楽天証券の解約方法|手順と注意点を徹底解説

香港の証券会社で口座を開設したいと考えているけれど、どの証券会社を選べばよいのか分からないとお悩みではありませんか。
香港はキャピタルゲイン非課税という魅力的な税制を持つ国際金融都市ですが、日本居住者が香港の証券会社で口座開設するには実は多くのハードルがあります。
この記事では、香港の主要証券会社のランキングと評価基準、日本居住者が知っておくべき税務処理やリスク、そして実践的な代替手段まで、包括的に解説します。
香港証券会社の選択で失敗しないために、ぜひ最後までお読みください。
目次
香港の証券会社とは?
香港の証券会社は、世界有数の国際金融センターである香港で証券取引サービスを提供する金融機関です。
日本の証券会社とは制度や税制、取扱商品など多くの点で異なります。香港では銀行と証券会社の垣根が低く、HSBC香港のような大手銀行でも証券口座を開設して株式や債券の取引ができるのが特徴です。
香港証券監督委員会(SFC)とは
香港証券監督委員会(SFC:Securities & Futures Commission)は日本の金融庁にあたる香港の金融規制機関です
香港で証券業務を行うすべての金融機関はSFCのライセンスを取得する必要があります
香港の証券会社は大きく分けて「銀行系証券」と「独立系証券」の2種類があります。
銀行系証券はHSBC香港やStandard Chartered証券のように、銀行グループに属する証券サービスで、銀行口座と証券口座を一元管理できる利便性が魅力です。一方、独立系証券はSun Hung Kai証券やBright Smart証券のような専業の証券会社で、手数料が比較的安く、取引ツールが充実している傾向があります。
日本の証券会社と香港の証券会社の最も大きな違いは、取扱市場の広さです。
香港の証券会社では日米中を初めASEAN諸国や韓国、台湾など、合計で13市場への投資ができます。また、日本では金融庁に登録された銘柄しか取引できませんが、香港ではグローバルに開かれた市場で海外のETFや債券をそのまま購入できます。
手数料体系も異なり、香港の証券会社では取引手数料が日本より高めに設定されているケースもあります。さらに重要な違いとして、日本の証券会社は非居住者の口座開設を原則として受け付けていませんが、香港の証券会社は外国人の口座開設も可能です(ただし条件あり)。
香港でキャピタルゲインが非課税であることは、企業や富裕層にとって大きな魅力です。
株式や債券を売却して得た利益に対して、香港では原則として課税されません。
日本の居住者はどの国で発生した所得であろうと日本の税法に従って日本に納税する必要があります。つまり、香港で非課税でも、日本居住者であれば日本で約20%の税金を支払う義務があるのです。
この点を誤解している投資家が多いため、香港の証券会社を利用する前に必ず理解しておく必要があります。
キャピタルゲイン非課税のメリットを完全に享受できるのは、香港居住者のみです。
香港の証券会社ランキング
香港には多数の証券会社が存在しますが、日本人投資家が利用を検討する際に重要なのは、SFCライセンスの有無、手数料体系、日本語サポートの有無、そして日本居住者の口座開設の可否です。
ここでは客観的な評価基準に基づいて、香港の主要証券会社をランキング形式でご紹介します。
香港の証券会社を選ぶ際には、以下の評価基準を重視すべきです。
これらの基準は投資家の安全性と利便性を確保するために不可欠です。
最も重要なのは香港証券監督委員会(SFC)のライセンス保有です。
ライセンスをもって正規の活動をしている場合は、必ずどこかの組織で登録を行なっており、それは公開情報ですのでSFCのウェブサイトで誰でも確認することができます。SFCの公式サイト(https://www.sfc.hk/)で証券会社名を検索すれば、ライセンス番号や業務範囲を確認できます。
無登録業者との取引は絶対に避けるべきです
取引手数料、口座維持費用、為替手数料などを総合的に比較する必要があります。
HSBC香港投資口座の香港株式取引手数料は約定代金の0.25%、取引1回あたりの最低手数料は香港ドルでHKD100です。銀行系証券は手数料が高めですが、銀行口座との連携が便利です。独立系証券は手数料が安い傾向にありますが、最低預入金額が高額な場合もあります。
香港株式だけでなく、米国株、中国株、ETF、債券、オフショアファンドなど、どれだけ幅広い商品を取り扱っているかも重要な評価ポイントです。
特に日本では購入できない海外ETFやオフショアファンドへのアクセスは、香港の証券会社を利用する大きなメリットの一つです。
HSBC香港の特徴
世界最大級の銀行グループHSBCの香港法人
銀行口座内で証券取引ができる投資口座を提供
日本居住者の口座開設が実質的に可能
銀行口座と証券口座の一元管理が可能
最大の強みは銀行口座と証券口座の一元管理です。
預金から直接投資資金を移動でき、香港ドル、米ドル、日本円など複数通貨での取引が可能です。また、世界中のHSBC支店でサポートを受けられるグローバルネットワークも魅力です。
口座開設には現地訪問が必要で、最低預入金額の条件があります。手数料も独立系証券と比べると高めです
信頼性と利便性を重視する投資家におすすめです。
Boom証券(旧Monex Boom証券)は、日本のマネックス証券が2010年に買収した香港のオンライン証券会社です。
Boom証券は香港の個人投資家向けのオンライン証券会社で、2010年に日本のマネックス証券が買収しMonex Boom証券に社名変更しました。
最大の特徴は取扱市場の多さで、香港、米国、中国、日本、韓国、台湾、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、オーストラリアなど13市場にアクセスできます
手数料は銀行系証券より安く、オンライン取引に特化しているため使いやすいプラットフォームを提供しています。
ただし、日本語サポートは限定的で、英語または中国語での対応が基本となります。
Sun Hung Kai Financialは香港の地場系証券会社として、日本居住者の口座開設が可能な証券会社の一つです。
香港の不動産大手Sun Hung Kaiグループの金融部門で、香港市場に強いネットワークを持っています。香港株式のIPO(新規公開株)に強く、香港市場への投資を中心に考える投資家に適しています。
手数料は中程度で、香港現地での知名度と信頼性が高いのが特徴です。ただし、日本語サポートはなく、英語または中国語での取引となります。
Standard Chartered Securities (Hong Kong)は銀行系証券会社として、日本居住者の口座開設が実質的に可能です。
イギリス系の大手銀行Standard Charteredの香港証券部門です。HSBC香港と同様に、銀行口座と証券口座を連携できる利便性があります。
アジア市場に強く、特に中国本土や東南アジアの株式取引に強みを持っています。口座開設には現地訪問が必要で、最低預入金額の条件もあります。
DBS Vickers (Hong Kong)はシンガポールの大手銀行DBSグループの証券会社で、香港でも営業しています。
シンガポール最大の銀行DBSグループの証券部門で、香港とシンガポール両市場にアクセスできます。オンライン取引プラットフォームが充実しており、リアルタイムの市場情報やチャート分析ツールが利用できます。
手数料は競争力のある水準ですが、口座開設の際の審査が厳しい傾向があります。日本語サポートはなく、英語での取引が基本です。
日本居住者が香港の証券会社で口座開設できる?
香港の証券会社のメリットを理解しても、実際に日本居住者が口座開設できるかどうかが最大の問題です。
結論から言えば、可能ですが多くのハードルがあります。ここでは口座開設の現実的な可否判断と、必要な手続きについて詳しく解説します。
日本居住者が香港の証券会社で口座開設する際の最大のハードルは、現地訪問の必要性です。
香港のHSBCは、香港在住者はもちろん、香港に住所を持たない人でも口座を開設することができます。しかし、口座開設には本人が直接香港の支店に出向く必要があります。
多くの証券会社では、マネーロンダリング防止の観点から対面での本人確認を義務付けています。オンラインのみで完結する口座開設は、日本居住者にはほとんど認められていません
さらに、口座開設の目的や資金源について詳しく質問され、投資目的が明確でない場合や少額投資の場合は断られることもあります。
特にFXや短期売買のみを目的とする口座開設は難しいとされています。
銀行系証券(HSBC香港、Standard Chartered証券など)は、原則として現地訪問が必要です。
香港の支店窓口で担当者と面談し、口座開設の目的や投資経験について説明する必要があります。一部の独立系証券では、既存の銀行口座があれば郵送やオンラインで手続きできるケースもありますが、これは極めて限定的です。
日本に長年の取引実績がある大手銀行の顧客であれば、その銀行の香港支店での口座開設がスムーズに進む可能性があります。現実的には、香港への出張や旅行の機会を利用して口座開設するのが一般的な方法です。
日本居住者が香港で証券口座を開設する際に必要な書類は以下の通りです。
審査では、投資目的、資金源、投資経験、年収・資産状況などが確認されます。
特に資金源については厳しく審査され、給与所得、事業所得、相続など明確な説明が求められます。また、最低預入金額の条件があるケースが多く、HSBC香港のAdvance口座では20万香港ドル(約400万円)以上の預金残高が求められます。
この金額を下回ると口座維持手数料が発生したり、口座がダウングレードされる可能性があります
香港の証券会社を選ぶ5つのポイント
香港の証券会社を選ぶ際には、単に手数料の安さだけでなく、総合的な観点から判断する必要があります。
ここでは実践的な5つの選定ポイントをご紹介します。
まず最初に確認すべきは、その証券会社が香港証券監督委員会(SFC)の正式なライセンスを保有しているかどうかです。
SFCの公式サイト(https://www.sfc.hk/)にアクセスし、「Register of licensed persons and registered institutions」から証券会社名を検索します。ライセンスタイプは10種類に分かれており、証券売買にはType 1、投資助言にはType 4のライセンスが必要です。
両方のライセンスを保有している証券会社を選ぶことで、売買執行と投資アドバイスの両方のサービスを受けられます
無登録業者や過去にSFCから警告を受けた業者は絶対に避けるべきです。
SFCのサイトには警告リストも公開されているので、必ず確認しましょう。
表面的な取引手数料だけでなく、隠れコストにも注意が必要です。
特に注意が必要なのは口座維持費用です。
一定期間取引がない場合や、残高が最低基準を下回る場合に発生します。また、海外送金の際の手数料も高額になりがちで、1回あたり数千円から1万円以上かかることもあります。
香港の証券会社、特に銀行系証券では最低預入金額の条件が設定されていることが多いです。
HSBC香港の場合、Premier口座では100万香港ドル(約2,000万円)、Advance口座でも20万香港ドル(約400万円)が目安となります。
この金額を下回ると、月額数百香港ドルの口座維持手数料が発生したり、口座がダウングレードされる可能性があります
自分の投資予定額が最低預入金額の条件を満たせるかどうか、事前に確認しておきましょう。
香港の証券会社で日本語サポートを提供しているところは極めて限定的です。
ほとんどの証券会社は英語または中国語での対応が基本となります。日本語サポートがない場合、口座開設時の説明、取引画面の操作、トラブル発生時の問い合わせなど、すべて英語で対応する必要があります。
特にトラブル時の対応は重要で、言語の壁が大きな障害となる可能性があります。英語に不安がある場合は、日本語サポートがある証券会社を選ぶか、口座開設代行業者のサポートサービスを利用することを検討しましょう。
オンライン取引プラットフォームの使いやすさは、日常的な投資活動に大きく影響します。
可能であれば、口座開設前にデモ画面や操作マニュアルを確認することをおすすめします。
また、取引画面が英語または中国語のみの場合、主要な用語や操作方法を事前に学習しておく必要があります。システムの安定性も重要です。
銀行系証券と独立系証券はどう違う?
香港の証券会社は大きく「銀行系証券」と「独立系証券」に分類されます。
それぞれにメリット・デメリットがあり、投資家のニーズによって最適な選択は異なります。
銀行系証券の最大のメリットは、銀行口座と証券口座の一元管理ができることです。
HSBC香港やStandard Chartered証券では、同じオンラインバンキング画面で預金と投資を管理でき、資金移動もスムーズです。また、世界中の支店ネットワークを活用でき、旅行先や赴任先でもサポートを受けられます。
| メリット | デメリット |
| 銀行口座と証券口座の一元管理 世界中の支店ネットワーク 高い信頼性とブランド力 債券やオフショアファンドなど幅広い商品 |
手数料が高め 最低預入金額の条件が厳しい 口座開設の審査が厳格 新しい金融商品への対応が遅れる傾向 |
独立系証券のメリットは、手数料が銀行系より安いこと、オンライン取引に特化した使いやすいプラットフォーム、株式取引に関する専門性の高さです。
特にアクティブトレーダーにとっては、低コストで頻繁な売買ができる環境が魅力です。また、新しい金融商品や取引ツールの導入が早く、テクノロジーを活用した革新的なサービスを提供する傾向があります。
| メリット | デメリット |
| 手数料が安い 使いやすいオンライン取引プラットフォーム 株式取引の専門性が高い 最低預入金額の条件が緩い |
銀行口座との連携ができない 債券やオフショアファンドの取扱いが限定的 ブランド力や信頼性が銀行系より低い 日本語サポートはほとんどない |
どちらを選ぶにしても、SFCライセンスの確認と手数料の詳細比較は必須です。
自分の投資目的、資産規模、取引頻度に合わせて最適な証券会社を選びましょう。
香港の証券会社で取引できる商品は?
香港の証券会社を利用する大きなメリットの一つは、日本では購入できない商品にアクセスできることです。
ここでは主な取扱商品とその特徴を解説します。
香港の証券会社では、香港証券取引所に上場する香港株式はもちろん、中国本土のA株・B株、米国株式、さらにはシンガポール、日本、韓国、台湾、タイ、マレーシアなど、アジア各国の株式を取引できます。
特に中国株式へのアクセスは香港の証券会社の大きな強みです。中国本土市場に直接投資できる「滬港通(上海-香港ストックコネクト)」や「深港通(深セン-香港ストックコネクト)」を通じて、中国A株にも投資可能です
米国株式については、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場する主要銘柄を取引できます。
時差の関係で取引時間が夜間になりますが、グローバル分散投資には欠かせない市場です。
香港の証券会社では、日本では購入できない海外ETFに幅広くアクセスできます。
米国上場のバンガードETFやiShares ETF、香港上場の中国株ETF、アジア地域特化型ETFなど、選択肢は豊富です。投資信託(ユニットトラスト)も多数取り扱っており、特にアジア市場や新興国市場に特化したファンドが充実しています。
ETFのメリットは、低コストで分散投資ができること、流動性が高いこと、透明性が高いことです。長期的な資産形成を考える投資家に適しています
銀行系証券では、個人向け債券やオフショアファンドも取り扱っています。
債券は香港政府債、米国債、社債など、様々な種類があり、比較的安定した利回りを期待できます。オフショアファンドは、税制優遇措置のある地域(ケイマン諸島、ルクセンブルクなど)で設立されたファンドで、香港では富裕層向けの商品として広く利用されています。
最低投資金額が高額(数百万円から)ですが、プロのファンドマネージャーによる運用と税制メリットが魅力です。ただし、債券やオフショアファンドは複雑な商品であり、リスクやコストを十分に理解した上で投資する必要があります
香港の証券会社を利用する最大の魅力は、日本の金融庁に登録されていない商品にアクセスできることです。
特に新興国市場に特化したETFや、高利回りの社債、複雑な仕組みのデリバティブ商品などは、日本では購入できません。また、香港市場ならではの商品として、中国本土企業の香港上場株(H株、レッドチップ)や、人民元建ての金融商品なども魅力的です。
日本で購入できない商品には相応のリスクがあることも理解しておく必要があります。情報開示の基準が日本と異なる場合や、流動性が低い商品もあるため、慎重な判断が求められます
香港の証券会社を利用する際の税金と確定申告
香港の証券会社を利用する際に最も重要で、かつ誤解が多いのが税金の問題です。
香港でキャピタルゲインが非課税でも、日本居住者には日本の税法が適用されます。
日本の居住者はどの国で発生した所得であろうと日本の税法に従って日本に納税する必要があります。これは全世界所得課税と呼ばれる原則で、日本居住者は国内外すべての所得が課税対象となります
具体的には、香港の証券会社で株式を売却して得た利益(譲渡益)は、日本の所得税・住民税の対象となり、合計約20.315%の税率が適用されます。
配当金についても同様に、日本で約20.315%が課税されます。香港で非課税だからといって、日本でも非課税になるわけではありません。
香港の証券会社で取引した場合、日本の特定口座のような源泉徴収制度はありません。
そのため、投資家自身で確定申告を行う必要があります。
海外証券口座の取引は複雑なため、税理士に相談することを強くおすすめします。
香港では配当金に対する源泉税はありませんが、米国株の配当には米国で10%の源泉税が課されます。
この場合、日本と米国で二重に課税されることになります。二重課税を避けるために、外国税額控除の制度を利用できます。
外国税額控除は、外国で支払った税金を日本の税額から控除できる制度です。確定申告の際に「外国税額控除に関する明細書」を提出することで適用されます
ただし、控除できる金額には上限があり、すべての外国税が控除されるわけではありません。
年末時点で5,000万円を超える国外財産を保有している場合、「国外財産調書」を翌年3月15日までに税務署に提出する義務があります。
香港の証券口座の残高もこれに含まれます。国外財産調書には、財産の種類、所在地、金額などを記載します。
提出しなかった場合や虚偽の記載をした場合は、罰則の対象となる可能性があります
また、国外財産調書を適正に提出していれば、後に申告漏れが発覚した場合でも、加算税が軽減される措置があります。
逆に、提出義務があるのに提出していなかった場合は、加算税が加重されます。
香港の証券会社を利用するリスクと注意点
香港の証券会社を利用することには多くのメリットがありますが、同時に固有のリスクも存在します。
投資判断をする前に、これらのリスクを十分に理解しておく必要があります。
香港は1997年に中国に返還されて以降、「一国二制度」の下で高度な自治を維持してきましたが、近年は中国本土の影響力が強まっています。
2020年の香港国家安全維持法の施行以降、政治的な不確実性が高まっています。
将来的に香港の金融制度が中国本土の規制に近づく可能性や、外国人投資家に対する規制が強化される可能性は否定できません。最悪の場合、資金の引き出しが制限されたり、口座が凍結されるリスクもゼロではありません
香港に資産を置く際は、このような政治リスクを理解した上で、資産全体の一部(10-30%程度)に留めるなど、適切な分散を心がけるべきです。
香港の証券会社で取引する場合、香港ドルまたは米ドル建てでの取引が一般的です。
日本円から香港ドルや米ドルに両替する際、為替レートの変動によって損失が発生する可能性があります。例えば、1香港ドル=18円の時に100万香港ドル(1,800万円)を投資し、投資自体は10%の利益を上げても、円高が進んで1香港ドル=15円になれば、円換算では1,650万円となり、150万円の損失となります。
ただし、為替ヘッジにもコストがかかるため、長期投資の場合は為替変動を受け入れることも一つの選択肢です。
香港の証券会社のほとんどは英語または中国語での対応が基本です。
日本語サポートがある証券会社は極めて限定的です。通常の取引は問題なくても、トラブルが発生した際に言語の壁が大きな障害となります。
誤発注をしてしまった場合、口座がロックされた場合、不正アクセスの疑いがある場合など、緊急時には迅速な対応が必要ですが、英語でのコミュニケーションに不安があると適切な対処ができません
対策としては、事前に主要な金融用語や問い合わせフレーズを学習しておく、信頼できる通訳や口座開設代行業者のサポートサービスを利用する、緊急時の連絡先を事前に確認しておくなどが有効です。
香港の証券会社から日本の銀行口座に資金を送金する際、手数料が高額になることがあります。
また、送金に時間がかかる場合や、マネーロンダリング対策で送金が保留されるケースもあります。特に大口の送金(数百万円以上)の場合、資金源の証明を求められることがあります。
給与明細、確定申告書、相続証明書など、適切な書類を準備しておく必要があります。また、日本の銀行によっては海外からの送金を受け付けない場合や、受け取り手数料が高額な場合があります。
日本では証券会社が破綻した場合、日本投資者保護基金によって1顧客あたり1,000万円まで補償されます。
香港にも投資者補償基金(Investor Compensation Fund)がありますが、補償上限は15万香港ドル(約300万円)と日本より低い水準です。
香港の証券会社が破綻した場合の手続きや、外国人投資家の権利保護については、日本ほど明確ではありません。大手銀行グループの証券会社を選ぶことで、このリスクをある程度軽減できますが、完全にゼロにはできません
資産の一部を香港に置くことはリスク分散になりますが、全資産を香港に集中させることは避けるべきです。
日本の証券会社で香港市場に投資する代替手段
香港の証券会社での口座開設が難しい、またはリスクが高いと感じる場合、日本の証券会社を通じて香港市場に投資する代替手段もあります。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券などの大手ネット証券では、香港証券取引所に上場する主要な香港株や中国株を取引できます。
銘柄数は香港の証券会社ほど多くはありませんが、主要な大型株はほぼカバーされています。
日本の証券会社を利用するメリットは、日本語でのサポート、特定口座での源泉徴収、確定申告の簡素化、日本の投資者保護基金の適用などです。初心者や英語に不安がある投資家には、この方法が最も安全で確実です
ただし、取扱銘柄が限定的であること、手数料が香港の証券会社より高い場合があること、為替手数料が別途かかることなどのデメリットもあります。
個別株ではなく、香港市場全体に投資したい場合は、香港市場連動ETFを活用する方法があります。
日本の証券取引所に上場している「iシェアーズ MSCI 香港 ETF」や「NEXT FUNDS 香港ハンセン中国企業株50指数連動型上場投信」などが代表的です。
ETFのメリットは、少額から分散投資ができること、流動性が高いこと、運用コストが低いことです。個別銘柄の選定に自信がない投資家や、香港市場全体の成長を取り込みたい投資家に適しています
また、米国市場に上場している香港・中国株ETF(例:iShares MSCI Hong Kong ETF [EWH])を、日本の証券会社の米国株取引サービスを通じて購入する方法もあります。
| 日本の証券会社経由 | 香港の証券会社直接利用 |
| メリット:言語の壁がない/税務処理が簡単/投資者保護が充実/少額から始められる デメリット:取扱銘柄が限定的/手数料が高め/特殊商品にアクセスできない |
メリット:取扱商品が豊富/全銘柄にアクセス可能/債券やオフショアファンドも購入可能 デメリット:口座開設のハードルが高い/言語の壁がある/税務処理が複雑/政治リスクがある |
初心者や少額投資家は日本の証券会社経由、経験豊富な投資家や大口投資家は香港の証券会社の直接利用を検討するのが現実的な選択肢です。
香港証券監督委員会(SFC)は、秩序ある証券・先物市場を育成し、投資家を保護し、香港を国際金融センターおよびアジアの主要金融市場として促進する責任があります。SFCライセンスを保有する証券会社は一定の安全基準を満たしています。
ただし、投資者補償基金の上限が15万香港ドル(約300万円)と日本より低いこと、政治リスクが存在することなど、日本の証券会社とは異なるリスクがあります。大手銀行グループの証券会社を選び、資産の一部のみを香港に置くことでリスクを管理しましょう。
英語ができなくても、口座開設代行業者のサポートを利用すれば口座開設は可能です。ただし、口座開設後の取引やトラブル対応では英語または中国語が必要になります。
取引画面の操作は慣れれば問題ありませんが、緊急時の問い合わせや複雑な手続きでは言語の壁が障害となります。基本的な金融英語を学習しておくか、信頼できるサポートサービスを確保しておくことをおすすめします。
証券会社によって異なりますが、銀行系証券では最低預入金額が20万香港ドル(約400万円)から100万香港ドル(約2,000万円)程度が一般的です。独立系証券ではもっと少額から始められる場合もあります。
また、最低預入金額とは別に、取引ごとの最低手数料(例:100香港ドル)があるため、少額取引では手数料負担が大きくなります。効率的な投資のためには、ある程度まとまった金額(最低でも100万円以上)での投資が望ましいです。
香港の証券会社から日本の銀行口座への海外送金には、通常3-7営業日程度かかります。大口送金の場合や、マネーロンダリング対策の審査が入る場合は、さらに時間がかかることがあります。
また、送金手数料も1回あたり数千円から1万円以上かかるため、頻繁な出金は避け、ある程度まとまった金額を送金する方が効率的です。緊急時に備えて、日本にも一定の資金を残しておくことをおすすめします。
2020年に施行された香港国家安全維持法は、主に政治活動を対象としており、通常の金融取引や投資活動に直接的な影響はありません。しかし、香港の自治が縮小し、中国本土の影響力が強まっていることは事実です。
長期的には、香港の金融制度が中国本土に近づく可能性や、外国人投資家に対する規制が強化される可能性は否定できません。このような政治リスクを理解した上で、資産の一部のみを香港に置き、定期的に状況を見直すことが重要です。
香港の証券口座の保有者が亡くなった場合、相続手続きは複雑になります。香港の法律に基づいた手続きが必要で、遺産管理状(Grant of Probate)の取得、相続人の確定、口座の凍結解除などの手続きを英語または中国語で行う必要があります。
日本の相続税の申告でも、海外資産は申告対象となります。相続人が香港の証券口座の存在を知らない場合、手続きが非常に困難になるため、家族には口座の存在と連絡先を必ず伝えておきましょう。
香港の証券会社は、キャピタルゲイン非課税という魅力的な税制、豊富な取扱商品、グローバルな投資機会など多くのメリットを提供しています。
HSBC香港やStandard Chartered証券などの銀行系証券、Sun Hung Kai証券やBoom証券などの独立系証券が主要なプレーヤーです。
しかし、日本居住者が香港の証券会社を利用する際には、現地訪問が必要な口座開設手続き、複雑な税務処理、言語の壁、チャイナリスク、為替リスクなど多くのハードルがあります。
特に重要なのは、香港で非課税でも日本居住者には日本の税法が適用され、約20%の税金を支払う義務があることです
香港の証券会社を利用するかどうかは、投資経験、資産規模、リスク許容度、英語力などを総合的に判断して決めるべきです。
初心者や少額投資家は、まず日本の証券会社で香港株ETFや香港上場株を取引することから始めることをおすすめします。投資には元本割れのリスクがあり、為替変動により損失が生じる可能性があります。税務処理については税理士にご相談ください。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
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