NISAの買い方|口座開設から購入までの手順を解説

NISAの買い方|口座開設から購入までの手順を解説

NISAを始めたいけれど、どうやって商品を買えばいいのか分からないという方は多いのではないでしょうか。

NISAは口座を開設してから商品を選び、積立設定や購入手続きを行うことで投資をスタートできます。

この記事では、NISA口座の開設方法から実際の買い方まで、初心者の方でも迷わず進められるよう画面付きで詳しく解説します。

つみたて投資枠と成長投資枠の違いや、証券会社の選び方、おすすめの商品についても分かりやすく説明しています。

この記事を読めば、NISAで投資を始めるための全体像が理解でき、実際に商品を購入するまでの手順が明確になります。

この記事の要約
  • NISAの買い方は「証券会社で口座開設→商品選択→積立設定または購入」の3ステップで完了します
  • つみたて投資枠(年間120万円)と成長投資枠(年間240万円)の2つがあり、併用も可能です
  • 初心者には手数料が安く、商品ラインナップが豊富なSBI証券・楽天証券がおすすめです
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

NISAの買い方|基本の流れと必要なもの

NISAで投資を始めるには、まず証券会社でNISA口座を開設し、その口座で投資信託や株式などの商品を購入します。

NISA口座は1人1口座しか開設できないため、証券会社選びは慎重に行う必要があります。

口座開設から商品購入までの流れを理解しておくことで、スムーズに投資をスタートできます。必要な書類や手続きの期間も事前に把握しておきましょう。

NISAで商品を買うまでの4ステップ

NISAで実際に商品を購入するまでの流れは、以下の4つのステップで進みます。

1.証券会社を選ぶ:手数料、取扱商品数、使いやすさなどを比較して自分に合った証券会社を選びます
2.NISA口座を開設する:本人確認書類とマイナンバーを提出し、口座開設の申込を行います
3.税務署の審査を待つ:証券会社から税務署に申請が行われ、審査が完了するまで1〜2週間程度かかります
4.商品を選んで購入する:審査完了後、つみたて投資枠または成長投資枠で商品を購入します

多くのネット証券では、口座開設の申込自体は10〜15分程度で完了します。

ただし、税務署の審査期間があるため、実際に取引を開始できるまでには時間がかかる点に注意が必要です。

NISA口座は1人1口座のみ開設可能で、複数の証券会社で同時に開設することはできません。そのため、最初の証券会社選びが重要になります。

金融庁:NISAを知る

口座開設に必要な書類

NISA口座を開設する際には、本人確認とマイナンバー確認のための書類が必要です。

事前に準備しておくことで、スムーズに手続きを進められます。

本人確認書類として使えるもの(いずれか1点):

  • 運転免許証
  • マイナンバーカード(顔写真付き)
  • パスポート
  • 健康保険証(他の書類との組み合わせが必要な場合あり)
  • 住民票の写し

マイナンバー確認書類として使えるもの(いずれか1点):

  • マイナンバーカード
  • 通知カード
  • マイナンバー記載の住民票の写し

マイナンバーカードを持っている場合は、本人確認とマイナンバー確認を1枚で済ませることができるため便利です。

多くの証券会社では、スマートフォンで書類を撮影してアップロードする方法に対応しており、郵送の手間を省けます。

口座開設から取引開始までの期間

NISA口座の開設申込を行ってから実際に取引を開始できるまでの期間は、証券会社や申込方法によって異なります。

一般的な目安は以下の通りです。

オンライン申込(スマホで本人確認)の場合:

  • 申込完了:即日
  • 証券会社での審査:1〜2営業日
  • 税務署での審査:1〜2週間程度
  • 取引開始可能:申込から最短1週間〜2週間程度

郵送申込の場合:

  • 申込書類の到着:3〜5営業日
  • 書類返送・審査:1〜2週間
  • 税務署での審査:1〜2週間程度
  • 取引開始可能:申込から3〜4週間程度

税務署の審査は、NISA口座が1人1口座であることを確認するために行われます。

この審査が完了するまでは、NISA口座での取引はできませんが、多くの証券会社では審査完了前でも仮の買付が可能な場合があります。

年末年始や確定申告の時期など、税務署が混雑する時期は審査に時間がかかる可能性があるため、余裕を持って申込を行うことをおすすめします。

つみたて投資枠と成長投資枠の違い

2024年から始まった新NISA制度では、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの投資枠が用意されています。

それぞれ投資できる商品や年間の上限額が異なるため、自分の投資スタイルに合わせて使い分けることが大切です。

両方の枠を併用することも可能で、年間最大360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)まで投資できます。

金融庁:新しいNISA

つみたて投資枠の特徴と年間上限

つみたて投資枠は、長期の積立・分散投資に適した投資信託を定期的に購入するための枠です。

金融庁が定めた基準をクリアした約280本の投資信託のみが対象となっており、初心者でも安心して選べる商品が揃っています。

つみたて投資枠の主な特徴:

  • 年間投資上限額:120万円
  • 投資方法:積立購入のみ(一括購入は不可)
  • 対象商品:金融庁が定めた基準を満たす投資信託約280本
  • 購入頻度:毎日・毎週・毎月など、証券会社によって選択可能
  • 最低投資金額:100円から(証券会社による)

つみたて投資枠で購入できる投資信託は、販売手数料が無料(ノーロード)で、信託報酬(運用管理費用)も低水準に設定されています。

また、長期の資産形成に適したインデックスファンドが中心となっているため、投資初心者の方に特におすすめです。

成長投資枠の特徴と年間上限

成長投資枠は、つみたて投資枠よりも幅広い商品に投資できる枠です。

投資信託だけでなく、個別株式やETF(上場投資信託)なども購入でき、積立だけでなく一括での購入も可能です。

成長投資枠の主な特徴:

  • 年間投資上限額:240万円
  • 投資方法:積立購入・一括購入の両方が可能
  • 対象商品:上場株式、投資信託、ETF、REITなど(一部除外銘柄あり)
  • 購入タイミング:自由に選択可能
  • 最低投資金額:商品による(株式は1株から、投資信託は100円から)

成長投資枠では、つみたて投資枠の対象商品も購入できます。

そのため、つみたて投資枠の年間120万円を使い切った後、さらに同じ投資信託を成長投資枠で購入することも可能です。

整理・監理銘柄や信託期間20年未満の投資信託など、一部の商品は成長投資枠でも購入できない点に注意が必要です。

2つの枠を併用する方法

つみたて投資枠と成長投資枠は、同じ年に両方を使うことができます。

併用することで、年間最大360万円まで非課税で投資することが可能です。

併用の具体例:

  • つみたて投資枠で月10万円(年間120万円)の積立投資
  • 成長投資枠で月20万円(年間240万円)の投資信託または個別株購入
  • 合計:年間360万円の非課税投資

併用する際の注意点として、非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)という生涯の上限があります。

つまり、成長投資枠だけで1,800万円すべてを使うことはできず、最低でも600万円分はつみたて投資枠を使う必要があります。

売却した場合は翌年以降に非課税枠が復活しますが、その年の年間投資上限額(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)は変わりません。

どちらを選ぶべき?タイプ別の選び方

つみたて投資枠と成長投資枠のどちらを使うべきかは、投資経験や投資スタイル、投資できる金額によって異なります。

以下の表を参考に、自分に合った選び方を考えてみましょう。

投資家のタイプ おすすめの枠 理由
投資初心者 つみたて投資枠 金融庁の基準をクリアした商品のみで選びやすい。少額から始められる
月3万円以下の投資 つみたて投資枠 年間36万円以内ならつみたて投資枠で十分カバーできる
月10万円以上の投資 両方併用 つみたて投資枠だけでは上限に達するため、成長投資枠も活用
個別株に投資したい 成長投資枠 つみたて投資枠では個別株は買えない
まとまった資金を一括投資 成長投資枠 つみたて投資枠は積立のみで一括購入は不可

多くの投資初心者の方には、まずつみたて投資枠から始めることをおすすめします。

投資に慣れてきたら、成長投資枠を併用して投資額を増やしたり、個別株に挑戦したりするのも良いでしょう。

NISAにおすすめの証券会社5社

NISA口座を開設する証券会社を選ぶ際は、手数料の安さ、取扱商品の豊富さ、使いやすさなどを総合的に比較することが大切です。

ここでは、NISAに特におすすめの主要ネット証券5社の特徴を詳しく解説します。

それぞれの証券会社には独自の強みがあるため、自分の投資スタイルや重視するポイントに合わせて選びましょう。

SBI証券|取扱商品数と口座数No.1

SBI証券の画像
項目 内容
口座数 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む)
取引手数料 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。
NISA対応
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点
成長投資枠対象商品 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点)
投資信託 約2,550本 ※2025年3月3日時点
外国株 8カ国/米国株式(5,000銘柄)
取引ツール(PC) HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー
スマホアプリ SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD
提携銀行口座 SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行
ポイント投資・付与 Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立)
口座開設スピード 最短 翌営業日

SBI証券は、国内株式の売買手数料が無料で、投資信託の取扱本数が約2,600本と業界トップクラスの品揃えを誇ります。

NISA口座の開設数も最多で、多くの投資家に選ばれている実績があります。

SBI証券の特徴

つみたて投資枠の対象商品は約271本と豊富

米国株も約5,000銘柄取り扱い

クレジットカード積立で三井住友カードのVポイントが貯まる

取引ツール「HYPER SBI 2」やスマホアプリが充実

IPO(新規公開株)の取扱実績も年間78銘柄(2024年)と多く、成長投資枠での個別株投資にも適しています。

楽天証券|楽天ポイントが貯まる・使える

楽天証券LP画像
項目 内容
口座数 約12,000,000口座 ※2025年1月時点
取引手数料 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。
NISA対応 〇(新NISA対応)
つみたて投資枠取扱銘柄数 263銘柄 ※2025年4月24日時点
成長投資枠対象商品 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄)
投資信託 約2,550本 ※2025年4月24日時点
外国株 6カ国/米国株式(約4,500銘柄)
取引ツール(PC) マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4
スマホアプリ iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物
提携銀行口座 楽天銀行(マネーブリッジ)
ポイント投資・付与 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>)
口座開設スピード 最短 翌営業日

楽天証券は、楽天グループのサービスを利用している方に特におすすめです。

楽天カードでクレジットカード積立を行うと、積立額に応じて楽天ポイントが貯まります。

貯まったポイントは投資信託の購入にも使えるため、ポイント投資を始めやすい環境が整っています。

楽天証券の特徴

投資信託の取扱本数は約2,550本

国内株式の売買手数料も無料

米国株は約4,500銘柄を取り扱い

取引ツール「MARKET SPEED Ⅱ」は高機能

スマホアプリ「iSPEED」も使いやすく、外出先でも快適に取引できます。

マネックス証券|米国株の取扱が豊富

マネックス証券のLP画像
項目 内容
口座数 約2,700,000口座 ※2025年2月時点
取引手数料 【取引毎手数料コース】
  • 5万円以下:55円(税込)

  • 5万超~10万円以下:99円

  • 10万超~20万円以下:115円

  • 20万超~50万円以下:275円

  • 50万超~100万円以下:535円

  • 100万超~150万円以下:640円

  • 150万超~3,000万円以下:1,013円

  • 3,000万円超:1,070円

NISA対応 〇(日本株・米国株・中国株・投資信託の売買手数料が無料)
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(銘柄数は公式サイトで確認)
成長投資枠対象商品 国内株 / 米国株 / 中国株 / 投資信託(約1,750本以上)
投資信託 約1,800本(購入時手数料すべて無料)
外国株 2カ国/米国株:約5,000銘柄以上(2025年1月27日時点)
取引ツール(PC) マネックストレーダー / 銘柄スカウター
スマホアプリ マネックス証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ
提携銀行口座 マネックス証券専用銀行口座(詳細は公式サイトで確認)
ポイント投資・付与 マネックスポイント / dポイント(投資信託の積立に利用可能)
口座開設スピード オンライン申込で最短翌営業日

マネックス証券は、米国株の取扱銘柄数が約5,000銘柄と業界トップクラスで、米国株投資に力を入れている方に特におすすめです。

米国株の取引手数料も比較的安く、NISA口座での米国株取引にも対応しています。

マネックス証券の特徴

投資信託の取扱本数は約1,800本

マネックスカードでのクレジットカード積立で1.1%のマネックスポイント

取引ツール「マネックストレーダー」は高度なチャート分析が可能

IPOの取扱実績も年間54銘柄(2024年)と豊富

松井証券|50万円まで手数料無料

松井証券のLP画像
項目 内容
口座数 約1,670,000口座 ※2025年3月時点
取引手数料 【ボックスレート(1日定額制)】 1日の約定代金合計50万円まで:0円 50万円超:1,000円(税込1,100円)~※25歳以下なら約定代金に関わらず手数料無料
NISA対応 〇(日本株、米国株、投資信託すべて売買手数料無料)
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(銘柄数は公式サイトで確認)
成長投資枠対象商品 国内株 / 米国株 / 投資信託(約1,800本以上)
投資信託 約1,900本以上(購入時手数料すべて無料)
外国株 米国株:約4,900銘柄(2025年4月23日時点)
取引ツール(PC) ネットストック・ハイスピード(無料)
スマホアプリ 日本株アプリ / 投信アプリ / 米国株アプリ(すべて無料)
提携銀行口座 MATSUI Bank(松井証券専用銀行)
ポイント投資・付与 松井証券ポイント(投資信託の積立に利用可能)
口座開設スピード 最短即日(スマートフォンによるオンライン申込)

松井証券は、1日の約定代金が50万円以下なら株式売買手数料が無料になる点が特徴です。

また、25歳以下の方は金額に関わらず手数料が無料になるため、若い世代の投資家に特におすすめです。

松井証券の特徴

投資信託の取扱本数は約1,900本

つみたて投資枠の対象商品は約250本

米国株も約4,900銘柄取り扱い

サポート体制が充実

投資初心者の方でも安心して利用できる証券会社です。口座開設は最短即日で完了し、すぐに取引を始められます。

証券会社を選ぶ3つのポイント

NISA口座を開設する証券会社を選ぶ際は、以下の3つのポイントを重視すると良いでしょう。

1. 手数料の安さ

国内株式の売買手数料や投資信託の購入時手数料(販売手数料)が無料の証券会社を選びましょう。

多くのネット証券では、NISA口座での国内株式売買手数料が無料になっています。

2. 取扱商品の豊富さ

つみたて投資枠の対象商品数や、成長投資枠で購入できる個別株・ETFの銘柄数を確認しましょう。

特に米国株に投資したい場合は、米国株の取扱銘柄数が多い証券会社を選ぶことが重要です。

3. ポイント還元・特典

クレジットカード積立のポイント還元率や、貯まったポイントで投資ができるかどうかも重要なポイントです。

楽天ポイントやVポイントなど、普段使っているポイントサービスと連携している証券会社を選ぶと、ポイントを効率的に活用できます。

NISA口座の開設方法|画面付きで解説

NISA口座の開設は、オンラインで完結できる証券会社が増えており、スマートフォンがあれば最短10分程度で申込が完了します。

ここでは、一般的なネット証券での口座開設の流れを、実際の画面イメージとともに解説します。

口座開設の手順は証券会社によって多少異なりますが、基本的な流れはほぼ共通しています。

メールアドレスの登録

まず、証券会社の公式サイトにアクセスし、「口座開設」ボタンをクリックします。

メールアドレスを入力すると、認証用のメールが届きます。

届いたメールに記載されているURLをクリックすると、口座開設の申込画面に進みます。この時点では個人情報の入力はまだ必要ありません。

メールアドレスは、証券会社からの重要なお知らせを受け取るために使用されるため、普段使っているメールアドレスを登録することをおすすめします。迷惑メールフォルダに振り分けられないよう、証券会社のドメインを受信許可設定しておきましょう。

本人確認書類の提出方法

次に、本人確認書類を提出します。

多くの証券会社では、スマートフォンのカメラで書類を撮影してアップロードする「オンライン本人確認」に対応しています。

オンライン本人確認の手順:

1.本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)を選択
2.スマートフォンのカメラで書類の表面を撮影
3.書類の裏面を撮影(必要な場合)
4.自分の顔を撮影(本人確認のため)
5.撮影した画像を確認してアップロード

撮影する際は、書類全体がはっきりと写るようにし、光の反射で文字が読めなくならないよう注意しましょう。ピンボケや影で文字が見えない場合は、再提出を求められることがあります。

オンライン本人確認を利用すると、郵送での書類提出に比べて口座開設までの期間が大幅に短縮されます。

マイナンバーの提出方法

本人確認書類の提出が完了したら、次にマイナンバーを提出します。

マイナンバーカードを持っている場合は、本人確認とマイナンバー確認を同時に済ませることができます。

マイナンバーの提出方法:

  • マイナンバーカードを持っている場合:カードの表面と裏面を撮影
  • 通知カードを使う場合:通知カードを撮影
  • マイナンバー記載の住民票を使う場合:住民票を撮影またはスキャン

マイナンバーは、税務署での審査に必要な情報です。

NISA口座は税制優遇制度であるため、マイナンバーの提出が法律で義務付けられています。

特定口座とNISA口座の同時申込

NISA口座を開設する際、多くの証券会社では「特定口座」も同時に申し込むことができます。

特定口座は、NISA口座とは別の課税口座で、NISA枠を使い切った後や、NISA対象外の商品に投資する際に利用します。

特定口座の種類:

  • 特定口座(源泉徴収あり):証券会社が税金を自動で計算・納税してくれるため、確定申告が不要
  • 特定口座(源泉徴収なし):自分で確定申告を行う必要がある
  • 一般口座:自分で損益を計算し、確定申告を行う必要がある

初心者の方には「特定口座(源泉徴収あり)」をおすすめします。確定申告の手間が省けるため、投資に専念できます。

NISA口座の開設申込時に、特定口座も同時に申し込んでおくと、将来的にNISA枠を使い切った際にスムーズに投資を継続できます。

税務署審査の期間と進捗確認

口座開設の申込が完了すると、証券会社から税務署に審査の申請が行われます。

税務署では、申込者が既に他の証券会社でNISA口座を開設していないかを確認します。

税務署の審査期間は通常1〜2週間程度ですが、年末年始や確定申告の時期など、税務署が混雑する時期は3週間以上かかる場合もあります。

審査の進捗確認方法:

  • 証券会社のマイページにログインして「口座開設状況」を確認
  • 証券会社から届くメールで審査状況を確認
  • カスタマーサポートに電話で問い合わせ

審査が完了すると、証券会社からメールで通知が届きます。この時点でNISA口座での取引が可能になります。

多くの証券会社では、審査完了前でも仮の買付が可能な「仮開設」の状態で取引を始められる場合があります。

NISAで買える商品の選び方

NISA口座を開設したら、次は実際に購入する商品を選びます。

つみたて投資枠と成長投資枠では購入できる商品が異なるため、それぞれの特徴を理解して自分に合った商品を選びましょう。

投資初心者の方は、まず低コストのインデックスファンドから始めることをおすすめします。

つみたて投資枠で買える商品

つみたて投資枠では、金融庁が定めた基準をクリアした投資信託のみが購入対象となります。

2024年12月時点で約280本の投資信託が対象となっており、すべて以下の条件を満たしています。

金融庁:つみたて投資枠対象商品

つみたて投資枠の対象商品の条件:

  • 販売手数料が無料(ノーロード)
  • 信託報酬が一定水準以下(インデックスファンドは0.5%以下、アクティブファンドは1.0%以下など)
  • 信託契約期間が無期限または20年以上
  • 分配頻度が毎月でない
  • デリバティブ取引による運用を行っていない

これらの基準により、長期の資産形成に適した低コストの投資信託が選ばれています。

投資初心者の方でも、この中から選べば比較的安心して投資を始められます。

対象商品の中心は、日本株式、先進国株式、全世界株式などのインデックスファンドです。特定の地域や資産に集中投資するのではなく、世界中の株式に分散投資できる「全世界株式インデックスファンド」は、初心者に人気の商品です。

成長投資枠で買える商品

成長投資枠では、つみたて投資枠よりも幅広い商品を購入できます。

投資信託だけでなく、個別株式やETF、REITなども購入対象となります。

成長投資枠で購入できる主な商品:

  • 上場株式(国内株式・外国株式)
  • 投資信託(つみたて投資枠の対象商品を含む)
  • ETF(上場投資信託)
  • REIT(不動産投資信託)

成長投資枠で購入できない商品:

  • 整理銘柄・監理銘柄
  • 信託期間20年未満の投資信託
  • 毎月分配型の投資信託
  • デリバティブ取引を用いた一定の投資信託

成長投資枠では、つみたて投資枠の対象商品もすべて購入できるため、つみたて投資枠の年間120万円を使い切った後、同じ投資信託を成長投資枠で追加購入することも可能です。

個別株式に投資する場合は、企業の業績や財務状況を分析する必要があるため、投資経験がある程度ある方におすすめです。初心者の方は、まず投資信託やETFから始めると良いでしょう。

初心者におすすめの投資信託3選

投資初心者の方には、以下のような特徴を持つ投資信託がおすすめです。

1. 全世界株式インデックスファンド

日本を含む世界中の株式に分散投資できるファンドです。

1つの商品で約50カ国、数千社の企業に投資できるため、地域や企業の集中リスクを避けられます。代表的な商品として「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などがあります。

2. 米国株式インデックスファンド

米国の代表的な株価指数であるS&P500に連動するファンドです。

AppleやMicrosoft、Amazonなど、米国の主要企業約500社に分散投資できます。「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などが人気です。

3. バランスファンド

株式と債券を組み合わせたファンドで、株式のみのファンドに比べて値動きが穏やかです。

リスクを抑えたい方や、投資に慣れていない方におすすめです。株式と債券の比率は商品によって異なり、「株式50%・債券50%」や「株式70%・債券30%」などがあります。

信託報酬の見方と比較のコツ

投資信託を選ぶ際に重要なのが「信託報酬」です。

信託報酬とは、投資信託を保有している間、継続的に支払う運用管理費用のことです。

信託報酬は年率で表示され、例えば信託報酬が0.1%の投資信託を100万円保有している場合、年間1,000円の費用がかかります。

この費用は日々の基準価額から自動的に差し引かれるため、直接支払う必要はありません。

信託報酬の目安:

  • インデックスファンド:0.05%〜0.3%程度
  • アクティブファンド:0.5%〜2.0%程度

長期投資では、信託報酬の差が運用成績に大きく影響します。例えば、信託報酬が0.1%のファンドと1.0%のファンドで、30年間100万円を運用した場合、信託報酬の差だけで数十万円の差が生まれることがあります。

同じ指数に連動するインデックスファンドであれば、信託報酬が低い商品を選ぶことをおすすめします。

証券会社の商品検索画面では、信託報酬で並び替えることができるため、比較しやすくなっています。

実際の買い方|つみたて投資枠の設定手順

NISA口座の開設が完了したら、いよいよ商品を購入します。

ここでは、つみたて投資枠での積立設定の具体的な手順を、画面イメージとともに解説します。

積立設定は一度行えば、毎月自動的に買付が行われるため、手間をかけずに長期投資を続けられます。

商品を検索して選ぶ

まず、証券会社のサイトまたはアプリにログインし、「投資信託」または「つみたてNISA」のメニューから商品を検索します。

商品検索の方法:

  • ランキングから選ぶ:人気ランキングや積立設定件数ランキングから選ぶ
  • カテゴリーから選ぶ:全世界株式、米国株式、バランス型などのカテゴリーから選ぶ
  • 条件で絞り込む:信託報酬の低い順、純資産総額の大きい順などで並び替える
  • ファンド名で検索:具体的な商品名が決まっている場合は、直接検索

商品を選ぶ際は、以下の情報を確認しましょう。

  • ファンド名と運用会社
  • 信託報酬(運用管理費用)
  • 純資産総額(規模が大きいほど安定)
  • 過去の運用実績(参考程度)
  • 投資対象(どの地域・資産に投資するか)

気になる商品が見つかったら、商品詳細ページで目論見書(もくろみしょ)を確認することをおすすめします。目論見書には、ファンドの投資方針やリスク、手数料などが詳しく記載されています。

積立金額を決める

購入する商品が決まったら、毎月の積立金額を設定します。

つみたて投資枠の年間上限は120万円なので、月額換算で最大10万円まで設定できます。

積立金額の設定例:

  • 月3万円:年間36万円(年間上限の30%)
  • 月5万円:年間60万円(年間上限の50%)
  • 月10万円:年間120万円(年間上限いっぱい)

多くの証券会社では、100円から積立設定が可能です。

無理のない金額から始めて、収入が増えたら積立額を増やすという方法もおすすめです。

年間上限の120万円を使い切りたい場合は、月10万円の設定にします。ボーナス月に増額設定をすることで、年間上限を効率的に使い切ることも可能です。

積立日・積立頻度を設定する

積立金額が決まったら、次に積立日と積立頻度を設定します。

証券会社によって選択できるオプションは異なりますが、一般的には以下の選択肢があります。

積立頻度の選択肢:

  • 毎月:毎月指定した日に買付(最も一般的)
  • 毎週:毎週指定した曜日に買付
  • 毎日:営業日ごとに買付

積立日の選択肢(毎月積立の場合):

  • 1日〜28日の中から選択
  • 月末日

給与振込日の直後に設定すると、資金不足を避けられます。

例えば、給与が25日に振り込まれる場合は、積立日を27日や月末に設定すると良いでしょう。

積立頻度による運用成績の差は、長期的にはそれほど大きくありません。毎月・毎週・毎日のどれを選んでも、ドルコスト平均法の効果は得られます。管理のしやすさを考えると、毎月積立が最も一般的でおすすめです。

クレジットカード決済を設定する

多くの証券会社では、クレジットカードでの積立設定が可能です。

クレジットカード積立を利用すると、積立額に応じてポイントが貯まるため、実質的なリターンを向上させることができます。

主な証券会社とクレジットカードの組み合わせ:

  • SBI証券:三井住友カード(Vポイント0.5%〜5.0%還元)
  • 楽天証券:楽天カード(楽天ポイント0.5%〜1.0%還元)
  • マネックス証券:マネックスカード(マネックスポイント1.1%還元)
  • 三菱UFJeスマート証券:三菱UFJカード(三菱UFJポイント1.0%還元)

クレジットカード積立の月額上限は、多くの証券会社で10万円に設定されています。

つみたて投資枠の年間上限120万円を使い切りたい場合は、クレジットカード積立だけで達成できます。

クレジットカード積立を設定する際は、事前にクレジットカードを証券口座に登録する必要があります。登録手続きは証券会社のマイページから行えます。

設定内容を確認して注文する

積立設定の入力が完了したら、最後に設定内容を確認します。

以下の項目が正しく設定されているか確認しましょう。

  • 購入する商品名
  • 積立金額(月額・年額)
  • 積立日・積立頻度
  • 決済方法(クレジットカード・銀行引落など)
  • 積立開始日

内容に問題がなければ、「設定する」または「注文する」ボタンをクリックします。

これで積立設定が完了し、指定した日に自動的に買付が行われます。

積立設定完了後は、証券会社から確認メールが届きます。マイページの「積立設定一覧」からも、設定内容を確認できます。

初回の買付が完了すると、保有商品一覧に購入した投資信託が表示されます。以降は毎月自動的に買付が行われるため、特に操作は必要ありません。

実際の買い方|成長投資枠でスポット購入する方法

成長投資枠では、積立購入だけでなく、好きなタイミングで一括購入(スポット購入)を行うこともできます。

ここでは、成長投資枠での投資信託の一括購入と、個別株の購入方法を解説します。

まとまった資金がある場合や、相場が下落したタイミングで追加投資したい場合に、スポット購入が活用できます。

投資信託を一括で購入する手順

成長投資枠で投資信託を一括購入する手順は、つみたて投資枠とほぼ同じですが、積立設定ではなく「スポット購入」を選択します。

投資信託のスポット購入手順:

1.証券会社のサイトまたはアプリにログイン
2.「投資信託」メニューから購入したい商品を検索
3.商品詳細ページで「購入」または「買付」ボタンをクリック
4.購入金額を入力(最低100円から)
5.NISA区分で「成長投資枠」を選択
6.購入内容を確認して注文

投資信託の購入金額は、最低100円から1円単位で指定できます。

成長投資枠の年間上限は240万円なので、一度に240万円まで購入することが可能です。

投資信託の買付は、注文した日の翌営業日以降に約定(購入が確定)します。株式のようにリアルタイムで価格が変動するのではなく、1日1回算出される「基準価額」で購入されます。

購入した投資信託は、約定日の翌営業日以降に保有商品一覧に反映されます。

個別株を購入する手順

成長投資枠では、個別株式も購入できます。

個別株の購入は、投資信託よりも価格変動が大きいため、企業の業績や財務状況を分析してから購入することが重要です。

個別株の購入手順:

1.証券会社のサイトまたはアプリにログイン
2.「国内株式」メニューから銘柄を検索(銘柄名または銘柄コードで検索)
3.銘柄詳細ページで「買付」ボタンをクリック
4.注文方法を選択(成行注文または指値注文)
5.購入株数を入力(単元株は100株単位、単元未満株は1株から)
6.NISA区分で「成長投資枠」を選択
7.注文内容を確認して発注

注文方法の違い:

  • 成行注文:価格を指定せず、市場の価格で即座に購入する方法。確実に購入できるが、予想より高い価格で約定する可能性がある
  • 指値注文:購入したい価格を指定する方法。指定した価格以下にならないと購入できないが、予想外の高値で購入するリスクを避けられる

個別株は、取引時間中(平日9:00〜11:30、12:30〜15:00)にリアルタイムで価格が変動します。

成行注文の場合は、注文後すぐに約定しますが、指値注文の場合は指定した価格に達するまで約定しません。

単元未満株(1株から購入できる少額投資)を利用すれば、数百円から個別株投資を始めることも可能です。SBI証券の「S株」、楽天証券の「かぶミニ®」、マネックス証券の「ワン株」などのサービスがあります。

NISA枠ぎりぎり注文の使い方

成長投資枠の年間上限240万円を効率的に使い切りたい場合、「NISA枠ぎりぎり注文」という機能が便利です。

この機能を使うと、残りのNISA枠を自動的に計算して、枠をぴったり使い切る金額で注文できます。

例えば、成長投資枠の残り枠が50万円の場合、NISA枠ぎりぎり注文を使えば、50万円分の投資信託を自動的に購入できます。

手動で金額を計算する手間が省けるため、年末などに枠を使い切りたい時に便利です。

すべての証券会社がこの機能に対応しているわけではありません。また、個別株の場合は株価の変動により、ぴったり枠を使い切ることが難しい場合があります。

NISA枠の残り状況は、証券会社のマイページで確認できます。

「NISA管理画面」や「NISA枠確認」などのメニューから、つみたて投資枠と成長投資枠それぞれの使用状況を確認しましょう。

購入後の確認と管理方法

商品を購入した後は、定期的に運用状況を確認し、必要に応じて積立設定の変更や追加購入を行います。

ここでは、購入後の確認方法や管理のポイントを解説します。

短期的な価格変動に一喜一憂する必要はありません。長期投資の視点で、年に数回程度確認する程度で十分です。

買付結果の確認方法

積立設定やスポット購入を行った後は、買付が正しく完了したかを確認しましょう。

証券会社のマイページにログインすると、以下の情報を確認できます。

確認できる情報:

  • 約定日(購入が確定した日)
  • 購入金額または購入株数
  • 購入時の基準価額または株価
  • 購入口数(投資信託の場合)
  • NISA区分(つみたて投資枠または成長投資枠)

投資信託の場合、注文した日の翌営業日以降に約定するため、すぐには保有商品一覧に反映されません。通常、約定日の翌営業日に保有商品一覧に表示されます。

買付完了後は、証券会社から確認メールが届きます。

メールには約定日や購入金額などが記載されているため、保存しておくことをおすすめします。

評価額・損益の見方

保有している商品の評価額や損益は、証券会社のマイページで確認できます。

「保有商品一覧」や「資産状況」などのメニューから確認しましょう。

表示される主な項目:

  • 評価額:現在の商品の価値(基準価額×保有口数)
  • 取得金額:購入時に支払った金額の合計
  • 評価損益:評価額と取得金額の差額(プラスなら利益、マイナスなら損失)
  • 損益率:取得金額に対する損益の割合(パーセント表示)

例えば、100万円で購入した投資信託の評価額が110万円になっている場合、評価損益は+10万円、損益率は+10%となります。

短期的には評価額が上下しますが、長期投資では一時的な下落は気にする必要はありません。むしろ、価格が下がった時に積立を続けることで、平均購入単価を下げることができます(ドルコスト平均法)。

積立設定の変更・停止方法

生活状況の変化や投資方針の見直しにより、積立設定を変更したい場合があります。

積立金額の変更や一時停止は、証券会社のマイページから簡単に行えます。

積立設定の変更手順:

1.証券会社のマイページにログイン
2.「積立設定一覧」または「つみたてNISA設定」を開く
3.変更したい商品の「設定変更」ボタンをクリック
4.積立金額、積立日、決済方法などを変更
5.変更内容を確認して登録

積立の一時停止・再開:

積立を一時的に停止したい場合は、「積立停止」を選択します。

停止後も保有している商品はそのまま保有され続けます。再開したい時は、再度積立設定を行うことで、いつでも再開できます。

積立設定の変更は、次回の積立日の数営業日前までに行う必要があります。締切日は証券会社によって異なるため、マイページで確認しましょう。

NISA枠の使用状況を確認する

NISA枠の使用状況を定期的に確認することで、年間上限を効率的に活用できます。

証券会社のマイページで、以下の情報を確認できます。

確認できる情報:

  • つみたて投資枠の使用額と残り枠(年間120万円)
  • 成長投資枠の使用額と残り枠(年間240万円)
  • 非課税保有限度額の使用額と残り枠(生涯1,800万円
  • 過去の購入履歴

年末に枠が余っている場合は、スポット購入で追加投資することで、非課税枠を最大限活用できます。

無理に枠を使い切る必要はありません。余裕資金の範囲内で投資することが大切です。

非課税保有限度額の1,800万円は、売却した商品の取得価額分が翌年以降に復活します。

例えば、100万円で購入した商品を150万円で売却した場合、翌年以降に100万円分の枠が復活します。

NISAで気をつけたい5つのこと

NISAは非課税で投資できるメリットがある一方で、いくつか注意すべき点もあります。

ここでは、NISA口座で投資を始める前に知っておくべき重要なポイントを5つ解説します。

これらの注意点を理解しておくことで、失敗を避け、NISAを効果的に活用できます。

元本割れのリスクがある

NISAで購入できる投資信託や株式は、預金とは異なり元本保証がありません。

市場の状況によっては、投資した金額を下回る可能性があります。

特に短期的には価格が大きく変動することがあり、購入直後に評価額がマイナスになることも珍しくありません。

しかし、長期的に保有することで、価格変動のリスクを抑えられる傾向があります。

元本割れのリスクを軽減するためには、以下のポイントを意識しましょう。

  • 長期投資を前提とする(10年以上)
  • 分散投資を行う(複数の地域・資産に投資)
  • 積立投資でドルコスト平均法を活用する
  • 余裕資金で投資する(生活費や緊急資金は別に確保)

NISA口座は1人1口座のみ

NISA口座は、1人につき1つの金融機関でしか開設できません。

複数の証券会社でNISA口座を開設することはできないため、最初の証券会社選びが重要です。

ただし、年単位で金融機関を変更することは可能です。

変更手続きを行えば、翌年から別の証券会社のNISA口座で投資を始められます。変更前の金融機関で保有している商品はそのまま非課税で保有し続けられますが、追加の購入はできなくなります。

金融機関の変更には手続きが必要で、変更したい年の前年10月1日から変更したい年の9月30日までに手続きを完了する必要があります。年の途中で変更することはできないため、注意が必要です。

非課税枠は再利用できない

NISA口座で商品を購入すると、その金額分の非課税枠を使用します。

同じ年に商品を売却しても、その年の非課税枠は復活しません。

例えば、つみたて投資枠で50万円の投資信託を購入し、同じ年に売却した場合、その年のつみたて投資枠の残りは70万円(120万円-50万円)のままです。

売却した50万円分の枠は、その年には復活しません。

非課税保有限度額(生涯1,800万円)については、売却した商品の取得価額分が翌年以降に復活します。短期的な売買を繰り返すと、年間の非課税枠を効率的に使えなくなるため、長期保有を前提とした投資が推奨されます。

損益通算・繰越控除ができない

NISA口座で発生した損失は、他の課税口座(特定口座や一般口座)で発生した利益と相殺する「損益通算」ができません。

また、損失を翌年以降に繰り越す「繰越控除」もできません。

例えば、NISA口座で50万円の損失が出て、特定口座で50万円の利益が出た場合、特定口座の利益には通常通り税金がかかります。

NISA口座の損失で相殺することはできません。

これはNISA口座のデメリットの1つですが、そもそもNISA口座では利益が非課税になるため、損失が出た場合のデメリットよりも、利益が出た場合のメリットの方が大きいと考えられます。

特定口座で買ってしまう失敗に注意

NISA口座を開設していても、商品を購入する際にNISA区分を選択し忘れると、特定口座で購入してしまうことがあります。

特定口座で購入した商品は、利益に対して税金がかかるため、非課税のメリットを受けられません。

購入時には必ず以下の点を確認しましょう。

  • 購入画面で「NISA」または「つみたて投資枠」「成長投資枠」が選択されているか
  • 注文確認画面で「NISA口座」と表示されているか
  • 購入完了後、NISA口座の保有商品一覧に反映されているか

特に、スマホアプリで購入する際は画面が小さく、NISA区分の選択を見落としやすいため注意が必要です。購入前に必ず確認する習慣をつけましょう。

万が一、特定口座で購入してしまった場合、NISA口座に移管することはできません。

一度売却してから、NISA口座で買い直す必要があります。

よくある質問(Q&A)

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SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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