SBI新生銀行とSBI証券の連携|メリットと設定方法

「毎月給料が入るのに、気づくとお金が残っていない」「貯金したいけど、なかなか続かない」そんな悩みを抱えていませんか。
貯金が成功しない最大の原因は、生活費と貯蓄を同じ口座で管理していることです。
貯蓄用口座を分けることで、お金の流れが明確になり、計画的に資産を増やせるようになります。
この記事では、貯蓄に適した銀行8選と、口座を選ぶ際のポイント、貯金を続けるコツを詳しく解説します。
自分に合った貯蓄用口座を見つけて、確実に資産形成を進めましょう。
目次
貯蓄用口座とは?生活費口座と分けるべき理由
貯蓄を成功させるためには、まず貯蓄用口座の役割を正しく理解し、生活費口座と明確に分ける必要があります。多くの人が貯金に失敗する原因は、口座を分けていないことにあります。
貯蓄用口座とは、生活費の支払いには使わず、将来のために資産を蓄えることを目的とした銀行口座です。給与振込口座やクレジットカード引き落とし口座とは別に、貯金専用の口座を持つことを指します。
この口座の最大の特徴は「引き出さない」ことです。毎月決まった金額を入金し、基本的には出金しないルールで運用します。生活費口座が日常的な入出金で動くのに対し、貯蓄用口座は資産を増やすことだけに集中できる環境を作ります。
貯蓄用口座には普通預金・定期預金・貯蓄預金など複数の種類があり、目的や期間に応じて使い分けることができます。
口座を分けることで貯金が成功しやすくなる理由は、心理的な効果と管理のしやすさにあります。金融広報中央委員会の調査によると、貯蓄用口座を持っている世帯は、持っていない世帯に比べて平均貯蓄額が約1.5倍高いという結果が出ています。
貯蓄用口座を分けることで「貯金が見える化」され、達成感を得られます。専用口座があれば残高を確認するたびに「これだけ貯まった」という実感が湧き、貯金を続ける意欲が高まります。
次に、うっかり使い込むリスクが減ります。生活費口座に余裕があると「まだ使える」と感じて無駄遣いしがちですが、貯蓄用口座に移してしまえば、そもそも使える選択肢がなくなります。物理的に引き出しにくい環境を作ることが、貯金成功の鍵です。
さらに、目的別に複数の貯蓄用口座を持つことで、お金の使い道が明確になります。「旅行用」「結婚資金用」「緊急予備資金用」と分けることで、それぞれの目標に向けて計画的に貯められます。
「月末に余ったお金を貯金しよう」という考え方では、ほとんどの場合貯金に失敗します。なぜなら、人間は使えるお金があると無意識に使ってしまう傾向があるからです。
行動経済学では、これを「メンタルアカウンティング(心の会計)」と呼びます。口座に10万円あれば「まだ余裕がある」と感じ、外食や買い物の頻度が増えてしまいます。月末になって「今月も貯金できなかった」と後悔する、このパターンを繰り返している人は少なくありません。
成功する貯金の鉄則は「先取り貯金」です。給料が入ったらすぐに貯蓄用口座に移してしまい、残ったお金で生活する仕組みを作ります。
金融広報中央委員会の調査でも、先取り貯金を実践している世帯の貯蓄成功率は、余ったら貯金する世帯の約2倍高いことが示されています。貯蓄用口座を分けて、自動的に先取り貯金する仕組みを整えることが、資産形成の第一歩です。
貯蓄用口座におすすめの銀行8選
貯蓄用口座として適した銀行を8つ厳選しました。金利の高さ、自動積立機能、手数料の安さなど、貯金を効率的に増やすための条件を満たした銀行を紹介します。それぞれの特徴を比較して、自分に合った銀行を選びましょう。
| 銀行名 | 普通預金金利 | 特徴 | 自動積立 | ATM手数料 |
| 楽天銀行 | 0.10%(楽天証券連携時) | 楽天ポイントが貯まる | あり | 月0〜7回無料 |
| 住信SBIネット銀行 | 0.25%(SBI証券連携時) | 業界最高水準の金利 | あり | 月2〜20回無料 |
| auじぶん銀行 | 0.20%(auマネーコネクト利用時) | au経済圏でお得 | あり | 月2〜15回無料 |
| イオン銀行 | 0.10%(イオンカードセレクト利用時) | イオンでの買い物がお得 | あり | 月0〜5回無料 |
| あおぞら銀行BANK | 0.20% | 無条件で高金利 | あり | 月2〜3回無料 |
| 東京スター銀行 | 0.25%(給与振込利用時) | 給与振込で金利優遇 | あり | 月8回無料 |
| ソニー銀行 | 0.02% | 外貨預金も充実 | あり | 月4回無料 |
| オリックス銀行 | 0.02% | 定期預金の金利が高い | あり | 月2回無料 |

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約12,000,000口座 ※2025年1月時点 |
| 取引手数料 | 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 263銘柄 ※2025年4月24日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年4月24日時点 |
| 外国株 | 6カ国/米国株式(約4,500銘柄) |
| 取引ツール(PC) | マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4 |
| スマホアプリ | iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物 |
| 提携銀行口座 | 楽天銀行(マネーブリッジ) |
| ポイント投資・付与 | 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
楽天銀行は、楽天証券と連携する「マネーブリッジ」を利用することで、普通預金金利が0.10%にアップします。メガバンクの普通預金金利が0.001%程度であることを考えると、約100倍の金利です。
楽天銀行の特徴
楽天ポイントが貯まる・使える
自動入金・自動振込サービスが充実
ATM手数料は取引状況に応じて月0〜7回無料
楽天銀行の最大の魅力は、楽天経済圏との相性の良さです。楽天市場での買い物や楽天カードの利用で貯まった楽天ポイントを、普通預金の利息として受け取ることもできます。貯金しながらポイントも貯まる仕組みは、日常的に楽天サービスを使う人にとって大きなメリットです。
自動入金・自動振込サービスも充実しており、給料日に他行から自動的に資金を移動させる設定が可能です。ATM手数料は取引状況に応じて月0〜7回まで無料、振込手数料も月0〜3回無料となっており、貯蓄用口座として使いやすい環境が整っています。
マネーブリッジを利用するには楽天証券の口座開設が必要です。ただし、証券口座を開設するだけで取引は不要なため、投資をしない人でも金利優遇を受けられます。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む) |
| 取引手数料 | 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。 |
| NISA対応 | 〇 |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年3月3日時点 |
| 外国株 | 8カ国/米国株式(5,000銘柄) |
| 取引ツール(PC) | HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー |
| スマホアプリ | SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD |
| 提携銀行口座 | SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
住信SBIネット銀行は、SBI証券と連携する「SBIハイブリッド預金」を利用することで、普通預金金利が0.25%と業界最高水準になります。この金利は、定期預金並みの水準でありながら、いつでも引き出せる流動性を保っています。
住信SBIネット銀行の特徴
業界最高水準の金利0.25%
目的別口座機能で最大10個まで資金を分けて管理
手数料の優遇条件が達成しやすい
住信SBIネット銀行の強みは、手数料の優遇条件が達成しやすい点です。スマートプログラムというランク制度があり、預金残高や取引状況に応じてATM手数料が月2〜20回、振込手数料が月1〜20回無料になります。ランク2(月末残高30万円以上など)なら、ATM手数料月5回・振込手数料月5回が無料となり、日常使いにも便利です。
目的別口座機能も充実しており、1つの口座内で最大10個まで目的別に資金を分けて管理できます。「旅行用」「結婚資金用」「緊急予備資金用」など、それぞれに名前をつけて貯金の進捗を可視化できるため、モチベーション維持に効果的です。
定額自動入金サービスを使えば、他行から毎月自動的に資金を移動できるため、先取り貯金の仕組みも簡単に作れます。本格的に貯蓄に取り組みたい人におすすめです。
auじぶん銀行は、au経済圏を利用している人に最適な貯蓄用口座です。auカブコム証券と連携する「auマネーコネクト」を設定すると、普通預金金利が0.20%にアップします。
auじぶん銀行の特徴
au PAYやPontaポイントとの連携が強い
au回線ユーザーなら手数料優遇が容易
スマホアプリが使いやすい
auじぶん銀行の特徴は、au PAYやPontaポイントとの連携が強い点です。auじぶん銀行の円普通預金口座をau PAYの残高チャージに利用すると、Pontaポイントが貯まります。また、貯まったPontaポイントは1ポイント=1円として普通預金に入金できるため、ポイントを現金化して貯金に回すことも可能です。
手数料の優遇条件も充実しており、じぶんプラスというステージ制度があります。預金残高やau回線契約の有無などでステージが決まり、ATM手数料は月2〜15回、振込手数料は月3〜15回無料になります。au回線ユーザーなら条件達成が容易で、貯蓄用口座としての利便性が高まります。
定額自動入金サービスも利用でき、毎月決まった日に他行から自動的に資金を移動できます。スマホアプリも使いやすく、残高確認や振込がスムーズに行えるため、デジタルで貯蓄管理をしたい人に向いています。
イオン銀行は、イオンカードセレクト(キャッシュカード・クレジットカード・電子マネーWAONが一体化したカード)を持つことで、普通預金金利が0.10%になります。イオンで頻繁に買い物をする人にとって、貯金と日常生活の両方でメリットがある銀行です。
イオン銀行の特徴
イオンでの買い物がお得(WAONポイント2倍)
お客さま感謝デーで5%オフ
イオン銀行ATMなら24時間365日手数料無料
イオン銀行の強みは、イオングループでの特典が豊富な点です。イオンカードセレクトを使ってイオンで買い物をすると、WAONポイントが通常の2倍貯まります。また、毎月20日・30日の「お客さま感謝デー」では買い物代金が5%オフになるため、生活費の節約にもつながります。節約したお金を貯蓄に回せば、さらに効率的に資産を増やせます。
イオン銀行Myステージという特典制度があり、取引状況に応じてATM手数料が月1〜5回、振込手数料が月1〜3回無料になります。イオン銀行ATMなら24時間365日手数料無料で利用できるため、イオンモールが生活圏内にある人は特に便利です。
自動積立定期預金も利用でき、毎月決まった金額を普通預金から定期預金に自動的に移すことができます。定期預金の金利は普通預金よりさらに高く設定されているため、長期的に貯めたい資金は定期預金に回すのも効果的です。
あおぞら銀行BANKの最大の特徴は、無条件で金利0.20%という点です。他のネット銀行では証券口座の開設や特定のサービス利用が金利優遇の条件になっていることが多いですが、あおぞら銀行BANKは口座を開設するだけで0.20%の金利が適用されます。投資に興味がない人や、シンプルに貯金だけをしたい人にとって、わかりやすく使いやすい選択肢です。
ゆうちょ銀行ATMとセブン銀行ATMが利用でき、入金は何度でも無料、出金は月2〜3回無料です。貯蓄用口座として「基本的に引き出さない」前提で使うなら十分な回数です。
BANK支店専用の「BANKアプリ」は、シンプルで使いやすいデザインが特徴です。残高確認や振込がスムーズに行え、貯金の進捗を視覚的に把握しやすくなっています。定額自動入金サービスも利用できるため、他行から毎月自動的に資金を移して先取り貯金する仕組みも作れます。
東京スター銀行の特徴は、給与振込を条件に金利が大幅に優遇される点です。通常の普通預金金利は0.001%ですが、給与振込口座に指定すると0.25%と250倍になります。給与振込口座を変更できる環境にあるなら、この金利優遇を活用しない手はありません。
東京スター銀行の特徴
給与振込で金利0.25%
ATM手数料が月8回まで無料
自動積立定期預金サービスが充実
スターワン口座という総合口座を開設すると、ATM手数料が月8回まで無料、振込手数料が月3回まで無料になります。さらに、給与振込を利用すると、これらの無料回数がさらに増える特典もあります。手数料を気にせず利用できるため、貯蓄用口座としてだけでなく、メインバンクとしても使いやすい銀行です。
自動積立定期預金サービスも充実しており、毎月決まった金額を普通預金から定期預金に自動的に移すことができます。定期預金の金利も比較的高く設定されているため、長期的に使う予定のない資金は定期預金に回すことで、さらに効率的に資産を増やせます。
ソニー銀行は、普通預金金利は0.02%と標準的ですが、外貨預金や投資信託など、多様な資産運用商品を取り扱っている点が特徴です。円預金だけでなく、将来的に外貨預金や投資も視野に入れている人に適した銀行です。
ソニー銀行の特徴
外貨預金の取り扱い通貨が12種類と豊富
為替手数料が業界最安水準
Sony Bank WALLETで海外利用も便利
ソニー銀行の強みは、外貨預金の取り扱い通貨が12種類と豊富で、為替手数料が業界最安水準である点です。米ドルなら片道4銭、ユーロなら片道12銭と、他行に比べて大幅に安い手数料で外貨預金ができます。円預金である程度資産が貯まったら、分散投資の一環として外貨預金を検討する際に便利です。
Club Sというステージ制度があり、月末の総残高や取引状況に応じてATM手数料が月4回まで無料、振込手数料が月2〜11回無料になります。ステージが上がるほど優遇内容が充実するため、資産が増えるほどお得に使える仕組みです。
Sony Bank WALLETというVisaデビットカードを発行でき、海外での買い物や海外ATMでの現地通貨引き出しが便利です。外貨預金口座から直接支払えるため、海外旅行や出張が多い人にとっても使い勝手の良い銀行です。
オリックス銀行は、普通預金金利は0.02%と標準的ですが、定期預金の金利が業界トップクラスに高いことが特徴です。しばらく使う予定のないまとまった資金を、確実に増やしたい人に適した銀行です。
オリックス銀行の特徴
3年定期預金0.30%、5年定期預金0.35%の高金利
店舗を持たず運営コストを抑え金利に還元
貯蓄専用として最適
オリックス銀行の最大の魅力は、定期預金の金利の高さです。例えば、3年定期預金なら0.30%、5年定期預金なら0.35%など、他のネット銀行と比べても高い金利が設定されています。普通預金で貯めた資金をある程度まとめて定期預金に移すことで、効率的に資産を増やせます。
eダイレクト預金という個人向けインターネット取引専用の口座があり、店舗を持たないことで運営コストを抑え、その分を金利に還元しています。口座開設から取引まですべてインターネットで完結するため、手続きも簡単です。
定期預金は満期前に解約すると金利が下がるため、確実に使わない資金を預けることが重要です。緊急予備資金は普通預金に残しておき、それ以外のまとまった資金を定期預金で運用するという使い分けが賢明です。
貯蓄用口座を選ぶ3つのポイント
貯蓄用口座を選ぶ際には、金利・自動積立機能・手数料の3つのポイントを重視することが重要です。これらの条件を満たす銀行を選ぶことで、効率的かつ継続的に貯金を増やせます。
貯蓄用口座を選ぶ上で最も重要なのが金利の高さです。金利が高いほど、預けたお金に対して受け取れる利息が増え、資産が効率的に増えていきます。
メガバンクの普通預金金利は0.001%程度ですが、ネット銀行では0.10%〜0.25%と、最大250倍の差があります。例えば、100万円を1年間預けた場合、メガバンクなら利息は10円(税引前)ですが、金利0.25%のネット銀行なら2,500円(税引前)になります。この差は、預金額が増えるほど、期間が長くなるほど大きくなります。
金利を比較する際には、条件も確認することが重要です。多くのネット銀行では、証券口座との連携や給与振込の利用など、特定の条件を満たすことで金利が優遇されます。自分が達成できる条件かどうかを確認しましょう。
また、普通預金だけでなく定期預金の金利もチェックすることをおすすめします。しばらく使う予定のないまとまった資金があるなら、定期預金に預けることでさらに高い金利を得られます。普通預金で流動性を確保しつつ、余裕資金は定期預金で運用するという使い分けが効果的です。
貯金を成功させるためには、自動積立機能が欠かせません。自動積立とは、毎月決まった日に決まった金額を自動的に貯蓄用口座に移す仕組みです。この機能があれば、意思の力に頼らず、確実に貯金を続けられます。
多くのネット銀行では、定額自動入金サービスを提供しています。これは、給与振込口座(他行)から毎月自動的に資金を移動させるサービスです。例えば、給料日の翌日に3万円を自動的に貯蓄用口座に移す設定をしておけば、手動で振り込む手間がなく、確実に先取り貯金ができます。
自動積立機能の利点は、貯金を習慣化できることです。最初に設定さえしてしまえば、あとは自動的に貯金が増えていきます。「今月は忙しくて振り込むのを忘れた」「今月は余裕がないから来月にしよう」といった言い訳ができなくなり、確実に資産が形成されます。
また、目的別口座機能がある銀行もおすすめです。1つの口座内で「旅行用」「結婚資金用」「緊急予備資金用」など、複数の目的別に資金を分けて管理できます。それぞれに自動積立を設定すれば、複数の目標に向けて同時に貯金を進められます。視覚的に進捗が確認できるため、モチベーション維持にも効果的です。
せっかく金利で増えた利息も、手数料で削られてしまっては意味がありません。ATM手数料や振込手数料が安い、または無料条件が達成しやすい銀行を選ぶことが重要です。
ATM手数料は、1回あたり110円〜220円かかることが一般的です。月に数回利用すれば、年間で数千円の手数料を支払うことになります。ネット銀行の多くは、取引状況に応じてATM手数料が月数回無料になる優遇制度を設けています。自分の利用頻度に合わせて、十分な無料回数が確保できる銀行を選びましょう。
振込手数料も同様に重要です。貯蓄用口座への資金移動や、他の口座への振り込みが必要な場合、振込手数料が無料または安い銀行を選ぶことで、コストを抑えられます。多くのネット銀行では、月数回の振込手数料が無料になる条件を設けています。
手数料無料の条件は銀行によって異なります。預金残高、取引回数、給与振込の有無などが条件になっていることが多いため、自分が達成できる条件かどうかを確認しましょう。
貯蓄用口座は基本的に「入金して貯める」ことが目的なので、頻繁に出金する必要はありません。ATM手数料無料回数が少なくても、貯蓄用として使うなら問題ない場合もあります。自分の使い方に合った手数料体系の銀行を選ぶことが、長期的なコスト削減につながります。
貯蓄用口座には、普通預金・定期預金・貯蓄預金の3種類があります。それぞれ特徴が異なるため、目的や期間に応じて使い分けることが重要です。
| 種類 | 金利 | 引き出し | 向いている目的 |
| 普通預金 | 低い | 自由 | 緊急予備資金・短期的な貯金 |
| 定期預金 | 高い | 満期まで制限 | 長期的な貯金・使う予定のない資金 |
| 貯蓄預金 | 残高に応じて変動 | 一定制限あり | ある程度まとまった資金の運用 |
普通預金は、最も一般的な預金口座で、いつでも自由に入出金できることが特徴です。貯蓄用口座として使う場合は、緊急時にすぐに引き出せる資金を預けるのに適しています。
普通預金の最大のメリットは流動性の高さです。急な出費や予期せぬ事態が起きたときに、すぐに資金を引き出せます。金融の専門家は、生活費の3〜6ヶ月分を緊急予備資金として普通預金に置いておくことを推奨しています。この資金があれば、失業や病気などの緊急事態にも対応できます。
金利は定期預金に比べて低めですが、ネット銀行を選べば0.10%〜0.25%と、メガバンクの100倍以上の金利を得られます。証券口座との連携や給与振込の利用など、条件を満たすことでさらに金利が優遇される銀行もあります。
貯蓄用口座として普通預金を使う際のポイントは、生活費口座とは別に持つことです。日常的な支払いに使う口座と分けることで、貯金を使い込むリスクを減らせます。
定期預金は、一定期間預け入れることを条件に、普通預金より高い金利が適用される預金です。満期まで原則として引き出せないため、しばらく使う予定のない資金を預けるのに適しています。
定期預金の最大のメリットは金利の高さです。普通預金が0.10%〜0.25%程度なのに対し、定期預金は0.20%〜0.35%程度と、より高い利息を得られます。預入期間が長いほど金利が高くなる傾向があり、3年・5年といった長期の定期預金はさらに有利な金利が設定されています。
満期前に解約すると中途解約利率が適用され、当初の金利より大幅に低い利息しか受け取れません。そのため、定期預金に預けるのは「確実に使わない資金」に限定することが重要です。
定期預金には、自動継続型と満期受取型があります。自動継続型は満期が来ると自動的に同じ期間の定期預金に更新されるため、手間なく運用を続けられます。満期受取型は満期時に普通預金に戻るため、資金の使い道が決まっている場合に便利です。
賢い使い方としては、普通預金である程度資金が貯まったら、その一部を定期預金に移すという方法があります。緊急予備資金は普通預金に残しておき、それを超える部分を定期預金で運用することで、流動性と利回りのバランスを取れます。
貯蓄預金は、預金残高に応じて金利が段階的に上がる仕組みの預金です。普通預金と定期預金の中間的な性質を持ち、ある程度まとまった資金を預けるのに適しています。
貯蓄預金の特徴は、残高が多いほど金利が高くなる点です。例えば、残高10万円未満は0.001%、10万円以上50万円未満は0.01%、50万円以上は0.02%といった具合に、段階的に金利が上がります。資金が増えるほど有利になる仕組みです。
ただし、貯蓄預金には入出金に一定の制限があります。多くの銀行では、月に数回までしか出金できない、または出金ごとに手数料がかかるといった条件が設けられています。そのため、頻繁に出し入れする資金には向いておらず、ある程度まとまった資金を預けて、基本的には引き出さない使い方が適しています。
現在、貯蓄預金を提供している銀行は限られており、ネット銀行でもあまり一般的ではありません。金利面でも、証券口座連携の普通預金や定期預金の方が有利なケースが多いため、貯蓄用口座としての優先度は高くありません。
目的と期間に応じて、複数の口座を使い分けることが最も効果的です。緊急予備資金は普通預金、長期的に使わない資金は定期預金に預けるという基本戦略が推奨されます。
具体的には、生活費の3〜6ヶ月分を普通預金に確保し、それを超える資金は定期預金で運用するという方法が理想的です。
年齢・ライフステージ別のおすすめ銀行と貯蓄目標
年齢やライフステージによって、適した貯蓄用口座や目標金額は異なります。自分の状況に合わせた銀行選びと目標設定が、効率的な資産形成につながります。
20代は貯金習慣を確立することが最優先です。まだ収入が少ない時期ですが、この時期に貯金の習慣を身につけることが、生涯の資産形成に大きく影響します。
30代は結婚、住宅購入、出産など、大きなライフイベントが控えている時期です。まとまった資金が必要になるため、計画的に貯金を増やすことが重要です。
40代以降は、老後資金の準備を本格化させる時期です。子どもの教育費がピークを迎える時期でもありますが、並行して老後資金を貯めることが重要です。
また、40代以降は貯蓄だけでなく、投資も検討する時期です。証券口座と連携して金利優遇を受けられる銀行を選ぶことで、将来的に投資へ移行しやすくなります。生活費の6ヶ月分を緊急予備資金として普通預金に残し、それを超える資金は定期預金や投資信託などで運用するという、分散戦略が効果的です。
貯金を続けるコツ
貯金を成功させるためには、仕組み化が不可欠です。意思の力に頼らず、自動的に貯金が増える仕組みを作ることで、確実に資産を増やせます。
貯金を成功させる最も効果的な方法は、給料日に自動的に貯蓄用口座へ振り替える設定をすることです。これを「先取り貯金」と呼び、資産形成の基本戦略として広く推奨されています。
自動振替のメリットは、貯金を「忘れる」ことができる点です。毎月手動で振り込む必要がないため、「今月は忙しくて忘れた」「今月は余裕がないから来月にしよう」といった言い訳ができなくなります。気づいたら貯金が増えている状態を作ることが、長期的な資産形成の成功につながります。
貯金のモチベーションを維持するためには、目的別に口座を分けることが効果的です。「何のために貯めているのか」が明確になることで、貯金を続ける意欲が高まります。
住信SBIネット銀行やイオン銀行などは、1つの口座内で最大10個まで目的別に資金を分けて管理できる機能があります。例えば、「旅行用」に月1万円、「結婚資金用」に月3万円、「緊急予備資金用」に月2万円といった具合に、それぞれに名前をつけて貯金を進めます。
目的別口座のメリットは、進捗が視覚化されることです。「旅行用に30万円貯める」という目標に対して、現在15万円貯まっていることが一目でわかれば、「あと半分だ」とモチベーションが上がります。
また、目的別に分けることで、使い込みを防ぐ効果もあります。「旅行用」の口座から生活費を出すことには心理的な抵抗があるため、無駄遣いを抑制できます。それぞれの目的に向けて着実に貯金を進めることで、計画的に資産を増やせます。
貯金を始めても、途中で挫折してしまう人は少なくありません。貯金が続かない時の対処法を知っておくことで、再び軌道に乗せることができます。
貯金額が増えるたびに自分にご褒美を設定したり、貯金アプリで進捗を可視化したりすることで、ゲーム感覚で楽しめます。住信SBIネット銀行の目的別口座のように、貯金の進捗がグラフで表示される機能を活用することも、モチベーション維持に効果的です。
完璧主義にならず、「今月は1万円だけ」と柔軟に対応することで、挫折を防げます。大切なのは、ゼロにしないことです。少額でも続けることで、貯金の習慣を維持できます。
預金保険制度(ペイオフ)と安全な貯蓄方法
貯金が増えてくると、銀行が破綻した場合のリスクも考える必要があります。預金保険制度を理解し、安全に資産を守る方法を知っておきましょう。
預金保険制度(ペイオフ)とは、銀行が破綻した場合に、預金者1人あたり1つの銀行につき元本1,000万円とその利息までが保護される制度です。預金保険機構が管理しており、日本国内のほぼすべての銀行が加盟しています。
具体的には、A銀行に普通預金500万円、定期預金600万円を預けていた場合、合計1,100万円のうち1,000万円とその利息が保護されます。1,000万円を超える部分は、銀行の財産状況に応じて支払われるため、全額が戻ってくる保証はありません。
預金保険制度の対象となるのは、普通預金、定期預金、貯蓄預金などです。外貨預金や譲渡性預金は対象外なので注意が必要です。また、同じ銀行でも本人名義の口座すべてが合算されるため、複数の支店に口座を持っていても、合計で1,000万円までしか保護されません。
1,000万円を超える貯蓄がある場合は、複数の銀行に分散することが推奨されます。これにより、万が一1つの銀行が破綻しても、他の銀行の資金は保護されるため、リスクを分散できます。
例えば、2,000万円の貯蓄がある場合、住信SBIネット銀行に1,000万円、あおぞら銀行BANKに1,000万円というように分散します。これで、どちらかの銀行が破綻しても、預金保険制度により両方の資金が保護されます。
分散する銀行は、金利が高く、手数料が安い銀行を選ぶことが重要です。住信SBIネット銀行、あおぞら銀行BANK、東京スター銀行、オリックス銀行など、高金利のネット銀行を組み合わせることで、安全性と利回りの両方を確保できます。
ただし、口座を増やしすぎると管理が煩雑になるデメリットもあります。2〜3つの銀行に絞り、それぞれの口座をしっかり管理することが現実的です。家計簿アプリやネット銀行の資産管理ツールを活用することで、複数の口座をまとめて管理しやすくなります。
1,000万円未満の貯蓄であれば、無理に分散する必要はありません。1つの銀行で効率的に管理し、1,000万円を超えたタイミングで2つ目の銀行を検討するという方法が、手間とリスクのバランスが取れています。
ある程度貯蓄が貯まったら、投資への移行も検討する時期です。貯蓄と投資を組み合わせることで、より効率的に資産を増やせます。
投資を始める適切なタイミングは、生活費の3〜6ヶ月分が緊急予備資金として貯まった後です。この資金があれば、失業や病気などの緊急事態にも対応でき、安心して投資に取り組めます。
緊急予備資金は、いつでも引き出せる普通預金に置いておくことが重要です。投資に回してしまうと、必要な時に株価が下がっていて損失が出る可能性があります。まずは安全な貯蓄で生活防衛資金を確保し、それを超える資金を投資に回すという順序が、リスク管理の基本です。
投資を始める際は、NISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用することが推奨されます。NISAは投資で得た利益が非課税になる制度で、2024年からの新NISAでは年間最大360万円まで投資できます。iDeCoは掛金が全額所得控除の対象となり、運用益も非課税で受け取れる私的年金制度です。
投資初心者には、投資信託の積立投資がおすすめです。毎月一定額を自動的に投資信託に積み立てることで、価格変動のリスクを分散できます。インデックスファンドと呼ばれる、市場全体に分散投資する商品を選ぶことで、低コストで効率的に資産を増やせます。
貯蓄用口座を選ぶ際に、証券口座との連携で金利優遇を受けられる銀行を選ぶことで、将来的に投資へ移行しやすくなります。楽天銀行、住信SBIネット銀行、auじぶん銀行などは、証券口座との連携で金利が大幅にアップします。
証券口座を開設するだけで金利優遇を受けられるため、すぐに投資を始めなくても問題ありません。まずは貯蓄に専念し、資金が貯まったタイミングで投資を始めるという段階的なアプローチが可能です。
楽天銀行とマネーブリッジ、住信SBIネット銀行とSBIハイブリッド預金、auじぶん銀行とauマネーコネクトなど、連携サービスを利用することで、銀行口座と証券口座の資金移動がスムーズになります。投資資金が必要な時にすぐに証券口座へ移動でき、投資のタイミングを逃しません。
貯蓄と投資のバランスは、年齢やリスク許容度によって異なります。一般的には、若いほど投資の比率を高め、年齢が上がるにつれて貯蓄の比率を高めることが推奨されます。例えば、20代なら貯蓄30%・投資70%、40代なら貯蓄50%・投資50%、60代なら貯蓄70%・投資30%といった配分が目安です。自分の状況に合わせて、柔軟に調整しましょう。
貯蓄用口座を生活費口座と分けることは、貯金を成功させるための最も重要なステップです。口座を分けることで、お金の流れが明確になり、うっかり使い込むリスクを減らせます。金融広報中央委員会の調査でも、貯蓄用口座を持っている世帯は貯蓄額が約1.5倍高いという結果が出ています。
銀行を選ぶ際は、金利の高さ、自動積立機能、手数料の安さの3つのポイントを重視しましょう。楽天銀行、住信SBIネット銀行、auじぶん銀行、あおぞら銀行BANK、東京スター銀行など、証券口座連携や給与振込で金利が0.10%〜0.25%にアップする銀行を選ぶことで、メガバンクの100倍以上の利息を得られます。
貯金を成功させる鍵は、先取り貯金の仕組みを作ることです。給料日に自動的に貯蓄用口座へ振り替える設定をすることで、意思の力に頼らず確実に貯金が増えます。目的別に口座を分けることで、貯金のモチベーションも維持しやすくなります。
年齢やライフステージに応じて、貯蓄目標と銀行を選びましょう。20代は月1〜3万円で貯金習慣を作り、30代は月5〜10万円で結婚・住宅購入資金を貯め、40代以降は月10万円以上で老後資金を準備します。生活費の3〜6ヶ月分が貯まったら、投資への移行も検討しましょう。
1,000万円を超える貯蓄がある場合は、預金保険制度を考慮して複数の銀行に分散することで、安全性を確保できます。自分に合った貯蓄用口座を選び、今日から貯金を始めましょう。
なお、金利は変動する可能性があります。最新の金利情報は各銀行の公式サイトでご確認ください。
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