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全世界の株式に分散投資したいけれど、どの商品を選べばいいか迷っていませんか。
VT ETFは、たった1本で世界約50カ国・約9,000銘柄に投資できる全世界株式ETFです。
バンガード社が運用するこのETFは、経費率0.06%という低コストで世界経済の成長を丸ごと取り込めます。
この記事では、VTの基本情報から配当利回り、構成銘柄、メリット・デメリット、新NISAでの活用方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
VTへの投資を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)は、世界最大級の資産運用会社バンガード社が運用する全世界株式ETFです。
約10,000銘柄から構成され、全世界の株式が対象とされています。
このETF1本を購入するだけで、米国・日本・ヨーロッパなどの先進国から、中国・インドなどの新興国まで、世界中の株式市場に投資できます。
個別に銘柄を選ぶ手間がなく、自動的に分散投資が実現できる点が大きな魅力なんです。
VTは米国の証券取引所に上場しているため、日本の証券会社を通じて購入できます。
新NISA成長投資枠の対象商品でもあり、非課税で運用できるメリットもあります。
VTの正式名称は「Vanguard Total World Stock ETF」で、FTSEグローバル・オール・キャップ・インデックス(FTSE Global All Cap Index)に連動することを目指したETFです。
経費率は2025年2月1日より0.06%に引き下げられました。
これは年間100万円投資しても、年間わずか600円のコストで済むという非常に低コストです。
年間100万円の投資でコストはわずか600円という業界水準と比較して低コスト
VTの基本スペックをまとめると以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
| 運用会社 | バンガード社(米国) |
| ベンチマーク | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス |
| 構成銘柄数 | 約9,000〜10,000銘柄 |
| 経費率 | 0.06%(年率) |
| 配当利回り | 約1.4%前後 |
| 分配金支払い | 年4回(3月・6月・9月・12月) |
| 上場市場 | NYSE Arca(米国) |
バンガード社は1975年に設立された世界最大級の資産運用会社の一つで、運用資産総額は約1兆8,600億ドルに達します。
低コストのインデックス運用を得意としており、個人投資家から絶大な信頼を得ています。
ETF(Exchange Traded Fund)は、日本語で「上場投資信託」と呼ばれる金融商品です。
証券取引所で取引される投資信託で、株式と同じようにリアルタイムで売買できます。
通常の投資信託は1日1回しか価格が決まりませんが、ETFは取引時間中に価格が変動します。
そのため、「今この価格で買いたい」というタイミングで注文できるのが特徴なんです。
ETFと投資信託の主な違いは以下のとおりです。
| 項目 | ETF | 投資信託 |
| 購入方法 | 株数単位 | 金額指定 |
| 価格決定 | リアルタイム | 1日1回 |
| 自動積立 | 証券会社により可能 | 簡単に設定可能 |
| 経費率 | 低い傾向 | やや高め |
| 分配金 | 現金で受取 | 自動再投資も選択可 |
ETFの特徴としては、投資信託に比べて手数料が低い傾向にあることや、リアルタイムでの注文が出来る点が挙げられます。
VTのような海外ETFは、この低コストのメリットを最大限に活かせる商品といえるでしょう。
VTは世界中の株式市場に幅広く投資していますが、具体的にどのような銘柄や地域に投資しているのでしょうか。
構成内容を詳しく見ていきましょう。
VTを構成する上位10銘柄はいずれも米国の会社で構成されています。
世界最大の時価総額を誇る企業群が中心となっています。
2024年時点でのVT組入上位10銘柄は以下のとおりです。
| 順位 | 銘柄名 | ティッカー | 構成比率 |
| 1 | アップル | AAPL | 約4.5% |
| 2 | マイクロソフト | MSFT | 約4.0% |
| 3 | エヌビディア | NVDA | 約3.5% |
| 4 | アマゾン | AMZN | 約2.5% |
| 5 | メタ・プラットフォームズ | META | 約1.5% |
| 6 | アルファベット(クラスA) | GOOGL | 約1.3% |
| 7 | アルファベット(クラスC) | GOOG | 約1.2% |
| 8 | テスラ | TSLA | 約1.0% |
| 9 | バークシャー・ハサウェイ | BRK.B | 約0.9% |
| 10 | イーライリリー | LLY | 約0.8% |
上位10銘柄が占める割合は17.65%となっており、約1万銘柄に分散されているとはいえ、時価総額の大きい米国企業が大きなウェイトを占めています。
VTは全世界に投資するETFですが、地域別の構成比率は均等ではありません。
構成銘柄の60%が米国株となっており、米国市場の影響を強く受ける特徴があります。
地域別の構成比率は以下のとおりです。
| 地域 | 構成比率 |
| 米国 | 約60% |
| 日本 | 約6% |
| 英国 | 約4% |
| カナダ | 約3% |
| フランス | 約3% |
| 中国 | 約3% |
| その他先進国 | 約15% |
| 新興国 | 約6% |
この構成比率は固定されているわけではなく、各国の株式市場の時価総額の変化に応じて自動的に調整されます。
その時々の世界の株式の時価総額の変化に応じて自動的にリバランス(調整)されるメインテナンスフリーのポートフォリオといえます。
VTのセクター(業種)別構成は、世界経済の構造を反映しています。
テクノロジー関連企業の成長により、情報技術セクターの比率が高くなっています。
主なセクター別構成比率は以下のとおりです。
| セクター | 構成比率 |
| 情報技術 | 約23% |
| 金融 | 約16% |
| ヘルスケア | 約12% |
| 一般消費財 | 約11% |
| 資本財 | 約10% |
| 生活必需品 | 約7% |
| エネルギー | 約5% |
| その他 | 約16% |
情報技術セクターには、アップル、マイクロソフト、エヌビディアなどの巨大テック企業が含まれます。
これらの企業の成長がVT全体のパフォーマンスを牽引している側面があります。
VTの配当利回りと分配金のしくみ
VTは株価の値上がり益だけでなく、定期的な分配金も受け取れます。
配当利回りと分配金の仕組みについて詳しく見ていきましょう。
2025年4月12日時点でのVTの分配金利回りは1.39%となっています。
高配当ETFと比べると利回りは高くありませんが、世界中の株式に分散投資しながら配当も得られる点が魅力です。
VTの配当利回りは年によって変動します。
過去の配当利回りの推移を見ると、おおむね1.5%〜2.5%の範囲で推移してきました。
| 年 | 配当利回り |
| 2020年 | 約2.3% |
| 2021年 | 約1.6% |
| 2022年 | 約2.1% |
| 2023年 | 約1.8% |
| 2024年 | 約1.4% |
2015年や2020年のような株式市場が下落する局面では、企業業績の悪化による減配等から、株価下落に加え、配当額も減る傾向があります
一方で、2023年の増配率は+13.0%、2014年以降の増配率は年率+5.8%と、長期的には配当も成長しています。
配当利回りだけを見ると物足りなく感じるかもしれませんが、VTの本質は株価の成長と配当の両方で資産を増やしていくことにあります。
VTの分配金は、年に4回支払われます。通常、3月、6月、9月、12月の年4回、四半期ごとに支払われるスケジュールとなっています。
分配金を受け取るための権利確定日(配当落ち日)は、2025年の権利落ち日は、次回の配当をもらうためには2025年12月18日(木)までに購入しておく必要があります。
権利確定日の前営業日までに購入していれば、分配金を受け取る権利が得られます。
分配金受取の流れは以下のとおりです。
6月と12月の配当額が大きく、3月の配当額は小さい傾向があります。
これは組入銘柄の配当支払い時期が影響しているためです。
米国ETFの配当に対する税金は、米国で10%が引かれた後に、日本でも20.315%が源泉徴収されます。この二重課税については、確定申告で外国税額控除を受けることで、米国で課税された10%分を取り戻すことができます。
VTの株価推移とパフォーマンス
VTは長期的にどのような値動きをしてきたのでしょうか。
過去の実績から、VTの投資パフォーマンスを確認していきましょう。
VTは2008年に設定されたETFで、リーマンショック後の世界経済の回復と成長を取り込んできました。
過去10年間の株価推移を見ると、短期的な調整局面はあるものの、長期的には右肩上がりで成長してきたことがわかります。
主な時期の株価水準は以下のとおりです。
| 時期 | 株価水準 | 主な出来事 |
| 2015年 | 約60ドル | 中国株ショック |
| 2018年 | 約75ドル | 米中貿易摩擦 |
| 2020年3月 | 約60ドル | コロナショック |
| 2021年 | 約105ドル | コロナ後の回復 |
| 2022年 | 約85ドル | インフレと金利上昇 |
| 2024年 | 約110ドル | AI関連株の上昇 |
2020年のコロナショックでは一時的に大きく下落しましたが、その後1年ほどで回復し、さらに高値を更新しました。
このように、短期的には大きく下落する局面もありますが、長期保有することで回復し、さらなる成長を享受できる可能性があります。
VTの長期保有リターンを見ると、分散投資の効果が実感できます。
過去のデータから計算した年平均リターンは以下のとおりです。
| 保有期間 | 年平均リターン |
| 過去1年 | 約15%〜25%(年により変動) |
| 過去3年 | 約8%〜12% |
| 過去5年 | 約10%〜13% |
| 過去10年 | 約8%〜10% |
これらの数値は過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません
しかし、長期的に世界経済が成長を続ける限り、VTのような全世界株式ETFも成長していく可能性が高いと考えられます。
10年前にVTを購入していればYOC(Yield On Cost:購入時の価格に対する現在の配当利回り)は3.87%となっており、長期保有することで実質的な配当利回りも向上していきます。
VTに投資する5つのメリット
VTには他の投資商品にはない魅力的なメリットがあります。
主なメリットを5つご紹介します。
VTひとつに投資するだけで、約8,000銘柄に投資できるのが大きなメリットです。
個人投資家が自分で世界中の株式を選んで購入するのは、時間的にも資金的にも非常に困難です。
VTなら、米国の巨大テック企業から、日本の製造業、ヨーロッパの老舗企業、新興国の成長企業まで、1本で投資できます。
これは「すべての卵を一つのカゴに盛るな」という投資の格言を実践する最も簡単な方法といえるでしょう。
特定の国や地域に偏らず投資できるため、例えば米国経済が停滞しても、他の地域の成長でカバーできる可能性があります。
VTの経費率は2025年2月1日より0.06%に引き下げられました。
これは年間100万円投資しても、年間わずか600円のコストで済む計算です。
投資信託の場合、運用管理費用(信託報酬)が年0.5%〜1.0%程度かかることも珍しくありません。
100万円投資した場合、年間5,000円〜10,000円のコストになります。
長期投資において、コストの差は最終的なリターンに大きく影響します。
30年間100万円を年7%で運用した場合、コスト0.06%と0.5%では以下のような差が生まれます。
| 経費率 | 30年後の資産額 | 差額 |
| 0.06% | 約755万円 | – |
| 0.5% | 約643万円 | 約112万円の差 |
この低コストは、バンガード社の企業理念である「投資家第一主義」の表れです
VTは時価総額加重平均で銘柄を組み入れているため、その時々の世界の株式の時価総額の変化に応じて自動的にリバランス(調整)される仕組みになっています。
通常のポートフォリオ運用では、定期的にリバランス(資産配分の調整)を行う必要があります。
例えば、米国株が好調で比率が高くなりすぎた場合、一部を売却して他の地域の株式を買い増すといった作業です。
VTならこの手間が一切不要です。
世界経済の構造変化に合わせて、自動的に最適な配分に調整されます。
投資家は何もせず保有し続けるだけで、常に世界の株式市場全体に投資している状態を維持できるのです。
VTを運用するバンガード社は、米国ミューチュアルファンド業界においてインデックスファンドシェアNo.1、約1兆8,600億ドルを運用する世界最大級の投信会社です。
バンガード社の特徴は、投資家が会社のオーナーという独特の企業構造にあります。
一般的な資産運用会社は株主の利益を優先しますが、バンガード社は投資家の利益を最優先に考える仕組みになっています。
この企業理念により、継続的なコスト削減や投資家目線の商品開発が行われています。
継続して経費率(コスト)を引き下げる『姿勢』を変えない姿勢は、投資家に価値還元を示し続けています
VTは全世界の株式に投資するため、世界経済全体の成長を取り込めます。
短期的には景気後退や金融危機で下落することもありますが、長期的には世界経済は成長を続けてきました。
人口増加、技術革新、新興国の経済発展など、世界経済を押し上げる要因は今後も続くと考えられます。
VTはこれらの成長をすべて享受できる商品設計になっています。
基本的に『VT』に関しては、長い目で見ると右肩上がりで成長してきています。
この傾向は今後も続く可能性が高いと多くの専門家が考えています。
VTのデメリットと注意点
VTには多くのメリットがある一方で、投資する前に理解しておくべきデメリットやリスクもあります。
主な3つのリスクを解説します。
VTは米ドル建てのETFなので、購入時には日本円を米ドルに交換する必要があります。
そのため、為替相場の変動によって、円ベースでの資産価値が変動するリスクがあります。
例えば、1ドル=100円のときにVTを100ドル分(10,000円)購入したとします。
VTの株価が変わらなくても、為替レートが1ドル=110円になれば、円換算では11,000円となり、1,000円の為替差益が発生します。
逆に1ドル=90円になれば、9,000円となり、1,000円の為替差損が発生するのです。
為替リスクの特徴は以下のとおりです。
為替リスクを完全に避けることはできませんが、積立投資で定期的に購入することで、為替レートを平準化する効果が期待できます。
米国ETFの配当に対する税金は、米国で10%が引かれた後に、日本でも20.315%が源泉徴収されます。
これを「二重課税」といいます。
具体的な税負担の計算例を見てみましょう。
| 項目 | 金額 |
| 配当金(税引前) | 100ドル |
| 米国での源泉徴収(10%) | -10ドル |
| 米国税引後 | 90ドル |
| 日本での源泉徴収(20.315%) | -18.28ドル |
| 最終受取額 | 71.72ドル |
| 実質税率 | 約28.3% |
ただし、確定申告をすることにより外国税額控除を受けられます。
外国税額控除を利用すれば、米国で課税された10%分を日本の所得税・住民税から差し引くことができます。
NISA口座で購入する場合は、外国税額控除を使えません。NISA口座内で米国ETFを持つと、米国で10%が引かれた状態の配当金を受け取ることになります。NISA口座では日本の税金はかかりませんが、米国での10%課税は避けられない点に注意が必要です。
VTは株式に投資するETFなので、株価の変動リスクがあります。
世界的な金融危機や景気後退局面では、大きく下落する可能性があります。
過去の大きな下落局面を振り返ると以下のとおりです。
| 時期 | 下落率 | 原因 |
| 2015年 | 約-15% | 中国株ショック |
| 2018年 | 約-18% | 米中貿易摩擦 |
| 2020年 | 約-35% | コロナショック |
| 2022年 | 約-20% | インフレと金利上昇 |
これらの下落局面では、含み損を抱えて不安になるかもしれません。
しかし、一時的に下がっても、やがて下がる前以上に回復するという可能性が高いのがVTの特徴です。
短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的な視点で保有し続けることが重要です。
むしろ下落局面は、安く買い増しできるチャンスと捉えることもできます。
VTと似た投資商品はいくつかあります。
それぞれの違いを理解して、自分に合った商品を選びましょう。
VTは全世界約9,800の企業に対して投資するETFであるのに対し、VTIは米国約3,700の企業に対して投資するETFとなっています。
VTとVTIの主な違いは以下のとおりです。
| 項目 | VT | VTI |
| 投資対象 | 全世界 | 米国のみ |
| 構成銘柄数 | 約9,000銘柄 | 約3,700銘柄 |
| 経費率 | 0.06% | 0.03% |
| 配当利回り | 約1.4% | 約1.5% |
| 米国比率 | 約60% | 100% |
過去の運用成績を比較すると、VTIに軍配が上がります。
米国株式市場の好調なパフォーマンスが、VTIの高いリターンにつながっています。
しかし、将来も米国が最高のパフォーマンスを続けるとは限りません。
VTは米国以外の地域にも投資するため、米国経済が停滞した場合のリスク分散になります。
VOOは米国の代表的な株価指数「S&P500」に連動するETFです。
S&P500は米国の大型株500社で構成されており、VTやVTIとは投資対象が異なります。
| 項目 | VT | VOO |
| 投資対象 | 全世界 | 米国大型株500社 |
| 構成銘柄数 | 約9,000銘柄 | 500銘柄 |
| 経費率 | 0.06% | 0.03% |
| 配当利回り | 約1.4% | 約1.3% |
| 小型株への投資 | あり | なし |
VOOは信託報酬0.03%、100万円あたり300円のコストで米国主要企業へ投資ができる点が魅力です。
米国の大型優良企業に集中投資したい方にはVOOが適しています。
一方、VTは米国以外の地域や中小型株にも投資するため、より広範な分散投資ができます。
オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))は、VTと同様に全世界の株式に投資する投資信託です。
オルカンの愛称で投資家に人気の全世界株型の投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は2024年、毎月1000億円を超える資金流入がありました。
| 項目 | VT(ETF) | オルカン(投資信託) |
| 購入方法 | 株数単位(ドル建て) | 金額指定(円建て) |
| 経費率 | 0.06% | 0.05775% |
| 自動積立 | 証券会社により可能 | 簡単に設定可能 |
| 分配金 | 現金で受取 | 自動再投資 |
| 為替手数料 | あり(円→ドル交換時) | なし(円建て) |
| つみたて投資枠 | 対象外 | 対象 |
『オルカン』の運用管理費用 年0.05775%は、『VT』の年間経費率0.06%を下回っているという逆転現象も起きています。
オルカンの方が手軽で、円建てで購入できるため為替の心配も不要です。
一方、VTは分配金を現金で受け取れるため、配当収入を得たい方に向いています。
VTは新興国を含む47カ国の株式に投資するETFで、これ1本でも十分に分散された投資ができます。
VTに投資をすれば世界の株式市場のマーケット・ポートフォリオを持つことができるといわれています。
VT1本で十分な人の特徴は以下のとおりです。
一方、他の商品と組み合わせるべき人の特徴は以下のとおりです。
投資の格言に「すべての卵を一つの籠に盛るな」とあるように、資産は一つのものに集中すべきではありません。VT1本でも分散投資はできていますが、株式以外の資産(債券、不動産、預金など)も組み合わせることで、さらにリスクを抑えられます。
VTを購入できるおすすめの証券会社3社
VTを購入するには、米国株を取り扱っている証券会社で口座開設が必要です。
主要なネット証券3社をご紹介します。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む) |
| 取引手数料 | 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。 |
| NISA対応 | 〇 |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年3月3日時点 |
| 外国株 | 8カ国/米国株式(5,000銘柄) |
| 取引ツール(PC) | HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー |
| スマホアプリ | SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD |
| 提携銀行口座 | SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
SBI証券は日本最大のネット証券で、新NISA口座で米国株の売買をする際の取引手数料は無料になっています。
SBI証券の特徴
米国株の取扱銘柄数が約5,000銘柄と業界最多
VTを含む米国ETF10銘柄の買付手数料が無料
米国株の定期買付サービスで自動積立が可能
Vポイント・Pontaポイント・dポイントなど複数のポイントが貯まる
口座開設数約1,500万口座の圧倒的な実績
SBI証券なら、VT・VTIをはじめETF10銘柄が買付手数料無料です。
投資コストを抑えたい方に最適な証券会社といえます。
為替手数料も業界最安水準で、米ドルへの両替コストを抑えられます。
米国株投資を本格的に始めたい方には、SBI証券が最もおすすめです。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約12,000,000口座 ※2025年1月時点 |
| 取引手数料 | 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 263銘柄 ※2025年4月24日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年4月24日時点 |
| 外国株 | 6カ国/米国株式(約4,500銘柄) |
| 取引ツール(PC) | マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4 |
| スマホアプリ | iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物 |
| 提携銀行口座 | 楽天銀行(マネーブリッジ) |
| ポイント投資・付与 | 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
楽天証券は、楽天グループのサービスをよく利用する方に特におすすめです。
新NISA口座で米国株の売買をする際の取引手数料は無料となっています。
楽天証券の特徴
米国株の取扱銘柄数が約4,500銘柄
VTを含む米国ETF15銘柄の買付手数料が実質無料(ポイントバック)
楽天ポイントが貯まる・使える
楽天銀行との連携で普通預金金利が優遇
取引ツール「MARKET SPEED II」が高機能
楽天ポイントを投資に活用できるのが大きな魅力です。
楽天市場での買い物や楽天カードの利用で貯まったポイントを、VTの購入資金に充てることもできます。
楽天経済圏を活用している方には、楽天証券が最も相性の良い証券会社といえるでしょう。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約2,700,000口座 ※2025年2月時点 |
| 取引手数料 | 【取引毎手数料コース】
|
| NISA対応 | 〇(日本株・米国株・中国株・投資信託の売買手数料が無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(銘柄数は公式サイトで確認) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 中国株 / 投資信託(約1,750本以上) |
| 投資信託 | 約1,800本(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 2カ国/米国株:約5,000銘柄以上(2025年1月27日時点) |
| 取引ツール(PC) | マネックストレーダー / 銘柄スカウター |
| スマホアプリ | マネックス証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ |
| 提携銀行口座 | マネックス証券専用銀行口座(詳細は公式サイトで確認) |
| ポイント投資・付与 | マネックスポイント / dポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | オンライン申込で最短翌営業日 |
マネックス証券は、米国株取引に特に力を入れている証券会社です。
新NISA口座で米国株の売買をする際の取引手数料は無料(全額キャッシュバック)になっています。
マネックス証券の特徴
米国株の取扱銘柄数が約5,000銘柄
米国株取引の情報提供が充実
銘柄スカウターなど分析ツールが豊富
米国株の定期買付サービスで自動積立が可能
米国株専用アプリが使いやすい
マネックス証券の取扱い銘柄ではVTなど人気のETFを含む47本が経費率の引下げ対象となっており、VT投資に適した環境が整っています。
米国株の情報収集や分析ツールを重視する方には、マネックス証券が最適です。
銘柄スカウターでは、米国株の詳細な財務データや業績予想を確認できます。
VTを実際に購入する手順を、初心者の方にもわかりやすく5つのステップで解説します。
VT(米国ETF)を取り扱っている証券会社で口座を開設する必要があります。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券などのネット証券がおすすめです。
口座開設の手順は以下のとおりです。
スマートフォンと本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)があれば、10分〜15分程度で申し込み手続きは完了します。
新NISA口座を利用したい場合は、総合口座開設と同時にNISA口座の開設も申し込んでおきましょう。
NISA口座の開設には税務署の審査があるため、通常より時間がかかります(1〜2週間程度)。
証券口座が開設できたら、外国株取引を行うための設定が必要です。
多くの証券会社では、外国株取引口座を別途申し込む必要があります。
外国株取引口座の開設手順は以下のとおりです。
この手続きは通常オンラインで完結し、書類の郵送などは不要です。
審査も比較的早く、多くの場合は即日〜数日で完了します。
VTは米ドル建てのETFなので、購入前に日本円を米ドルに交換する必要があります。
証券会社によって為替手数料が異なるので、確認しておきましょう。
主要証券会社の為替手数料は以下のとおりです。
| 証券会社 | 為替手数料(片道) |
| SBI証券 | 0銭〜25銭 |
| 楽天証券 | 25銭 |
| マネックス証券 | 0銭(買付時無料) |
円をドルに交換する手順は以下のとおりです。
なお、「円貨決済」を選べば、この手順を省略して日本円のまま注文することもできます。
ただし、証券会社所定の為替レートが適用されるため、コストが若干高くなる場合があります。
注文入力画面で、ティッカー欄に『買いたい銘柄名』または『ティッカー』を入力します。
VTの場合は「VT」と入力すれば検索できます。
注文方法には以下の2種類があります。
| 注文方法 | 特徴 |
| 成行注文 | 価格を指定せず、その時の市場価格で購入する。確実に約定するが、価格は確定しない。 |
| 指値注文 | 購入価格を指定する。指定価格以下にならないと約定しないが、価格をコントロールできる。 |
初めて購入する場合は、成行注文がシンプルでおすすめです。
注文の流れは以下のとおりです。
米国市場の取引時間は、日本時間で23:30〜翌6:00(夏時間は22:30〜翌5:00)です。
この時間帯に注文を出せば、リアルタイムで約定します。
取引時間外に注文した場合は、次の取引開始時に執行されます。
VTを購入した後は、定期的に保有状況を確認しましょう。
証券会社のマイページで以下の情報を確認できます。
長期投資が前提なら、日々の株価変動に一喜一憂する必要はありません。
年に数回程度、保有状況を確認する程度で十分です。
分配金は年4回、証券口座に自動的に入金されます。
NISA口座で保有している場合、日本の税金はかかりませんが、米国での10%課税は差し引かれた状態で受け取ります。
VTの活用戦略
VTをより効果的に活用するための戦略を解説します。
新NISAの活用方法や積立投資の設定方法を知ることで、長期的な資産形成に役立てましょう。
新しいNISAの「成長投資枠」を利用してVTに投資できることは、非常に大きなメリットです。
成長投資枠は年間240万円まで投資でき、運用益が非課税になります。
新NISA成長投資枠でVTを活用する戦略は以下のとおりです。
戦略1:年間240万円の枠を使い切る
VTの株価が約110ドル、為替レートが1ドル=150円と仮定すると、1株あたり約16,500円です。
年間240万円の枠なら、約145株購入できます。
一括で投資するのが不安な場合は、毎月20万円ずつ分割して購入する方法もあります。
戦略2:つみたて投資枠と併用する
つみたて投資枠ではオルカンのような投資信託を積み立て、成長投資枠でVTを購入するといった使い分けも一つの戦略です。
つみたて投資枠で毎月10万円をオルカンに積立、成長投資枠で年に数回VTをスポット購入するといった組み合わせも可能です。
戦略3:配当金を受け取りながら運用
VTは分配金を現金で受け取れるため、配当収入を得ながら長期保有できます。
NISA口座なら日本の税金がかからないため、効率的に配当を受け取れます。
米国ETFに関しては自動積立をすることも可能。SBI証券やマネックス証券、楽天証券などのネット証券で提供している米国株定期買付サービスを利用すれば、積立日や積立金額を指定するだけで、自動積立ができるのです。
米国株定期買付サービスの設定方法は以下のとおりです。
積立頻度の選択肢と特徴は以下のとおりです。
| 積立頻度 | メリット | デメリット |
| 毎月 | 管理しやすい、給料日後に設定可能 | 購入タイミングが月1回のみ |
| 毎週 | より細かく分散購入できる | 少額だと為替手数料の影響大 |
| 毎日 | 最も細かく分散できる | 管理が煩雑、手数料負担増 |
初心者の方には「毎月積立」が最もおすすめです。
給料日後に自動的に買付が実行されるよう設定すれば、無理なく継続できます。
VTから受け取った分配金をどうするかは、投資家の状況や目的によって異なります。
配当金を再投資するメリット
配当金を受け取るメリット
「配当をもらう=こまめに利益確定して税金を払っている」なので、配当金を再投資に回すだけなら税効率は良くありません。しかし、投資を長く続けるなら時々ご褒美がないとやってられないという側面もあります。
資産形成期(20〜50代)であれば、分配金は再投資に回して複利効果を最大化するのがおすすめです。
一方、リタイア後や配当収入を生活費に充てたい場合は、分配金を受け取る選択も合理的です。
VTとオルカンは、どちらも全世界株式に投資する優れた商品です。選び方のポイントは以下のとおりです。
VTがおすすめな人
オルカンがおすすめな人
投資初心者で手軽さを重視するならオルカン、配当収入を得たいならVTという選び方がよいでしょう。
VTは1株から購入できます。株価が約110ドル、為替レートが1ドル=150円の場合、約16,500円から投資できます。
moomoo証券では、たったの「1ドル」という少ない金額から、ETFを保有できます。端株(1株未満)取引に対応している証券会社なら、さらに少額から始められます。
ただし、少額投資の場合は為替手数料や売買手数料の影響が大きくなるため、ある程度まとまった金額(3万円以上)での購入がおすすめです。
VTの税金は、保有口座によって異なります。
NISA口座で保有する場合
特定口座・一般口座で保有する場合
税制面では、NISA口座での保有が最も有利です。ただし、NISA口座でも米国での10%課税は避けられない点に注意しましょう。
VTが暴落した場合、以下の対応が考えられます。
推奨される対応
『VT』の過去の値動きを見る限り、『一時的に下がっても、やがて下がる前以上に回復する』『小刻みな上下を繰り返しつつ、価格は少しずつ上がる』という可能性が極めて高いと考えられます。
暴落時にパニック売りしてしまうと、その後の回復による利益を逃してしまいます。長期投資の視点を持ち、むしろ買い増しのチャンスと捉えることが重要です。
VTは相続可能です。証券口座の資産は相続財産となり、相続人に引き継がれます。
相続時の注意点は以下のとおりです。
相続対策として、家族にVTを保有していることを伝えておくことが大切です。また、証券会社の口座情報や保有銘柄をメモしておくと、相続手続きがスムーズになります。
本当です。VTは、その時々の世界の株式の時価総額の変化に応じて自動的にリバランス(調整)されるメインテナンスフリーのポートフォリオです。
時価総額加重平均で銘柄を組み入れているため、世界経済の構造変化に合わせて自動的に配分が調整されます。投資家は何もせず保有し続けるだけで、常に最適な配分が維持されます。
これはVTの大きなメリットの一つで、手間をかけずに世界分散投資を継続できる理由です。
VT ETFは、1本で全世界約9,000銘柄に投資できる全世界株式ETFです。
経費率0.06%という低コストで、世界経済の成長を丸ごと取り込めます。
バンガード社が運用するVTは、米国・日本・ヨーロッパなどの先進国から新興国まで幅広く分散投資でき、自動的にリバランスされるメインテナンスフリーの特徴があります。
新NISA成長投資枠で購入でき、SBI証券・楽天証券・マネックス証券などの主要ネット証券で取引可能です。
配当利回りは約1.4%と高配当ではありませんが、年4回の分配金を受け取りながら長期的な資産成長を目指せます。
VTIやVOOなど米国株式に集中投資するETFと比べると、地域分散によるリスク軽減効果があります。
一方、オルカン(投資信託)と比べると、配当を現金で受け取れる点が特徴です。
VTへの投資には、為替リスクや二重課税、短期的な価格変動リスクがあります。
米国で10%、日本で20.315%の二重課税が発生しますが、確定申告で外国税額控除を受けることで米国分を取り戻せます。
NISA口座では日本の税金は非課税になりますが、米国での10%課税は避けられません。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。
最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
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