新NISAは月いくら積み立てる?|平均額と決め方を解説

新NISAは月いくら積み立てる?|平均額と決め方を解説

新NISAを始めたいけれど、月々いくら積み立てればいいか悩んでいませんか?

実は、新NISAの積立額に正解はありません。

大切なのは、自分の家計状況やライフプランに合った無理のない金額を設定することです。

この記事では、新NISAの平均積立額や年代別の目安、積立金額を決める具体的なポイントを解説します。

記事を読めば、あなたに最適な積立金額が見つかり、安心して資産形成をスタートできるようになります。

この記事の要約
  • 新NISAのつみたて投資枠の平均積立額は約1.5万円
  • 年代別の目安は20代1万円、30代3~4万円、40代4万円、50代5万円
  • 積立額は家計の収支・生活防衛資金・ライフイベントを考慮して決める
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

新NISAの平均積立額はいくら?

新NISAを始めるにあたって、まず気になるのが「みんなはいくら積み立てているのか」という点です。

他の人の積立額を知ることで、自分の設定金額が適切かどうかの判断材料になります。

ここでは、新NISAの平均積立額と実際の分布状況について、統計データをもとに詳しく見ていきましょう。

つみたて投資枠の平均は約1.5万円

日本証券業協会の調査によると、新NISAのつみたて投資枠における平均積立額は月額約1.5万円となっています。

年間に換算すると約18万円で、年間上限120万円の15%程度にあたります。

日本証券業協会:投資者のためのガイドブック

この金額は、投資初心者でも無理なく続けられる水準として設定されていることが多いようです。

月1.5万円であれば、年収300万円台の方でも家計への負担を抑えながら資産形成を始められます。

ただし、平均値はあくまで参考値です。収入が高い層が平均を押し上げている可能性もあるため、自分の状況と比較する際は、次に紹介する分布状況も合わせて確認しましょう。

実際の積立額の分布はどうなっている?

実際の積立額は、個人の収入や家計状況によって大きく異なります。

各種調査データから、おおよそ以下のような分布になっていることが分かっています。

月1万円未満:約25%

投資初心者や若年層が多く、まずは少額から始めて投資に慣れることを重視しています。100円や1,000円といった超少額から始める方も増えています。

月1万円~3万円:約40%

最も多いボリュームゾーンです。平均的な会社員が無理なく継続できる金額帯で、年間12万円~36万円の積立になります。

月3万円~5万円:約20%

収入に余裕のある層や、本格的に資産形成に取り組む層です。年間36万円~60万円の積立で、複利効果を活かした資産形成が期待できます。

月5万円以上:約15%

高収入層や、老後資金を本格的に準備する50代以上の方が多い層です。年間60万円以上で、つみたて投資枠の上限120万円に近い積立を行っています。

このように、積立額は個人の状況によって幅広く分布しています。

平均額にとらわれず、自分の家計状況に合った金額を設定することが大切です。

年代別|新NISAの積立額の目安

新NISAの積立額は、年代によって適切な金額が変わってきます。

若い世代は時間を味方につけた長期投資が可能ですし、年齢が上がるにつれて収入も増え、老後に向けた準備も本格化します。

ここでは、年代別の積立額の目安と、それぞれの年代で考慮すべきポイントを解説します。

ただし、これらはあくまで目安であり、個人の収入や家計状況によって調整が必要です。

20代は月1万円からスタート

20代は収入がまだ少ない時期ですが、時間という最大の武器があります。

月1万円の積立でも、30年以上の長期運用で大きな資産を築ける可能性があります。

20代の積立戦略

まず投資の習慣を身につけることが重要

少額から始めて市場の値動きに慣れる

生活防衛資金(生活費の3~6ヶ月分)を確保してから投資を始める

30代は月3~4万円が目安

30代は収入が安定し始め、本格的な資産形成に取り組める時期です。

結婚や出産といったライフイベントも多い年代ですが、老後まで20~30年の運用期間を確保できます。

月3~4万円の積立であれば、年間36万円~48万円となり、つみたて投資枠の上限120万円の30~40%を活用できます。

ただし、住宅購入や教育費の準備も並行して考える必要があるため、家計全体のバランスを見ながら調整しましょう。

40代は月4万円で資産形成を加速

40代は収入のピークに近づき、教育費などの支出も増える時期です。

一方で、老後まで15~25年と運用期間が限られてくるため、積立額を増やして資産形成を加速させる必要があります。

月4万円の積立で年間48万円となり、20年間運用すれば(年利5%想定)元本960万円が約1,650万円に成長する可能性があります。

子どもの教育費のピークが過ぎたら、さらに積立額を増やすことも検討しましょう。

50代は月5万円で老後に備える

50代は老後資金の準備を本格化させる最後のチャンスです。

収入も最も高い時期ですが、運用期間は10~20年と限られています。

月5万円の積立で年間60万円となり、15年間運用すれば(年利5%想定)元本900万円が約1,340万円に成長する可能性があります。

つみたて投資枠だけでなく、成長投資枠も活用して年間上限360万円まで投資を検討するのも一つの方法です。

金融庁:NISA特設ウェブサイト

新NISAの積立金額を決める5つのポイント

新NISAの積立金額を決める際は、平均額や年代別の目安を参考にしつつ、自分の状況に合わせた判断が必要です。

無理な金額設定は継続を困難にし、途中で挫折してしまう原因になります。

ここでは、積立金額を決める際に必ず確認すべき5つのポイントを順番に解説します。

1. 家計の収支を見直す

まず最初に行うべきは、家計の収支を正確に把握することです。

毎月の収入から固定費(住居費、保険料、通信費など)と変動費(食費、日用品、娯楽費など)を差し引いた金額が、投資に回せる余裕資金の上限になります。

目安:手取り収入の10~30%を貯蓄・投資に

手取り月収25万円なら2.5万円~7.5万円

ただし、この中には緊急時の貯蓄も含まれるため、すべてを投資に回すのは避ける

家計簿アプリなどを活用して、少なくとも3ヶ月間の収支を記録すると、より正確な余裕資金が見えてきます。

2. 生活防衛資金を確保する

投資を始める前に、必ず生活防衛資金を確保しておきましょう。

生活防衛資金とは、病気や失業などの緊急時に生活を維持するための現金・預金です。

会社員:生活費の3~4ヶ月分
自営業・フリーランス:生活費の6ヶ月分以上

例えば、月の生活費が20万円なら60万円~120万円です。

この資金を確保せずに投資を始めると、緊急時に投資商品を売却せざるを得なくなり、損失を確定してしまう可能性があります。

3. ライフイベントを考慮する

今後3~5年以内に予定されている大きな支出(ライフイベント)を洗い出し、その準備資金を確保してから積立額を決めましょう。

  • 結婚
  • 出産
  • 住宅購入
  • 車の買い替え
  • 子どもの教育費

例えば、3年後に住宅購入の頭金500万円が必要なら、月約14万円を貯蓄する必要があります。

この場合、新NISAの積立額は控えめに設定するか、ボーナス時のみの積立にするなどの調整が必要です。

ライフイベントの準備資金は元本割れリスクのある投資ではなく、預貯金で確保することをおすすめします。

4. 目標金額から逆算する

老後資金や教育資金など、具体的な目標金額がある場合は、そこから必要な積立額を逆算する方法も有効です。

金融庁の「資産運用シミュレーション」を活用すれば、目標金額を達成するために必要な月々の積立額を簡単に計算できます。

シミュレーション例

20年後に2,000万円を目標とする場合、年利5%で運用すると月約6万円の積立が必要

この金額が家計的に厳しければ、目標金額を下げるか、運用期間を延ばすなどの調整を検討しましょう。

金融庁:投資の基本

ただし、シミュレーション結果はあくまで想定であり、実際の運用成果を保証するものではありません。

5. 無理のない金額から始める

最も重要なのは、無理のない金額から始めることです。

高すぎる積立額を設定すると、生活が苦しくなって続けられなくなったり、緊急時に解約せざるを得なくなったりします。

投資は長期継続が成功の鍵です。最初は少額でも、昇給やボーナス時に増額する方法で、徐々に積立額を増やしていけば問題ありません。

月1万円でも20年間続ければ、元本240万円が年利5%で約410万円に成長する可能性があります。

「これなら確実に続けられる」と思える金額から始めて、投資に慣れてきたら徐々に増額していくのが、長期的な資産形成の王道です。

家計状況別|おすすめの積立戦略

新NISAの積立額は、家計状況によって最適な金額や戦略が大きく異なります。

独身なのか既婚なのか、子どもがいるかどうか、収入は安定しているかなど、それぞれの状況に応じた積立戦略を立てることが重要です。

独身・一人暮らしの場合

独身で一人暮らしの場合は、扶養する家族がいないため、比較的自由に投資に回せる資金が多いのが特徴です。

ただし、家賃や光熱費などの固定費を一人で負担する必要があるため、家計管理は重要です。

おすすめの積立額:手取り収入の15~25%

手取り月収20万円なら3~5万円

手取り月収25万円なら3.75~6.25万円

まずは月3万円程度から始めて、家計に余裕があれば増額していきましょう。

独身時代は長期投資に最適な時期です。結婚や出産などのライフイベントで支出が増える前に、できるだけ多く積み立てておくことで、将来の資産形成を有利に進められます。

共働き夫婦の場合

共働き夫婦は世帯収入が多いため、新NISAを夫婦それぞれで活用することで、年間720万円(360万円×2人)まで非課税枠を使えます。

おすすめの積立額:世帯収入の20~30%を二人で分担

世帯手取り月収50万円なら10~15万円を目安に、夫婦で5~7.5万円ずつ

共働き夫婦の場合、どちらか一方が退職や転職をする可能性も考慮しましょう。

両方の口座に分散して積み立てておくことで、収入が減った場合でも片方の積立は継続できます。

子育て世代の場合

子育て世代は、教育費や生活費の増加により、投資に回せる資金が限られることが多い時期です。

しかし、老後資金の準備も並行して進める必要があるため、バランスが重要になります。

おすすめの積立額:手取り収入の10~15%

手取り月収30万円なら3~4.5万円が目安

子どもが小さいうちは少額でも、教育費のピークが過ぎたら増額する計画を立てましょう。

教育資金は使う時期が決まっているため、預貯金や学資保険で確保し、老後資金は新NISAで長期運用するという使い分けがおすすめです。また、児童手当を全額新NISAに回すという方法も、無理なく積立を続ける工夫の一つです。

収入が不安定な場合

フリーランスや自営業、歩合制の仕事など、収入が月によって変動する場合は、固定額での積立が難しいことがあります。

しかし、工夫次第で無理なく投資を続けることができます。

おすすめの積立額:最低限の金額を設定し、余裕がある月に増額

まずは月5,000円~1万円など、収入が少ない月でも確実に捻出できる金額を設定。収入が多い月は、スポット購入や増額設定を活用

収入が不安定な場合は、生活防衛資金を多めに確保することが特に重要です。生活費の6~12ヶ月分を現金で保管し、それを確保した上で投資を始めましょう。

新NISAは最低いくらから始められる?

新NISAに興味はあるけれど、まとまった資金がないという理由で躊躇している方も多いのではないでしょうか。

実は、新NISAは想像以上に少額から始められる制度です。

100円から始められる証券会社も

新NISAの最低積立金額は証券会社によって異なりますが、主要なネット証券では100円から積立投資が可能です。

主要証券会社の最低積立金額

SBI証券:100円から

楽天証券:100円から

マネックス証券:100円から

松井証券:100円から

三菱UFJeスマート証券:100円から

100円からの積立であれば、投資経験がない方でも気軽に始められます。

まずは少額で投資信託の値動きを体験し、投資に慣れてから徐々に金額を増やしていくという方法が、初心者には特におすすめです。

SBI証券公式サイト

ただし、証券会社によっては特定の投資信託のみ100円対応で、一部の商品は1,000円以上からという場合もあります。口座開設前に、自分が投資したい商品の最低金額を確認しておきましょう。

少額積立のメリットとデメリット

少額から積立を始めることには、メリットとデメリットの両面があります。

自分の状況に合わせて、適切な金額を判断しましょう。

メリット デメリット
投資のハードルが低い
100円や1,000円なら、誰でも気軽に始められます。「まずはやってみる」という第一歩を踏み出しやすいのが最大のメリットです。
資産形成のスピードが遅い
月1,000円の積立では、20年間でも元本は24万円にしかなりません。老後資金など大きな目標を達成するには、時間がかかります。
生活への負担が少ない
月数百円~数千円であれば、家計を圧迫することなく投資を続けられます。無理なく継続できることが、長期投資では何より重要です。
複利効果が限定的
元本が少ないと、複利効果による資産の増加も限定的になります。早い段階で増額できるよう、家計の見直しを並行して進めましょう。
投資の経験を積める
少額でも実際に投資をすることで、市場の値動きや投資信託の仕組みを学べます。この経験は、将来の投資判断に役立ちます。
非課税枠を活用しきれない
つみたて投資枠の年間上限120万円に対して、月1,000円では年間1.2万円しか使えず、非課税メリットを十分に享受できません。

少額積立は、投資の入り口として非常に有効です。まずは少額で始めて、収入が増えたり家計に余裕ができたりしたタイミングで、積極的に増額していくことをおすすめします。

新NISAの年間投資枠と上限はいくら?

新NISAの積立額を決める上で、制度の基本的な枠組みを理解しておくことは重要です。

年間投資枠や生涯の非課税限度額を知ることで、長期的な投資計画を立てやすくなります。

つみたて投資枠は年間120万円

つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に適した投資信託を対象とした非課税枠です。

年間の投資上限は120万円で、月に換算すると10万円まで積み立てることができます。

対象商品は、金融庁が定める基準を満たした投資信託に限定されており、2024年12月時点で約270本が選択できます。

これらは販売手数料が無料(ノーロード)で、信託報酬も低く設定されているため、長期投資に適しています。

金融庁:NISA特設ウェブサイト

成長投資枠は年間240万円

成長投資枠は、つみたて投資枠よりも幅広い商品に投資できる枠です。

年間の投資上限は240万円で、投資信託だけでなく、個別株式やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)なども対象となります。

ただし、すべての商品が対象というわけではなく、一部の高レバレッジ型投資信託や毎月分配型の投資信託などは除外されています。また、成長投資枠は積立投資だけでなく、一括購入(スポット購入)も可能です。

成長投資枠は、ある程度投資経験があり、個別株式やETFにも投資したい方に適しています。

つみたて投資枠と併用すれば、年間最大360万円(120万円+240万円)まで非課税で投資できます。

非課税保有限度額は1,800万円

新NISAには、生涯で投資できる上限額として「非課税保有限度額」が設定されています。

この上限は1,800万円で、そのうち成長投資枠で使えるのは1,200万円までです。

つまり、つみたて投資枠だけなら1,800万円まで、成長投資枠を含める場合はつみたて投資枠600万円+成長投資枠1,200万円という配分が可能です。

この限度額は、売却すれば翌年以降に再利用できる「再利用可能枠」となっています。例えば、1,800万円の枠を使い切った後に500万円分を売却すれば、翌年以降に再び500万円分の投資が可能になります。この柔軟性は、旧NISAにはなかった新NISAの大きなメリットです。

非課税保有限度額1,800万円を年間360万円で埋めると、最短5年で上限に達します。

ただし、多くの方にとっては年間360万円の投資は現実的ではないため、長期的な視点で少しずつ枠を使っていくことになるでしょう。

金融庁:新しいNISA制度について

積立額別のシミュレーション|将来いくらになる?

新NISAで積立投資を始める際、「将来いくらになるのか」を具体的にイメージすることは、モチベーション維持にも役立ちます。

ここでは、代表的な積立額別に、20年間運用した場合のシミュレーション結果を紹介します。

シミュレーションは年利5%(税引前)を想定していますが、実際の運用成果は市場環境により変動します。あくまで参考値としてご覧ください。

月1万円を20年積み立てた場合

月1万円の積立は、投資初心者や若年層が無理なく始められる金額です。

20年間継続した場合の結果を見てみましょう。

運用期間 積立元本 運用益(年利5%想定) 最終金額
5年 60万円 約8万円 約68万円
10年 120万円 約35万円 約155万円
15年 180万円 約88万円 約268万円
20年 240万円 約171万円 約411万円

月1万円でも、20年間継続すれば元本240万円が約411万円に成長する可能性があります。

運用益の約171万円は非課税なので、通常の課税口座なら約35万円の税金がかかるところ、新NISAならそのまま受け取れます。

金融庁:資産運用シミュレーション

月3万円を20年積み立てた場合

月3万円は、30代の会社員が目指したい標準的な積立額です。

年間36万円の投資で、つみたて投資枠の30%を活用できます。

運用期間 積立元本 運用益(年利5%想定) 最終金額
5年 180万円 約24万円 約204万円
10年 360万円 約106万円 約466万円
15年 540万円 約267万円 約807万円
20年 720万円 約513万円 約1,233万円

月3万円の積立では、20年間で約1,233万円の資産を築ける可能性があります。

運用益約513万円が非課税になるため、通常なら約104万円の税金がかかるところを節税できます。

月5万円を20年積み立てた場合

月5万円は、40~50代で本格的に老後資金を準備する方や、収入に余裕のある方におすすめの金額です。

年間60万円で、つみたて投資枠の50%を活用できます。

運用期間 積立元本 運用益(年利5%想定) 最終金額
5年 300万円 約41万円 約341万円
10年 600万円 約177万円 約777万円
15年 900万円 約445万円 約1,345万円
20年 1,200万円 約855万円 約2,055万円

月5万円の積立では、20年間で約2,055万円の資産を築ける可能性があります。

運用益約855万円が非課税になるため、約173万円の節税効果があります。

月10万円を20年積み立てた場合

月10万円は、つみたて投資枠の年間上限120万円をほぼ使い切る金額です。

高収入の方や、夫婦で分担して積み立てる場合に現実的な選択肢となります。

運用期間 積立元本 運用益(年利5%想定) 最終金額
5年 600万円 約81万円 約681万円
10年 1,200万円 約354万円 約1,554万円
15年 1,800万円 約890万円 約2,690万円
20年 2,400万円 約1,711万円 約4,111万円

月10万円の積立では、20年間で約4,111万円の資産を築ける可能性があります。

運用益約1,711万円が非課税になるため、約347万円の節税効果があります。

ただし、15年で非課税保有限度額1,800万円に達するため、それ以降は成長投資枠の併用や、売却して枠を再利用する戦略が必要です。

積立額を増やすための家計見直し術

新NISAで積立投資をしたいけれど、家計に余裕がないという方も多いでしょう。

しかし、家計を見直すことで、意外と投資に回せる資金を捻出できることがあります。

固定費を削減する

家計改善で最も効果が高いのが、固定費の削減です。

固定費は毎月必ず発生する支出なので、一度見直せば継続的に節約効果が得られます。

通信費
大手キャリアから格安SIMに乗り換えることで、月5,000円~8,000円の節約が可能です。家族4人なら月2~3万円の削減になり、そのまま新NISAの積立に回せます。
保険料
必要以上の保険に加入していないか見直しましょう。特に、独身の方が高額な生命保険に入っている、医療保険を複数契約しているなどのケースは見直しの余地があります。月5,000円~1万円の削減も可能です。
サブスクリプション
動画配信サービスや音楽配信サービス、雑誌の定期購読など、使っていないサブスクを解約しましょう。月1,000円~3,000円程度の節約になります。
住居費
家賃や住宅ローンは最も大きな固定費です。住宅ローンの借り換えで金利を下げる、家賃交渉をする、より安い物件に引っ越すなどの方法で、月数万円の削減も可能です。

変動費を見直す

変動費は月によって金額が変わる支出ですが、意識的に管理することで削減できます。

ただし、生活の質を著しく下げるような無理な節約は長続きしないので、バランスが大切です。

食費
外食を減らして自炊を増やす、コンビニでの買い物を減らす、まとめ買いで食材費を抑えるなどの工夫で、月1~3万円の節約が可能です。
娯楽費
趣味や娯楽にかける費用を見直します。完全にゼロにする必要はありませんが、優先順位をつけて本当に必要なものに絞ることで、月5,000円~2万円の削減ができます。
被服費
衝動買いを避け、本当に必要なものだけを購入するようにします。セールやアウトレットを活用することで、質を落とさずに支出を減らせます。
交際費
飲み会の頻度を減らす、二次会は参加しないなどのルールを決めることで、月1~2万円の節約が可能です。人間関係に支障が出ない範囲で調整しましょう。

ボーナス月に増額設定する

毎月の積立額を増やすのが難しい場合は、ボーナス月だけ積立額を増やす「ボーナス設定」を活用しましょう。

多くの証券会社では、年2回まで通常の積立額に上乗せできる機能があります。

ボーナス設定の活用例

通常は月3万円の積立で、ボーナス月(6月・12月)だけ10万円を追加すると、年間の積立額は36万円+20万円=56万円

ボーナスは全額使ってしまいがちですが、その一部を投資に回すことで、将来の資産形成を大きく加速できます。ボーナスの20~30%を新NISAに回すことを目標にしてみましょう。

収入アップを目指す

支出を削減するだけでなく、収入を増やすことも積立額を増やす有効な方法です。

収入が増えれば、生活の質を維持しながら投資額を増やせます。

本業での昇給・昇進
スキルアップや資格取得により、本業での収入を増やします。昇給や昇進で月1~5万円の収入増が見込めれば、そのまま積立額に回せます。
副業
本業に支障が出ない範囲で副業を始めます。ライティング、プログラミング、デザイン、動画編集など、スキルを活かした副業なら月3~10万円の収入も可能です。
転職
現在の職場で昇給が見込めない場合は、転職も選択肢です。同じ業種でも企業によって給与水準は大きく異なるため、年収50万円~100万円アップのチャンスもあります。
投資スキルの向上
投資の知識を深めることで、より効率的な資産運用が可能になります。ただし、短期的な利益を狙うのではなく、長期的な視点での資産形成を心がけましょう。

積立額を変更・一時停止したい時の対処法

新NISAで積立投資を始めても、収入の減少や予期せぬ支出の増加により、継続が困難になることがあります。

しかし、新NISAは柔軟に対応できる制度なので、状況に応じた調整が可能です。

積立額の変更はいつでも可能

新NISAの積立額は、いつでも自由に変更できます

証券会社のウェブサイトやアプリから、簡単な手続きで増額・減額が可能です。

昇給・ボーナス増額時
収入が増えたら、積立額を増やす絶好のチャンスです。昇給分の50~100%を積立に回すことで、生活水準を上げずに資産形成を加速できます。
子どもの独立・教育費終了時
教育費の負担が終わったら、その分を新NISAに回しましょう。月5~10万円の増額も可能になり、老後資金の準備を一気に進められます。
住宅ローン完済時
住宅ローンを完済すれば、月々の返済額がそのまま余裕資金になります。その一部を新NISAに回すことで、老後の生活資金を充実させられます。

一時停止・再開の方法

収入の減少や大きな支出が発生した場合、積立を一時的に停止することも可能です。

停止しても口座は維持されるため、状況が改善したら再開できます。

1. 証券会社のマイページにログイン
2. 「積立設定」または「NISA設定」を選択
3. 「積立停止」または「一時停止」を選択
4. 停止期間を指定(または無期限停止)
5. 確認画面で内容を確認して完了

停止期間中も、既に購入した投資信託は保有し続けられます。運用益も非課税のまま継続されるので、売却する必要はありません。ただし、一時停止している間は非課税枠を使えないため、その年の年間投資枠(120万円)を使い切れなくなります。可能であれば、停止ではなく減額で対応する方が、非課税枠を有効活用できます。

減額・停止すべきタイミング

積立投資は長期継続が基本ですが、無理に続けることで生活が破綻しては本末転倒です。

以下のような状況では、減額や停止を検討しましょう。

生活防衛資金を取り崩している
緊急時の現金が不足し、預金を取り崩している状態なら、積立を一時停止して生活防衛資金の再構築を優先しましょう。
収入が大幅に減少した
転職や退職、病気などで収入が大幅に減った場合は、積立額の見直しが必要です。まずは生活を安定させることを優先し、余裕ができたら再開しましょう。
大きな支出が予定されている
住宅購入、車の買い替え、医療費など、近い将来に大きな支出が予定されている場合は、一時的に減額・停止して現金を確保します。
精神的ストレスが大きい
市場の下落で含み損を抱え、精神的ストレスが大きい場合は、一時的に積立を停止するのも選択肢です。ただし、長期投資では一時的な下落は回復する可能性が高いため、売却は避けましょう。

減額・停止は決して悪いことではありません。状況に応じて柔軟に対応し、無理なく続けることが、長期的な資産形成の成功につながります。

よくある質問(Q&A)

よくある質問(Q&A)
新NISAは夫婦でいくらずつ積み立てるべき?

夫婦の場合、それぞれが新NISA口座を開設できるため、世帯で年間最大720万円(360万円×2人)の非課税枠を活用できます。配分は収入比率に応じて決めるのが基本です。

例えば、夫の収入が60%、妻の収入が40%なら、世帯で月10万円積み立てる場合、夫6万円・妻4万円という配分が考えられます。ただし、将来的に一方が退職や転職をする可能性がある場合は、両方の口座に均等に積み立てておく方が、リスク分散になります。

iDeCoと新NISAはどちらを優先すべき?

iDeCo(個人型確定拠出年金)と新NISAは、どちらも税制優遇がある制度ですが、特徴が異なります。一般的には、以下の優先順位で検討するのがおすすめです。

1. まずは新NISAで月1~3万円を開始(いつでも引き出せる柔軟性を確保)
2. 余裕があればiDeCoを追加(掛金の全額所得控除で節税効果が高い)
3. さらに余裕があれば新NISAの積立額を増やす

iDeCoは掛金が全額所得控除になるため節税効果が高いですが、60歳まで引き出せないというデメリットがあります。住宅購入や教育費など、老後以外の目的でも資金が必要になる可能性がある場合は、新NISAを優先しましょう。

元本割れが怖いが大丈夫?

投資には元本割れのリスクがあります。特に短期的には、市場の変動により含み損を抱えることもあります。これは避けられない事実です。

ただし、長期・積立・分散投資を行うことで、リスクを大幅に軽減できます。金融庁の調査によると、国内外の株式・債券に分散投資した場合、保有期間5年では元本割れの可能性がありますが、20年保有すればほぼすべてのケースで元本を上回る結果になっています。

元本割れが怖い場合は、まずは少額から始めて市場の値動きに慣れることが大切です。また、生活防衛資金を確保し、短期的に使う予定のないお金だけを投資に回すことで、精神的な余裕を持って投資を続けられます。

積立額を途中で増やすことはできる?

はい、積立額はいつでも自由に変更できます。証券会社のウェブサイトやアプリから、数分の手続きで増額が可能です。変更は翌月または翌々月の積立から反映されます。

昇給やボーナス増額、子どもの独立など、家計に余裕ができたタイミングで積立額を増やすことをおすすめします。また、ボーナス月だけ積立額を増やす「ボーナス設定」も活用できます。少額から始めて、徐々に増やしていくのが、無理なく資産形成を続けるコツです。

年間上限を使い切るべき?

年間上限(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)を使い切る必要はありません。無理に上限まで投資して生活が苦しくなっては本末転倒です。

新NISAの非課税保有限度額1,800万円は、生涯にわたって使える枠です。焦って短期間で埋める必要はなく、自分のペースで少しずつ積み立てていけば問題ありません。例えば、月3万円(年間36万円)のペースでも、25年で900万円の投資が可能です。

ただし、余裕資金があり、老後資金を早めに準備したい場合は、年間上限を活用することで非課税メリットを最大化できます。自分の家計状況とライフプランに合わせて判断しましょう。

まとめ

新NISAの積立額に正解はありません。

大切なのは、自分の家計状況やライフプランに合った無理のない金額を設定することです。

つみたて投資枠の平均積立額は約1.5万円ですが、これはあくまで参考値です。

年代別の目安は、20代で月1万円、30代で月3~4万円、40代で月4万円、50代で月5万円とされていますが、個人の収入や家計状況によって適切な金額は大きく異なります。

積立額を決める際は、家計の収支を見直し、生活防衛資金を確保し、ライフイベントを考慮した上で、無理のない金額から始めましょう。

100円からでも投資は可能なので、まずは少額から始めて、徐々に増額していく方法がおすすめです。

家計に余裕がない場合は、固定費の削減や変動費の見直し、ボーナス月の増額設定などを活用して、投資資金を捻出できます。

また、収入が減少した場合や大きな支出が予定されている場合は、積立額の減額や一時停止も柔軟に対応できます。

新NISAは長期投資が前提の制度です。

短期的な市場の変動に一喜一憂せず、コツコツと積み立てを続けることが、将来の資産形成につながります。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは各証券会社や金融機関、またはファイナンシャルプランナーなどの専門家にご相談ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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