JTG証券とは|特徴と評判、メリット・デメリットを解説

JTG証券とは|特徴と評判、メリット・デメリットを解説

JTG証券(Jトラストグローバル証券)という証券会社の名前を聞いたことはありますか?

外国債券の取扱いに強みを持つ中堅証券として、投資家から注目を集めている証券会社です。

しかし、大手ネット証券と比べてどんな特徴があるのか、本当に口座開設するメリットがあるのか、気になる方も多いでしょう。

この記事では、JTG証券の基本情報から取扱商品、手数料体系、メリット・デメリットまで、投資判断に必要な情報を網羅的に解説します。

外国債券投資を検討している方、IPO投資で当選確率を上げたい方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約
  • JTG証券は外国債券に強みを持つ中堅証券で、米ドル建て債券の買いスプレッドが0円と業界最安水準
  • IPO抽選は完全平等抽選(10%)で前受金不要のため、資金効率よく複数証券で抽選参加が可能
  • 取扱商品は外債・IPOに特化しており、投資信託は185本と大手ネット証券より少ない
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

JTG証券とは|基本情報と会社概要

JTG証券は、外国債券とIPO投資に強みを持つ中堅証券会社です。

2022年10月にエイチ・エス証券から商号変更し、現在はJトラスト株式会社の100%子会社として運営されています。

会社の基本情報

JTG証券の正式名称は「Jトラストグローバル証券株式会社」で、金融商品取引業者として関東財務局長(金商)第35号の登録を受けています。

本社は東京都渋谷区恵比寿のガーデンプレイスタワーにあり、全国8店舗で営業店取引も展開しています。

取引チャネルは「営業店取引」「コールセンター取引」「インターネット取引」の3つを用意し、投資家の多様なニーズに対応しています。

インターネット取引では「JTG Trader Premium」という高機能トレーディングツールを提供し、最大2,000銘柄まで登録できるプロ仕様の環境を整えています。

加入協会は日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、日本貸金業協会会員となっており、投資者保護基金にも加入しているため、万が一の倒産時にも1,000万円までの資産が保護されます。

JTG証券:会社概要

エイチ・エス証券からJTG証券への変遷

JTG証券の歴史は、山一證券系の協立証券にまで遡ります。

1999年に大手旅行会社H.I.S.の創業者である澤田秀雄氏が協立証券を買収し、エイチ・アイ・エス協立証券に商号変更しました。

その後2001年にエイチ・エス証券となり、20年以上にわたって外国債券とIPO投資に特化した証券会社として成長してきました。

2022年4月にJトラスト株式会社が親会社となったことから、同年10月にJトラストグローバル証券(略称:JTG証券)へ商号変更しました。

商号変更後も取引ルールやサービス内容に大きな変更はなく、エイチ・エス証券時代の口座はそのまま利用できます。

60年以上の歴史を持つ中堅証券として、ベンチャー企業支援にも力を入れており、TOKYO PRO Market J-Adviser資格も取得しています。

Wikipedia:Jトラストグローバル証券

金融庁登録と信頼性

JTG証券は金融商品取引業者として関東財務局長(金商)第35号の登録を受けており、金融庁の監督下で適切な業務運営を行っています。

日本証券業協会や日本投資顧問業協会にも加入しているため、業界のルールと倫理規定を遵守した営業活動を行っています。

投資者保護基金への加入により、万が一JTG証券が経営破綻した場合でも、顧客一人あたり1,000万円までの資産が補償されます。

また、顧客資産は会社の自己資産と分別管理されているため、会社の経営状況に関わらず投資家の資産は保護される仕組みになっています。

親会社のJトラスト株式会社は東京証券取引所スタンダード市場に上場(証券コード:8508)しており、グループ全体として金融事業を展開しています。

中堅証券としての経営リスクは大手証券より高い可能性がありますが、金融庁登録と投資者保護基金により、一定の安全性が確保されています。

金融庁:金融商品取引業者登録一覧

JTG証券の特徴|5つのポイント

JTG証券は外国債券とIPO投資に特化した中堅証券として、大手ネット証券とは異なる独自の強みを持っています。

ここでは、JTG証券を選ぶべき5つの特徴を詳しく解説します。

外国債券の取扱いが充実

JTG証券の最大の特徴は、外国債券の取扱銘柄数が非常に充実していることです。

米ドル建て債券を中心に、新興国債券や劣後債、優先株預託証券など、多様な通貨と種類の債券を取り扱っています。

外国債券の豊富なラインナップ

米ドル建て債券:最低2,000米ドルから購入可能

新興国債券:トルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドなど高利回り通貨

債券種類:利付債、劣後債、優先株預託証券、EB債など

利用者の口コミでは「債券の数が充実している。SBIとここが数では圧倒的」という評価があり、外国債券投資を本格的に行いたい投資家にとって魅力的な選択肢となっています。

外国債券投資では「GAISAIラボ」という債券情報コンテンツを提供しており、債券市場の最新情報や投資戦略を学ぶことができます。

Yahoo!ファイナンス:Jトラストグローバル証券

買いスプレッド0円で業界最安水準

JTG証券では、米ドル建て債券の購入時の為替スプレッドが0円となっており、これは業界でも非常に低い水準です。

通常、外国債券を購入する際には為替スプレッド(為替手数料)がかかりますが、JTG証券では買付時のスプレッドを無料にすることで、投資家のコスト負担を大幅に軽減しています。

コスト削減の具体例

大手ネット証券:為替スプレッド片道0.25円程度

JTG証券:買付時0円

削減額:100万円分の購入で約2,500円のコスト削減

ただし、売却時や利払い・償還時には通常の為替スプレッドが適用されるため、完全に手数料がゼロというわけではありません。

それでも、買付コストが抑えられることで、長期保有を前提とした外国債券投資には大きなメリットとなります。

JTG証券:為替スプレッド

IPO抽選は完全平等で前受金不要

JTG証券のIPO抽選は、インターネット取引口座に配分される株数の10%以上が完全平等抽選で配分されます。

資金量や取引実績に関係なく、すべての申込者に平等に当選チャンスがあるため、投資初心者でも大口投資家と同じ確率で抽選に参加できます。

さらに、JTG証券の大きな特徴として、IPO抽選への参加時に前受金(事前入金)が不要という点があります。

通常、IPO抽選に参加するには購入代金を事前に入金しておく必要がありますが、JTG証券では当選後の購入申込時に入金すればよいため、資金効率が非常に高くなります。

複数の証券会社でIPO抽選に参加する場合、それぞれの証券会社に資金を分散させる必要がありますが、JTG証券なら資金ゼロで抽選に参加できるため、他の証券会社に資金を集中させることができます。

庶民のIPO:JTG証券

ベンチャー企業支援に力を入れている

JTG証券は「ベンチャー企業のためのベンチャー証券会社」を掲げ、成長企業やスタートアップ企業の支援に積極的に取り組んでいます。

TOKYO PRO Market J-Adviser資格を取得しており、未上場企業の株式公開やアドバイザリー業務を提供しています。

IPO主幹事実績

1999年~2010年:計111社の新規公開株の幹事案件

主幹事案件:30社

投資家にとっては、JTG証券が主幹事を務めるIPOは比較的当選しやすい傾向があります。

ただし、主幹事を務める銘柄は年間1〜2社程度と少なく、地方証券取引所への上場案件が多い点には注意が必要です。

Wikipedia:Jトラストグローバル証券

投資相談センターで電話サポート

JTG証券では「投資相談センター」を設置しており、電話で専門スタッフに相談しながら取引することができます。

インターネット取引に不安がある方や、投資判断に迷った際にプロのアドバイスを受けたい方にとって、心強いサポート体制となっています。

電話取引には所定の手数料がかかり、約定代金10万円以下の場合は1,257円(税込)からとなります。

また、「オールアクセス取引口座」を開設すれば、普段はインターネットで取引しながら、必要な時だけ投資相談センターを利用するという使い分けも可能です。

価格.com:Jトラストグローバル証券

JTG証券の取扱商品・サービス

JTG証券は外国債券とIPOに特化した商品ラインナップが特徴です。

投資信託やNISAにも対応していますが、取扱本数は大手ネット証券に比べて少なめです。

外国債券(米ドル建て・新興国債券)

JTG証券の主力商品は外国債券です。

米ドル建て債券を中心に、ユーロ、豪ドル、トルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドなど、多様な通貨建ての債券を取り扱っています。

外国債券の投資条件

最低購入額:2,000米ドルから

利回り:年3〜6%程度(銘柄により異なる)

口座開設費用:無料

新興国債券はより高い利回りが期待できますが、為替リスクや信用リスクも高くなるため、リスク許容度に応じた選択が必要です。

JTG証券:債券

国内株式・IPO

JTG証券では国内株式の現物取引と信用取引が可能です。

手数料体系は「一般コース」と「ハイパーアクティブコース」の2種類があり、取引スタイルに応じて選択できます。

IPO(新規公開株)の取扱いは、JTG証券のもう一つの強みです。年間の取扱銘柄数は限られていますが、主幹事を務める案件もあり、その際は比較的当選しやすくなります。

IPO抽選の大きな特徴は、前受金(事前入金)が不要という点です。

抽選参加時に資金を用意する必要がなく、当選後の購入申込時に入金すればよいため、資金効率が非常に高くなります。

庶民のIPO:JTG証券

投資信託(185本)

JTG証券の投資信託は185銘柄(2025年5月時点)を取り扱っています。

大手ネット証券のSBI証券(約2,600本)や楽天証券(約2,550本)と比べると取扱本数は少ないですが、国内株式型、国際株式型、国内債券型、国際債券型、バランス型、REITなど、主要なカテゴリーは一通り揃っています。

大手ネット証券に比べると選択肢が限られるため、幅広いファンドから選びたい方には物足りないかもしれません。

価格.com:Jトラストグローバル証券

NISA(つみたて投資枠・成長投資枠)

JTG証券は2024年から始まった新NISA制度に対応しており、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の両方を利用できます。

つみたて投資枠の対象銘柄は23銘柄、成長投資枠の対象銘柄は105銘柄となっています。

つみたて投資枠の対象銘柄数は、大手ネット証券(SBI証券約271本、楽天証券約200本)と比べるとかなり少なめです。

一方、成長投資枠では国内株式やIPO、外国債券なども対象となるため、JTG証券の強みである外国債券投資をNISA口座で行うことができます。

Yahoo!ファイナンス:Jトラストグローバル証券

JTG証券の手数料はいくら?|他社との比較

証券会社を選ぶ際、手数料は重要な判断材料の一つです。

JTG証券の手数料体系は、外国債券では業界でも低い水準ですが、国内株式では大手ネット証券に劣る部分もあります。

国内株式の手数料

JTG証券の国内株式手数料は、「一般コース」と「ハイパーアクティブコース」の2種類から選択できます。

手数料体系

一般コース:10万円以下220円、50万円以下550円、100万円以下1,100円(税込)

ハイパーアクティブコース:100万円まで550円、200万円まで1,100円(税込)

大手ネット証券と比較すると、SBI証券や楽天証券では国内株式の現物取引手数料が原則無料となっているため、JTG証券の手数料は割高です。

外国債券のスプレッド

JTG証券の最大の強みは、米ドル建て債券の買付時の為替スプレッドが0円という点です。

これは業界でも非常に低い水準で、SBI証券や楽天証券の0.25円と比べても圧倒的に安くなっています。

為替スプレッド比較

JTG証券(買付時):0円

SBI証券・楽天証券:片道0.25円程度

コスト削減額:1万米ドル購入で約2,500円の差

ただし、売却時や利払い・償還時には通常の為替スプレッドが適用されます。米ドルの場合、売却時は1米ドルあたり0.50円、利払い・償還時は0.50円のスプレッドがかかります。

JTG証券:為替スプレッド

投資信託の手数料

JTG証券の投資信託は、基本的に購入時手数料が無料(ノーロード)となっています。

ただし、一部の銘柄では購入時手数料がかかる場合があるため、目論見書で確認が必要です。

信託報酬(運用管理費用)はファンドごとに異なり、年率0.1〜2%程度となっています。

大手証券会社との手数料比較表

JTG証券と大手証券会社の手数料を比較すると、以下のようになります。

証券会社 国内株式(現物) 米ドル為替スプレッド(買付) 投資信託購入時手数料
JTG証券 220円〜1,100円 0円 原則無料
SBI証券 原則無料 0.25円 原則無料
楽天証券 原則無料 0.25円 原則無料
マネックス証券 55円〜1,070円 0.25円 原則無料
松井証券 50万円まで無料 取扱なし 原則無料

この比較表から、JTG証券は外国債券の為替スプレッドでは圧倒的に有利ですが、国内株式の手数料では大手ネット証券に劣ることがわかります。

外国債券投資の始め方|JTG証券の活用法

外国債券投資は、国内の預金や債券よりも高い利回りが期待できる一方、為替リスクや信用リスクも伴います。

JTG証券は外国債券の取扱いが充実しているため、初めて外国債券投資に挑戦する方にも適した証券会社です。

外国債券投資とは?

外国債券投資とは、外国の政府や企業が発行する債券に投資することです。

米ドル建て、ユーロ建て、豪ドル建てなど、様々な通貨建ての債券があり、日本の債券よりも高い利回りが期待できます。

外国債券の魅力は、定期的な利払い(クーポン)と満期時の償還金による安定した収益です。株式投資のように価格が大きく変動するリスクは比較的低く、預金よりも高い利回りを狙えます。

ただし、外国債券投資には為替リスクがあります。円高になると外貨建ての資産価値が目減りし、円換算での損失が発生する可能性があります。また、発行体の信用リスクもあり、企業や国の財政状況が悪化すると元本割れのリスクも生じます。

金融庁:投資の基本

債券シミュレーターの使い方

JTG証券では「債券シミュレーター」という便利なツールを提供しており、外国債券の利回り計算や投資計画を立てることができます。

購入金額、利率、満期までの期間を入力すると、将来受け取れる利息や償還金の合計額が自動で計算されます。

シミュレーション例

購入額:1万米ドル(約150万円)

利率:年5%

保有期間:5年間

利息合計:2,500米ドル(約37.5万円)

債券シミュレーターには「メール送信機能」も追加されており、計算結果をスマートフォンに送信して保存・確認できます。

PR TIMES:JTG証券

初心者におすすめの外債の選び方

外国債券投資が初めての方は、まず米ドル建ての先進国債券から始めるのがおすすめです。

米ドルは世界の基軸通貨であり、流動性が高く、為替リスクも新興国通貨に比べて低いためです。

初心者向け:米ドル建て先進国債券
米国の大手企業や金融機関が発行する社債、米国政府が発行する国債が安全性が高くおすすめです。利回りは年3〜5%程度と新興国債券より低めですが、信用リスクが低いため安心して投資できます。
中級者向け:少額から分散投資
最初は少額から始めることをおすすめします。JTG証券では最低2,000米ドル(約30万円)から購入できるため、まずは小額で外国債券投資の仕組みを理解しましょう。
上級者向け:複数通貨・発行体への分散
慣れてきたら投資額を増やし、複数の通貨や発行体に分散投資することで、リスクを軽減できます。

外債投資で気をつけたいリスク

外国債券投資には、主に3つのリスクがあります。

  • 為替リスク:円高になると外貨建ての資産価値が目減りし、円換算での損失が発生します。例えば、1米ドル=150円で購入した債券が、償還時に1米ドル=130円になっていた場合、約13%の為替差損が発生します。
  • 信用リスク:債券の発行体(企業や国)の財政状況が悪化すると、利払いや元本償還が滞る可能性があります。特に新興国債券や格付けの低い企業の債券は、高利回りの反面、信用リスクも高くなります。
  • 金利変動リスク:市場金利が上昇すると債券価格は下落し、満期前に売却する場合は損失が発生する可能性があります。

JTG証券:リスク・手数料等説明

JTG証券のIPO抽選ルール|当選確率を上げるコツ

IPO投資は、新規上場する企業の株式を公募価格で購入し、上場後の初値で売却することで利益を狙う投資手法です。

JTG証券のIPO抽選は前受金不要で参加でき、完全平等抽選を採用しているため、資金効率よく当選確率を上げることができます。

完全平等抽選(10%)の仕組み

JTG証券のIPO抽選は、インターネット取引口座に配分される株数の10%以上が完全平等抽選で配分されます。

完全平等抽選とは、資金量や取引実績に関係なく、すべての申込者に平等に当選チャンスがある抽選方式です。

大口投資家も少額投資家も同じ確率で当選するため、投資初心者でも公平に当選チャンスがあります。

また、JTG証券には「優待抽選」という独自の制度があり、全体抽選で落選した方を対象に、IPOポイントを使って再度抽選に参加できます。

1,000ポイントで1口申し込むことができ、申込口数に応じて当選確率が上昇します。ただし、優待抽選で落選した場合、申し込んだポイントは失効するため注意が必要です。

JTG証券:IPOポイント制度

前受金不要のメリット・デメリット

JTG証券のIPO抽選は、前受金(事前入金)が不要という大きなメリットがあります。

通常、IPO抽選に参加するには購入代金を事前に入金しておく必要がありますが、JTG証券では当選後の購入申込時に入金すればよいため、資金効率が非常に高くなります。

前受金不要のメリット

資金効率が高い:複数の証券会社でIPO抽選に参加する際、JTG証券なら資金ゼロで参加可能

他社に資金集中:SBI証券や楽天証券など、当選確率の高い証券会社に資金を優先的に配分できる

デメリットとしては、当選後に資金が用意できない場合、購入辞退となりペナルティが発生する点です。JTG証券では、購入辞退を行うと6ヶ月間抽選対象から除外されるため、当選後は必ず購入できるよう、事前に資金計画を立てておく必要があります。

庶民のIPO:JTG証券

IPOポイント制度の活用法

JTG証券には「IPOポイント」という独自のポイント制度があります。

取引や信用建株の残高に応じてポイントが貯まり、1,000ポイントで優待抽選に1口申し込むことができます。

ポイントの貯め方

手数料ポイント:月間の取引手数料1,000円(税込)ごとに100ポイント

建株ポイント:建株金額100万円ごとに10ポイント

ただし、IPOポイントには約2年間の有効期限があり、1,000ポイント貯めるにはかなりの取引が必要です。また、JTG証券のIPO取扱実績は年間10〜30銘柄程度と少なく、主幹事を務めるのも年1〜2社程度のため、ポイントを貯めるために積極的に取引するのは効率的ではありません。

JTG証券:IPOポイント制度

IPO取扱実績(2024年)

JTG証券の2024年のIPO取扱実績は公式サイトで確認できますが、年間の取扱銘柄数は限られています。

主幹事を務める銘柄は年1〜2社程度で、地方証券取引所(福岡証券取引所Q-Boardや名古屋証券取引所ネクスト市場)への上場案件が多い傾向があります。

地方上場のIPOは、東京証券取引所グロース市場への上場に比べて初値高騰率が低い傾向があるため、大きな利益を狙うのは難しい場合があります。

JTG証券でIPO投資を行う際は、主幹事案件を中心に申し込み、平幹事案件は前受金不要のメリットを活かして気軽に抽選に参加するという戦略がおすすめです。

JTG証券のメリット・デメリット

JTG証券は外国債券とIPO投資に特化した中堅証券として、独自の強みを持つ一方、大手ネット証券に劣る部分もあります。

ここでは、JTG証券のメリットとデメリットを客観的に整理し、どんな人に向いているかを解説します。

JTG証券のメリット3つ

1. 外国債券の取扱いが充実し、買いスプレッドが0円
JTG証券の最大のメリットは、外国債券の取扱銘柄数が豊富で、米ドル建て債券の買付時の為替スプレッドが0円という点です。大手ネット証券では0.25円程度のスプレッドがかかるため、100万円分の米ドル建て債券を購入する場合、約2,500円のコスト削減になります。
2. IPO抽選が前受金不要で資金効率が高い
JTG証券のIPO抽選は前受金(事前入金)が不要のため、資金ゼロで抽選に参加できます。複数の証券会社でIPO抽選に参加する場合、資金を分散させる必要がなく、他の証券会社に資金を集中させることができます。
3. 投資相談センターで電話サポートが受けられる
JTG証券では「投資相談センター」を設置しており、電話で専門スタッフに相談しながら取引することができます。インターネット取引に不安がある方や、複雑な外国債券の選択に迷った際にプロのアドバイスを受けられる点は、中堅証券ならではのメリットです。

JTG証券のデメリット3つ

1. 国内株式の手数料が大手ネット証券より高い
JTG証券の国内株式手数料は、約定金額10万円以下で220円(税込)からとなっており、SBI証券や楽天証券の原則無料と比べると割高です。IPOの初値売りや国内株式の取引をメインに行う場合、手数料負担が大きくなる点がデメリットです。
2. 投資信託の取扱本数が少ない
JTG証券の投資信託は185本と、大手ネット証券(SBI証券約2,600本、楽天証券約2,550本)に比べて取扱本数が少なく、つみたてNISA対象銘柄も23本と限られています。投資信託をメインで運用したい方や、つみたてNISAで幅広い銘柄から選びたい方には不向きです。
3. IPO取扱実績が少なく主幹事も限定的
JTG証券のIPO取扱実績は年間10〜30銘柄程度と少なく、主幹事を務めるのも年1〜2社程度です。また、地方証券取引所への上場案件が多いため、初値高騰率が低い傾向があります。

JTG証券が向いている人・向いていない人

JTG証券が向いている人

  • 外国債券投資を本格的に行いたい方
  • IPO投資で当選確率を上げたい方(複数証券との併用)
  • 投資相談センターのサポートを受けながら取引したい方
  • ベンチャー企業のIPOに興味がある方

JTG証券が向いていない人

  • 国内株式の取引をメインに行う方
  • 投資信託で幅広い銘柄から選びたい方
  • つみたてNISAをメインで活用したい方
  • IPO投資だけを目的に口座開設を検討している方

JTG証券と大手証券会社の比較|どちらを選ぶ?

JTG証券と大手ネット証券のどちらを選ぶべきか迷っている方のために、主要な証券会社との具体的な比較を行います。

それぞれの強みと弱みを理解し、自分の投資スタイルに合った証券会社を選びましょう。

SBI証券との比較

SBI証券は口座数約1,500万口座を誇る国内最大手のネット証券で、取扱商品の豊富さと手数料の安さが魅力です。

国内株式の現物取引手数料は原則無料、投資信託は約2,600本、つみたてNISA対象銘柄は約271本と、JTG証券を大きく上回ります。

比較項目 JTG証券 SBI証券
外国債券為替スプレッド 買付時0円 0.25円
IPO前受金 不要 必要
国内株式手数料 220円〜 原則無料
投資信託本数 185本 約2,600本

総合的には、投資信託やつみたてNISAをメインに運用する方、国内株式の取引が多い方はSBI証券が適しています。

一方、外国債券投資を本格的に行いたい方や、IPO投資で複数証券を併用したい方は、JTG証券も併せて開設することで、それぞれの強みを活かせます。

楽天証券との比較

楽天証券は楽天ポイントとの連携が強みで、投資信託の保有や取引で楽天ポイントが貯まります。

国内株式の現物取引手数料は原則無料、投資信託は約2,550本、つみたてNISA対象銘柄は約200本と、JTG証券より充実しています。

楽天経済圏を活用している方や、楽天ポイントを投資に使いたい方は楽天証券が適しています。外国債券投資をコストを抑えて行いたい方は、JTG証券との併用がおすすめです。

マネックス証券との比較

マネックス証券は米国株投資に強みを持ち、外国株式の取扱銘柄数は約5,000銘柄と豊富です。

IPO取扱実績は年間54銘柄(2024年実績)と多く、完全平等抽選を採用しているため、投資初心者でも当選チャンスがあります。

比較項目 JTG証券 マネックス証券
米国株投資 限定的 約5,000銘柄
IPO取扱実績 年間10〜30銘柄 年間54銘柄
外国債券スプレッド 買付時0円 0.25円

複数口座の使い分け戦略

投資で成功するには、複数の証券会社を使い分けることが重要です。

それぞれの証券会社の強みを活かし、自分の投資スタイルに合わせて使い分けることで、コストを抑えながら投資機会を最大化できます。

投資目的 メイン口座 サブ口座
つみたてNISA・投資信託 SBI証券・楽天証券 不要
外国債券投資 JTG証券 SBI証券
IPO投資 SBI証券・SMBC日興証券 JTG証券・マネックス証券
米国株投資 マネックス証券・SBI証券 不要
国内株式デイトレード SBI証券・楽天証券 不要

JTG証券は外国債券投資のメイン口座、IPO投資のサブ口座として活用するのが最適です。

JTG証券の口座開設方法|必要書類と流れ

JTG証券の口座開設は、インターネットから申し込むことができます。

必要書類を準備し、画面の指示に従って手続きを進めれば、数日で口座開設が完了します。

口座開設に必要なもの

JTG証券の口座開設には、以下の書類が必要です。

  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートのいずれか)
  • マイナンバー確認書類(マイナンバーカード、通知カード、マイナンバー記載の住民票のいずれか)
  • 銀行口座情報(出金先として登録する銀行の口座番号)
  • メールアドレス(ログイン情報や取引通知を受け取るため)

本人確認書類とマイナンバー確認書類は、スマートフォンで撮影してアップロードする方法が便利です。マイナンバーカードがあれば、1枚で本人確認とマイナンバー確認の両方ができるため、手続きが簡単になります。

口座開設の流れ(5ステップ)

ステップ1:JTG証券公式サイトから申し込み

JTG証券の公式サイトにアクセスし、「口座開設」ボタンをクリックします。メールアドレスを入力すると、口座開設用のURLが記載されたメールが届きます。

ステップ2:必要事項の入力

氏名、住所、生年月日、職業などの基本情報を入力します。口座の種類(特定口座、一般口座、NISA口座)も選択します。特定口座(源泉徴収あり)を選ぶと、確定申告の手間が省けるためおすすめです。

ステップ3:本人確認書類のアップロード

本人確認書類とマイナンバー確認書類をスマートフォンで撮影し、アップロードします。画像が不鮮明だと審査に時間がかかるため、明るい場所で鮮明に撮影しましょう。

ステップ4:審査

JTG証券で審査が行われます。通常、3〜5営業日で審査が完了し、口座開設完了のメールが届きます。

ステップ5:ログイン情報の受け取り

審査が完了すると、ログインIDとパスワードが記載された書類が郵送されます。これを受け取ったら、JTG証券のサイトにログインし、取引を開始できます。

口座開設後の取引開始までの手順

口座開設が完了したら、まず入金を行います。

JTG証券では、銀行振込または即時入金サービスを利用できます。即時入金サービスを利用すると、振込手数料が無料でリアルタイムに入金が反映されるため便利です。

入金が完了したら、取引画面から株式や債券、投資信託などの商品を購入できます。

外国債券を購入する場合は、「外国証券取引口座」の開設が必要ですが、口座開設費用・管理料は無料です。

IPO抽選に参加する場合は、ブックビルディング期間中に需要申告を行います。JTG証券では前受金が不要のため、資金ゼロで抽選に参加できます。

よくある質問(Q&A)

よくある質問(Q&A)
JTG証券は安全な会社ですか?

JTG証券は金融商品取引業者として関東財務局長(金商)第35号の登録を受けており、金融庁の監督下で適切な業務運営を行っています。日本証券業協会や投資者保護基金にも加入しているため、万が一の倒産時にも1,000万円までの資産が保護されます。親会社のJトラスト株式会社は東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、グループ全体として金融事業を展開しています。中堅証券としての経営リスクはありますが、一定の安全性が確保されています。

口座維持費はかかりますか?

JTG証券の口座開設費用・口座維持費は無料です。外国証券取引口座の開設費用・管理料も無料のため、コストを気にせず口座を保有できます。ただし、取引を行う際には所定の手数料がかかります。

NISAでJTG証券を使うメリットは?

JTG証券のNISA口座では、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を利用できます。成長投資枠では外国債券も対象となるため、外国債券の利子や償還益を非課税で受け取ることができます。ただし、つみたて投資枠の対象銘柄は23本と少ないため、つみたてNISAをメインで活用したい方には大手ネット証券の方が適しています。外国債券投資をNISA口座で行いたい方には、JTG証券が有力な選択肢となります。

外国債券の税金はどうなりますか?

外国債券の利子は利子所得として申告分離課税の対象となり、税率は20.315%(所得税15.315%、住民税5%)です。外国源泉税が課されている場合は、外国源泉税を控除した後の金額に対して国内で源泉徴収されます。確定申告により外国税額控除の適用を受けることもできます。外国債券の譲渡益および償還益は、上場株式等に係る譲渡所得等として申告分離課税の対象となります。特定口座(源泉徴収あり)を選択すれば、確定申告の手間を省くことができます。

倒産した場合、資産は保護されますか?

JTG証券は投資者保護基金に加入しているため、万が一倒産した場合でも、顧客一人あたり1,000万円までの資産が補償されます。また、顧客資産は会社の自己資産と分別管理されているため、会社の経営状況に関わらず投資家の資産は保護される仕組みになっています。1,000万円を超える資産を預けている場合は、複数の証券会社に分散させることでリスクを軽減できます。

まとめ

JTG証券は、外国債券とIPO投資に強みを持つ中堅証券会社です。

米ドル建て債券の買いスプレッドが0円という業界でも低い水準のコストで、豊富な銘柄から外国債券を選べる点が最大の魅力です。

外国債券投資を本格的に行いたい方にとって、メイン口座として活用する価値があります。

IPO抽選では前受金不要で参加でき、完全平等抽選を採用しているため、資金効率よく当選確率を上げることができます。

複数の証券会社でIPO抽選に参加する際、JTG証券なら資金ゼロで抽選に参加できるため、他社との併用口座として最適です。

一方、国内株式の手数料は大手ネット証券より割高で、投資信託の取扱本数も少ないため、これらをメインに運用する方には不向きです。

つみたてNISA対象銘柄も23本と限られているため、つみたてNISAをメインで活用したい方は、SBI証券や楽天証券の方が適しています。

JTG証券が向いているのは、外国債券投資を本格的に行いたい方、IPO投資で複数証券を併用したい方、投資相談センターのサポートを受けながら取引したい方です。

大手ネット証券と併用することで、それぞれの強みを活かした効率的な資産運用が可能になります。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。外国債券投資には為替リスクや信用リスクが伴い、円高になると為替差損が発生する可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、リスク許容度に合わせて慎重にご検討ください。詳しくはJTG証券公式サイトでご確認ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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