ネット証券の口座開設は郵送でもできる?手続きの流れと必要書類を徹底解説

「NISAを始めたいけど、何から手をつければいいか分からない」と悩んでいませんか。
投資経験がなくても、NISAは月100円から始められる初心者に優しい制度です。
この記事では、NISA初心者が口座開設から実際の運用開始まで、迷わず進められるよう具体的な手順を解説します。
証券会社の選び方、投資信託の選定方法、少額投資の実践法まで、初心者がつまずきやすいポイントを先回りしてカバーしています。
記事を読み終えるころには、自信を持ってNISAでの資産形成をスタートできるでしょう。
目次
NISAとは?初心者が知っておくべき基本
NISA(ニーサ)は、少額投資非課税制度として2014年に開始された税制優遇制度です。
通常、株式や投資信託などで得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座で投資した場合は運用益が非課税になります。
2024年1月から新しいNISA制度がスタートし、制度内容が大幅に拡充されました。非課税保有期間が無期限になり、より長期的な資産形成がしやすくなっています。
NISAの最大の魅力は、投資で得た利益が非課税になる点です。
例えば、投資信託で10万円の利益が出た場合、通常の課税口座では約2万円が税金として引かれますが、NISA口座なら10万円をそのまま受け取れます。
非課税の対象となるのは、株式や投資信託の売却益(値上がり益)と、配当金・分配金です。長期間運用すればするほど、この非課税メリットの効果は大きくなります。
NISA口座は1人1口座しか開設できず、全ての金融機関を通じて1つだけです。複数の証券会社で同時にNISA口座を持つことはできないため、最初の証券会社選びが重要になります。
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの投資枠があり、両方を併用できます。
つみたて投資枠は年間120万円まで、成長投資枠は年間240万円まで投資でき、合計で年間360万円まで非課税投資が可能です。
つみたて投資枠の特徴
金融庁が定めた基準をクリアした長期・積立・分散投資に適した投資信託が対象
初心者向けの堅実な商品が厳選されており、月100円から積立投資を始められる
成長投資枠は、つみたて投資枠の対象商品に加えて、上場株式やETF、REITなど幅広い商品に投資できます。
信託期間20年未満の投資信託や毎月分配型、高レバレッジ型の商品は対象外です。
2024年からの新NISAでは、旧制度と比べて3つの大きな変更がありました。
旧制度では一般NISAが5年、つみたてNISAが20年と期限がありましたが、新NISAでは期限を気にせず長期保有できます。
生涯で1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)を非課税で投資できるようになりました。旧制度の一般NISAは600万円、つみたてNISAは800万円だったことを考えると、大幅な拡充です。
NISA口座で保有する商品を売却すると、翌年以降に購入時の金額分(簿価ベース)の投資枠が復活します。1,800万円の枠を使い切った後でも、売却すれば再び投資できるようになりました。
NISA初心者が始める前に理解すべき3つのこと
NISAは税制優遇が魅力的な制度ですが、投資である以上リスクも伴います。
初心者が安心して始めるために、投資の基本的な考え方を理解しておきましょう。
投資には元本割れのリスクがあることを理解しておく必要があります。株式や投資信託は日々価格が変動し、購入時よりも価格が下がる可能性があります。預金のように元本が保証されているわけではありません。
特に短期間では価格変動が大きく、一時的に大きな含み損を抱えることもあります。
例えば、100万円投資した商品が80万円に下がることもあり得ます。ただし、長期的に保有することで価格変動のリスクを抑えられる傾向があります。
投資判断は最終的にご自身の責任で行う必要があります。
生活に必要な資金や緊急時の備えとは別に、余裕資金で投資を始めることが大切です。一般的には生活費の6ヶ月分程度を預金として確保してから投資を始めるとよいでしょう。
投資で資産を増やすには、長期投資が基本です。
短期的な価格変動に一喜一憂せず、10年・20年といった長期間で運用することで、複利効果を活かせます。
複利効果とは
運用で得た利益を再投資することで、利益が利益を生む仕組み
例えば、年5%で100万円を運用した場合、1年目は5万円の利益ですが、2年目は105万円に対して5%の利益が出るため、利益は5万2,500円になります。
NISAは非課税期間が無期限なので、この複利効果を最大限に活かせます。
配当金や分配金を受け取らずに再投資することで、雪だるま式に資産が増えていく可能性があります。焦らず、じっくりと時間をかけて資産を育てる姿勢が大切です。
投資のリスクを抑えるには、分散投資が有効です。
1つの銘柄や1つの地域に集中投資すると、その銘柄や地域に問題が起きた時に大きな損失を被る可能性があります。
複数の企業の株式や投資信託に投資すること
日本だけでなく米国や新興国など複数の国・地域に投資
一度に大きな金額を投資するのではなく、毎月一定額を積み立てる方法
初心者には、1つの投資信託で世界中の株式に分散投資できるインデックスファンドがおすすめです。数千社の企業に一度に投資できるため、個別の企業リスクを大きく軽減できます。
NISA初心者におすすめの証券会社5社
NISA口座は1人1口座しか開設できないため、証券会社選びは慎重に行う必要があります。
初心者には手数料が安く、商品ラインアップが充実しているネット証券がおすすめです。
ここでは、初心者に適した証券会社を5社紹介します。いずれも金融庁に登録された信頼できる証券会社で、NISA口座の開設に対応しています。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む) |
| 取引手数料 | 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。 |
| NISA対応 | 〇 |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年3月3日時点 |
| 外国株 | 8カ国/米国株式(5,000銘柄) |
| 取引ツール(PC) | HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー |
| スマホアプリ | SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD |
| 提携銀行口座 | SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
SBI証券は国内最大手のネット証券で、口座開設数は約1,500万口座を誇ります。
投資信託の取扱本数は約2,600本と業界トップクラスで、選択肢の幅が広いのが特徴です。
SBI証券の特徴
株式取引手数料は原則無料
つみたて投資枠の対象商品は約271本と豊富
米国株式は約5,000銘柄を取り扱い、外国株投資にも強み
Vポイント、Pontaポイント、dポイント、JALマイル、PayPayポイントの5種類から選んでポイントを貯められる
IPO(新規公開株)の取扱実績は年間78銘柄(2024年実績)と多く、主幹事も年間12社を務めています。
総合的なサービスの充実度で初心者から上級者まで幅広く支持されている証券会社です。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約12,000,000口座 ※2025年1月時点 |
| 取引手数料 | 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 263銘柄 ※2025年4月24日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年4月24日時点 |
| 外国株 | 6カ国/米国株式(約4,500銘柄) |
| 取引ツール(PC) | マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4 |
| スマホアプリ | iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物 |
| 提携銀行口座 | 楽天銀行(マネーブリッジ) |
| ポイント投資・付与 | 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
楽天証券は楽天グループの一員で、楽天ポイントとの連携が大きな魅力です。
口座開設数は約1,200万口座で、SBI証券に次ぐ規模を持ちます。
投資信託の取扱本数は約2,550本、つみたて投資枠の対象商品は約200本と充実しています。現物株式の取引手数料は原則無料で、コストを抑えた投資が可能です。
楽天カードでクレカ積立をすると、積立額に応じて楽天ポイントが貯まります。貯まったポイントは投資信託の購入にも使えるため、楽天経済圏を活用している方に特におすすめです。
取引ツール「MARKET SPEED Ⅱ」は高機能で使いやすいと評価されています。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約2,700,000口座 ※2025年2月時点 |
| 取引手数料 | 【取引毎手数料コース】
|
| NISA対応 | 〇(日本株・米国株・中国株・投資信託の売買手数料が無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(銘柄数は公式サイトで確認) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 中国株 / 投資信託(約1,750本以上) |
| 投資信託 | 約1,800本(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 2カ国/米国株:約5,000銘柄以上(2025年1月27日時点) |
| 取引ツール(PC) | マネックストレーダー / 銘柄スカウター |
| スマホアプリ | マネックス証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ |
| 提携銀行口座 | マネックス証券専用銀行口座(詳細は公式サイトで確認) |
| ポイント投資・付与 | マネックスポイント / dポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | オンライン申込で最短翌営業日 |
マネックス証券は初心者向けのサポート体制が充実している証券会社です。
口座開設数は約270万口座で、投資信託の取扱本数は約1,800本、つみたて投資枠の対象商品は約217本です。
マネックス証券の特徴
現物株式の取引手数料は55円〜1,070円(税込)、信用取引は99円〜385円(税込)と業界最低水準
米国株式は約5,000銘柄を取り扱い、米国株投資に力を入れている
マネックスポイントまたはdポイントが貯まり、投資信託の保有残高に応じてもポイントが付与
投資情報の提供やセミナーの開催など、初心者が学びながら投資できる環境が整っています。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約1,670,000口座 ※2025年3月時点 |
| 取引手数料 | 【ボックスレート(1日定額制)】 1日の約定代金合計50万円まで:0円 50万円超:1,000円(税込1,100円)~※25歳以下なら約定代金に関わらず手数料無料 |
| NISA対応 | 〇(日本株、米国株、投資信託すべて売買手数料無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(銘柄数は公式サイトで確認) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 投資信託(約1,800本以上) |
| 投資信託 | 約1,900本以上(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 米国株:約4,900銘柄(2025年4月23日時点) |
| 取引ツール(PC) | ネットストック・ハイスピード(無料) |
| スマホアプリ | 日本株アプリ / 投信アプリ / 米国株アプリ(すべて無料) |
| 提携銀行口座 | MATSUI Bank(松井証券専用銀行) |
| ポイント投資・付与 | 松井証券ポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | 最短即日(スマートフォンによるオンライン申込) |
松井証券は創業100年を超える老舗証券会社で、ネット証券としても長い実績があります。
口座開設数は約160万口座で、投資信託の取扱本数は約1,900本、つみたて投資枠の対象商品は約250本です。
最大の特徴は、25歳以下の方は株式取引手数料が無料になる点です。また、1日の約定金額が50万円までなら年齢に関わらず無料で取引できます。
若い世代や少額投資から始めたい初心者に優しい料金体系です。サポート体制にも定評があり、電話やチャットでの問い合わせに丁寧に対応してくれます。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数(残あり口座) | 約105.3万口座 ※2025年3月末時点 |
| 取引手数料 | 【国内株式】 約定代金 × 最大1.265%(税込) ※最低手数料2,750円(税込) 【米国株式】 約定代金 × 0.495%(税込) ※最低手数料22米ドル(税込) ※手数料は取引チャネルや銘柄により異なります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA:つみたて投資枠・成長投資枠ともに対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 29銘柄 ※2025年時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式(約4,000銘柄) / 米国株式 / 投資信託(約285本) |
| 投資信託 | 約4,054本 ※2025年7月時点 |
| 外国株 | 米国株:約4,500銘柄 その他外国株:取扱限定的 |
| 取引ツール(PC) | オンライントレード(WEB) 専用取引アプリ(PC版) |
| スマホアプリ | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券アプリ(iOS / Android対応) |
| 提携銀行口座 | 三菱UFJ銀行(即時入出金サービス対応) |
| ポイント投資・付与 | なし(ポイント投資制度は未対応) |
| 口座開設スピード | 通常2〜3営業日 ※オンライン申込後、書類提出状況により変動 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJフィナンシャル・グループと米国モルガン・スタンレーの合弁会社です。
口座開設数は約1,800万口座と国内最大級で、大手金融グループの安心感があります。
投資信託の取扱本数は約750本、つみたて投資枠の対象商品は約30本と厳選されたラインアップです。外国株は14カ国を取り扱い、米国株式は約650銘柄に投資できます。
Pontaポイントが貯まり、三菱UFJ銀行との連携もスムーズです。対面でのサポートも受けられるため、じっくり相談しながら投資を始めたい方に適しています。
証券会社を選ぶ際は、以下の5つのポイントを比較しましょう。
投資信託の本数が多いほど、自分に合った商品を見つけやすくなります
株式取引手数料や投資信託の信託報酬は、長期投資では大きな差になります
クレカ積立でポイントが貯まる証券会社なら、投資しながらポイントも獲得できます
月100円から積立できる証券会社なら、少額から無理なく始められます
初心者の場合、電話やチャットで気軽に相談できる環境があると安心です
詳しくは各証券会社の公式サイトでご確認ください。
NISA口座の開設は、オンラインで簡単に手続きできます。
ここでは、口座開設から取引開始までの具体的な流れを4つのステップで解説します。
まず、どの証券会社でNISA口座を開設するかを決めます。
前述の比較ポイントを参考に、自分のニーズに合った証券会社を選びましょう。
NISA口座は1人1口座しか持てないため、慎重に選ぶことが大切です。
初めて投資をする場合は、取扱商品が豊富で手数料が安いSBI証券または楽天証券がおすすめです。楽天経済圏を活用している方は楽天証券、ポイントの選択肢を広げたい方はSBI証券が向いています。
すでに使っている銀行のグループ証券会社を選ぶのも一つの方法です。入出金の手続きがスムーズになり、管理しやすくなります。
NISA口座の開設には、本人確認書類とマイナンバー確認書類が必要です。
マイナンバーカードがあれば、本人確認とマイナンバー確認を1枚で済ませられるため便利です。
オンラインで口座開設する場合、これらの書類をスマートフォンで撮影してアップロードします。郵送での申込に対応している証券会社もありますが、オンライン申込の方が早く手続きが完了します。
証券会社の公式サイトから「NISA口座開設」のページにアクセスし、申込フォームに必要事項を入力します。
氏名、住所、生年月日、職業、投資経験などの情報を入力し、本人確認書類をアップロードします。
証券会社によっては、証券総合口座とNISA口座を同時に開設できます。まだ証券総合口座を持っていない場合は、同時開設を選ぶとスムーズです。
申込後、証券会社が税務署に対してNISA口座の重複確認を行います。他の金融機関でNISA口座を開設していないかチェックされるため、審査には通常1〜2週間程度かかります。
一部の証券会社では税務署審査の完了前に仮開設され、最短即日で取引を始められる場合もあります。
税務署審査が完了すると、証券会社からログインIDやパスワードが送られてきます。
これらの情報を使って証券会社のサイトにログインし、初期設定を行います。
初期設定では、暗証番号の設定、勤務先情報の登録、出金先口座の登録などを行います。設定が完了すれば、NISA口座で投資を始められます。
最初に積立設定を行いましょう。毎月の積立金額、積立日、購入する投資信託を選択します。一度設定すれば、あとは自動的に毎月買付が行われるため、手間がかかりません。
引落口座の残高不足にならないよう注意してください。
初心者向け|最初に買うべき投資信託の選び方
NISA口座を開設したら、次は実際に投資する商品を選びます。
初心者には、リスクを抑えながら長期的に資産を増やせるインデックスファンドがおすすめです。
インデックスファンドとは、日経平均株価やS&P500などの株価指数(インデックス)に連動する運用を目指す投資信託です。
市場全体に投資するため、個別企業のリスクを分散できます。
インデックスファンドのメリット
コストが安い:運用会社が銘柄を選定する手間が少ないため、信託報酬(運用管理費用)が低く抑えられている
運用成績が予測しやすい:市場平均のリターンを目指すため、初心者にも分かりやすい
金融庁のつみたて投資枠の対象商品も、多くがインデックスファンド
投資信託を選ぶ際は、信託報酬の低さに注目しましょう。
信託報酬とは、投資信託を保有している間、毎日かかる運用管理費用のことです。年率で表示され、保有資産から自動的に差し引かれます。
例えば、信託報酬が年0.1%の商品と年1.0%の商品を比較すると、100万円を10年間運用した場合、コストの差は約9万円にもなります。
長期投資では、わずかな信託報酬の差が大きな違いを生みます。
インデックスファンドの信託報酬は年0.1%〜0.2%程度が目安です。同じ指数に連動する商品なら、信託報酬が低い方を選ぶとよいでしょう。
証券会社の商品検索機能で、信託報酬順に並び替えて比較できます。
インデックスファンドには、全世界の株式に投資するタイプと、米国株式に特化したタイプがあります。
初心者はどちらを選ぶべきか迷うかもしれません。
どちらを選ぶかは好みですが、より広く分散したい方は全世界株式型、米国経済の成長に期待する方は米国株式型が向いています。両方を組み合わせて投資する方法もあります。
初心者におすすめの投資信託を3つ紹介します。いずれも信託報酬が低く、長期投資に適した商品です。
全世界の株式市場に投資でき、信託報酬は年0.05775%程度と業界最低水準です。1つの商品で世界中に分散投資できるため、初心者に最適です。
米国の代表的な500社に投資でき、信託報酬は年0.09372%程度です。米国経済の成長を取り込みたい方に向いています。
全世界の株式に投資でき、信託報酬は年0.192%程度です。楽天証券で取引する場合、ポイント還元との相性がよい商品です。
少額から始める|100円・1000円投資の実践方法
「投資は大きな資金が必要」と思っていませんか。
実は、多くのネット証券では月100円から積立投資を始められます。
少額投資の具体的な方法を解説します。
証券会社のサイトにログインし、「積立設定」または「投信積立」のページにアクセスします。
購入したい投資信託を選び、毎月の積立金額を入力します。最低積立金額は証券会社によって異なりますが、SBI証券や楽天証券では100円から設定できます。
積立日は、毎月1日や10日など好きな日を選べます。給料日の直後に設定しておくと、確実に積立を続けられます。
引落方法は、証券口座からの引落、銀行口座からの自動引落、クレジットカード決済から選べます。
例えば、月100円で「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を積み立てると、年間1,200円の投資です。少額でも毎月コツコツ続けることで、投資の習慣が身につきます。慣れてきたら徐々に金額を増やしていきましょう。
「月100円や1,000円では意味がないのでは」と思うかもしれませんが、少額投資にも意味があります。
実際にお金を投じることで、価格変動を体感し、投資の仕組みを理解できます
毎月決まった金額を積み立てることで、投資を生活の一部にできます。最初から大きな金額で始めると、価格が下がった時にパニックになりやすいですが、少額なら冷静に対応できます
ドルコスト平均法とは、定期的に一定額を投資することで、価格が高い時は少なく、価格が安い時は多く買える仕組みです。長期的には購入単価を平準化でき、リスクを抑えられます
少額投資に慣れてきたら、徐々に積立金額を増やしていきましょう。
増額のタイミングは、以下の3つがおすすめです。
ただし、無理は禁物です。生活費や緊急時の備えを確保した上で、余裕資金の範囲内で増額してください。
初心者がつまずきやすい5つのポイントと対処法
NISA初心者が実際につまずきやすいポイントを5つ挙げ、それぞれの対処法を解説します。
事前に知っておくことで、失敗を避けられます。
NISA口座を開設したものの、何をすればいいか分からず放置してしまうケースは少なくありません。
口座を開設しただけでは資産は増えず、実際に投資信託を購入する必要があります。
対処法は、口座開設と同時に積立設定まで完了させることです。証券会社のサイトで「積立設定」のページにアクセスし、商品と金額を選んで設定するだけです。
一度設定すれば自動的に買付が行われるため、手間がかかりません。最初は月1,000円など少額でも構いません。まずは投資を始めることが大切です。
設定方法が分からない場合は、証券会社のサポートに電話やチャットで相談しましょう。
投資を始めて間もない頃、価格が大きく下がるとパニックになり、損失を確定して売却してしまうことがあります。
しかし、短期的な価格変動は投資では当たり前のことです。
対処法は、長期投資の視点を持つことです。株式市場は短期的には大きく変動しますが、長期的には右肩上がりの傾向があります。一時的な下落で売却すると、その後の回復による利益を逃してしまいます。
価格が下がった時は、むしろ安く買えるチャンスと考えましょう。積立投資を続けることで、下落時に多くの口数を購入でき、将来的な利益につながります。
価格を頻繁にチェックせず、年に数回程度の確認に留めるのもよい方法です。
投資信託は数千本もあり、初心者はどれを選べばいいか迷ってしまいます。
情報を集めすぎて、かえって決められなくなることもあります。
対処法は、選択肢を絞ることです。全世界株式型または米国株式型のインデックスファンドから1つ選べば十分です。信託報酬が年0.2%以下の商品に絞り、その中から1つ選びましょう。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」または「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のどちらかを選べば、大きな失敗はありません。完璧な商品を探そうとせず、まずは始めることを優先してください。
投資を始めたものの、数ヶ月で積立をやめてしまう人もいます。
価格が思ったように上がらない、他のことにお金を使いたいなど、理由はさまざまです。
対処法は、無理のない金額で始めることです。生活に支障が出る金額で積立を始めると、続けられなくなります。月1,000円や3,000円など、確実に続けられる金額から始めましょう。
また、積立の目的を明確にすることも大切です。「老後資金のため」「子どもの教育資金のため」など、具体的な目標があるとモチベーションを維持しやすくなります。
途中でやめたくなった時は、なぜ投資を始めたのか思い出してください。
NISA口座は1人1口座ですが、証券総合口座は複数の証券会社で開設できます。
キャンペーンに惹かれて複数の口座を開設し、管理が煩雑になってしまうことがあります。
対処法は、最初は1つの証券会社に絞ることです。複数の口座があると、資産状況の把握が難しくなり、管理の手間も増えます。
まずは1つの証券会社でNISAを始め、慣れてから必要に応じて他の証券会社も検討しましょう。
NISA口座は年単位で金融機関を変更できます。使ってみて不満があれば、翌年に別の証券会社に変更することも可能です。最初から複数の口座を持つ必要はありません。
年代別・資金別|NISA初心者のモデルケース
自分と似た状況の人がどのようにNISAを活用しているか知ることで、具体的なイメージが湧きます。
年代別・資金別のモデルケースを3つ紹介します。
Aさん(27歳・会社員)は、手取り月収25万円で一人暮らしをしています。
将来のために資産形成を始めたいと考え、毎月3万円をNISAで積立投資することにしました。
Aさんは楽天証券でNISA口座を開設し、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に月3万円を積立設定しました。楽天カードでクレカ積立を利用し、積立額の0.5%の楽天ポイントを獲得しています。
月3万円の積立を30年間続けると、仮に年平均5%で運用できた場合、約2,500万円の資産になる計算です。20代から始めることで、時間を味方につけた資産形成ができます。
Aさんは価格を頻繁にチェックせず、年に1回だけ資産状況を確認しています。
Bさん夫婦(夫35歳・妻33歳)は、小学生の子ども2人を育てています。
教育費の負担が大きく、投資に回せる資金は限られていますが、老後資金のために月1万円をNISAで積立投資することにしました。
夫婦それぞれがSBI証券でNISA口座を開設し、夫は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、妻は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に各月1万円を積立設定しました。夫婦合わせて月2万円の投資です。
子育て世帯は教育費や住宅ローンで支出が多いですが、無理のない範囲で投資を続けることが大切です。Bさん夫婦は、子どもの成長に合わせて積立金額を見直す予定です。ボーナス時には追加で投資することもあります。
Cさん(45歳・会社員)は、これまで貯金中心で資産を形成してきましたが、老後資金の準備として投資を始めることにしました。
貯金の一部300万円をNISAで運用し、さらに毎月5万円を積立投資します。
Cさんはマネックス証券でNISA口座を開設し、300万円を成長投資枠で一括投資しました。投資先は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を半分ずつです。さらに、つみたて投資枠で月5万円を積立設定しました。
40代からでも遅くはありません。退職までの20年間、月5万円を積み立てると、元本だけで1,200万円になります。一括投資した300万円と合わせて、非課税保有限度額の1,800万円のうち1,500万円を活用できます。
Cさんは年に数回、資産配分を見直しながら運用しています。
旧NISAから新NISAへの移行
2023年までに旧NISA口座を開設していた方は、2024年から自動的に新NISA口座が開設されています。
移行に関する疑問を解消しましょう。
旧NISA口座で保有している資産は、新NISA口座とは別枠で管理されます。
一般NISAで保有している商品は最長5年間、つみたてNISAで保有している商品は最長20年間、非課税期間が継続します。
旧NISA口座の資産を新NISA口座に移管(ロールオーバー)することはできません。非課税期間が終了した後は、課税口座(特定口座または一般口座)に自動的に移管されます。移管時の取得価額は、非課税期間終了時の時価になります。
旧NISAと新NISAは別枠のため、旧NISAで投資した分は新NISAの非課税保有限度額1,800万円には含まれません。例えば、旧NISAで120万円投資していても、新NISAでは1,800万円まで投資できます。
2023年までに旧NISA口座を開設していた方は、特別な手続きなしで2024年から自動的に新NISA口座が開設されています。
同じ金融機関で新NISA口座が開設されるため、新たに申込手続きをする必要はありません。
ただし、新NISAで実際に投資を始めるには、積立設定や商品の購入手続きが必要です。口座が開設されただけでは投資は始まらないため、証券会社のサイトにログインして設定を行いましょう。
金融機関を変更したい場合は、変更手続きが必要です。現在利用している金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」を提出し、「勘定廃止通知書」を受け取ります。
その後、新しい金融機関でNISA口座の開設手続きを行います。変更手続きの期限は前年10月1日から当年9月末までです。
NISA口座は1人1口座しか作れません。すべての金融機関を通じて1つだけです。複数の金融機関で同時にNISA口座を持つことはできません。ただし、年単位で金融機関を変更することは可能です。
NISA口座は年単位で金融機関を変更できます。変更したい年の前年10月1日から当年9月末までに手続きを行う必要があります。ただし、変更したい年に既にNISA口座で買付をしている場合、その年の変更はできません。
積立設定を停止または解除しても、既に保有している資産は非課税のまま保有し続けられます。ペナルティはありません。再開したい時は、いつでも積立設定を再設定できます。ただし、長期投資の効果を得るには、できるだけ継続することが大切です。
NISA口座で得た利益は非課税のため、確定申告は不要です。ただし、NISA口座以外の課税口座で取引をしている場合や、給与所得以外の所得がある場合は、確定申告が必要になることがあります。
iDeCoとNISAは目的が異なります。iDeCoは老後資金の準備に特化し、掛金が全額所得控除の対象になりますが、60歳まで引き出せません。NISAはいつでも引き出せますが、所得控除はありません。老後資金の準備ならiDeCo、それ以外の目的ならNISAが向いています。両方併用することも可能です。
元本割れは投資では起こりうることです。短期的な価格変動で一喜一憂せず、長期投資の視点を持ちましょう。積立投資を続けることで、下落時に多くの口数を購入でき、将来的な回復時に利益につながります。不安な場合は、投資金額を減らすことも検討してください。
NISAの成長投資枠では、上場株式(個別株)を購入できます。ただし、整理・監理銘柄に指定された株式は対象外です。つみたて投資枠では個別株は購入できず、金融庁が定めた基準をクリアした投資信託のみが対象です。
NISA口座を開設できるのは、日本に住所を有する18歳以上の方です。海外赴任などで日本の居住者でなくなった場合、新たにNISA口座で買付はできなくなります。ただし、既に保有している資産は非課税期間中は保有し続けられます。
NISA口座は本人名義でのみ開設でき、本人が取引を行う必要があります。家族の口座を代わりに管理・取引することは原則できません。ただし、高齢の親の口座について、成年後見制度などの法的手続きを経た場合は例外的に管理できる場合があります。
NISA口座の名義変更はできません。NISA口座は本人名義でのみ開設・保有できます。相続が発生した場合、被相続人のNISA口座は廃止され、相続人は新たに自分名義のNISA口座を開設する必要があります。相続した資産は相続人の課税口座に移管されます。
NISA初心者の始め方について、口座開設から実際の運用まで詳しく解説しました。
NISAは2024年から非課税保有限度額1,800万円、非課税期間無期限の新制度がスタートし、より使いやすくなっています。
初心者は、まず信頼できるネット証券でNISA口座を開設し、インデックスファンドでの積立投資から始めるのがおすすめです。月100円からでも投資を始められるため、無理のない範囲でスタートしましょう。
投資で大切なのは、長期・積立・分散の3つの原則です。短期的な価格変動に一喜一憂せず、じっくりと時間をかけて資産を育てる姿勢が成功への鍵です。
この記事で紹介した証券会社の選び方、投資信託の選定方法、つまずきやすいポイントへの対処法を参考に、自信を持ってNISAでの資産形成を始めてください。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは各証券会社にご確認ください。
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