米国株のリアルタイム株価を無料で見る方法|おすすめツール比較

証券会社の営業マンについて、就職や転職を考えている方、あるいは実際に営業マンから提案を受けている投資家の方は、さまざまな疑問をお持ちではないでしょうか。
「証券営業は本当にきついのか」「ノルマはどれくらい厳しいのか」「営業マンの提案は信頼できるのか」といった声をよく耳にします。
この記事では、証券営業マンの仕事内容や1日のスケジュール、ノルマの実態、年収の仕組みを詳しく解説します。
また、投資家の立場から見た「良い営業マンの見分け方」や「上手な付き合い方」についても紹介します。
証券業界への就職・転職を検討している方にも、証券営業マンと取引している投資家の方にも役立つ内容です。
最後まで読めば、証券営業マンという職業の実態と、賢い付き合い方が理解できるでしょう。
目次
証券会社の営業マンとは
証券会社の営業マンは、個人や法人のお客様に対して株式・投資信託・債券などの金融商品を提案し、資産形成や資産運用をサポートする仕事です。
単に商品を売るだけでなく、お客様の投資目的やリスク許容度を理解し、最適な提案を行うことが求められます。
証券営業マンの主な役割は、お客様の資産形成をサポートすることです。
具体的には、市場動向や経済情勢を分析し、お客様に分かりやすく説明します。
お客様のライフプランや投資目的に合わせて、適切な金融商品を提案することが重要な役割です。
さらに、口座開設から取引開始、その後のフォローアップまで、長期的な関係を築くことが求められます。
お客様の資産状況や市場環境の変化に応じて、定期的に運用状況を報告し、必要に応じてポートフォリオの見直しを提案します。
証券営業マンは、金融商品取引法に基づく説明義務があり、商品のリスクやコストを正確に伝える必要があります。
証券営業は大きく分けて個人営業(リテール営業)と法人営業の2種類があります。
個人営業は、一般の個人投資家を対象に、NISA口座の開設や投資信託の積立、株式投資などを提案します。
お客様一人ひとりのライフステージや資産状況に合わせた提案が求められるため、きめ細かいコミュニケーション能力が必要です。
一方、法人営業は企業や機関投資家を対象に、資金調達や資産運用のサポートを行います。
IPO(新規株式公開)の引受業務や、企業の余剰資金の運用提案、M&Aのアドバイザリー業務などが含まれます。
個人営業と法人営業の特徴
個人営業:顧客数が多く、一人ひとりの取引額は比較的小さい
法人営業:顧客数は少ないが、一件あたりの取引額が大きく、長期的な関係構築が重要
どちらの営業スタイルも、証券会社の収益を支える重要な役割を担っています。
証券営業マンの1日のスケジュール
証券営業マンの1日は、市場の動きに合わせた非常に規則正しいスケジュールで進みます。
朝は早く、市場が開く前の準備から始まり、取引時間中は顧客対応に追われ、市場終了後も事務作業や翌日の準備に時間を費やします。
証券営業マンの1日は早朝から始まります。
8時頃には出社し、まず前日の海外市場の動向をチェックします。
アメリカや欧州の株式市場、為替相場、原油価格などの動きを確認し、日本市場への影響を分析します。
また、経済指標の発表予定や企業の決算発表、重要なニュースなども確認します。
9時に東京株式市場が開くと、証券営業マンの本格的な業務が始まります。
市場の動きを見ながら、お客様に電話やメールで情報提供を行います。
「保有銘柄が大きく値上がりしています」「注目の銘柄が買い時です」といった連絡をタイミングよく行うことが重要です。
また、お客様からの問い合わせや注文にも対応します。
市場が活発に動く午前中は、電話が鳴り止まないこともあります。
12時30分に前場(午前の取引)が終了すると、昼休みに入ります。
ただし、証券営業マンにとって昼休みは完全な休憩時間ではありません。
午前中の市場動向を振り返り、午後の戦略を考えます。
また、チーム内で情報共有を行い、注目銘柄や顧客対応の事例を共有することもあります。
13時に後場(午後の取引)が始まると、再び顧客対応に追われます。
午前中とは異なり、午後は新規顧客への訪問営業や既存顧客との面談を行うこともあります。
特に富裕層のお客様は、オフィスや自宅への訪問を希望されることが多く、午後の時間帯に訪問することが一般的です。
15時に市場が終了すると、事務作業や翌日の準備に取り掛かります。
その日の取引内容の確認、顧客への報告書作成、新規顧客開拓のためのリスト作成などを行います。
夕方には営業会議が開かれることも多く、その日の営業成績や月間目標の進捗状況を報告します。
18時以降も残業することが多く、特に月末や四半期末は遅くまで働くことが一般的です。
証券営業マンのノルマと年収の実態
証券営業マンの仕事を語る上で避けて通れないのが、ノルマと年収の問題です。
証券業界は典型的な実力主義の世界で、営業成績が給与に直結します。
証券営業マンには主に4種類のノルマが課せられます。
それぞれのノルマは月次・四半期・年間で設定され、達成状況が厳しく管理されます。
最も重要なノルマが収益目標です。
これは営業マンが会社にもたらす売買手数料や販売手数料の合計額で、月次で数百万円、年間で数千万円といった目標が設定されます。
投資信託の販売額もノルマの一つです。
投資信託は証券会社にとって安定的な収益源であり、販売時の手数料だけでなく、保有残高に応じた信託報酬も継続的に得られます。
預かり資産総額は、営業マンが担当する顧客の資産総額です。
この金額が大きいほど、将来的な取引機会が増え、安定的な収益が見込めます。
新規顧客の開拓数もノルマに含まれます。
月に数件から十数件の新規口座開設が求められ、特に資産規模の大きい顧客の獲得が評価されます。
証券営業マンの年収は、基本給と歩合給(インセンティブ)で構成されます。
基本給は比較的低めに設定されており、20代で年収300万円から400万円程度が一般的です。
しかし、営業成績に応じた歩合給が大きく、ノルマを大幅に達成すると基本給の数倍の歩合給を得ることも可能です。
歩合給の計算方法は会社によって異なりますが、一般的には収益目標の達成率に応じて支給されます。
例えば、目標達成率100%で基本給の1.5倍、120%達成で2倍、150%達成で3倍といった形です。
ノルマを達成できない月が続くと、基本給のみとなり、年収が大幅に下がることもあります。
証券会社の規模や種類によっても、年収水準は異なります。
| 証券会社タイプ | 30代平均年収 | 40代平均年収 |
| 大手証券会社 | 800万円~1,000万円 | 1,200万円~1,500万円 |
| 中堅証券会社 | 600万円~800万円 | 1,000万円前後 |
| ネット証券会社 | 500万円~700万円 | 800万円~1,000万円 |
大手証券会社(野村證券、SMBC日興証券、みずほ証券など)は、基本給が高く、トップ営業マンになると年収2,000万円を超えることもあります。
ネット証券会社は、対面営業が少ないため年収は低めですが、ワークライフバランスが取りやすく、ノルマのプレッシャーも比較的軽いという特徴があります。
証券営業マンが激務・きついと言われる5つの理由
証券営業マンは「激務」「きつい」と言われることが多い職業です。
高収入が得られる一方で、精神的・肉体的な負担が大きいのも事実です。
証券営業マンが最も苦しむのが、厳しいノルマのプレッシャーです。
月次・四半期・年間と複数のノルマが設定され、達成状況は毎日管理されます。
特に月末や四半期末は、ノルマ達成のために深夜まで顧客に電話をかけたり、休日出勤して訪問営業を行ったりすることが当たり前です。
証券営業マンは、常に最新の金融知識を身につける必要があります。
市場動向、経済指標、企業の決算情報、新商品の内容など、覚えるべき情報は膨大です。
さらに、証券外務員資格の更新や、社内試験の合格も求められます。
証券営業マンの収入は、市場環境に大きく左右されます。
株式市場が好調な時期は、顧客の投資意欲が高まり、取引が活発になるため収益を上げやすくなります。
しかし、市場が低迷すると、顧客は様子見姿勢となり、取引が減少します。
証券営業マンは、さまざまなタイプの顧客と接します。
投資初心者から富裕層まで、知識レベルも投資スタイルも異なる顧客に対して、適切な提案を行う必要があります。
また、投資で損失が出た際には、顧客から厳しい言葉を浴びせられることもあります。
証券営業マンの労働時間は長く、朝8時から夜9時、10時まで働くことも珍しくありません。
市場が開いている時間は顧客対応に追われ、市場終了後は事務作業や翌日の準備に時間を費やします。
このような激務に加え、厳しいノルマのプレッシャーもあり、証券業界は離職率が高いことで知られています。
証券営業マンとして働く3つのやりがい
証券営業マンは激務である一方、他の職業では得られないやりがいも多くあります。
証券営業マンの最大の魅力は、実力次第で高収入を得られることです。
20代でも年収1,000万円を超えることが可能で、トップ営業マンになれば2,000万円以上を稼ぐこともできます。
学歴や年齢ではなく、純粋に営業成績で評価される実力主義の環境は、自分の力を試したい人にとって大きなやりがいとなります。
証券営業マンとして働くことで、金融市場や投資に関する専門的な知識が身につきます。
株式、債券、投資信託、デリバティブなど、幅広い金融商品の知識を習得でき、経済や企業分析のスキルも磨かれます。
また、自分自身の資産形成にも役立ちます。
証券営業マンは、顧客の資産形成をサポートする重要な役割を担っています。
適切な投資提案を行い、顧客の資産が増えた時には、心から感謝されることもあります。
「あなたのおかげで老後資金が準備できた」「子供の教育資金が貯まった」といった言葉をもらえた時の喜びは、何物にも代えがたいものです。
証券営業マンが嫌われる理由
証券営業マンは、顧客から嫌われることも少なくありません。
その背景には、証券会社のビジネスモデルや営業手法に起因する構造的な問題があります。
証券営業マンが嫌われる最大の理由は、顧客の利益よりも自社の手数料収入を優先する営業姿勢です。
証券会社の収益は、顧客の売買手数料や投資信託の販売手数料に依存しています。
そのため、営業マンは手数料の高い商品を優先的に勧める傾向があります。例えば、手数料の安いインデックスファンドよりも、手数料の高いアクティブファンドを勧めることが多いです。
金融庁は「顧客本位の業務運営に関する原則」を定め、証券会社に対して顧客利益を最優先するよう求めています。
顧客が投資信託の解約を申し出ると、営業マンから強く引き止められることがあります。
「今売却すると損をします」「もう少し待てば値上がりします」といった言葉で、解約を阻止しようとします。
これは、顧客の資産を守るためではなく、自社の預かり資産を減らしたくないという動機が背景にあります。
証券営業マンの中には、顧客に頻繁な売買を勧める人もいます。
「この銘柄は値上がりしたので利益確定しましょう」「今度はこちらの銘柄がおすすめです」と、次々に売買を提案します。
これは「回転売買」と呼ばれ、証券会社の手数料収入を増やすための手法です。
頻繁な売買は、手数料負担が増えるため、顧客にとって不利になることが多いです。金融庁は回転売買を問題視しており、証券会社に対して監督を強化しています。
証券営業マンのビジネスモデルと営業インセンティブ
証券営業マンの行動を理解するには、証券会社のビジネスモデルと営業インセンティブの仕組みを知ることが重要です。
証券会社の主な収益源は、顧客の売買手数料です。
株式や投資信託を売買するたびに、証券会社は手数料を得ます。
そのため、証券会社は顧客に積極的に売買を促すインセンティブがあります。
近年、ネット証券の台頭により、手数料競争が激化し、大手ネット証券では株式売買手数料が無料になるケースも増えています。
証券会社にとって、投資信託の販売は非常に重要です。
投資信託は販売時の手数料だけでなく、保有残高に応じた信託報酬が継続的に得られるため、安定的な収益源となります。
ただし、すべての投資信託が顧客にとって有利とは限りません。手数料の高いアクティブファンドよりも、手数料の安いインデックスファンドの方が長期的なリターンが高いことが多いです。
証券会社の営業活動は、金融商品取引法によって厳しく規制されています。
金融庁は「顧客本位の業務運営に関する原則」を策定し、証券会社に対して顧客利益を最優先するよう求めています。
回転売買や不適切な商品販売は禁止されており、違反した場合は行政処分の対象となります。
良い証券営業マンの見分け方
証券営業マンの中には、顧客の利益を真剣に考え、誠実に対応する優秀な営業マンもいます。
ここでは、投資家が良い証券営業マンを見分けるためのポイントを紹介します。
良い証券営業マンは、顧客の利益を最優先に考えます。
手数料の高い商品を無理に勧めるのではなく、顧客の投資目的やリスク許容度に合った商品を提案します。
「この商品は手数料が高いですが、それに見合う価値があると考えています」と、デメリットも含めて正直に説明する営業マンは信頼できます。
良い証券営業マンは、投資のリスクを正直に説明します。
「この商品は元本割れのリスクがあります」「市場が下落すれば損失が出る可能性があります」と、ネガティブな情報も隠さずに伝えます。
また、過去の運用実績を示す際にも、「過去の実績は将来の成果を保証するものではありません」と注意喚起を行います。
良い証券営業マンは、短期的な手数料収入よりも、長期的な顧客との関係を重視します。
頻繁な売買を勧めるのではなく、長期投資の重要性を説明し、顧客の資産形成をサポートします。
また、定期的に運用状況を報告し、市場環境の変化に応じて適切なアドバイスを提供します。
良い証券営業マンは、金融商品や市場動向に関する専門知識が豊富です。
顧客の質問に対して、的確かつ分かりやすく説明できる能力があります。
専門用語を多用せず、初心者にも理解できるように説明する姿勢は、顧客の信頼を得る上で重要です。
証券営業マンからのキャリアパス
証券営業マンとして働いた後、次のキャリアをどう選ぶかは重要な問題です。
証券営業の経験は、金融業界だけでなく、他業界でも高く評価されます。
近年、証券営業マンからIFA(Independent Financial Advisor)への転職が増えています。
IFAは、特定の証券会社に所属せず、独立した立場で顧客に投資アドバイスを提供する仕事です。
IFAのメリット
会社のノルマに縛られず、顧客本位の営業ができる
自分のペースで働けるため、ワークライフバランスを重視する人に向いている
証券営業マンの経験は、銀行や保険会社、資産運用会社などの他の金融機関でも高く評価されます。
特に、富裕層向けのプライベートバンキング業務や、資産運用コンサルティング業務では、証券営業の経験が活かせます。
銀行のリテール営業部門では、投資信託や保険商品の販売を行うため、証券営業の知識が役立ちます。
証券営業の経験は、金融業界以外でも評価されます。
特に、営業職や企画職では、証券営業で培った提案力や交渉力が活かせます。
不動産業界、コンサルティング業界、IT業界など、幅広い業界で証券営業マンの転職実績があります。
証券営業マンに関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
証券営業マンとして働くには、証券外務員資格が必須です。
証券外務員資格には一種と二種があり、二種は株式や投資信託などの基本的な金融商品を扱えます。
一種はデリバティブなどより高度な商品も扱えるため、法人営業では一種の取得が求められることが多いです。
証券営業マンに向いているのは、数字に強く、目標達成意欲が高い人です。
また、コミュニケーション能力が高く、顧客との信頼関係を築ける人も適しています。
金融市場に興味があり、常に学び続ける姿勢を持つことも重要です。
大手証券(野村證券、SMBC日興証券など)は、ブランド力があり、富裕層の顧客が多いのが特徴です。
年収水準も高く、研修制度も充実しています。
一方、中堅証券は、大手よりも自由度が高く、若手でも大きな裁量を持って働けることが多いです。
証券営業マンとの付き合い方で重要なのは、自分の投資方針を明確に伝えることです。
「長期投資を重視したい」「リスクは抑えたい」といった希望を最初に伝えることで、適切な提案を受けやすくなります。
営業マンの提案を鵜呑みにせず、自分で商品内容を確認し、納得した上で投資判断を行うことが大切です。
対面証券は、営業マンから直接アドバイスを受けられるため、投資初心者や富裕層に向いています。
一方、ネット証券は手数料が安く、自分で投資判断ができる人に適しています。
理想的なのは、両方を使い分けることです。
証券営業マンは、個人や法人の資産形成をサポートする重要な役割を担っています。
厳しいノルマと実力主義の環境で働くため、激務と言われる一方、高収入を得られるやりがいのある仕事です。
証券営業マンとして成功するには、金融知識の習得と顧客との信頼関係構築が不可欠です。
投資家の立場からは、証券営業マンのビジネスモデルを理解し、顧客利益を優先する営業マンを見分けることが重要です。
リスクを正直に説明し、長期的な関係を重視する営業マンは信頼できるパートナーとなります。
対面証券とネット証券を使い分けながら、自分に合った投資スタイルを確立しましょう。
証券営業マンからのキャリアパスも多様で、IFAや他の金融機関、異業種への転職など、さまざまな選択肢があります。
証券営業で培った経験は、将来のキャリアにおいて大きな財産となるでしょう。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。証券営業マンのアドバイスを参考にしつつも、ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、慎重にご検討ください。
この記事のキーワード
キーワードがありません。
この記事を見た方はこんな記事も見ています
この記事と同じキーワードの記事
まだ記事がありません。
キーワードから探す
カンタン1分登録で、気になる資料を無料でお取り寄せ
そんなお悩みをお持ちの方は、まずはお問い合わせください!