証券会社はいくらから始められる?少額投資の始め方

毎月の給料日が来るたびに「今月こそ貯金しよう」と思っても、気づけば使い切ってしまっていませんか。
そんな貯金が苦手な方でも、確実にお金を貯められる方法が積立貯金です。
積立貯金は毎月自動で一定額が貯蓄されるため、意識しなくても着実に資産を積み上げることができます。
この記事では、積立貯金の仕組みやおすすめの銀行、メリット・デメリット、始め方まで詳しく解説します。
将来の教育資金や住宅購入、老後の備えなど、目的に合わせた賢い貯蓄方法を見つけましょう。
目次
積立貯金とは
積立貯金とは、毎月決まった日に決まった金額を普通預金口座から自動的に振り替えて積み立てる預金方法です。一度設定すれば手間をかけることなく、自動的に貯蓄が進んでいきます。
一般的な定期預金が最初にまとまった金額を一括で預け入れるのに対し、積立貯金は少額から毎月コツコツと積み立てることができます。給与が振り込まれる前に自動で天引きされるため、「残ったら貯金」ではなく「先に貯金」する習慣が自然と身につきます。
積立貯金の最大の特徴は、毎月自動で積み立てが行われることです。給料日の直後など、指定した日に普通預金口座から自動的に振り替えられるため、自分で入金する手間がかかりません。
多くの銀行では積立日を複数のパターンから選択できます。例えば「2日」「7日」「12日」「17日」「22日」「27日」など、自身の給料日に合わせて設定できるため、残高不足で積立ができないという失敗を防げます。
積立貯金は預金保険制度の対象となるため、万が一金融機関が破綻した場合でも、1金融機関あたり元本1,000万円とその利息が保護されます。
投資商品のように元本割れのリスクがないため、確実に貯めたい方に適しています。
ただし、元本保証といっても、インフレ(物価上昇)によって実質的な価値が目減りする可能性はあります。現在の低金利環境では、年2%のインフレが続けば、預金の購入力は徐々に低下していくことを理解しておきましょう。
積立貯金は多くの銀行で月々1,000円程度の少額から始めることができます。まとまった資金がなくても、無理のない範囲でスタートできるのが魅力です。
収入が不安定な時期や、貯金の習慣がまだ身についていない方でも、少額から始めて徐々に積立額を増やしていくことができます。ボーナス月には増額設定ができる銀行も多く、柔軟に貯蓄計画を立てられます。
積立貯金と定期預金の違い
積立貯金と定期預金は、どちらも普通預金より金利が高い貯蓄方法ですが、預け入れ方法や引き出しの自由度に大きな違いがあります。自分の状況に合った方を選ぶことが大切です。
| 項目 | 積立貯金 | 定期預金 |
| 預け入れ方法 | 毎月一定額を積み立て | 最初にまとまった金額を一括で預入 |
| 最低預入額 | 1,000円程度から | 1円から(金融機関による) |
| 金利 | 普通預金より高い(0.01%程度) | 積立貯金と同等かやや高い(0.01~0.30%程度) |
| 引き出しの自由度 | 比較的自由(商品による) | 満期まで原則引き出せない |
| 向いている人 | 毎月コツコツ貯めたい人 | まとまった資金を運用したい人 |
積立貯金は毎月一定額を積み立てていくのに対し、定期預金は最初にまとまった金額を一括で預け入れます。例えば、「毎月2万円を3年間積み立てる」のが積立貯金、「最初に72万円を3年間預ける」のが定期預金です。
積立貯金は給与からの自動振替により、意識せずに貯蓄を続けられます。一方、定期預金はまとまった資金が必要なため、ボーナスや退職金、相続などでまとまったお金が入った時に利用するのが一般的です。
一般的に、定期預金の方が積立貯金よりも金利が高い傾向にあります。これは、定期預金が満期まで資金を引き出せないため、金融機関にとって運用しやすいからです。
ただし、2025年現在、メガバンクの定期預金金利は年0.275%程度、ネット銀行でも年0.01~0.30%程度と、どちらも低金利です。金融機関によっては積立貯金と定期預金の金利が同じ場合もあるため、申し込み前に必ず確認しましょう。
積立貯金は、まとまった資金がなく、毎月少しずつ貯めたい方に向いています。貯金の習慣がない方や、収入が不安定な方でも無理なく続けられます。
一方、定期預金は、すでにまとまった資金があり、当面使う予定がない方に適しています。退職金や相続で得た資金、ボーナスなど、しばらく使わないお金を少しでも有利に運用したい場合に選ぶとよいでしょう。
また、両方を併用することも可能です。毎月の積立貯金でコツコツ貯めながら、まとまった資金ができたら定期預金に預け替えるという方法もあります。
積立貯金の5つの種類
積立貯金には、銀行の積立定期預金以外にも、勤務先を通じて利用できる財形貯蓄や社内預金など、さまざまな種類があります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った方法を選びましょう。
銀行の積立定期預金は、最も一般的な積立貯金の方法です。普通預金口座から毎月自動的に振り替えて積み立てるため、手間がかかりません。
メガバンク、地方銀行、ネット銀行など、ほとんどの銀行で取り扱いがあります。最低積立額は1,000円程度から、積立期間は6ヶ月以上10年以内としている銀行が多く、自分の目的に合わせて設定できます。
中途解約も可能ですが、その場合は金利が下がることがあります。また、目的別に複数の積立定期預金口座を持つこともできるため、「教育資金用」「旅行資金用」など、目的ごとに分けて管理することも可能です。
財形貯蓄は、勤務先が制度を導入している場合に利用できる給与天引きによる積立貯蓄です。給与が振り込まれる前に天引きされるため、手取り額の範囲内で生活する習慣が自然と身につきます。
財形貯蓄の3つの種類
一般財形貯蓄:使途自由で、契約時の年齢制限もなく、複数の契約が可能
財形住宅貯蓄:マイホームの取得やリフォーム資金の準備を目的とし、55歳未満の方が契約可能
財形年金貯蓄:60歳以降の年金受取を目的とし、55歳未満の方が対象
財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は、合わせて元利合計550万円までの利子等が非課税になるという大きなメリットがあります。また、財形貯蓄を1年以上利用し、残高が50万円以上あれば、貯蓄残高の10倍(上限4,000万円)の範囲内で住宅取得やリフォームのための「財形持家融資制度」を利用できます。
社内預金は、会社が従業員から資金を預かり、一定の利息をつけて払い戻す制度です。企業によっては市中の預金金利よりも高い金利を設定している場合があり、隠れた福利厚生といえます。
給与天引きで自動的に積み立てられるため、財形貯蓄と同様に貯金の習慣がつきやすいのが特徴です。
ただし、会社の経営状況によってはリスクもあるため、利用前に会社の財務状況を確認しておくことが大切です。なお、社内預金は預金保険制度の対象外ですが、労働基準法により、会社が倒産した場合でも一定額は保護される仕組みがあります。
ゆうちょ銀行の自動積立定期貯金は、全国どこでも利用できる積立貯金です。ゆうちょ銀行は全国に約2万4,000の店舗・ATMがあり、地方や郊外でも利用しやすいのが特徴です。
毎月1,000円から積み立てることができ、積立期間は6ヶ月以上10年以内で設定できます。ボーナス月の増額設定も可能で、柔軟に貯蓄計画を立てられます。
2025年12月現在、ゆうちょ銀行の定期貯金金利は年0.200%で、2026年2月9日からは年0.300%に引き上げられる予定です。メガバンクと同水準の金利となっています。
ネット銀行の積立定期預金は、店舗を持たないため人件費や店舗維持費が抑えられ、その分金利が高めに設定されている場合が多いのが特徴です。
スマホアプリで簡単に口座開設や積立設定ができ、24時間いつでも残高確認や設定変更が可能です。他行からの自動入金サービスに対応している銀行も多く、給与受取口座が別の銀行でも自動的に資金を移動させて積立ができます。
ただし、ネット銀行は実店舗がないため、対面での相談ができません。操作方法がわからない時はコールセンターやチャットでの対応となります。また、ATM手数料や振込手数料がかかる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
積立貯金におすすめの銀行7社
積立貯金を始めるなら、金利や利便性、サービス内容を比較して自分に合った銀行を選ぶことが大切です。ここでは、金利や特徴の異なる7つの銀行を紹介します。
| 銀行名 | 金利(年利) | 最低積立額 | 特徴 |
| 住信SBIネット銀行 | 0.02%程度 | 1,000円 | SBI証券との連携で金利優遇 |
| ソニー銀行 | 0.90%程度 | 1,000円 | 積立定期預金の金利が比較的高い |
| イオン銀行 | 0.01% | 500円 | イオンカードとの連携でお得 |
| 楽天銀行 | 0.28%(マネーブリッジ適用時) | 1,000円 | 楽天ポイントが貯まる |
| ゆうちょ銀行 | 0.200%(2026年2月から0.300%) | 1,000円 | 全国どこでも利用できる |
| 三菱UFJ銀行 | 0.275% | 1,000円 | メガバンクの安心感 |
| みずほ銀行 | 0.275% | 1,000円 | 給与振込口座と連携しやすい |

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む) |
| 取引手数料 | 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。 |
| NISA対応 | 〇 |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年3月3日時点 |
| 外国株 | 8カ国/米国株式(5,000銘柄) |
| 取引ツール(PC) | HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー |
| スマホアプリ | SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD |
| 提携銀行口座 | SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
住信SBIネット銀行は、ネット銀行の中でも口座数が多く、人気の高い銀行です。SBI証券と口座を連携させる「SBIハイブリッド預金」を利用すると、普通預金金利が年0.42%になり、メガバンクの定期預金よりも高い金利で預けられます。
積立定期預金は月々1,000円から始められ、自動振替機能により手間なく貯蓄を続けられます。スマホアプリも使いやすく、24時間いつでも残高確認や設定変更が可能です。
ソニー銀行は、積立定期預金の金利が他のネット銀行と比べて比較的高いのが特徴です。2025年12月現在、円定期預金の金利は年0.90%程度となっています。
積立日を「2日」「7日」「12日」「17日」「22日」「27日」の6つのパターンから選択でき、給料日に合わせて設定しやすいのもメリットです。自動入金サービスと併用すれば、給与受取口座から自動的に資金が移動するため、入金忘れによる積立不能を防げます。
イオン銀行は、月々500円から積立定期預金を始められるため、少額からスタートしたい方に適しています。他行からの自動入金サービスにも対応しており、給与受取口座が別の銀行でも自動的に積立ができます。
イオン銀行のメリット
Myステージが上がる:積立式定期預金を始めると普通預金の金利が上がり、他行への振込手数料の無料回数が増える
ポイント2重取り:イオンカードセレクトと併用すれば、WAONのチャージでもポイントが貯まる

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約12,000,000口座 ※2025年1月時点 |
| 取引手数料 | 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 263銘柄 ※2025年4月24日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年4月24日時点 |
| 外国株 | 6カ国/米国株式(約4,500銘柄) |
| 取引ツール(PC) | マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4 |
| スマホアプリ | iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物 |
| 提携銀行口座 | 楽天銀行(マネーブリッジ) |
| ポイント投資・付与 | 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
楽天銀行は、楽天証券と口座を連携させる「マネーブリッジ」を利用すると、普通預金金利が年0.28%になります。これは積立定期預金よりも高い金利で、しかも普通預金なのでいつでも引き出せるという自由度の高さが魅力です。
楽天カードや楽天市場など、楽天グループのサービスを利用している方なら、楽天ポイントが貯まりやすく、貯まったポイントで投資信託を購入することもできます。楽天経済圏を活用している方には特におすすめです。
ゆうちょ銀行は、全国に約2万4,000の店舗・ATMがあり、地方や郊外でも利用しやすいのが最大の特徴です。対面での相談ができるため、ネット操作に不安がある方や、初めて積立貯金を始める方にも安心です。
2026年2月9日からは定期貯金金利が年0.300%に引き上げられる予定で、メガバンクと同水準の金利となります。実店舗の安心感と、それなりの金利を両立したい方に向いています。
三菱UFJ銀行は、国内最大級のメガバンクとして、信頼性と安定性に優れています。全国に支店があり、ATMも多いため、どこでも利用しやすいのが特徴です。
定期預金金利は年0.275%で、ネット銀行と比べると低めですが、メガバンクならではの安心感があります。給与振込口座として利用している方も多く、同じ銀行内で積立定期預金を設定すれば、資金管理がシンプルになります。
みずほ銀行も三菱UFJ銀行と同様、メガバンクとして全国に支店・ATMがあり、利便性が高い銀行です。定期預金金利は年0.275%で、メガバンクの標準的な水準です。
給与振込口座としてみずほ銀行を利用している方なら、同じ銀行内で積立定期預金を設定することで、資金の移動がスムーズになります。インターネットバンキングやスマホアプリも充実しており、ネットでの操作も可能です。
積立貯金の4つのメリット
積立貯金には、貯金が苦手な方でも確実に貯められる仕組みがあります。ここでは、積立貯金の主なメリットを4つ紹介します。
積立貯金の最大のメリットは、一度設定すれば自動的に貯蓄が進むことです。毎月決まった日に自動で振り替えられるため、「今月は余裕があるから多めに貯金しよう」「今月は厳しいから貯金はお休み」といった感情的な判断に左右されることがありません。
「残ったら貯金」ではなく「先に貯金」する習慣が自然と身につくため、確実に資産を積み重ねられます。貯金が苦手な方や、つい使いすぎてしまう方にとって、この自動化の仕組みは非常に効果的です。
積立貯金は預金保険制度の対象となるため、元本が保証されています。万が一金融機関が破綻した場合でも、1金融機関あたり元本1,000万円とその利息が保護されます。
投資商品のように市況の変動で元本割れするリスクがないため、確実に貯めたい資金(教育資金、住宅購入の頭金、結婚資金など)を安全に準備できます。投資経験がない方や、リスクを避けたい方にとって、この安心感は大きなメリットです。
多くの銀行では、積立貯金を月々1,000円程度の少額から始めることができます。まとまった資金がなくても、無理のない範囲でスタートできるため、貯金の習慣がない方でも気軽に始められます。
途中で積立額の変更や一時停止も可能な銀行が多いため、転職や結婚、出産など、生活環境が変わっても、状況に応じて調整しながら継続できます。少額から始めて、収入が増えたら積立額を増やすという柔軟な運用も可能です。
積立貯金は、複数の口座を持つことができる銀行が多く、目的別に分けて管理できます。例えば、「教育資金用」「旅行資金用」「老後資金用」など、それぞれの目的に合わせて積立額や期間を設定できます。
目的別に分けることで、「このお金は何のために貯めているのか」が明確になり、モチベーションを維持しやすくなります。また、目標金額に到達するまでの進捗状況も把握しやすく、計画的な貯蓄ができます。
積立貯金で気をつけたい4つのこと
積立貯金には多くのメリットがありますが、注意すべき点もあります。始める前に確認しておきましょう。
2025年現在、日本の預金金利は歴史的な低水準にあります。メガバンクの定期預金金利は年0.275%程度、ネット銀行でも年0.01~0.90%程度と、大きな利息収入は期待できません。
例えば、月1万円を年0.01%の金利で10年間積み立てた場合、元本は120万円ですが、利息はわずか600円程度です。積立貯金は「お金を増やす」よりも「確実に貯める」ことが目的の商品だと理解しておきましょう。
現在の低金利環境では、インフレ(物価上昇)によって預金の実質的な価値が目減りするリスクがあります。年2%のインフレが続けば、金利が年0.01%の預金では、実質的にお金の購入力は年々低下していきます。
すべての資産を積立貯金で管理するのではなく、一部は投資による資産形成も併用して、インフレリスクに備えることが大切です。NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用した投資も検討する価値があります。
毎月の振替日に普通預金の残高が不足していると、その月の積立ができません。積立を確実に継続するためには、給料日の直後を振替日に設定する、または口座に余裕を持たせておくなど、継続のための工夫が必要です。
特に、複数の口座で積立を行っている場合や、公共料金の引き落としが多い場合は、残高管理に注意が必要です。スマホアプリで定期的に残高を確認する習慣をつけましょう。
積立貯金は中途解約が可能ですが、その場合は約定利率よりも低い金利が適用されることがあります。金融機関によっては、普通預金と同じ程度の利率しか受け取れない場合もあります。
急な出費が必要になった場合に備えて、積立貯金とは別に、普通預金にも一定の緊急予備資金(生活費の3~6ヶ月分程度)を確保しておくことをおすすめします。そうすれば、積立貯金を途中解約せずに済みます。
積立貯金の選び方
積立貯金を始める銀行を選ぶ際は、金利だけでなく、自動振替機能や利便性も重要です。ここでは、銀行を選ぶ際の3つのポイントを紹介します。
まずは各銀行の積立定期預金の金利を比較しましょう。2025年現在、ネット銀行の方がメガバンクや地方銀行よりも金利が高い傾向にあります。
ただし、金利だけで判断するのではなく、総合的なサービス内容も考慮することが大切です。例えば、楽天銀行のマネーブリッジを利用すれば、普通預金金利が年0.28%になり、積立定期預金よりも高い金利で、しかもいつでも引き出せるという自由度の高さがあります。
また、金利は金融情勢により変動するため、申し込み時点の金利だけでなく、過去の金利推移や今後の見通しも参考にしましょう。
積立貯金を確実に継続するためには、自動振替機能が重要です。給料日の直後に自動で振り替えられる設定ができるか、他行からの自動入金サービスに対応しているかを確認しましょう。
他行からの自動入金サービスに対応していれば、給与受取口座が別の銀行でも、自動的に資金を移動させて積立ができます。複数の銀行を使い分けている方には特に便利な機能です。
また、ボーナス月の増額設定ができるか、積立額の変更や一時停止が簡単にできるかも確認しておきましょう。柔軟に対応できる銀行の方が、長く続けやすくなります。
積立貯金を始める際は、ATM手数料や振込手数料も確認しておきましょう。せっかく利息が付いても、手数料で相殺されてしまっては意味がありません。
ネット銀行の場合、提携ATMの利用手数料や他行への振込手数料が、一定回数まで無料になる銀行が多くあります。自分がよく利用するATMやコンビニが対象になっているかを確認しましょう。
また、スマホアプリの使いやすさも重要です。残高確認や設定変更が簡単にできるか、通知機能があるかなど、実際に使う場面を想像して選びましょう。
積立貯金を始めるのは難しくありません。ここでは、口座開設から積立開始までの流れを4つのステップで解説します。
まずは、金利、手数料、利便性などを比較して、自分に合った銀行を選びましょう。ネット銀行は金利が高めですが、対面での相談ができません。メガバンクや地方銀行は金利は低めですが、実店舗があり、対面での相談ができる安心感があります。
給与受取口座として既に利用している銀行があれば、同じ銀行で積立定期預金を始めるのが最も簡単です。資金の移動がスムーズで、管理もシンプルになります。
選んだ銀行の口座を開設します。ネット銀行の場合、スマホアプリで本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)を撮影して送信すれば、最短即日~翌営業日に口座開設が完了します。
メガバンクや地方銀行の場合、店頭で口座開設することもできますが、最近はインターネットやアプリでの口座開設にも対応しています。店頭での手続きは時間がかかることがあるため、事前にインターネットで申し込んでおくとスムーズです。
口座開設が完了したら、積立定期預金の設定を行います。インターネットバンキングやスマホアプリから、以下の項目を設定します。
最初は無理のない金額から始めて、慣れてきたら徐々に積立額を増やしていくのがおすすめです。
積立が始まったら、定期的に残高を確認しましょう。スマホアプリで簡単に確認できる銀行が多いため、月に1回程度は積立状況をチェックする習慣をつけましょう。
積立が正常に行われているか、残高不足で積立ができなかった月がないかを確認します。もし積立ができなかった月があれば、次の月に追加で入金するなど、対応を検討しましょう。
また、目標金額に到達するまでの進捗状況を確認することで、モチベーションを維持できます。「あと○ヶ月で目標達成」という具体的な見通しが立つと、貯金を続けやすくなります。
積立貯金とNISA・iDeCoの使い分け
積立貯金とNISA・iDeCoは、どちらも資産形成に役立つ制度ですが、リスクとリターンの特性が大きく異なります。それぞれの違いを理解して、目的に応じて使い分けましょう。
| 項目 | 積立貯金 | NISA | iDeCo |
| 元本保証 | あり | なし(元本割れリスクあり) | なし(元本割れリスクあり) |
| 期待リターン | 低い(金利0.01~0.90%程度) | 中~高(運用次第) | 中~高(運用次第) |
| 引き出し | 比較的自由 | いつでも可能 | 原則60歳まで不可 |
| 税制優遇 | なし(一部の財形貯蓄を除く) | 運用益が非課税 | 掛金が全額所得控除、運用益も非課税 |
| 向いている目的 | 数年以内に使う予定の資金 | 中長期的な資産形成 | 老後資金の準備 |
積立貯金は預金保険制度の対象となり、元本が保証されています。一方、NISAやiDeCoは投資商品であり、市況の変動によって元本割れするリスクがあります。
ただし、投資にはリスクがある分、リターンも期待できます。長期・積立・分散投資を行えば、リスクを抑えながら資産を増やせる可能性があります。金融庁は、長期・積立・分散投資の重要性を推奨しています。
積立貯金とNISA・iDeCoは、どちらか一方を選ぶのではなく、併用するのがおすすめです。それぞれの特性を活かして、バランスよく資産を配分しましょう。
例えば、以下のような配分が考えられます。
このように、目的と期間に応じて使い分けることで、リスクを抑えながら効率的に資産形成ができます。
はい、積立貯金は途中で解約できます。ただし、中途解約した場合は、約定利率よりも低い金利が適用されることがあります。金融機関によっては、普通預金と同じ程度の利率しか受け取れない場合もあるため、できるだけ満期まで継続することをおすすめします。
日本では預金保険制度により、1金融機関あたり元本1,000万円とその利息が保護されます。万が一銀行が破綻しても、1,000万円までの元本とその利息は預金保険機構から払い戻されます。1,000万円を超える預金がある場合は、複数の銀行に分散して預けることを検討しましょう。
はい、多くの銀行では積立金額の変更が可能です。インターネットバンキングやスマホアプリから簡単に変更できる銀行が多いため、収入の増減に応じて柔軟に調整できます。ただし、変更手続きの方法や回数制限は銀行によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
はい、多くの銀行ではボーナス月に増額設定ができます。年2回まで、通常の積立額に加えて増額できる銀行が一般的です。ボーナスを有効活用して、より効率的に貯蓄を増やすことができます。
はい、積立貯金の利息には20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の源泉分離課税がかかります。ただし、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄については、合わせて元利合計550万円までの利子等が非課税になります。
はい、複数の銀行で積立貯金をすることは可能です。預金保険制度は1金融機関あたり元本1,000万円までが保護されるため、1,000万円を超える預金がある場合は、複数の銀行に分散することでリスクを分散できます。また、目的別に銀行を使い分けることもできます。
財形貯蓄は、勤務先が制度を導入している場合に利用できる給与天引きによる積立貯蓄です。一方、積立貯金は銀行が提供する商品で、誰でも利用できます。財形貯蓄のうち、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄には利子等の非課税措置があり、財形持家融資制度も利用できるというメリットがあります。
積立貯金は、毎月自動で一定額が積み立てられるため、貯金が苦手な方でも確実に貯められる仕組みです。元本保証で安全性が高く、少額から始められるため、初めて貯蓄を始める方にも適しています。
銀行を選ぶ際は、金利だけでなく、自動振替機能や手数料、利便性も考慮しましょう。ネット銀行は金利が高めで、メガバンクは実店舗があり対面での相談ができる安心感があります。自分のライフスタイルに合った銀行を選ぶことが大切です。
ただし、現在の低金利環境では大きな利息収入は期待できず、インフレによって実質的な価値が目減りするリスクもあります。数年以内に使う予定の資金は積立貯金で確実に貯め、中長期的な資産形成はNISAやiDeCoなどの投資商品と併用することをおすすめします。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
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