デイトレードで負ける10の理由|今日からできる改善策

デイトレードで負ける10の理由|今日からできる改善策

デイトレードを始めたものの、なかなか利益が出ない、むしろ損失ばかりが増えていく…そんな悩みを抱えていませんか。

実は、デイトレードで負ける人には共通するパターンがあります。

損切りができない、明確なトレードルールがない、感情的な取引を繰り返してしまうなど、多くの人が同じ理由で資金を減らしているのです。

この記事では、デイトレードで負ける10の理由を具体的に解説し、今日からすぐに実践できる6つの改善策をご紹介します。

自分の負けパターンを客観的に分析する方法や、デイトレードに適した証券会社の選び方まで、実践的な情報を網羅しました。

デイトレードで安定した成績を残すためには、正しい知識と適切な準備が欠かせません。

この記事の要約
  • デイトレードで負ける主な理由は損切りができない、明確なルールがない、ポジポジ病など10のパターンに集約される
  • 逆指値注文の活用、資金管理の徹底、トレード記録の分析など、今日から実践できる6つの改善策がある
  • デイトレードには高いリスクが伴うため、デモトレードでの練習や適切な証券会社選びが重要
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

デイトレードで負ける人に共通する10の理由

デイトレードで安定して利益を出せる人は全体のごく一部です。多くのトレーダーが資金を減らしてしまう背景には、共通する負けパターンが存在します。

ここでは、デイトレードで負ける人に特に多く見られる10の理由を詳しく解説します。自分に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。

損切りができない

損切りができないことは、デイトレードで負ける最大の理由の一つです。

含み損が出ると「もう少し待てば戻るかもしれない」と期待してしまい、結果的に損失が膨らんでしまうケースが非常に多く見られます。

損切りは心理的に苦痛を伴う行為ですが、デイトレードで生き残るためには必須のスキルです。損失を限定できなければ、一度の大きな失敗で資金の大半を失ってしまう可能性があります。

損切りラインを事前に決めておき、そのラインに達したら機械的に実行する習慣を身につけることが大切です。

明確なトレードルールがない

トレードルールが明確でないと、その場の感情や直感で取引してしまい、再現性のある結果を出すことができません。

「なんとなく上がりそう」「かなり下がったから反転しそう」といった曖昧な判断基準では、ギャンブルと変わりません。

明確にすべきルール

エントリーの条件

利確のタイミング

損切りのライン

取引する時間帯

ルールがあっても守れない場合は、自分に合わないルールを使っている可能性があります。自分の生活スタイルや性格に合ったルール作りを心がけましょう。

ポジポジ病に陥っている

ポジポジ病とは、常にポジションを持っていないと落ち着かず、取引機会がないのに無理にエントリーしてしまう状態を指します。

デイトレードは取引回数が多いほど良いわけではありません。むしろ、優位性のない場面で無駄な取引を重ねることで、手数料負けしたり、不必要な損失を積み重ねたりしてしまいます。

「取引しないことも戦略の一つ」という考え方を持ち、自分のルールに合致した場面だけでエントリーする忍耐力が必要です。

目標金額にとらわれすぎて、無理にポジションを増やしてしまうことも避けましょう。

資金管理ができていない

資金管理ができていないと、一度の取引で大きな損失を出してしまい、立て直しが困難になります。

多くのプロトレーダーは「1回の取引で失ってよいのは総資金の2%まで」というルールを採用しています。

資金管理の例

総資金100万円の場合

1回の取引での損失許容額は2万円まで

このルールを守ることで、連敗しても資金が急激に減少することを防げます。ポジションサイズの計算方法を理解し、自分の資金量に応じた適切な取引量を維持することが、長期的に生き残るための鍵となります。

相場分析の知識が不足している

デイトレードでは、テクニカル分析の基礎知識が欠かせません。

チャートパターン、移動平均線、出来高、RSIなどの指標を理解していないと、エントリーやエグジットのタイミングを適切に判断できません。

相場分析の知識が不足していると、市場の動きに振り回されて感情的な取引をしてしまいがちです。

複雑な分析手法をすべて習得する必要はありません。まずは基本的なテクニカル指標をいくつか選び、それらを使いこなせるようになることから始めましょう。

毎日チャートを観察し、値動きのパターンを学ぶ習慣が大切です。

メンタルが弱い

デイトレードでは、メンタルの強さが勝敗を大きく左右します。

連敗が続くと焦りが生まれ、冷静な判断ができなくなります。また、損失を取り返そうとして無謀な取引をしてしまう「リベンジトレード」に陥ることもあります。

逆に、連勝が続くと過信して大きなポジションを取り、一気に利益を失うケースもあります。

感情の波に左右されず、淡々とルールに従って取引を続けられるメンタルコントロール能力が必要です。

トレード記録をつけて自分の感情パターンを把握し、感情的になりやすい場面を事前に認識しておくことが有効です。

取引手数料を軽視している

デイトレードは取引回数が多いため、手数料の影響が大きくなります。

1回の取引では小さな金額でも、積み重なると利益を大きく圧迫します。

手数料の影響

1日10回取引×月間200回=手数料数万円

手数料を軽視していると、勝率が50%以上あっても最終的にマイナスになってしまう可能性があります。

デイトレードに特化した証券会社では、1日信用取引の手数料が無料になるサービスもあります。取引コストを最小化することは、デイトレードで利益を出すための重要な要素です。

取引ツールを使いこなせていない

デイトレードは秒単位で判断が求められる取引スタイルです。

取引ツールを使いこなせていないと、エントリーやエグジットのタイミングを逃してしまいます。

板情報の見方、チャートの設定、注文方法(逆指値、OCO注文など)を十分に理解していないと、致命的な機会損失につながります。

また、パソコンのスペックが低かったり、インターネット回線が遅かったりすると、注文の遅延が発生して不利な価格で約定してしまうこともあります。

取引環境を整え、ツールの機能を十分に理解して使いこなせるようになることが必要です。

銘柄選定が適切でない

デイトレードに適した銘柄を選べていないと、値動きが小さくて利益が出なかったり、逆に値動きが激しすぎてリスク管理が難しくなったりします。

デイトレードでは、適度な流動性(出来高)があり、値動きのある銘柄を選ぶことが重要です。

出来高が少ない銘柄は、売買が成立しにくく、希望する価格で約定できないリスクがあります。

また、自分の資金量に対して株価が高すぎる銘柄を選ぶと、適切なポジションサイズで取引できません。市場のテーマや材料を把握し、その日の注目銘柄を見極める力を養うことが大切です。

過度なレバレッジを使っている

信用取引を使って過度なレバレッジをかけると、少しの値動きで大きな損失が発生します。

レバレッジは利益を拡大する効果がある一方で、損失も同じように拡大します。特に初心者が信用枠をフルに使うことは、非常に危険です。

相場が予想と反対に動いた場合、追証(追加保証金)が発生し、さらなる資金投入を迫られる可能性があります。

デイトレードで信用取引を使う場合は、空売りの機会を得るためと割り切り、レバレッジは控えめにすることが賢明です。自分のリスク許容度を超えた取引は避けましょう。

デイトレードとは?基本を再確認

デイトレードで負ける理由を理解したところで、改めてデイトレードの基本を確認しておきましょう。

デイトレードとは何か、他の投資スタイルとどう違うのかを正しく理解することは、適切な戦略を立てる上で欠かせません。

デイトレードの定義

デイトレードとは、1日のうちに株式などの金融商品の売買を完結させる取引手法です。

朝の市場が開いてから(寄り付き)夕方の市場が閉まるまで(大引け)の間に、新規でポジションを持ち、その日のうちに決済して取引を終えます。

ポジションを翌日に持ち越さないため、オーバーナイトリスク(夜間の海外市場の動きや企業の突発的なニュースによる影響)を避けられることが特徴です。

デイトレードでは、数分から数時間単位の小さな値動きを捉えて利益を積み重ねていくことを目指します。そのため、1日に何度も取引を繰り返すことが一般的で、テクニカル分析が極めて重要になります。

他の投資スタイルとの違い

デイトレードと混同されやすい投資スタイルに、スキャルピングとスイングトレードがあります。

それぞれの違いを理解しておくことで、自分に合った投資スタイルを選択できます。

スキャルピングとの違い

スキャルピングは、デイトレードよりもさらに短い時間軸で取引する手法です。

数秒から数分単位でポジションを保有し、わずかな値動きで利益を確定させます。1日に数十回から数百回の取引を行うこともあり、常に画面に張り付いている必要があります。

瞬時の判断力と高速な取引環境が求められるため、初心者には難易度が高い手法です。

長期投資との違い

長期投資は、企業の成長性や配当を重視し、数年から数十年の時間軸で株式を保有する投資スタイルです。

短期的な値動きには一喜一憂せず、企業の本質的な価値に投資します。デイトレードが日々の値動きから利益を得ることを目指すのに対し、長期投資は時間をかけて資産を増やすことを目指します。

リスクの性質も大きく異なり、長期投資では企業の業績悪化リスクが主なリスクとなります。

デイトレードのリスクとデメリット

デイトレードには、他の投資スタイルにはない特有のリスクとデメリットがあります。

  • 取引回数が多いため、手数料の負担が大きくなる
  • 常に相場を監視する必要があり、時間的な拘束が大きい
  • 短期的な値動きは予測が難しく、プロでも安定して勝ち続けることは容易ではない
  • 感情的になりやすく、冷静な判断を保つことが難しい

これらのリスクを十分に理解した上で、デイトレードに取り組むかどうかを判断することが重要です。

なぜ9割の人がデイトレードで負けるのか

「デイトレードで勝てるのは1割だけ」という話を聞いたことがあるかもしれません。

実際に、多くのデイトレーダーが市場から退場していく現実があります。ここでは、統計データをもとに、なぜ多くの人がデイトレードで負けてしまうのかを解説します。

統計データから見る現実

デイトレードの厳しさを示す統計データがあります。

ある調査によると、デイトレーダーの約40%が1ヶ月以内に取引をやめており、5年後には7%しか残っていないとされています。

また、利益を上げているデイトレーダーは全体の1.6%に過ぎないというデータもあります。

これらの数字は、デイトレードがいかに難しい取引スタイルであるかを物語っています。多くの人が「自分は勝てる」と思って始めますが、現実には大半が損失を出して市場から去っていくのです。

この厳しい現実を理解した上で、十分な準備と覚悟を持ってデイトレードに臨むことが必要です。

負ける人の共通パターン

デイトレードで負ける人には、いくつかの共通するパターンがあります。

損切りができない
含み損を抱え続け、最終的に大きな損失を確定させてしまう
ルールを持たない
感覚的な判断で取引を繰り返してしまう
リベンジトレード
連敗が続くと焦って無謀な取引をしてしまう
資金管理の軽視
1回の取引で大きなポジションを取ってしまう

これらのパターンは、知識不足やメンタルの弱さ、経験不足から生じることが多く、適切な学習と訓練によって改善できる可能性があります。

勝っている1割の人は何が違うのか

勝っているトレーダーは、負けているトレーダーと何が違うのでしょうか。

最も大きな違いは、明確なトレードルールを持ち、それを徹底して守っていることです。

また、損切りを機械的に実行し、感情に左右されない取引ができています。資金管理を徹底し、1回の取引で大きなリスクを取らないことも共通しています。

さらに、トレード記録をつけて自分の取引を振り返り、継続的に改善を重ねています。

勝っているトレーダーは、デイトレードを「技術」として捉え、地道な努力と検証を積み重ねています。一夜にして成功するのではなく、長い時間をかけてスキルを磨いているのです。

今日から実践できる6つの改善策

デイトレードで負ける理由を理解したら、次は具体的な改善策を実践していきましょう。

ここでは、今日からすぐに取り組める6つの改善策を詳しく解説します。

改善策1:損切りを自動化する

損切りを自動化することで、感情に左右されずに損失を限定できます。

逆指値注文を活用すれば、あらかじめ設定した価格に達したときに自動的に売却されるため、損切りの判断を先延ばしにすることがなくなります。

逆指値注文は、多くの証券会社で利用できる基本的な注文方法です。ポジションを持ったら、すぐに逆指値注文を入れる習慣をつけましょう。

逆指値注文の設定方法

逆指値注文は、「株価が〇〇円以下になったら売る」という条件を設定する注文方法です。

例えば、1,000円で株を買った場合、950円で逆指値の売り注文を出しておけば、株価が950円まで下落した時点で自動的に売却されます。

注文を出す際は、逆指値条件に達したときの執行条件を「成行」にすることをおすすめします。指値にすると、急落時に約定しない可能性があるためです。

多くの証券会社では、スマホアプリからも簡単に逆指値注文を設定できます。

松井証券:逆指値の利用例1:損切り

損切りラインの決め方

損切りラインは、エントリー価格から何%下落したら損切りするかを事前に決めておきます。

一般的には、エントリー価格の2〜5%程度を損切りラインとする人が多いです。

ただし、銘柄のボラティリティ(値動きの大きさ)によって調整が必要です。値動きの激しい銘柄では、少し広めに設定しないと、すぐに損切りに引っかかってしまいます。

重要なのは、総資金の2%以内の損失に収まるようにポジションサイズを調整することです。

改善策2:明確なトレードルールを作る

明確なトレードルールを作ることで、再現性のある取引ができるようになります。

ルールには、エントリー条件、エグジット条件、損切りライン、利確ライン、取引する時間帯、取引する銘柄の条件などを含めます。

ルールは複雑である必要はありません。シンプルで自分が守れるルールを作ることが大切です。

エントリールールの決め方

エントリールールは、どのような条件が揃ったときに取引を開始するかを定めたものです。

エントリー条件の例

移動平均線が上向きで、株価が移動平均線を上抜けたときに買う

出来高が平均の2倍以上ある銘柄に絞る

テクニカル指標を2〜3つ組み合わせて、自分なりの判断基準を作りましょう。重要なのは、条件が明確で、誰が見ても同じ判断ができることです。

エグジットルールの決め方

エグジットルールは、いつポジションを手仕舞うかを定めたものです。

利確ラインと損切りラインの両方を設定します。例えば、「エントリー価格から3%上昇したら利確」「エントリー価格から2%下落したら損切り」といった具体的な数値を決めておきます。

また、「引け前には必ず決済する」というルールも重要です。デイトレードの基本は、ポジションを翌日に持ち越さないことです。

改善策3:徹底した資金管理を行う

資金管理は、デイトレードで長期的に生き残るための最重要要素です。

どんなに優れた手法を持っていても、資金管理ができていなければ、一度の失敗で市場から退場することになります。

資金管理の基本は、1回の取引で失ってよい金額を総資金の2%以内に抑えることです。

1回の取引リスクは資金の2%以内

「1回の取引で失ってよいのは総資金の2%まで」というルールは、多くのプロトレーダーが採用している資金管理の基本です。

例えば、総資金が100万円の場合、1回の取引での損失許容額は2万円までとなります。

このルールを守ることで、連敗しても資金が急激に減少することを防げます。仮に10連敗しても、資金は約82万円残る計算になり、立て直しのチャンスがあります。

逆に、1回の取引で10%のリスクを取ると、10連敗で資金がほぼゼロになってしまいます。

ポジションサイズの計算方法

ポジションサイズは、損切りラインと損失許容額から逆算して決定します。

ポジションサイズ計算例

総資金:100万円

損失許容額:2万円

エントリー価格:1,000円

損切りライン:950円

購入可能株数:2万円÷50円=400株

この計算を毎回行うことで、適切なリスク管理ができます。銘柄によって株価が異なるため、常にポジションサイズを調整する必要があります。

改善策4:テクニカル分析の基本を学ぶ

デイトレードでは、テクニカル分析が不可欠です。

チャートの読み方、移動平均線、出来高、RSI、MACDなどの基本的な指標を理解しましょう。

すべての指標を使いこなす必要はありません。自分に合った指標を2〜3つ選び、それらを深く理解して使いこなすことが重要です。

書籍やYouTube、オンライン講座などを活用して、基礎知識を身につけましょう。学んだ知識は、実際のチャートで検証し、自分の手法に取り入れていくことが大切です。

毎日チャートを観察し、値動きのパターンを学ぶ習慣をつけることで、徐々に相場観が養われていきます。

改善策5:トレード記録をつける

トレード記録をつけることは、自分の取引を客観的に振り返り、改善点を見つけるために欠かせません。

記録すべき項目

取引日時、銘柄名

エントリー価格、エグジット価格

損益、エントリー理由

エグジット理由、取引時の感情

エクセルやスプレッドシート、専用のアプリを使って記録を管理しましょう。週に1回は記録を振り返り、自分の負けパターンや勝ちパターンを分析します。

記録を続けることで、自分の弱点が明確になり、具体的な改善策を立てられるようになります。最初は面倒に感じるかもしれませんが、継続することで確実に成長につながります。

改善策6:メンタルコントロールを身につける

メンタルコントロールは、デイトレードで成功するための重要な要素です。

感情に左右されず、淡々とルールに従って取引を続ける力が必要です。連敗しても焦らない、連勝しても過信しない、という冷静さを保つことが大切です。

メンタルコントロールを身につけるためには、まず自分の感情パターンを把握することから始めましょう。

トレード記録に感情も記録し、どのような場面で感情的になりやすいかを分析します。

また、取引前にルールを再確認する、損失が出ても「これは必要経費」と割り切る、1日の損失上限を決めてそれを超えたら取引をやめる、などの対策が有効です。

瞑想や深呼吸などのリラックス法を取り入れることもおすすめです。

負けパターンを客観的に分析する方法

自分の負けパターンを客観的に分析することで、具体的な改善点が見えてきます。

ここでは、トレード記録の効果的なつけ方と、それを活用した分析方法を解説します。

トレード記録の効果的なつけ方

トレード記録は、単に損益を記録するだけでなく、取引の詳細と自分の判断プロセスを記録することが重要です。

記録を継続することで、自分の取引の傾向や癖が見えてきます。

記録すべき項目

  • 取引日時、銘柄名、エントリー価格、エグジット価格
  • 株数、損益金額、損益率
  • エントリー理由(なぜその銘柄を選んだか、どのテクニカル指標を根拠にしたか)
  • エグジット理由(利確か損切りか、ルール通りか感情的な判断か)
  • 取引時の感情(冷静だったか、焦っていたか、自信があったか)
  • 市場環境(地合いは良かったか、悪かったか)
  • 反省点(何が良かったか、何が悪かったか)

これらの項目を記録することで、後から振り返ったときに具体的な改善点が見えてきます。

記録ツールの選び方

トレード記録をつけるツールは、自分が使いやすいものを選びましょう。

エクセルやGoogleスプレッドシートを使えば、自由にカスタマイズでき、グラフ化も簡単です。専用のトレード記録アプリもあり、スマホから手軽に記録できるものもあります。

証券会社が提供する取引履歴のダウンロード機能を活用すれば、取引データを自動的に取り込むこともできます。

重要なのは、継続して記録できることです。あまり複雑にせず、シンプルで続けやすい方法を選びましょう。

自分の負けパターンを見つける

トレード記録を一定期間(最低でも1ヶ月程度)蓄積したら、データを分析して自分の負けパターンを見つけましょう。

分析のポイント

損失が大きい取引に共通する要素はないか

特定の時間帯や曜日に負けが集中していないか

特定の銘柄タイプで負けやすくないか

感情的になった取引の結果はどうか

例えば、「午後の取引で負けることが多い」「出来高の少ない銘柄で損失が大きい」「連敗後のリベンジトレードで大きく負けている」といったパターンが見えてくるはずです。

自分の弱点を客観的に把握することが、改善の第一歩です。

改善点の優先順位をつける

負けパターンが見えたら、改善点に優先順位をつけて取り組みましょう。

すべてを一度に改善しようとすると、かえって混乱してしまいます。まずは、最も損失が大きい原因から取り組むことをおすすめします。

例えば、「損切りができずに大きな損失を出している」ことが最大の問題なら、逆指値注文の徹底から始めます。「特定の時間帯で負けが多い」なら、その時間帯の取引を避けるルールを作ります。

1つの改善点に集中して取り組み、それが習慣化してから次の改善点に進むことが効果的です。焦らず、一歩ずつ確実に改善していきましょう。

デイトレードを始める前に知っておきたいこと

デイトレードを始める前に、自分に向いているかどうか、どのような準備が必要かを確認しておくことが大切です。

ここでは、デイトレードを始める前に知っておくべき重要な情報をまとめました。

デイトレードに向いている人・向いていない人

デイトレードは誰にでも向いているわけではありません。自分の性格やライフスタイルに合っているかを確認しましょう。

向いている人の特徴

  • 平日の日中に時間を確保できる人(市場が開いている9時〜15時に取引できる)
  • 瞬時の判断ができる人
  • 感情をコントロールできる人
  • ルールを守れる人
  • 損失を受け入れられる人
  • 継続的に学習できる人
  • リスクを理解している人

特に重要なのは、感情をコントロールできることと、ルールを守れることです。これらの資質がないと、デイトレードで安定した成績を残すことは難しいでしょう。

向いていない人の特徴

平日の日中に時間を確保できない人、感情的になりやすい人、ルールを守れない人、損失を受け入れられない人、短期的な結果を求めすぎる人、ギャンブル感覚で取り組む人、生活資金を投資に回そうとする人は、デイトレードには向いていません。

特に、生活資金を投資に回すことは絶対に避けるべきです。デイトレードは余裕資金で行うものであり、失っても生活に影響のない資金で取り組むことが大前提です。

必要な資金はどのくらいか

デイトレードを始めるために必要な資金は、最低でも30万円〜50万円程度が目安です。

資金が少なすぎると、適切な資金管理ができず、1回の損失で大きなダメージを受けてしまいます。また、銘柄の選択肢も限られてしまいます。

理想的には100万円以上の資金があると、余裕を持った取引ができます。

最初から大きな資金を投入するのではなく、少額から始めて経験を積み、勝てるようになってから資金を増やすことをおすすめします。

また、デイトレード用の資金とは別に、生活費の6ヶ月分以上の貯金を確保しておくことが重要です。

デモトレード・シミュレーションで練習する

実際の資金を使う前に、デモトレードやシミュレーションで練習することを強くおすすめします。

多くの証券会社が、実際の市場データを使ったデモトレード環境を提供しています。

デモトレードの活用法

取引ツールの使い方を覚える

自分のトレードルールを検証する

メンタル面の訓練をする

ただし、デモトレードでは実際の資金を失うリスクがないため、心理的なプレッシャーが実際の取引とは異なります。

デモトレードで安定して勝てるようになってから、少額の実資金で取引を始め、徐々に金額を増やしていくことが賢明です。

税金と確定申告の基礎知識

デイトレードで利益が出た場合、税金の申告が必要です。

株式の譲渡益には、20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税率が適用されます。

証券会社で「特定口座(源泉徴収あり)」を選択している場合、利益が出るたびに自動的に税金が差し引かれるため、原則として確定申告は不要です。

ただし、複数の証券会社で取引している場合や、損失を繰り越したい場合は、確定申告をすることで税金の還付を受けられることがあります。

また、年間の取引が多いと、確定申告書の作成が複雑になることもあります。税金の計算や確定申告について不安がある場合は、税理士に相談することをおすすめします。

国税庁:株式等の譲渡所得等の課税

デイトレードにおすすめの証券会社3社

デイトレードで成功するためには、取引コストが低く、使いやすいツールを提供している証券会社を選ぶことが重要です。

ここでは、デイトレードに特におすすめの証券会社を3社ご紹介します。

SBI証券|取引コストを抑えたい人に

SBI証券の画像
項目 内容
口座数 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む)
取引手数料 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。
NISA対応
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点
成長投資枠対象商品 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点)
投資信託 約2,550本 ※2025年3月3日時点
外国株 8カ国/米国株式(5,000銘柄)
取引ツール(PC) HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー
スマホアプリ SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD
提携銀行口座 SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行
ポイント投資・付与 Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立)
口座開設スピード 最短 翌営業日

SBI証券は、国内最大級のネット証券で、約1,500万口座を誇ります。

デイトレードにおける最大の魅力は、現物取引・信用取引ともに原則無料という手数料体系です。

取引回数が多いデイトレードでは、手数料が利益を圧迫する大きな要因となるため、手数料無料は非常に大きなメリットです。

また、投資信託は約2,600本、外国株は8ヵ国・約5,000銘柄を取り扱っており、商品ラインナップも充実しています。

デイトレード向けのポイント

SBI証券は、デイトレード専用ツール「HYPER SBI 2」を提供しており、高速な注文執行と豊富なチャート機能が特徴です。

板情報やチャートを複数画面で表示でき、効率的な取引が可能です。また、スマホアプリ「SBI証券アプリ」も使いやすく、外出先からでも快適に取引できます。

Vポイント、Pontaポイント、dポイント、JALマイル、PayPayポイントなど、複数のポイントプログラムから選べるのも魅力です。

楽天証券|ツールの使いやすさ重視の人に

楽天証券LP画像
項目 内容
口座数 約12,000,000口座 ※2025年1月時点
取引手数料 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。
NISA対応 〇(新NISA対応)
つみたて投資枠取扱銘柄数 263銘柄 ※2025年4月24日時点
成長投資枠対象商品 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄)
投資信託 約2,550本 ※2025年4月24日時点
外国株 6カ国/米国株式(約4,500銘柄)
取引ツール(PC) マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4
スマホアプリ iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物
提携銀行口座 楽天銀行(マネーブリッジ)
ポイント投資・付与 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>)
口座開設スピード 最短 翌営業日

楽天証券は、SBI証券と並ぶ大手ネット証券で、約1,200万口座を持っています。

最大の特徴は、デイトレード専用ツール「MARKET SPEED II」の使いやすさです。

直感的な操作性と豊富な機能で、多くのデイトレーダーから支持されています。楽天ポイントが貯まる・使えるのも魅力で、楽天経済圏を活用している人には特におすすめです。

デイトレード向けのポイント

「MARKET SPEED II」は、カスタマイズ性が高く、自分好みの取引環境を構築できます。

リアルタイムの市場情報、高機能チャート、素早い注文執行など、デイトレードに必要な機能がすべて揃っています。

また、Mac専用の「MARKET SPEED for Mac」も提供しており、Macユーザーでも快適に取引できます。スマホアプリ「iSPEED」も高機能で、外出先からでも本格的な取引が可能です。

松井証券|少額から始めたい人に

松井証券のLP画像
項目 内容
口座数 約1,670,000口座 ※2025年3月時点
取引手数料 【ボックスレート(1日定額制)】 1日の約定代金合計50万円まで:0円 50万円超:1,000円(税込1,100円)~※25歳以下なら約定代金に関わらず手数料無料
NISA対応 〇(日本株、米国株、投資信託すべて売買手数料無料)
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(銘柄数は公式サイトで確認)
成長投資枠対象商品 国内株 / 米国株 / 投資信託(約1,800本以上)
投資信託 約1,900本以上(購入時手数料すべて無料)
外国株 米国株:約4,900銘柄(2025年4月23日時点)
取引ツール(PC) ネットストック・ハイスピード(無料)
スマホアプリ 日本株アプリ / 投信アプリ / 米国株アプリ(すべて無料)
提携銀行口座 MATSUI Bank(松井証券専用銀行)
ポイント投資・付与 松井証券ポイント(投資信託の積立に利用可能)
口座開設スピード 最短即日(スマートフォンによるオンライン申込)

松井証券は、創業100年以上の歴史を持つ老舗証券会社です。

最大の特徴は、25歳以下なら取引手数料が完全無料、26歳以上でも1日50万円までの取引なら手数料無料という点です。

少額から始めたい初心者や、若い世代のトレーダーには特におすすめです。また、サポート体制が充実しており、初心者でも安心して取引を始められます。

デイトレード向けのポイント

松井証券の取引ツール「ネットストック・ハイスピード」は、デイトレーダーから高い評価を得ています。

特にチャート機能が充実しており、見やすさと機能性を両立しています。株価の微妙な変化を捉えて仕掛けるデイトレードには必須のツールです。

また、口座開設が最短即日で完了するため、すぐに取引を始めたい人にも適しています。サポートセンターの対応も丁寧で、初心者の疑問にも親切に答えてくれます。

よくある質問(Q&A)

よくある質問
デイトレードで勝てるようになるまでどのくらいかかる?

デイトレードで安定して勝てるようになるまでの期間は、個人差が大きいですが、一般的には1〜3年程度かかると言われています。

最初の数ヶ月は損失が続くことも珍しくありません。重要なのは、焦らずに継続的に学習し、トレード記録をつけて改善を重ねることです。

早く結果を出そうと焦ると、無謀な取引をしてしまい、かえって遠回りになります。地道な努力と検証を積み重ねることが、成功への近道です。

デイトレードは副業でもできる?

デイトレードは平日の日中(9時〜15時)に市場が開いているため、フルタイムで働いている人が副業として行うのは難しいのが現実です。

ただし、リモートワークで時間に融通が利く場合や、休憩時間を活用できる場合は、限定的に取引することも可能です。

また、朝の寄り付き前に注文を出し、逆指値と指値を組み合わせた条件注文を活用すれば、日中相場を見られなくてもある程度の取引はできます。

信用取引は使うべき?

信用取引は、空売りができるため、下落相場でも利益を狙えるメリットがあります。デイトレードでは、上昇局面だけでなく下落局面でも取引機会を得られるため、信用取引を使えた方が有利です。

ただし、信用取引にはレバレッジがかかるため、損失も拡大しやすいというリスクがあります。

初心者がいきなり信用枠をフルに使うことは非常に危険です。まずは現物取引で経験を積み、資金管理とリスク管理ができるようになってから、慎重に信用取引を活用することをおすすめします。

損失が出た時はどう立て直せばいい?

損失が出た時は、まず冷静になることが最も重要です。損失を取り返そうと焦って無謀な取引をすると、さらに損失が拡大する「リベンジトレード」に陥ってしまいます。

損失が出たら、一度取引を止めて、何が悪かったのかを冷静に分析しましょう。トレード記録を見返し、ルール違反がなかったか、感情的な判断をしていなかったかを確認します。

大きな損失が出た場合は、数日間取引を休んで心を落ち着かせることも有効です。立て直しは、少額から再開し、ルールを徹底して守ることから始めましょう。

専業トレーダーになるにはどうすればいい?

専業トレーダーになるには、まず安定して利益を出せるようになることが前提です。目安としては、少なくとも1年以上、毎月安定してプラスの収支を維持できることが必要です。

また、生活費の1年分以上の貯金を確保しておくことも重要です。専業トレーダーは収入が不安定なため、数ヶ月間利益が出なくても生活できる資金が必要です。

さらに、国民健康保険や国民年金への加入、確定申告の手続きなど、会社員時代にはなかった手続きも必要になります。

取引回数が増えすぎてしまう場合の対処法は?

取引回数が増えすぎる「ポジポジ病」に陥っている場合は、まず1日の取引回数上限を設定しましょう。例えば、「1日3回まで」といった明確なルールを作ります。

また、エントリー条件を厳格化し、条件が揃わない場面では取引しないという規律を持つことが重要です。

取引したい衝動に駆られたら、一度深呼吸をして、本当にエントリー条件を満たしているか冷静に確認しましょう。さらに、1日の損失上限を設定し、それに達したらその日は取引を終了するルールも有効です。

家族にデイトレードのことを話すべき?

デイトレードを行っていることは、家族に話しておくことをおすすめします。特に、まとまった金額を投資に回す場合や、専業トレーダーを目指す場合は、家族の理解と協力が不可欠です。

ただし、話す際は、リスクを正直に説明し、生活資金には手をつけないこと、損失が出る可能性があることを伝えましょう。

家族に内緒で取引をすると、損失が出た時に大きな問題になる可能性があります。オープンにコミュニケーションを取り、理解を得ながら取り組むことが、長期的に投資を続ける上で重要です。

追証が発生したらどうすればいい?

追証(追加保証金)が発生した場合は、速やかに対応する必要があります。追証は、信用取引で損失が拡大し、保証金が不足した状態です。

証券会社から指定された期日までに、不足分の資金を入金するか、保有しているポジションを決済して保証金を回復させる必要があります。

期日までに対応しないと、証券会社が強制的にポジションを決済する「強制決済」が行われ、さらに損失が拡大する可能性があります。追証が発生しないよう、信用取引を行う際は必ず余裕を持った資金管理を心がけ、逆指値注文で損切りラインを設定しておくことが重要です。

まとめ

デイトレードで負ける理由は、損切りができない、明確なトレードルールがない、ポジポジ病に陥っている、資金管理ができていない、相場分析の知識が不足している、メンタルが弱い、取引手数料を軽視している、取引ツールを使いこなせていない、銘柄選定が適切でない、過度なレバレッジを使っているという10のパターンに集約されます。

これらの問題を改善するためには、逆指値注文を活用して損切りを自動化する、明確なトレードルールを作る、徹底した資金管理を行う、テクニカル分析の基本を学ぶ、トレード記録をつける、メンタルコントロールを身につけるという6つの改善策が有効です。

デイトレードは、適切な知識と準備があれば、誰でも挑戦できる投資スタイルです。ただし、多くの人が負けるという厳しい現実も理解しておく必要があります。

デモトレードで十分に練習し、少額から始めて経験を積むことが成功への近道です。

証券会社選びも重要で、取引コストが低く、使いやすいツールを提供している証券会社を選びましょう。SBI証券、楽天証券、松井証券は、それぞれ異なる強みを持っており、自分の取引スタイルに合わせて選ぶことができます。

焦らず、地道に学習と検証を重ねることが、デイトレードで成功するための鍵です。自分の負けパターンを客観的に分析し、一つずつ改善していきましょう。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。デイトレードは特にリスクが高い投資手法であることを理解し、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。不安な点がある場合は、専門家にご相談されることをおすすめします。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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