つみたて投資枠のおすすめ銘柄と証券会社|選び方を解説

つみたて投資枠のおすすめ銘柄と証券会社|選び方を解説

2024年から始まった新NISA制度で、つみたて投資枠を使って資産形成を始めたいと考えている方は多いのではないでしょうか。

つみたて投資枠は年間120万円まで非課税で投資でき、長期的な資産形成に最適な制度です。

しかし、対象となる投資信託は約270本もあり、どの銘柄を選べばよいのか迷ってしまいますよね。

この記事では、つみたて投資枠の基本的な仕組みから、おすすめの銘柄、証券会社の選び方まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。

銘柄選びの4つのポイントや、年代別の投資戦略も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約
  • つみたて投資枠は年間120万円まで非課税で、長期投資に最適な制度
  • 全世界株式型・米国株式型・バランス型から投資対象を選ぶのがおすすめ
  • 証券会社は取扱銘柄数・ポイント還元・使いやすさで比較して選ぶ
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

つみたて投資枠とは|新NISAの制度概要

つみたて投資枠は、2024年から始まった新NISA制度の一部として設けられた、長期的な資産形成を支援する投資枠です。旧制度のつみたてNISAを引き継ぐ形で設計されており、投資初心者でも安心して始められる仕組みになっています。

つみたて投資枠の基本的なしくみ

つみたて投資枠は、年間120万円まで非課税で投資できる枠で、非課税保有限度額は成長投資枠と合わせて1,800万円です。

投資できる商品は、金融庁が定めた一定の条件を満たした投資信託に限定されており、長期・積立・分散投資に適したものだけが選ばれています。

具体的には、販売手数料がかからず、信託報酬が一定以下で、信託期間が無期限または20年以上ある投資信託が対象となります。

通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかりますが、NISA口座で投資した金融商品から得られる利益は非課税になります。

投資方法は積立のみで、毎月一定額を自動的に購入していく形式です。この仕組みにより、価格が高いときには少なく、安いときには多く購入する「ドルコスト平均法」の効果が得られ、購入価格を平準化できます。

金融庁:NISA特設ウェブサイト

年間120万円まで非課税で投資できる

つみたて投資枠の年間投資上限額は120万円で、月額に換算すると最大10万円まで積立投資が可能です。

2023年までのつみたてNISAでは年間40万円までだったため、月額3万3,000円ほどが非課税で投資できる上限とされていましたが、新NISAのつみたて投資枠では大幅に拡大されました。

年間投資枠は、年間の利用額に関係なく、1年に1回更新されます。余った年間投資枠は、翌年以降に持ち越せない点に注意しましょう。

例えば、つみたて投資枠の年間投資枠120万円のうち80万円しか利用しなかった場合、残りの40万円を翌年に繰り越すことはできません。

非課税保有期間が無期限となったため、非課税保有期間を気にすることなく、さらに長期投資を行いやすくなりました。また、売却した場合には、翌年以降に売却した商品の簿価(取得金額)分だけ非課税投資枠が復活し、再利用が可能になります。

成長投資枠との違いと使い分け

新NISAには、つみたて投資枠と成長投資枠の2つの投資枠があり、両方を併用することができます。

旧制度ではつみたてNISAか一般NISAかどちらかを選択する必要がありましたが、新NISAでは両方の枠を同時に利用できるようになりました。

つみたて投資枠の特徴
積立投資に特化しており、金融庁が厳選した投資信託のみが対象です。販売手数料がかからず、信託報酬が一定以下の長期・積立・分散投資に適した投資信託のみとなります。
成長投資枠の特徴
年間240万円まで投資でき、一括購入も可能で、個別株式やETFなど幅広い商品に投資できます。

使い分けとしては、まずはつみたて投資枠で長期的な資産形成の基盤を作り、余裕資金があれば成長投資枠で個別株式やより積極的な投資を行うという方法がおすすめです。

毎月の収入から数万円を投資信託で積み立て、ボーナスなどのまとまった収入で株式などに投資するというような手法が可能です。

金融庁:NISA特設ウェブサイト

つみたて投資枠のメリット・デメリット

つみたて投資枠には、長期投資に適した多くのメリットがある一方で、知っておくべきデメリットもあります。制度の特徴を正しく理解した上で、自分に合った投資方法かどうかを判断することが大切です。

メリット|長期投資に最適な3つの理由

つみたて投資枠が長期投資に最適な理由は、主に以下の3つです。

1.運用益が非課税になる
通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかりますが、つみたて投資枠では運用益が非課税です。例えば、10万円の利益が出た場合、通常は約2万円が税金として引かれますが、つみたて投資枠ではそのまま10万円が手元に残ります。非課税保有期間が無期限なので、長期間保有するほど複利効果と合わせて大きなメリットになります。
2.金融庁が厳選した商品から選べる
つみたて投資枠で購入できる投資信託は、金融庁が定めた基準をクリアした商品のみです。販売手数料がゼロで、信託報酬が低く抑えられており、長期投資に適した商品だけが対象となっています。投資初心者でも安心して選べる仕組みが整っています。
3.少額から始められる
多くの証券会社では100円から積立投資を始められます。まとまった資金がなくても、毎月少額ずつ積み立てることで、無理なく資産形成を続けられます。また、積立投資によるドルコスト平均法の効果で、購入価格を平準化できるメリットもあります。

積立・分散投資を長期間継続することで、複利効果も享受しつつ、安定的な資産形成に取り組むことが可能になると考えられます。

金融庁:NISA早わかりガイドブック

デメリット|始める前に知っておきたいこと

つみたて投資枠には、以下のようなデメリットや注意点もあります。

  • 元本割れのリスクがある
    投資信託は元本保証ではないため、市場の状況によっては投資した金額を下回る可能性があります。特に短期間で売却すると、元本割れする確率が高くなります。
  • 選べる商品が限定されている
    つみたて投資枠で購入できるのは、金融庁が定めた基準を満たした投資信託のみです。個別株式やREIT、一部の投資信託は購入できません。
  • 損益通算ができない
    NISA口座で発生した損失は、他の課税口座(特定口座や一般口座)の利益と損益通算することができません。
  • 積立投資のみで一括購入ができない
    つみたて投資枠は積立投資専用の枠で、まとまった資金を一括で投資することはできません。一括投資をしたい場合は、成長投資枠を利用する必要があります。

NISAは上場株式や投資信託などに投資をして得た利益等が非課税となる制度であり、利益を担保する制度ではありません。値下がりして利益がない状態で売却すると非課税のメリットはありません。

知るぽると:2024年からNISA制度はどう変わる?

どんな人に向いている?

つみたて投資枠は、以下のような方に特に向いています。

投資初心者の方
金融庁が厳選した商品から選べるため、投資の知識が少なくても安心して始められます。少額から始められるので、まずは投資に慣れることを目的とした方にも最適です。
長期的な資産形成を目指す方
老後資金や教育資金など、10年以上先の将来に向けて資産を準備したい方に向いています。非課税保有期間が無期限なので、時間を味方につけた資産形成が可能です。
毎月コツコツ積み立てたい方
まとまった資金はないけれど、毎月の収入から少しずつ投資したい方に最適です。自動積立の設定をしておけば、手間をかけずに継続できます。
リスクを抑えた投資をしたい方
ドルコスト平均法により購入価格を平準化できるため、一括投資に比べて価格変動リスクを抑えられます。また、分散投資された投資信託が中心なので、個別株式投資に比べてリスクが低めです。

銘柄選びの4つのポイント|失敗しないための基準

つみたて投資枠で投資する銘柄を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。これらの基準を理解しておくことで、自分に合った銘柄を見つけやすくなります。

投資対象の地域で選ぶ

投資信託は、投資対象となる地域によって特徴が大きく異なります。主な分類は以下の通りです。

全世界株式型
全世界株式型は、日本を含む先進国23カ国と新興国24カ国の計47カ国に分散投資できます。世界の株式市場の時価総額約85%をカバーしており、米国株式が約6割を占めています。世界経済全体の成長を取り込みたい方に適しています。
米国株式型
米国の代表的な企業に投資する銘柄です。S&P500指数に連動するものが人気で、AppleやMicrosoft、Amazonなど世界的な大企業に投資できます。米国経済の成長性を重視する方におすすめです。
先進国株式型
日本を除く先進国(米国・欧州など)に投資する銘柄です。米国中心ですが、欧州など他の先進国にも分散投資できるため、米国だけに集中するリスクを避けたい方に向いています。
国内株式型
日本の株式市場に投資する銘柄です。為替リスクがないため、円建てで安定した運用をしたい方に適しています。ただし、海外株式に比べて成長性は限定的です。

世界経済は短期的な下落もたびたび起こりますが、長期的な視野でみれば世界経済は成長し続けているため、今後の成長も期待できます。

金融庁:つみたて投資枠対象商品の概要

信託報酬の安さをチェックする

信託報酬とは、投資信託を保有している間に発生する運用コストのことで、年率◯%と表記されます。

投資家は、投資信託を保有している間、信託報酬を日々支払う必要があります。投資家が直接支払うわけではなく、自動的に信託報酬が計算され、投資信託の価格(基準価額)に反映されます。

つみたて投資枠の対象銘柄は、信託報酬が比較的低く抑えられていますが、それでも銘柄によって差があります。インデックスファンドであれば、信託報酬が年率0.1%〜0.2%程度の低コストな銘柄が多数あります。

同じ値動きをする銘柄にもかかわらず、信託報酬(わたしたちが負担する手数料)に差があります。類似銘柄であれば、信託報酬に安かろう悪かろうはありません。安いものを選ぶことをおすすめします。

例えば、100万円を30年間運用した場合、信託報酬が年率0.1%と0.5%では、最終的な手数料の差は数十万円にもなります。長期投資では、わずかな信託報酬の差が大きな影響を与えるため、できるだけ低コストな銘柄を選ぶことが重要です。

各証券会社のウェブサイトでは、銘柄の詳細情報に信託報酬が記載されています。同じ指数に連動する銘柄であれば、信託報酬が低いものを選びましょう。

金融庁:投資信託の費用

純資産総額の大きさを確認する

純資産総額とは、投資信託に組み入れられた株式などの資産に配当や利息を加えた資産から、投資信託の運用コスト(負債)を引いた金額のことです。つまり、投資信託の運用資産の総額ともいえます。

純資産総額が大きい銘柄は、多くの投資家から支持されており、運用が安定している証拠です。投資家から人気があり、運用が上手い銘柄なら純資産総額が増える一方で、人気がなく運用が下手な銘柄は純資産総額が伸びません。

純資産が少なければ運用を続けることが困難になり、繰上償還(運用が強制終了されること)になる場合もあります。繰上償還のリスクが低いとされているのが、純資産(純資産残高)100億円以上のファンドといわれています。

純資産総額は、各証券会社の銘柄詳細ページで確認できます。運用開始から間もない銘柄を除き、純資産総額が100億円以上で、資金流入が続いて残高が増加している銘柄を選ぶことをおすすめします。

また、純資産総額が急激に減少している銘柄は、投資家が資金を引き揚げている可能性があるため、注意が必要です。

運用実績を参考にする

運用実績(リターン)は、過去の値動きを示す指標です。過去3年、5年、10年といった期間でどれだけのリターンがあったかを確認することで、銘柄の特徴を把握できます。

ただし、過去の運用実績は将来の成果を保証するものではありません。運用実績が良かった銘柄が今後も同じように成長するとは限らないため、あくまで参考情報として捉えることが大切です。

長期運用したときに安定的な成果が期待できる銘柄を選ぶのがおすすめです。世界中の国や地域に分散投資できる、値動きが安定している、信託報酬が安い、分配金「再投資型」といった特徴を持つファンドを選ぶとよいでしょう。

運用実績を確認する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 短期間(1年未満)の実績だけで判断しない
  • 市場全体が好調だった時期の実績だけを見ない
  • リーマンショックやコロナショックなど、市場が大きく下落した時期の値動きも確認する
  • 同じ指数に連動する銘柄同士で比較する

各証券会社のウェブサイトでは、銘柄ごとの運用実績がグラフや数値で表示されています。複数の銘柄を比較しながら、自分のリスク許容度に合った銘柄を選びましょう。

金融庁:投資の基本

投資対象別おすすめ銘柄10選

つみたて投資枠で購入できる銘柄の中から、投資対象別におすすめの銘柄を紹介します。それぞれの特徴を理解して、自分に合った銘柄を選びましょう。

全世界株式型|分散投資の王道

全世界株式型は、世界中の株式市場に分散投資できる銘柄です。地域を限定せずに投資できるため、リスク分散効果が高く、初心者から経験者まで幅広くおすすめできます。

1.eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、米国を中心として、世界の株式の約85%をカバーするMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス指数に連動する銘柄で構成された投資信託です。信託報酬が年率0.05775%と非常に低く、純資産総額も3兆円を超える人気銘柄です。1本で世界中に分散投資でき、初心者から経験者まで幅広くおすすめできます。
2.SBI・全世界株式インデックス・ファンド
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動する銘柄です。小型株まで含めた幅広い銘柄に投資できる点が特徴で、信託報酬も低く抑えられています。
3.楽天・全世界株式インデックス・ファンド
バンガード社のETFを通じて全世界の株式に投資する銘柄です。楽天証券で購入する場合、楽天ポイントが貯まるメリットもあります。

オルカンでは米国企業をはじめとしたグローバル企業に投資をしつつ、今後の成長性が高い新興国市場に分散投資できることも大きな魅力といえます。

米国株式型|成長性を重視したい人向け

米国株式型は、世界経済の中心である米国の株式市場に投資する銘柄です。過去の実績では、全世界株式型よりも高いリターンを記録しています。

1.eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
米国の代表的な500社で構成されるS&P500指数に連動する銘柄です。Apple、Microsoft、Amazonなど世界的な大企業に投資でき、信託報酬は年率0.09372%と低コストです。米国経済の成長を取り込みたい方におすすめです。
2.SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
バンガード社のETFを通じてS&P500に投資する銘柄です。信託報酬が非常に低く、長期投資に適しています。
3.楽天・全米株式インデックス・ファンド
米国株式市場全体に投資する銘柄で、S&P500よりも幅広い銘柄(約4,000銘柄)に投資できます。米国市場全体の成長を取り込みたい方に向いています。

巨大テック企業の業績が好調なこと、AIを中心とした技術革新が活発に行われていることから、長期的にはS&P500の運用成績は今後も期待できると言えるでしょう。

先進国株式型|米国以外にも分散したい人向け

先進国株式型は、日本を除く先進国の株式市場に投資する銘柄です。米国が中心ですが、欧州など他の先進国にも分散投資できます。

1.ニッセイ外国株式インデックスファンド
日本を除く先進国の株式に投資する銘柄で、信託報酬が年率0.09889%と低コストです。米国を中心としつつ、欧州など他の先進国にも分散投資できます。
2.たわらノーロード 先進国株式
MSCIコクサイ・インデックスに連動する銘柄で、日本を除く先進国の株式に幅広く投資できます。

バランス型|リスクを抑えたい人向け

バランス型は、株式だけでなく債券やREITなど複数の資産に分散投資する銘柄です。バランスファンドを選べば、自分でメンテナンスをしなくても、一定割合でさまざまな地域の株式・債券・REITなどに投資できます。

1.eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
国内株・先進国株・新興国株・国内債券・先進国債券・新興国債券・国内REIT・先進国REITの8資産に12.5%ずつ均等投資するバランスファンドです。1本で複数の資産クラスへの分散投資ができます。
2.ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
国内株式・外国株式・国内債券・外国債券の4資産に均等投資する銘柄です。シンプルな構成で、リスクとリターンのバランスが取れています。

ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)には債券が全体の50%程度含まれており、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)などの株式100%の銘柄と比べてリスクを抑えられます。

初心者におすすめの銘柄はこれ

投資初心者の方には、以下の銘柄がおすすめです。

迷ったら「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
1本で世界中に分散投資でき、信託報酬も低く、純資産総額も大きい安定した銘柄です。これ1本で資産形成の基盤を作ることができます。
米国の成長性を重視するなら「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
世界経済の中心である米国の主要企業に投資できます。全世界株式型よりもリターンが高い傾向がありますが、米国市場の動向に大きく影響される点は理解しておきましょう。
リスクを抑えたいなら「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」
株式だけでなく債券やREITにも分散投資できるため、価格変動リスクを抑えられます。安定した運用を目指す方に適しています。

つみたて投資枠の金融庁が指定した「長期の分散・積立投資に適した」投資信託は成長投資枠でも選べます。つみたて投資枠と成長投資枠の両方で同じ銘柄に投資できるため、投資先選びを1回で済ませることもできます。

新NISAナビ:新NISA銘柄おすすめの選び方

年代別・ライフステージ別のおすすめ戦略

年齢やライフステージによって、最適な投資戦略は異なります。ここでは、年代別におすすめの投資戦略を紹介します。

20代|時間を味方につける積極戦略

20代は投資期間を長く取れるため、時間を味方につけた積極的な投資が可能です。

おすすめの投資戦略
全世界株式型や米国株式型など、株式100%の銘柄を中心に投資しましょう。債券を含むバランス型よりもリスクは高くなりますが、長期投資によってリスクを抑えつつ、高いリターンを狙えます。
積立額の目安
月1万円〜3万円程度から始めて、収入が増えるにつれて積立額を増やしていくのがおすすめです。まずは投資に慣れることを優先し、無理のない金額から始めましょう。
具体的な銘柄例
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)またはeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を中心に、つみたて投資枠の年間120万円を使い切ることを目指します。余裕があれば成長投資枠も併用しましょう。

30代|家族計画も考えたバランス戦略

30代は結婚や出産、住宅購入など、ライフイベントが多い時期です。将来の支出も考慮しながら、バランスの取れた投資を心がけましょう。

おすすめの投資戦略
全世界株式型を中心としつつ、一部をバランス型に振り分けることで、リスクとリターンのバランスを取ります。住宅購入など大きな支出を控えている場合は、一時的に積立額を減らすことも検討しましょう。
積立額の目安
月3万円〜5万円程度が目安です。収入が安定してきたら、積立額を増やしていきます。ボーナス時には成長投資枠を使って一括投資することも検討できます。
具体的な銘柄例
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)70%、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)30%といった組み合わせで、リスクを分散しながら資産形成を進めます。

40代|教育資金と老後資金の両立戦略

40代は子どもの教育資金と老後資金の両方を準備する必要がある時期です。目的に応じて投資戦略を使い分けましょう。

おすすめの投資戦略
老後資金はつみたて投資枠で長期投資を続け、教育資金など近い将来に使う予定のある資金は、成長投資枠でバランス型や債券型に投資するなど、リスクを抑えた運用を心がけます。
積立額の目安
月5万円〜10万円程度が目安です。収入のピークを迎える時期なので、積立額を最大化して老後資金の準備を加速させましょう。
具体的な銘柄例
つみたて投資枠ではeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)で老後資金を準備し、成長投資枠ではeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)で教育資金を準備するなど、目的別に使い分けます。

50代|老後を見据えた安定重視戦略

50代は老後が近づいてくる時期です。リスクを徐々に抑えながら、安定した資産形成を目指しましょう。

おすすめの投資戦略
株式100%の銘柄の比率を徐々に下げ、バランス型や債券型の比率を高めていきます。ただし、老後資金を使い始めるまでまだ10年以上ある場合は、引き続き株式中心の投資を続けることも選択肢です。
積立額の目安
月5万円〜10万円程度を維持し、老後資金の準備を完成させます。退職金が入る予定がある場合は、その運用方法も併せて検討しましょう。
具体的な銘柄例
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)50%、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)50%といった配分で、リスクを抑えつつ資産を増やします。

60代|リスクを抑えた運用戦略

60代は老後資金を使い始める時期が近づいています。元本割れリスクを最小限に抑えた運用を心がけましょう。

おすすめの投資戦略
バランス型や債券型を中心とした安定運用に切り替えます。ただし、長生きリスクに備えて、一部は株式型で運用を続けることも検討しましょう。人生100年時代では、60代でもまだ30年以上の運用期間があります。
積立額の目安
収入が減少する時期なので、無理のない範囲で積立を続けます。月1万円〜3万円程度でも、継続することが大切です。
具体的な銘柄例
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)70%、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)30%といった配分で、安定性を重視しながらも一定の成長性を確保します。

つみたて投資枠におすすめの証券会社5社

つみたて投資枠を始めるには、証券会社で口座を開設する必要があります。ここでは、おすすめの証券会社5社を紹介します。

SBI証券|取扱銘柄数No.1で選択肢が豊富

SBI証券の画像
項目 内容
口座数 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む)
取引手数料 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。
NISA対応
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点
成長投資枠対象商品 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点)
投資信託 約2,550本 ※2025年3月3日時点
外国株 8カ国/米国株式(5,000銘柄)
取引ツール(PC) HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー
スマホアプリ SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD
提携銀行口座 SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行
ポイント投資・付与 Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立)
口座開設スピード 最短 翌営業日

SBI証券は、つみたて投資枠の取扱銘柄数が約271本とネット証券No.1で、幅広い選択肢から銘柄を選べます。三井住友カードでクレカ積立を設定すると、積立額に応じてVポイントが貯まります。

SBI証券は口座開設数が約1,500万口座と業界最大級で、多くの投資家に支持されています。投資信託の取扱本数も約2,600本と豊富で、つみたて投資枠以外の投資にも対応できます。

クレカ積立では、カードの種類に応じて0.5%〜5.0%のポイント還元があり、積立投資をしながらポイントも貯められます。また、貯まったVポイント、Pontaポイント、dポイント、JALマイル、PayPayポイントを投資に使うこともできます。

取引ツールも充実しており、スマホアプリ「SBI証券アプリ」やPC向けの「HYPER SBI 2」など、初心者から上級者まで使いやすいツールが揃っています。

楽天証券|楽天ポイントが貯まる・使える

楽天証券LP画像
項目 内容
口座数 約12,000,000口座 ※2025年1月時点
取引手数料 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。
NISA対応 〇(新NISA対応)
つみたて投資枠取扱銘柄数 263銘柄 ※2025年4月24日時点
成長投資枠対象商品 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄)
投資信託 約2,550本 ※2025年4月24日時点
外国株 6カ国/米国株式(約4,500銘柄)
取引ツール(PC) マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4
スマホアプリ iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物
提携銀行口座 楽天銀行(マネーブリッジ)
ポイント投資・付与 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>)
口座開設スピード 最短 翌営業日

楽天証券は、楽天ポイントを貯めたり使ったりできる点が最大の魅力です。楽天カードでクレカ積立を設定すると、積立額に応じて楽天ポイントが貯まり、貯まったポイントを投資に使うこともできます。

つみたて投資枠の取扱銘柄数は約200本で、主要な銘柄はしっかりカバーしています。楽天カードでのクレカ積立では、投資信託や楽天カードの種類によって0.5%〜2.0%のポイント還元があります。

楽天証券の口座開設数は約1,200万口座と、SBI証券に次ぐ規模です。楽天市場や楽天銀行など、楽天グループのサービスを利用している方には特におすすめです。

取引ツール「MARKET SPEED II」は、高機能でありながら無料で利用でき、スマホアプリ「iSPEED」も使いやすいと評判です。

マネックス証券|クレカ積立の還元率が高い

マネックス証券のLP画像
項目 内容
口座数 約2,700,000口座 ※2025年2月時点
取引手数料 【取引毎手数料コース】
  • 5万円以下:55円(税込)

  • 5万超~10万円以下:99円

  • 10万超~20万円以下:115円

  • 20万超~50万円以下:275円

  • 50万超~100万円以下:535円

  • 100万超~150万円以下:640円

  • 150万超~3,000万円以下:1,013円

  • 3,000万円超:1,070円

NISA対応 〇(日本株・米国株・中国株・投資信託の売買手数料が無料)
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(銘柄数は公式サイトで確認)
成長投資枠対象商品 国内株 / 米国株 / 中国株 / 投資信託(約1,750本以上)
投資信託 約1,800本(購入時手数料すべて無料)
外国株 2カ国/米国株:約5,000銘柄以上(2025年1月27日時点)
取引ツール(PC) マネックストレーダー / 銘柄スカウター
スマホアプリ マネックス証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ
提携銀行口座 マネックス証券専用銀行口座(詳細は公式サイトで確認)
ポイント投資・付与 マネックスポイント / dポイント(投資信託の積立に利用可能)
口座開設スピード オンライン申込で最短翌営業日

マネックス証券は、クレカ積立のポイント還元率が高い点が特徴です。マネックスカードでクレカ積立を設定すると、一律1.1%のポイント還元があり、他社よりも高い還元率を実現しています。

つみたて投資枠の取扱銘柄数は約217本で、主要な銘柄は網羅しています。米国株の取扱銘柄数が約5,000銘柄と豊富なため、将来的に米国株投資も検討している方におすすめです。

口座開設数は約270万口座で、SBI証券や楽天証券に比べると規模は小さいですが、サービスの質は高く評価されています。貯まったマネックスポイントは、dポイントに交換して使うこともできます。

取引ツール「マネックストレーダー」など、17種類のPC向けツールと15種類のスマホアプリが用意されており、自分に合ったツールを選べます。

松井証券|サポート体制が充実

松井証券のLP画像
項目 内容
口座数 約1,670,000口座 ※2025年3月時点
取引手数料 【ボックスレート(1日定額制)】 1日の約定代金合計50万円まで:0円 50万円超:1,000円(税込1,100円)~※25歳以下なら約定代金に関わらず手数料無料
NISA対応 〇(日本株、米国株、投資信託すべて売買手数料無料)
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(銘柄数は公式サイトで確認)
成長投資枠対象商品 国内株 / 米国株 / 投資信託(約1,800本以上)
投資信託 約1,900本以上(購入時手数料すべて無料)
外国株 米国株:約4,900銘柄(2025年4月23日時点)
取引ツール(PC) ネットストック・ハイスピード(無料)
スマホアプリ 日本株アプリ / 投信アプリ / 米国株アプリ(すべて無料)
提携銀行口座 MATSUI Bank(松井証券専用銀行)
ポイント投資・付与 松井証券ポイント(投資信託の積立に利用可能)
口座開設スピード 最短即日(スマートフォンによるオンライン申込)

松井証券は、サポート体制が充実している点が特徴です。電話やチャットでのサポートが手厚く、投資初心者でも安心して利用できます。

つみたて投資枠の取扱銘柄数は約250本で、主要な銘柄はカバーしています。25歳以下は現物取引の手数料が無料になる特典があり、若い世代にもおすすめです。

口座開設数は約160万口座で、中堅規模の証券会社ですが、創業100年以上の歴史があり、信頼性は高いです。松井証券ポイントが貯まり、投資信託の購入や商品交換に使えます。

取引ツール「マーケットラボ」など12種類のPC向けツールと8種類のスマホアプリが用意されており、初心者でも使いやすい設計になっています。

三菱UFJeスマート証券|Pontaポイントが使える

三菱UFJ eスマート証券のLP画像
項目 内容
口座数 約1,800,000口座 ※2025年2月時点
取引手数料 【ワンショット手数料コース】 約定代金5万円以下:55円(税込) 約定代金50万円超:1,070円(税込)【一日定額手数料コース】 1日100万円まで:0円 1日300万円まで:2,750円(税込) 以降300万円ごとに:2,750円(税込)加算
NISA対応 〇(日本株・米国株・投資信託の売買手数料が無料)
つみたて投資枠取扱銘柄数 251銘柄(2025年4月時点)
成長投資枠対象商品 国内株 / 米国株 / 投資信託(1,155銘柄)
投資信託 約1,853本(購入時手数料すべて無料)
外国株 米国株:約1,050銘柄(2025年4月時点)
取引ツール(PC) kabuステーション / 銘柄スカウター
スマホアプリ 三菱UFJ eスマート証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ
提携銀行口座 三菱UFJ銀行 / auじぶん銀行
ポイント投資・付与 Pontaポイント(投資信託の積立に利用可能)
口座開設スピード 最短翌営業日(スマートフォンによるオンライン申込)

三菱UFJeスマート証券(旧auカブコム証券)は、Pontaポイントを貯めたり使ったりできる点が特徴です。au PAYカードでクレカ積立を設定すると、ポイント還元があります。

つみたて投資枠の取扱銘柄数は約250本で、主要な銘柄は網羅しています。三菱UFJフィナンシャル・グループの一員であり、信頼性も高いです。

口座開設数は約40万口座で、規模は小さいですが、サービスの質は高く評価されています。貯まった三菱UFJポイントは、Pontaポイントに交換して使うこともできます。

取引ツール「kabuステーション®」など16種類のPC向けツールと7種類のスマホアプリが用意されており、上級者にも対応できる機能が揃っています。

証券会社を選ぶ際の比較ポイント

証券会社を選ぶ際は、以下のポイントを比較しましょう。

  • 取扱銘柄数:自分が投資したい銘柄を取り扱っているか
  • ポイント還元:クレカ積立のポイント還元率や、貯まるポイントの種類
  • 最低積立金額:100円から始められるか、1,000円からか
  • 使いやすさ:スマホアプリやウェブサイトの操作性
  • サポート体制:電話やチャットでのサポートがあるか
  • 口座開設のスピード:最短即日〜数営業日

つみたて投資枠の始め方|口座開設から積立設定まで

つみたて投資枠を始めるには、証券会社で口座を開設し、積立設定を行う必要があります。ここでは、具体的な手順を解説します。

口座開設の手順

証券会社の口座開設は、以下の手順で進めます。

1.証券会社を選ぶ
取扱銘柄数、ポイント還元、使いやすさなどを比較して、自分に合った証券会社を選びます。SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、三菱UFJeスマート証券などが主要な選択肢です。
2.オンラインで申し込む
各証券会社のウェブサイトから、口座開設の申し込みを行います。メールアドレスや基本情報を入力し、本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)をアップロードします。
3.NISA口座を同時に開設する
口座開設の際に、NISA口座も同時に開設する選択肢があります。必ず「NISA口座を開設する」を選択しましょう。NISA口座は1人1口座しか開設できないため、すでに他の証券会社でNISA口座を持っている場合は、金融機関変更の手続きが必要です。
4.審査・口座開設完了
証券会社による審査が行われ、問題がなければ口座が開設されます。最短即日〜数営業日で完了します。口座開設完了の通知がメールで届いたら、ログイン情報を確認しましょう。

すでにNISA口座を持っている場合でも、2024年から自動的に新NISA口座が開設されるため、特別な手続きは不要です。

金融庁:NISA口座の開設

銘柄を選んで積立設定をする

口座開設が完了したら、銘柄を選んで積立設定を行います。

1.銘柄を検索する
証券会社のウェブサイトやアプリで、つみたて投資枠の対象銘柄を検索します。投資対象(全世界株式、米国株式など)や信託報酬で絞り込むと、候補を見つけやすくなります。
2.銘柄の詳細を確認する
気になる銘柄の詳細ページで、投資対象、信託報酬、純資産総額、運用実績などを確認します。目論見書も読んで、銘柄の特徴を理解しましょう。
3.積立設定を行う
銘柄を選んだら、積立設定を行います。積立額(月1万円など)、積立日(毎月1日など)、積立方法(クレカ積立、銀行引き落としなど)を設定します。
4.設定内容を確認して完了
設定内容を確認し、問題がなければ積立設定を完了します。設定した積立日に、自動的に銘柄が購入されます。

クレカ積立を利用する場合は、事前にクレジットカードの登録が必要です。楽天証券なら楽天カード、SBI証券なら三井住友カードなど、証券会社ごとに対応するカードが異なるため、確認しておきましょう。

積立額はいくらにすべき?

積立額は、自分の収入や生活費、他の貯蓄とのバランスを考えて決めましょう。

初心者の方
まずは月1万円程度から始めて、投資に慣れることを優先しましょう。無理のない金額から始めることで、継続しやすくなります。
収入が安定している方
月3万円〜5万円程度を目安に積立を行い、収入が増えるにつれて積立額を増やしていきましょう。年間120万円の枠を使い切るには、月10万円の積立が必要です。
余裕資金がある方
つみたて投資枠で月10万円(年間120万円)を積み立て、さらに余裕があれば成長投資枠も併用して、年間360万円の枠を最大限活用しましょう。

積立額は途中で変更できるため、最初は少額から始めて、徐々に増やしていくことも可能です。大切なのは、無理なく継続できる金額を設定することです。

よくある失敗例と対策|始める前に知っておきたいこと

つみたて投資枠を始める際に、多くの人が陥りやすい失敗例と、その対策を紹介します。

失敗例1|短期間で売却してしまう

市場が下落して含み損を抱えると、不安になって短期間で売却してしまう人がいます。しかし、つみたて投資枠は長期投資を前提とした制度であり、短期的な価格変動に一喜一憂する必要はありません。

対策
投資を始める前に、最低でも10年以上は保有する覚悟を持ちましょう。市場が下落しても、積立を続けることで平均購入価格を下げられます。長期的には世界経済は成長を続けているため、焦って売却せずに保有し続けることが大切です。

失敗例2|信託報酬の高い銘柄を選んでしまう

銘柄選びの際に、信託報酬を確認せずに選んでしまい、結果的に高コストな銘柄を保有してしまうケースがあります。信託報酬は毎日差し引かれるため、長期投資では大きな差になります。

対策
同じ指数に連動する銘柄であれば、信託報酬が低いものを選びましょう。例えば、全世界株式型であれば、eMAXIS Slimシリーズやニッセイシリーズなど、信託報酬が年率0.1%以下の銘柄を選ぶことをおすすめします。

失敗例3|市場暴落時にパニック売りする

リーマンショックやコロナショックのような市場暴落時に、パニックになって全て売却してしまう人がいます。しかし、市場は暴落後に回復することが多く、売却してしまうと損失が確定してしまいます。

対策
市場暴落は投資を続ける上で避けられないものです。暴落時は、安く買えるチャンスと捉えて、積立を続けることが大切です。過去のデータを見ても、市場は長期的には回復しているため、焦らず保有し続けましょう。

失敗例4|複数の銘柄を買いすぎて管理できない

分散投資が大切だと思い、多数の銘柄を購入してしまい、管理が複雑になってしまうケースがあります。つみたて投資枠の対象銘柄は、それ自体がすでに分散投資されているため、1〜3本程度で十分です。

対策
全世界株式型1本、または全世界株式型とバランス型の2本程度に絞ることをおすすめします。銘柄数を増やしすぎると、管理が煩雑になり、リバランスも難しくなります。シンプルな構成を心がけましょう。

失敗しないための心構え

つみたて投資枠で失敗しないためには、以下の心構えが大切です。

  • 長期投資を前提とし、短期的な価格変動に一喜一憂しない
  • 市場が下落しても積立を続ける
  • 信託報酬が低い銘柄を選ぶ
  • 銘柄数は1〜3本程度に絞る
  • 定期的に運用状況を確認するが、頻繁に売買しない
  • 投資は自己責任であることを理解する

まとめ

つみたて投資枠は、年間120万円まで非課税で投資でき、長期的な資産形成に最適な制度です。金融庁が厳選した投資信託から選べるため、投資初心者でも安心して始められます。

銘柄選びでは、投資対象の地域、信託報酬の安さ、純資産総額の大きさ、運用実績の4つのポイントを確認しましょう。全世界株式型や米国株式型、バランス型など、自分のリスク許容度に合った銘柄を選ぶことが大切です。

証券会社は、取扱銘柄数、ポイント還元、使いやすさなどを比較して選びましょう。SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、三菱UFJeスマート証券などが主要な選択肢です。

年代やライフステージに応じて、投資戦略を調整することも重要です。20代は積極的に株式型に投資し、年齢を重ねるにつれてバランス型の比率を高めていくなど、柔軟に対応しましょう。

つみたて投資枠は長期投資を前提とした制度です。短期的な価格変動に一喜一憂せず、市場が下落しても積立を続けることが、資産形成を成功させる鍵となります。なお、投資には元本割れのリスクがあります。ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、慎重にご検討ください。投資判断は自己責任で行い、不明な点は証券会社や専門家にご相談ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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