッシャーが大きい

証券会社、特に営業職では、月次・四半期ごとの明確なノルマが設定されます。

目標未達成が続くと、上司からの指導が厳しくなり、評価にも影響します。

成績は社内で共有されるため、同期や同僚との比較も避けられません。

このプレッシャーに耐えられず、早期に退職する人も少なくありません。

ノルマを達成するための計画を立て、小さな成功体験を積み重ねることで、自信をつけることができます。

長時間労働になりがち

証券会社では、市場が開いている時間帯は常に対応が必要で、顧客からの問い合わせや相場の急変に備えます。

営業職であれば、顧客訪問や商品説明のための資料作成で、夜遅くまで働くことも珍しくありません。

決算期や市場が荒れている時期は、さらに忙しくなります。

長時間労働を乗り越えるには、効率的な時間管理と、休日にしっかり休む習慣が重要です。

市場の変動に常に対応が必要

金融市場は常に変動し、予測不可能な出来事が頻繁に起こります。

経済指標の発表や政治的なニュース、企業の業績発表など、さまざまな要因で株価や為替が大きく動きます。

こうした変動に対応し、顧客に適切なアドバイスをするには、常に市場の動きを追い続ける必要があります。

情報収集を習慣化し、市場の変化を楽しむ姿勢を持つことで、ストレスを軽減できます。

顧客の損失に向き合う精神的負担

証券会社の営業職では、顧客に投資商品を提案しますが、市場が下落すれば顧客は損失を被ります。

顧客から「あなたの勧めで損をした」と責められることもあり、精神的な負担が大きいです。

この負担を軽減するには、顧客に対してリスクを十分に説明し、納得した上で投資判断をしてもらうことが重要です。

長期的な視点で資産形成をサポートする姿勢を持つことで、顧客との信頼関係を築けます。

きつさを乗り越えるためのコツ

証券会社のきつさを乗り越えるためには、以下のコツを実践してみましょう。

1. 目標を細分化する:大きなノルマを小さな目標に分解し、達成感を積み重ねる
2. 先輩や同僚に相談する:悩みを一人で抱え込まず、経験者のアドバイスを求める
3. 時間管理を徹底する:優先順位をつけて効率的に仕事を進め、無駄な残業を減らす
4. 休日はしっかり休む:オンとオフを切り替え、心身をリフレッシュする
5. 長期的な視点を持つ:短期的な成績に一喜一憂せず、キャリア全体の成長を意識する

これらの工夫を実践することで、証券会社の厳しい環境でも長く活躍できるようになります。

証券会社で働くメリット・デメリット

証券会社への就職を検討する際、メリットとデメリットの両方を理解しておくことが重要です。

ここでは、証券会社で働く魅力と注意すべき点を客観的に整理します。

メリット|高収入とキャリアアップ

証券会社で働く最大のメリットは、高収入を得られることです。

営業職であれば、基本給に加えて成果報酬があり、実績を上げれば若いうちから高い年収を実現できます。

外資系証券や投資銀行部門では、数千万円の年収も珍しくありません。

  • 金融知識が身につく:株式、債券、投資信託など幅広い金融商品の知識が得られる
  • キャリアの選択肢が広がる:証券業界での経験は、銀行、保険、コンサルティングなど他業界でも評価される
  • 成長機会が豊富:厳しい環境で鍛えられ、営業力や交渉力、分析力などのスキルが向上する
  • 社会的影響力がある:企業の資金調達やM&Aなど、経済の重要な場面に関わる

証券会社での経験は、自分自身の資産形成にも役立ちます。

金融リテラシーが高まり、投資判断を自分で行えるようになります。

デメリット|気をつけたいこと

証券会社で働くデメリットも理解しておきましょう。

  • ノルマのプレッシャー:営業職では常に数字を追い求める必要があり、精神的な負担が大きい
  • 長時間労働:市場の動きに対応するため、労働時間が長くなりがち
  • 顧客の損失に向き合う:市場が下落すれば顧客も損失を被り、クレーム対応が必要
  • 離職率が高い:厳しい環境に耐えられず、早期に退職する人も多い
  • 市場の影響を受けやすい:金融危機やリーマンショックのような出来事で、業績が大きく悪化することもある

これらのデメリットを理解した上で、自分が証券業界で働く覚悟があるか、冷静に判断することが大切です。

証券会社で必要なスキルと資格

証券会社で働くには、特定のスキルと資格が求められます。

入社前に準備しておくべきこと、入社後に身につけるべきことを整理します。

証券外務員資格は必須|難易度と対策

証券外務員資格は、証券会社で金融商品を販売するために必須の資格です。

一種外務員と二種外務員があり、二種は株式や投資信託、一種はそれに加えて信用取引やデリバティブも扱えます。

多くの証券会社では、入社後に二種外務員資格の取得が求められ、その後一種外務員資格を取得します。

試験は日本証券業協会が実施しており、合格率は二種が約60〜70%、一種が約40〜50%とされています。

証券会社では入社後に研修があり、テキストや問題集が提供されます。

1〜2ヶ月の勉強期間で合格できる人が多いです。

金融の基礎知識がない人でも、しっかり勉強すれば合格できます。

日本証券業協会:外務員資格試験

身につけておきたいスキル

証券会社で活躍するために、以下のスキルを身につけておくと有利です。

  • コミュニケーション力:顧客や社内関係者と円滑にやり取りする力
  • プレゼンテーション力:金融商品を分かりやすく説明し、提案する力
  • 数値分析力:財務諸表や市場データを分析し、投資判断の根拠を示す力
  • ITリテラシー:ExcelやPowerPointなどのツールを使いこなす力
  • 英語力:外資系証券や海外市場を扱う部門では必須

これらのスキルは、証券会社での実務を通じて磨かれますが、事前に基礎を身につけておくとスムーズにスタートできます。

キャリアアップに役立つ資格

証券外務員資格の他に、以下の資格を取得するとキャリアアップに有利です。

  • ファイナンシャルプランナー(FP):顧客の資産形成を総合的にサポートできる
  • 証券アナリスト:企業分析や投資判断の専門性を高める
  • 公認会計士・税理士:投資銀行部門やM&Aアドバイザリーで活躍できる
  • MBA:経営の視点を持ち、マネジメント職を目指す

これらの資格は、証券会社でのキャリアを広げるだけでなく、他業界への転職にも役立ちます。

証券会社への就職・転職を成功させる方法

証券会社への就職・転職を成功させるには、新卒と中途で異なる戦略が必要です。

ここでは、それぞれの状況に応じた具体的なステップを紹介します。

新卒で証券会社を目指す場合

新卒で証券会社を目指す場合、以下のステップで準備を進めましょう。

1. 業界研究を徹底する:証券業界の仕組み、主要な証券会社の特徴、職種の違いを理解する
2. 金融ニュースを追う習慣をつける:日経新聞や経済ニュースを毎日チェックし、市場の動きに関心を持つ
3. インターンシップに参加する:証券会社のインターンで実際の業務を体験し、適性を確認する
4. OB・OG訪問を活用する:実際に働いている先輩から、リアルな話を聞く
5. 自己分析を深める:自分の強みや価値観を整理し、証券会社で何を実現したいか明確にする
6. 面接対策を行う:志望動機や自己PRを具体的に準備し、模擬面接で練習する

新卒採用では、ポテンシャルや学習意欲が重視されます。

金融知識がなくても、熱意と適性をアピールできれば内定を得られます。

未経験から転職する場合

未経験から証券会社に転職する場合、以下のステップで準備を進めましょう。

1. 証券外務員資格を取得する:転職前に二種外務員資格を取得しておくと、選考で有利になる
2. 営業経験をアピールする:他業界での営業実績や顧客対応の経験を強調する
3. 金融知識を身につける:投資や資産運用の基礎知識を学び、面接で話せるようにする
4. 転職エージェントを活用する:金融業界に強いエージェントに相談し、非公開求人を紹介してもらう
5. キャリアプランを明確にする:なぜ証券業界に転職したいのか、どんなキャリアを築きたいのかを整理する

未経験者の場合、20代後半までが転職のチャンスが多いです。30代以降は、専門性や実績が求められるため、早めに行動することが重要です。

OB・OG訪問で聞くべきこと

OB・OG訪問では、以下の質問をして、証券会社のリアルな情報を得ましょう。

  • 1日のスケジュールはどのような流れですか?
  • ノルマのプレッシャーはどの程度ですか?
  • 入社前と入社後で、イメージのギャップはありましたか?
  • どんな人が証券会社で活躍していますか?
  • ワークライフバランスは取れていますか?
  • キャリアアップの道筋はどうなっていますか?
  • 証券業界で働いて良かったこと、大変だったことは何ですか?

これらの質問を通じて、証券会社での働き方を具体的にイメージし、自分に合っているか判断できます。

面接で適性をアピールする方法

証券会社の面接では、以下のポイントを意識してアピールしましょう。

  • コミュニケーション力:具体的なエピソードで、人と接する力をアピールする
  • ストレス耐性:困難な状況を乗り越えた経験を話す
  • 金融への関心:日頃から経済ニュースを追っていることを伝える
  • 学習意欲:資格取得や自己啓発の習慣をアピールする
  • 目標達成意欲:営業やプロジェクトでの成功体験を話す

面接では、熱意と誠実さが伝わることが重要です。

自分の言葉で、証券業界で働きたい理由を語りましょう。

証券会社で働く人の1日のスケジュール

証券会社で働く人の1日のスケジュール

証券会社での働き方をイメージするために、代表的な職種の1日のスケジュールを紹介します。

リテール営業の1日

1. 8:00 出社・市場情報のチェック:前日の海外市場や経済ニュースを確認し、顧客への情報提供を準備
2. 9:00 朝礼・営業戦略の共有:チーム全体で目標を確認し、今日のアプローチを決める
3. 9:30 顧客への電話連絡:市場の動きを伝え、投資商品の提案を行う
4. 11:00 顧客訪問:アポイントを取った顧客を訪問し、資産状況のヒアリングや商品説明を行う
5. 13:00 昼食・情報収集:経済ニュースや企業の決算情報をチェック
6. 14:00 資料作成:顧客向けの提案資料や運用レポートを作成
7. 15:00 市場クローズ後の対応:株価の動きを確認し、顧客へのフォローアップ
8. 17:00 事務処理・報告書作成:営業活動の記録や上司への報告
9. 19:00 退社(繁忙期は21:00以降になることも)

リテール営業は、顧客対応と事務作業のバランスを取りながら、日々の営業目標を追いかけます。

トレーダーの1日

1. 7:00 出社・海外市場の確認:ニューヨーク市場やロンドン市場の動きを分析
2. 8:00 取引戦略の策定:当日の市場見通しを立て、取引計画を立てる
3. 9:00 市場オープン・取引開始:株式や債券、為替などの取引を実行
4. 11:30 ポジションの確認:保有ポジションのリスク管理と損益の確認
5. 12:00 昼食(デスクで取ることも多い)
6. 13:00 午後の取引:市場の動きに応じて機動的に取引
7. 15:00 市場クローズ・ポジション整理:当日の取引結果を確認し、翌日の準備
8. 16:00 報告書作成:取引内容や損益をまとめて上司に報告
9. 18:00 退社(市場が荒れている日は残業あり)

トレーダーは、市場の動きに常に神経を集中させ、瞬時の判断を繰り返す緊張感のある仕事です。

よくある質問(Q&A)

よくある質問
Q1. 文系でも証券会社で働けますか?

はい、文系出身者も多く活躍しています。証券会社では、金融知識よりもコミュニケーション力や営業力が重視されることが多く、入社後の研修で必要な知識を学べます。経済学部や商学部でなくても、熱意と適性があれば問題ありません。

Q2. 証券会社の年収はどのくらいですか?

新卒の初任給は年収300〜400万円程度ですが、営業成績に応じて成果報酬が加わり、30代で600〜1,000万円、管理職になれば1,000万円以上も可能とされています。外資系証券や投資銀行部門では、さらに高い年収を得られる可能性があります。

Q3. 証券会社は激務ですか?

職種や企業タイプによりますが、営業職やトレーダーは長時間労働になることが多いです。一方、ネット証券のバックオフィスや顧客サポート部門は、比較的ワークライフバランスが取りやすい傾向があります。

Q4. 未経験でも証券会社に転職できますか?

20代であれば、未経験でも転職可能です。営業経験や顧客対応の経験があれば有利です。証券外務員資格を事前に取得しておくと、選考で評価されやすくなります。

Q5. 証券会社で働くために必要な資格は何ですか?

証券外務員資格(二種・一種)が必須です。入社後に取得することが一般的ですが、転職の場合は事前に取得しておくと有利です。その他、ファイナンシャルプランナーや証券アナリストの資格もキャリアアップに役立ちます。

Q6. 証券会社の離職率は高いですか?

証券業界の離職率は他業界に比べて高めとされています。特に入社3年以内の離職率が高く、ノルマのプレッシャーや長時間労働に耐えられず退職する人もいます。しかし、適性がある人は長く活躍し、高いキャリアを築いています。

Q7. 女性でも証券会社で働けますか?

はい、女性も多く活躍しています。近年は女性管理職の登用も進んでおり、育児休暇や時短勤務などの制度も整備されつつあります。ただし、営業職は長時間労働になることもあるため、ワークライフバランスを重視する場合は職種選びが重要です。

Q8. 証券会社からの転職先はどこが多いですか?

証券会社での経験は、銀行、保険、資産運用会社、コンサルティングファーム、事業会社の財務部門など、幅広い業界で評価されます。金融知識や営業力を活かして、キャリアの選択肢を広げることができます。

まとめ

証券会社に向いている人は、コミュニケーション能力が高く、ストレスに強く、金融や経済に興味を持ち、継続的に学び続けられる人です。

一方で、ノルマや競争が苦手な人、ワークライフバランスを最優先したい人には向いていません。

証券会社には、リテール営業、法人営業、トレーダー、投資銀行部門など多様な職種があり、それぞれで求められる適性が異なります。

また、大手証券、ネット証券、外資系証券、中堅・地方証券といった企業タイプによっても、働き方や企業文化が大きく異なります。

証券会社の仕事は、ノルマのプレッシャーや長時間労働など厳しい側面がありますが、高収入とキャリアアップの機会、金融知識の習得、社会的影響力といった魅力もあります。

自分の適性を客観的に判断し、職種や企業タイプを慎重に選ぶことで、証券業界で充実したキャリアを築くことができます。

証券会社への就職・転職を検討する際は、OB・OG訪問やインターンシップを活用し、リアルな働き方を確認することが大切です。

証券外務員資格を取得し、金融知識を身につけておくと、選考で有利になります。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。証券会社での就職・転職は、ご自身の適性や状況をよく考慮して判断してください。詳しい業務内容や待遇は各証券会社にご確認ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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