株のおすすめ銘柄と選び方|初心者向け完全ガイド

株のおすすめ銘柄と選び方|初心者向け完全ガイド

株式投資を始めたいけれど、どの銘柄を選べばいいのか分からない。

そんな悩みを抱える初心者の方は少なくありません。

2024年から始まった新NISAの普及により、株式投資への関心が高まる一方で、銘柄選びの基準や投資方法が分からず一歩を踏み出せない方も多いでしょう。

この記事では、株式投資の基本から高配当株・成長株・割安株といったカテゴリ別のおすすめ銘柄、さらに証券会社の選び方や実際の購入手順まで、初心者が知るべき情報を網羅的に解説します。

ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、適切な銘柄選びができるようになるでしょう。

この記事の要約
  • 株式投資では配当利回り・財務健全性・成長性など5つの基準で銘柄を選ぶことが重要
  • 高配当株・成長株・割安株など投資スタイルに合わせた銘柄選びで資産形成を目指せる
  • SBI証券や楽天証券など手数料無料の証券会社を活用することで効率的に投資できる
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

株のおすすめとは?|初心者が知るべき基本

株式投資における「おすすめ」とは、万人に共通する正解があるわけではありません。投資家それぞれの目的やリスク許容度、投資期間によって最適な銘柄は異なります。

株式投資とは、企業が発行する株式を購入し、その企業の成長とともに利益を得る投資手法です。利益には大きく分けて2つあります。株価が上昇したときに売却して得られる「値上がり益(キャピタルゲイン)」と、企業が利益の一部を株主に還元する「配当金(インカムゲイン)」です。

株式投資の基本的なしくみ

株式は企業が事業資金を調達するために発行する証券です。株式を購入することで、その企業の一部を所有することになり、企業の業績に応じて利益を得る権利が生まれます。

株価は市場での需要と供給によって決まります。企業の業績が好調で将来性が高いと判断されれば株価は上昇し、逆に業績が悪化すれば株価は下落します。このため、株式投資では企業の事業内容や財務状況、成長性を見極めることが重要なんです。

日本の株式市場では、通常100株単位での売買が基本となっています。例えば株価が1,000円の銘柄であれば、最低10万円の資金が必要です。ただし、証券会社によっては1株から購入できる「単元未満株」のサービスもあり、少額から投資を始めることも可能となっています。

「おすすめ株」を選ぶ3つの視点

初心者が株式を選ぶ際には、以下の3つの視点を持つことが大切です。

1. 投資目的の明確化

配当金による定期的な収入を得たいのか、株価の値上がりによる利益を狙いたいのかによって、選ぶべき銘柄は変わります。配当を重視するなら高配当株、値上がり益を狙うなら成長株が候補となるでしょう。

2. リスク許容度の把握

株式投資には必ず価格変動リスクがあります。短期的な株価の下落に耐えられる資金と精神的余裕があるかを考え、無理のない範囲で投資することが重要です。

3. 分散投資の実践

1つの銘柄に資金を集中させるのではなく、複数の銘柄や業種に分散することで、リスクを軽減できます。初心者ほど分散投資を意識することをおすすめします。

初心者が株を始めるメリット

株式投資を始めることには、いくつかのメリットがあります。

最大のメリットは、預金よりも高いリターンが期待できることです。銀行の普通預金金利が0.001%程度の現在、株式投資では配当利回り3~5%の銘柄も珍しくありません。さらに株価上昇による値上がり益も狙えるため、長期的な資産形成に有効なんです。

また、2024年から始まった新NISAを活用すれば、年間360万円までの投資で得た利益が非課税になります。通常、株式投資の利益には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座を利用することでこの税金を回避できるメリットは大きいでしょう。

金融庁「新しいNISA」

さらに、企業の事業内容や経済の動きを学ぶことで、ビジネスや社会への理解が深まります。投資を通じて経済ニュースへの関心が高まり、金融リテラシーの向上にもつながるでしょう。

初心者におすすめの株の選び方|5つの基準

株式投資で成功するためには、適切な銘柄選びが欠かせません。ここでは初心者が押さえるべき5つの選択基準を解説します。

配当利回りの高さで選ぶ

配当利回りとは、株価に対する年間配当金の割合を示す指標です。計算式は「年間配当金÷株価×100」で求められます。例えば株価1,000円で年間配当金が40円なら、配当利回りは4%となります。

一般的に配当利回り3%以上が高配当株の目安とされています。2025年12月時点では、三菱UFJフィナンシャル・グループ、NTT、商船三井などが配当利回り3%以上の高配当銘柄として注目されています。

配当利回りが高いだけで選ぶのは危険です。企業の業績悪化により株価が下落した結果、一時的に配当利回りが高く見えているケースもあります。配当の継続性や企業の財務状況も併せて確認することが重要です。

財務の健全性で選ぶ

企業の財務が健全であることは、安定した配当や長期的な成長の基盤となります。財務健全性を判断する主な指標として、自己資本比率とROE(自己資本利益率)があります。

自己資本比率は「自己資本÷総資産×100」で計算され、企業の安定性を示します。一般的に20%以上が健全とされ、40%以上なら優良企業と判断できるでしょう。借入金が少なく、自己資本で経営している企業ほど、不況時にも倒産リスクが低いといえます。

ROEは「当期純利益÷自己資本×100」で求められ、株主資本をどれだけ効率的に活用して利益を生み出しているかを示します。日本企業の平均ROEは8%程度ですが、10%以上あれば効率的な経営をしている企業と評価できます。

最低投資額の少なさで選ぶ

株式投資を始めるハードルを下げるには、少額から購入できる銘柄を選ぶことも有効です。日本株は通常100株単位での売買となるため、株価が高い銘柄は必要資金も大きくなります。

例えばNTTは株価が150円前後(2025年12月時点)のため、100株で約15,000円から投資できます。一方、ファーストリテイリング(ユニクロ)は株価が5万円を超えるため、100株では500万円以上の資金が必要です。

初心者には10万円以下で購入できる銘柄がおすすめです。また、SBI証券の「S株」や楽天証券の「かぶミニ」など、1株から購入できる単元未満株のサービスを利用すれば、さらに少額から投資を始められます。

成長性で選ぶ

企業の成長性を見極めることで、将来的な株価上昇が期待できる銘柄を見つけられます。成長性を判断する指標として、売上高成長率や営業利益成長率があります。

過去3~5年間の売上高が右肩上がりで増加している企業は、ビジネスモデルが機能している証拠です。特に年率10%以上の成長を続けている企業は、高い成長性があると評価できるでしょう。

また、PER(株価収益率)も重要な指標です。PERは「株価÷1株あたり利益」で計算され、株価が利益の何倍で取引されているかを示します。日本株の平均PERは15倍前後ですが、成長企業はPERが高めになる傾向があります。

PERが極端に高い場合は株価が割高な可能性もあるため注意が必要です。

身近な企業・業種で選ぶ

投資初心者にとって、自分が普段利用している商品やサービスを提供する企業は理解しやすく、投資判断がしやすいメリットがあります。

例えば、普段利用しているコンビニ、スーパー、飲食店、通信サービスなどの企業は、事業内容がイメージしやすいでしょう。商品の品質や店舗の混雑状況など、実際の利用体験が投資判断の材料になります。

また、自分の仕事や趣味に関連する業種も投資対象として適しています。業界の動向や技術トレンドについて知識があれば、企業の成長性や競争力を判断しやすくなります。身近な企業への投資は、経済ニュースへの関心も高まり、投資の楽しさを実感しやすいでしょう。

高配当株のおすすめ|安定収入を狙う

高配当株は、定期的な配当収入を得ながら資産形成を目指す投資スタイルです。株価の値上がり益だけでなく、保有しているだけで配当金を受け取れるため、長期投資に適しています。

高配当株とは?

高配当株とは、配当利回りが市場平均よりも高い銘柄のことを指します。一般的に配当利回り3%以上が高配当株の目安とされ、4%以上になると非常に魅力的な水準といえるでしょう。

高配当株の魅力は、株価が下落しても配当金という形で定期的な収入が得られる点です。株価の変動に一喜一憂せず、長期的に保有することで安定したインカムゲインを得られます。特に新NISA口座で保有すれば、配当金が非課税となるため、税引き後の手取り額が増えるメリットがあります。

新NISA口座なら配当金が非課税となり、通常20.315%かかる税金がゼロになります。

おすすめの高配当株10銘柄

2025年12月時点で注目される高配当株を紹介します。以下の銘柄は配当利回り3%以上で、財務も比較的健全な企業です。

銘柄名 コード 配当利回り 業種 特徴
三菱UFJフィナンシャル・グループ 8306 約3.5% 銀行 メガバンク大手、金利上昇で収益改善
三井住友フィナンシャルグループ 8316 約3.8% 銀行 安定配当、累進配当方針
NTT 9432 約3.5% 通信 安定した通信事業、少額投資可能
KDDI 9433 約3.6% 通信 連続増配実績、通信大手
ソフトバンク 9434 約3.8% 通信 PayPay成長、株主優待あり
商船三井 9104 約4.5% 海運 高配当、海運大手
日本郵船 9101 約4.2% 海運 海運最大手、安定配当
三菱商事 8058 約3.9% 商社 総合商社大手、資源関連に強み
三井物産 8031 約4.0% 商社 エネルギー関連、累進配当
日本製鉄 5401 約4.7% 鉄鋼 鉄鋼最大手、PBR1倍割れ

これらの銘柄は、業績が安定しており長期的な配当の継続が期待できます。特に金融株(銀行)は金利上昇局面で収益が改善する傾向があり、通信株は景気の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄として人気です。

高配当株を選ぶときの注意点

高配当株投資で失敗しないために、以下の点に注意しましょう。

  • 配当性向が100%を超えていないか確認する(利益以上の配当は持続不可能)
  • 過去の配当実績をチェックし、減配の履歴がないか確認する
  • 企業の業績が安定しているか、売上高や営業利益の推移を確認する
  • 自己資本比率が20%以上あるか、財務の健全性を確認する
  • 配当利回りだけでなく、株価の値動きも考慮する
  • 複数の銘柄に分散投資し、特定の業種に偏らないようにする

高配当株は長期保有が前提となるため、短期的な株価変動に惑わされず、配当金を再投資しながら資産を増やしていく戦略が有効です。

成長株のおすすめ|値上がり益を狙う

成長株投資は、企業の成長とともに株価の大幅な上昇を狙う投資スタイルです。配当よりも値上がり益を重視し、将来性のある企業に投資します。

成長株とは?

成長株とは、売上高や利益が高い成長率で拡大している企業の株式を指します。一般的に年率10%以上の成長を続けている企業が成長株と呼ばれます。

成長株の特徴は、利益を配当として株主に還元するよりも、事業拡大のための設備投資や研究開発に資金を投じることです。そのため配当利回りは低いか無配当の場合もありますが、企業が成長すれば株価は大きく上昇し、高いリターンが期待できます。

成長株は短期間で資産を大きく増やせる可能性がある一方で、成長が期待通りに進まなければ株価が大きく下落するリスクもあります。

おすすめの成長株10銘柄

2025年12月時点で注目される成長株を紹介します。以下の銘柄は高い成長性が期待される企業です。

銘柄名 コード 業種 成長ポイント リスク
東京エレクトロン 8035 半導体製造装置 AI需要で半導体製造装置の需要拡大 半導体市況の変動
ソフトバンクグループ 9984 投資 AI投資、OpenAI出資で大幅増益 投資先の業績変動
ファーストリテイリング 9983 小売 海外ユニクロ事業の拡大 為替変動、消費動向
リクルートホールディングス 6098 サービス 人材サービスの国際展開 景気変動の影響
キーエンス 6861 電気機器 高収益ビジネスモデル、製造業のDX化 製造業の設備投資動向
レーザーテック 6920 精密機器 半導体検査装置で高シェア 半導体市況の変動
サイバーエージェント 4751 情報通信 ABEMA黒字化、ゲーム事業成長 広告市況、競争激化
エムスリー 2413 サービス 医療情報プラットフォーム拡大 規制変更リスク
モノタロウ 3064 小売 工業用品EC市場の拡大 競争激化
SHIFT 3697 情報通信 ソフトウェアテスト需要拡大 人材確保の課題

これらの成長株は、AI・半導体、EC、デジタルサービスなど成長分野で事業を展開しています。特に東京エレクトロンやレーザーテックは、AI需要による半導体製造装置の需要拡大が期待されています。

成長株を選ぶときの注意点

成長株投資で注意すべきポイントは以下の通りです。

  • PERが極端に高い場合は、株価が割高になっている可能性がある
  • 成長が鈍化すると株価が大きく下落するリスクがある
  • 短期的な業績変動で株価が大きく変動しやすい
  • 競合他社の動向や技術革新により、競争力が低下するリスクがある
  • 高値で購入すると、その後の株価上昇余地が限られる可能性がある
  • 一つの銘柄に集中投資せず、複数の成長株に分散投資する

成長株投資では、企業の成長ストーリーを理解し、長期的な視点で保有することが重要です。短期的な株価変動に惑わされず、企業の成長を信じて投資を続けることが成功の鍵となります。

割安株のおすすめ|お得に買える銘柄

割安株投資は、企業の実力に対して株価が割安に放置されている銘柄を見つけ、株価が適正水準に戻ることで利益を得る投資スタイルです。

割安株とは?

割安株とは、企業の業績や資産価値に対して株価が低く評価されている銘柄のことです。割安度を判断する主な指標として、PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)があります。

PERは「株価÷1株あたり利益」で計算され、日本株の平均は15倍前後です。PERが10倍以下の銘柄は割安と判断できる場合が多いでしょう。PBRは「株価÷1株あたり純資産」で計算され、1倍を下回ると理論上は解散価値よりも株価が安い状態を意味します。

割安株投資の魅力は、株価が適正水準に戻れば大きな値上がり益が期待できる点です。また、下値リスクが限定的であるため、比較的安全性の高い投資手法といえます。

割安には理由があることも多く、業績不振や構造的な問題を抱えている企業も含まれるため注意が必要です。

おすすめの割安株10銘柄

2025年12月時点で注目される割安株を紹介します。以下の銘柄はPBR1倍割れかつ業績が安定している企業です。

銘柄名 コード PBR 業種 割安理由と期待
日本製鉄 5401 約0.7倍 鉄鋼 鉄鋼最大手、PBR改善策に期待
三菱ケミカルグループ 4188 約0.8倍 化学 総合化学大手、事業再編で収益改善
三菱UFJフィナンシャル・グループ 8306 約0.9倍 銀行 金利上昇で収益改善、自社株買い実施
三井住友フィナンシャルグループ 8316 約0.9倍 銀行 安定配当、資本効率改善
みずほフィナンシャルグループ 8411 約0.8倍 銀行 メガバンク、金利上昇メリット
住友金属鉱山 5713 約0.9倍 非鉄金属 電池材料事業の成長期待
JFEホールディングス 5411 約0.6倍 鉄鋼 鉄鋼大手、極端な割安水準
野村不動産ホールディングス 3231 約0.9倍 不動産 都市再開発需要、業績好調
積水ハウス 1928 約0.9倍 建設 住宅大手、安定配当
大和ハウス工業 1925 約0.9倍 建設 総合建設大手、多角化経営

これらの割安株は、東京証券取引所のPBR改善要請を受けて、自社株買いや増配などの株主還元強化策を打ち出す可能性が高い銘柄です。特に金融株は金利上昇局面で収益が改善しやすく、PBR改善が期待されています。

割安株を選ぶときの注意点

割安株投資で注意すべきポイントは以下の通りです。

  • 割安には理由があることを理解する(業績不振、構造的問題など)
  • PBR1倍割れでも、業績が悪化し続けている企業は避ける
  • 自己資本比率が低い企業は、財務リスクが高い可能性がある
  • PBR改善策(自社株買い、増配など)を発表している企業を優先する
  • 割安株が適正価格に戻るまでには時間がかかることを理解する
  • 複数の割安株に分散投資し、リスクを分散する

割安株投資では、忍耐強く株価が適正水準に戻るのを待つことが重要です。短期的な値動きに惑わされず、企業の本質的価値を見極めて投資することが成功の鍵となります。

少額で買えるおすすめ株|10万円以下で始める

投資初心者にとって、少額から始められる銘柄は投資のハードルを下げ、リスクを抑えながら経験を積むことができます。

少額投資のメリット

少額投資には、いくつかのメリットがあります。

最大のメリットは、リスクを抑えながら投資経験を積めることです。10万円以下の少額投資であれば、万が一損失が出ても生活に大きな影響を与えません。実際の株価変動を体験しながら、投資の基本を学ぶことができるでしょう。

また、少額投資では複数の銘柄に分散投資しやすくなります。10万円の資金があれば、2~3銘柄に分散投資することで、リスクを分散できます。1つの銘柄が下落しても、他の銘柄でカバーできる可能性が高まります。

さらに、少額投資では購入タイミングを分散できるメリットもあります。一度に大きな資金を投じるのではなく、複数回に分けて購入することで、平均取得単価を抑える効果が期待できます。

10万円以下で買えるおすすめ株10銘柄

2025年12月時点で、10万円以下で購入できるおすすめ銘柄を紹介します。

銘柄名 コード 最低投資額 業種 特徴
NTT 9432 約15,000円 通信 配当利回り3.5%、安定配当
ソフトバンク 9434 約28,000円 通信 配当利回り3.8%、株主優待あり
みずほフィナンシャルグループ 8411 約35,000円 銀行 メガバンク、金利上昇メリット
三菱UFJフィナンシャル・グループ 8306 約18,000円 銀行 配当利回り3.5%、自社株買い実施
オリックス 8591 約35,000円 その他金融 多角的な金融サービス
日本郵船 9101 約55,000円 海運 配当利回り4.2%、海運最大手
商船三井 9104 約48,000円 海運 配当利回り4.5%、高配当
JT(日本たばこ産業) 2914 約42,000円 食料品 配当利回り5%超、高配当
ヤマダホールディングス 9831 約65,000円 小売 家電量販店最大手
イオン 8267 約38,000円 小売 株主優待あり、小売大手

これらの銘柄は、10万円以下で購入でき、かつ配当や株主優待などの株主還元も充実しています。特にNTTは15,000円程度から投資でき、初心者に最適な銘柄といえるでしょう。

単元未満株(ミニ株)の活用方法

さらに少額から投資を始めたい場合は、単元未満株(ミニ株)のサービスを活用する方法があります。

通常、日本株は100株単位での売買が基本ですが、単元未満株サービスを利用すれば1株から購入できます。例えばSBI証券の「S株」、楽天証券の「かぶミニ」、マネックス証券の「ワン株」などがあります。

単元未満株のメリットは、数百円から数千円で株式投資を始められることです。例えば三菱UFJフィナンシャル・グループなら1株180円程度から購入でき、少額で複数の銘柄に分散投資できます。

単元未満株では株主優待が受けられない場合があることや、売買のタイミングが限定されることに注意が必要です。ただし、配当金は単元未満株でも保有株数に応じて受け取れます。

NISAにおすすめの株|非課税で運用する

NISA(少額投資非課税制度)を活用すれば、株式投資で得た利益が非課税となります。税制優遇を最大限に活用することで、効率的な資産形成が可能です。

NISA(成長投資枠)で株を買うメリット

NISAの成長投資枠を利用することで、株式投資に大きなメリットがあります。

最大のメリットは、配当金と売却益が非課税になることです。通常、株式投資の利益には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座で保有すれば税金がゼロになります。例えば10万円の利益が出た場合、通常は約2万円が税金として引かれますが、NISA口座なら10万円全額を受け取れます。

2024年から始まった新NISAでは、成長投資枠として年間240万円まで投資でき、非課税保有限度額は1,200万円(生涯)まで拡大されました。また、非課税保有期間が無期限となったため、長期的な資産形成に最適な制度となっています。

金融庁「新しいNISA」

さらに、NISA口座で保有している株式を売却すれば、翌年からその分の非課税投資枠を再利用できます。柔軟な資産運用が可能となり、投資戦略の幅が広がります。

NISAにおすすめの株10銘柄

NISA口座で長期保有に適したおすすめ銘柄を紹介します。

銘柄名 コード 配当利回り おすすめ理由
トヨタ自動車 7203 約2.8% 自動車最大手、安定配当、EV展開
NTT 9432 約3.5% 通信大手、安定配当、少額投資可能
KDDI 9433 約3.6% 連続増配、通信事業安定
三菱UFJフィナンシャル・グループ 8306 約3.5% メガバンク、金利上昇メリット
三井住友フィナンシャルグループ 8316 約3.8% 累進配当方針、安定配当
三菱商事 8058 約3.9% 総合商社、資源関連に強み
伊藤忠商事 8001 約3.2% 総合商社、非資源分野に強み
ソニーグループ 6758 約0.5% エンタメ・半導体、成長性高い
キーエンス 6861 約0.4% 高収益企業、製造業DX化
信越化学工業 4063 約2.5% 半導体材料、安定成長

これらの銘柄は、業績が安定しており長期保有に適しています。配当利回りが高い銘柄は非課税メリットを最大限に活用でき、成長性の高い銘柄は値上がり益の非課税メリットが大きいでしょう。

NISA口座で株を買うときの注意点

NISA口座で株式投資をする際の注意点は以下の通りです。

  • NISA口座は1人1口座しか開設できません。複数の証券会社でNISA口座を持つことはできないため、証券会社選びは慎重に行いましょう
  • NISA口座で保有している株式で損失が出ても、他の口座の利益と損益通算できません
  • NISA口座では年間投資枠(成長投資枠240万円)が決まっているため、計画的に投資することが重要です

投資金額別のおすすめポートフォリオ|1万・5万・10万円

投資初心者にとって、限られた資金でどのように銘柄を組み合わせるかは重要な課題です。ここでは投資金額別に具体的なポートフォリオ例を紹介します。

1万円で始めるポートフォリオ例

1万円の少額資金でも、単元未満株を活用すれば複数銘柄への分散投資が可能です。

銘柄名 投資額 株数 配当利回り 選定理由
三菱UFJフィナンシャル・グループ 約3,500円 20株 約3.5% 安定配当、金利上昇メリット
NTT 約3,000円 20株 約3.5% 通信大手、ディフェンシブ
三菱商事 約3,500円 15株 約3.9% 総合商社、資源関連

このポートフォリオでは、金融・通信・商社の3業種に分散投資しています。いずれも配当利回り3%以上の高配当株で、業績が安定している大手企業です。単元未満株を活用することで、1万円でも3銘柄に分散投資できます。

1万円の投資では年間配当金は350円程度ですが、配当金を再投資しながら長期的に資産を増やしていくことが重要です。また、投資の経験を積みながら、少しずつ投資金額を増やしていくことをおすすめします。

5万円で始めるポートフォリオ例

5万円の資金があれば、単元株と単元未満株を組み合わせた分散投資が可能です。

銘柄名 投資額 株数 配当利回り 投資戦略
NTT 約15,000円 100株 約3.5% 安定配当、コア銘柄
ソフトバンク 約28,000円 100株 約3.8% 高配当、株主優待あり
三菱UFJフィナンシャル・グループ(単元未満株) 約7,000円 40株 約3.5% 金融セクター、金利上昇メリット

このポートフォリオでは、通信株2銘柄と金融株1銘柄に分散投資しています。NTTとソフトバンクは通信大手で安定配当が期待でき、ソフトバンクは株主優待(PayPayマネーライト1,000円分)も魅力です。

5万円の投資では年間配当金は約1,800円程度となり、配当利回り約3.6%を実現できます。通信株は景気の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄のため、初心者にも保有しやすいでしょう。

10万円で始めるポートフォリオ例

10万円の資金があれば、高配当株・成長株・割安株をバランスよく組み合わせた本格的なポートフォリオが構築できます。

銘柄名 投資額 株数 配当利回り 投資タイプ
商船三井 約48,000円 100株 約4.5% 高配当株
三菱UFJフィナンシャル・グループ 約18,000円 100株 約3.5% 割安株(PBR1倍割れ)
NTT 約15,000円 100株 約3.5% 安定配当株
東京エレクトロン(単元未満株) 約19,000円 1株 約1.5% 成長株(半導体関連)

このポートフォリオでは、高配当株・割安株・安定配当株・成長株をバランスよく組み合わせています。商船三井は配当利回り4.5%の高配当株、三菱UFJフィナンシャル・グループはPBR1倍割れの割安株、NTTは安定配当株、東京エレクトロンはAI需要で成長が期待される半導体関連株です。

10万円の投資では年間配当金は約3,800円程度となり、配当利回り約3.8%を実現できます。さらに東京エレクトロンの株価上昇により、値上がり益も期待できるバランスの取れたポートフォリオといえるでしょう。

株を買うのにおすすめの証券会社5社

株式投資を始めるには、証券会社で口座を開設する必要があります。証券会社選びは投資の成功を左右する重要な要素です。ここでは初心者におすすめの証券会社5社を紹介します。

SBI証券|口座数No.1の総合力

SBI証券の画像
項目 内容
口座数 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む)
取引手数料 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。
NISA対応
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点
成長投資枠対象商品 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点)
投資信託 約2,550本 ※2025年3月3日時点
外国株 8カ国/米国株式(5,000銘柄)
取引ツール(PC) HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー
スマホアプリ SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD
提携銀行口座 SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行
ポイント投資・付与 Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立)
口座開設スピード 最短 翌営業日

SBI証券は口座数約1,500万口座を誇る国内最大手のネット証券です。株式の現物取引・信用取引の手数料が原則無料となっており、コストを抑えた投資が可能です。

投資信託の取扱本数は約2,600本と業界トップクラスで、NISA口座でも幅広い選択肢があります。また、S株(単元未満株)サービスでは約3,500銘柄を1株から購入でき、少額投資にも対応しています。

外国株式は米国・中国・韓国など8カ国に対応し、米国株は約5,000銘柄を取り扱っています。IPO(新規公開株)の取扱実績も年間78銘柄(2024年実績)と豊富で、投資の選択肢が非常に広いのが特徴です。

さらに、Vポイント・Pontaポイント・dポイント・JALポイント・PayPayポイントの5種類のポイントに対応しており、投資でポイントを貯めたり、ポイントで投資したりできます。総合的なサービスの充実度から、初心者から上級者まで幅広く利用されている証券会社です。

楽天証券|楽天ポイントが貯まる

楽天証券LP画像
項目 内容
口座数 約12,000,000口座 ※2025年1月時点
取引手数料 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。
NISA対応 〇(新NISA対応)
つみたて投資枠取扱銘柄数 263銘柄 ※2025年4月24日時点
成長投資枠対象商品 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄)
投資信託 約2,550本 ※2025年4月24日時点
外国株 6カ国/米国株式(約4,500銘柄)
取引ツール(PC) マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4
スマホアプリ iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物
提携銀行口座 楽天銀行(マネーブリッジ)
ポイント投資・付与 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>)
口座開設スピード 最短 翌営業日

楽天証券は口座数約1,200万口座を持つ大手ネット証券で、楽天経済圏を活用したポイント投資が魅力です。株式の現物取引は原則無料、投資信託の取扱本数は約2,550本と充実しています。

楽天証券の最大の特徴は、楽天ポイントとの連携です。株式や投資信託の購入で楽天ポイントが貯まり、貯まったポイントで投資もできます。楽天カードや楽天銀行と連携させることで、さらにポイント還元率が高まります。

かぶミニ®(単元未満株)サービスでは約2,100銘柄を1株から購入でき、少額投資にも対応しています。外国株式は米国・中国・アセアンなど6カ国に対応し、米国株は約4,500銘柄を取り扱っています。

取引ツールの「MARKET SPEED Ⅱ」は高機能で使いやすく、リアルタイムの株価情報やチャート分析機能が充実しています。楽天経済圏を利用している方には特におすすめの証券会社です。

マネックス証券|米国株に強い

マネックス証券のLP画像
項目 内容
口座数 約2,700,000口座 ※2025年2月時点
取引手数料 【取引毎手数料コース】
  • 5万円以下:55円(税込)

  • 5万超~10万円以下:99円

  • 10万超~20万円以下:115円

  • 20万超~50万円以下:275円

  • 50万超~100万円以下:535円

  • 100万超~150万円以下:640円

  • 150万超~3,000万円以下:1,013円

  • 3,000万円超:1,070円

NISA対応 〇(日本株・米国株・中国株・投資信託の売買手数料が無料)
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(銘柄数は公式サイトで確認)
成長投資枠対象商品 国内株 / 米国株 / 中国株 / 投資信託(約1,750本以上)
投資信託 約1,800本(購入時手数料すべて無料)
外国株 2カ国/米国株:約5,000銘柄以上(2025年1月27日時点)
取引ツール(PC) マネックストレーダー / 銘柄スカウター
スマホアプリ マネックス証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ
提携銀行口座 マネックス証券専用銀行口座(詳細は公式サイトで確認)
ポイント投資・付与 マネックスポイント / dポイント(投資信託の積立に利用可能)
口座開設スピード オンライン申込で最短翌営業日

マネックス証券は口座数約270万口座を持つネット証券で、特に米国株投資に強みがあります。米国株の取扱銘柄数は約5,000銘柄と業界トップクラスで、米国株投資を重視する方におすすめです。

株式の現物取引手数料は55円~1,070円(税込)、投資信託の取扱本数は約1,800本と充実しています。ワン株(単元未満株)サービスでは約1,500銘柄を1株から購入でき、少額投資にも対応しています。

マネックス証券の特徴は、投資情報の充実度です。レポートやセミナーが豊富で、投資初心者向けの教育コンテンツも充実しています。また、マネックスポイントやdポイントが貯まり、ポイント投資も可能です。

IPOの取扱実績は年間54銘柄(2024年実績)と豊富で、完全平等抽選を採用しているため、資金量に関係なく当選のチャンスがあります。米国株投資や投資情報を重視する方に適した証券会社です。

松井証券|25歳以下は手数料無料

松井証券のLP画像
項目 内容
口座数 約1,670,000口座 ※2025年3月時点
取引手数料 【ボックスレート(1日定額制)】 1日の約定代金合計50万円まで:0円 50万円超:1,000円(税込1,100円)~※25歳以下なら約定代金に関わらず手数料無料
NISA対応 〇(日本株、米国株、投資信託すべて売買手数料無料)
つみたて投資枠取扱銘柄数 〇(銘柄数は公式サイトで確認)
成長投資枠対象商品 国内株 / 米国株 / 投資信託(約1,800本以上)
投資信託 約1,900本以上(購入時手数料すべて無料)
外国株 米国株:約4,900銘柄(2025年4月23日時点)
取引ツール(PC) ネットストック・ハイスピード(無料)
スマホアプリ 日本株アプリ / 投信アプリ / 米国株アプリ(すべて無料)
提携銀行口座 MATSUI Bank(松井証券専用銀行)
ポイント投資・付与 松井証券ポイント(投資信託の積立に利用可能)
口座開設スピード 最短即日(スマートフォンによるオンライン申込)

松井証券は口座数約160万口座を持つ老舗のネット証券で、25歳以下の手数料無料が最大の特徴です。25歳以下なら現物取引・信用取引ともに手数料が無料となり、若年層の投資家に人気があります。

25歳以下でなくても、1日の約定代金合計が50万円までなら現物取引・信用取引ともに手数料無料です。少額投資を中心に行う初心者にとって、コストを抑えた投資が可能となります。

投資信託の取扱本数は約1,900本、つみたてNISA対象ファンドは約250本と充実しています。外国株式は米国株のみの取扱で約4,900銘柄に対応しています。

松井証券は創業100年以上の歴史を持ち、サポート体制が充実しているのも特徴です。電話サポートの対応が丁寧で、投資初心者でも安心して利用できます。若年層や少額投資を中心に行う方におすすめの証券会社です。

DMM株|手数料が安い

DMM株の画像
項目 内容
口座数 非公開
取引手数料 【国内株式】 ~5万円:55円 ~10万円:88円 ~20万円:106円 ~50万円:198円 ~100万円:374円 ~150万円:440円 ~300万円:660円 300万円超:880円※信用取引手数料は0円、25歳以下は実質手数料0円(キャッシュバック)
NISA対応 〇(新NISA・成長投資枠/国内株・米国株、取引手数料無料)
つみたて投資枠取扱銘柄数 取扱なし
成長投資枠対象商品 国内株 / 米国株
投資信託 取扱なし
外国株 米国株:約1,950銘柄(2025年4月時点)
取引ツール(PC) DMM株 PRO+ / DMM株 STANDARD
スマホアプリ DMM株アプリ(かんたんモード/ノーマルモード)
提携銀行口座 約340行に対応(ゆうちょ、みずほ、三菱UFJ、住信SBIなど)
ポイント投資・付与 取引手数料の1%をDMM株ポイントで還元(1pt=1円で現金化可)
口座開設スピード 最短即日(スマホでスピード本人確認)

DMM株は口座数約100万口座を持つネット証券で、手数料の安さが魅力です。現物取引の手数料は55円~880円(税込)と業界最安水準で、25歳以下なら実質無料となります。信用取引の手数料は0円です。

DMM株の特徴は、シンプルで分かりやすいサービス設計です。投資信託の取扱はありませんが、株式投資に特化することで、初心者でも迷わず利用できるインターフェースを実現しています。

外国株式は米国株のみの取扱で約1,950銘柄に対応しています。NISA口座は成長投資枠のみ対応で、つみたて投資枠は利用できない点に注意が必要です。

DMM株ポイントが貯まり、貯まったポイントは現金化できます。取引ツールの「DMM株 PRO+」は高機能で、リアルタイムの株価情報やチャート分析機能が充実しています。手数料を抑えて株式投資を行いたい方におすすめの証券会社です。

株を買う手順|口座開設から購入まで

株式投資を始めるには、証券口座の開設から実際の株式購入まで、いくつかのステップがあります。ここでは初心者向けに具体的な手順を解説します。

証券口座を開設する

株式投資を始めるには、まず証券会社で口座を開設する必要があります。口座開設の手順は以下の通りです。

1. 証券会社のサイトで申し込む

証券会社の公式サイトにアクセスし、「口座開設」ボタンをクリックします。メールアドレスを登録すると、口座開設申込フォームのURLが送られてきます。

2. 本人確認書類をアップロード

マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなどの本人確認書類をスマートフォンで撮影し、画像をアップロードします。最近では、マイナンバーカードを使ったオンライン本人確認に対応している証券会社も多く、最短即日で口座開設が完了します。

3. 口座の種類を選択

特定口座(源泉徴収あり)を選ぶと、証券会社が自動的に税金を計算・納付してくれるため、確定申告が不要になり便利です。また、NISA口座を同時に開設することもできます。

4. 審査完了・口座開設

申込内容を確認し、送信すると、証券会社による審査が行われます。審査に通過すると、ログインIDとパスワードが郵送またはメールで送られてきます。これで口座開設は完了です。

入金する

口座開設が完了したら、証券口座に投資資金を入金します。入金方法はいくつかあります。

最も簡単な方法は、インターネットバンキングを利用した即時入金サービスです。証券会社のサイトにログインし、「入金」メニューから入金額を指定すると、銀行口座から証券口座へ即座に資金が移動します。手数料は無料で、24時間いつでも入金できます。

銀行振込を利用する方法もあります。証券会社が指定する銀行口座に振り込むことで、証券口座に入金されます。ただし、振込手数料は自己負担となり、入金反映までに時間がかかる場合があります。

一部の証券会社では、ATMからの入金にも対応しています。証券会社が提携する銀行のATMから、証券口座へ直接入金できます。初心者は、手数料無料で即時反映されるインターネットバンキングを利用した入金がおすすめです。

銘柄を検索・選択する

証券口座に入金が完了したら、購入したい銘柄を検索します。証券会社のサイトには銘柄検索機能があり、さまざまな条件で銘柄を探せます。

銘柄名や銘柄コード(4桁の数字)で検索する方法が最も簡単です。例えば「トヨタ自動車」や「7203」と入力すれば、該当する銘柄が表示されます。また、業種や配当利回り、PER、PBRなどの条件を指定して、条件に合う銘柄を絞り込むスクリーニング機能も便利です。

銘柄を選択すると、株価チャート、業績情報、配当利回り、PER、PBRなどの詳細情報が表示されます。これらの情報を確認し、投資判断を行います。また、企業の公式サイトやIR情報(投資家向け情報)も確認することで、より深く企業を理解できるでしょう。

注文を出す

購入したい銘柄が決まったら、注文を出します。株式の注文方法には、指値注文と成行注文の2種類があります。

指値注文は、購入したい価格を指定する注文方法です。例えば「1,000円で100株買いたい」と指定すると、株価が1,000円以下になったときに注文が成立します。希望する価格で購入できるメリットがありますが、株価が指定価格に達しないと注文が成立しない可能性があります。

成行注文は、価格を指定せずに注文する方法です。「いくらでもいいから100株買いたい」という注文で、現在の市場価格で即座に注文が成立します。確実に購入できるメリットがありますが、想定よりも高い価格で購入してしまう可能性があります。

注文画面で、銘柄名・株数・注文方法(指値or成行)・注文価格(指値の場合)・注文期間を入力し、注文内容を確認して送信します。注文が成立すると、証券口座の「保有株式」に反映されます。初心者は、まず少額から始めて、注文の流れに慣れることをおすすめします。

初心者が気をつけたい7つのこと

株式投資で成功するためには、初心者が陥りやすい失敗パターンを知り、事前に対策を講じることが重要です。ここでは初心者が特に注意すべき7つのポイントを解説します。

一つの銘柄に集中投資しない

初心者が最も陥りやすい失敗は、一つの銘柄に資金を集中させることです。特定の銘柄に期待して全資金を投じると、その銘柄が下落した場合に大きな損失を被ります。

株式投資では「卵を一つのカゴに盛るな」という格言があります。複数の銘柄に分散投資することで、一つの銘柄が下落しても他の銘柄でカバーできる可能性が高まります。最低でも3~5銘柄に分散し、業種も分散させることをおすすめします。

また、同じ業種の銘柄ばかりに投資すると、その業種全体が不振になったときにポートフォリオ全体が下落します。金融・通信・製造業など、異なる業種に分散投資することで、リスクを軽減できるでしょう。

短期的な値動きに一喜一憂しない

株価は日々変動するため、短期的な値動きに一喜一憂してしまう初心者は少なくありません。株価が下がると不安になって売却し、上がると欲が出て買い増すという行動は、損失を拡大させる原因となります。

株式投資では、短期的な値動きよりも企業の長期的な成長に注目することが重要です。優良企業でも一時的に株価が下落することはありますが、業績が好調であれば中長期的には株価は回復する傾向があります。

毎日株価をチェックするのではなく、週に1回程度の確認にとどめることで、精神的な負担を軽減できます。長期的な視点を持ち、企業の成長を信じて保有し続けることが、株式投資で成功する秘訣です。

損切りルールを決めておく

株価が下落したときに、「いつか戻るだろう」と期待して保有し続けると、損失がさらに拡大する可能性があります。損切り(損失を確定させて売却すること)のルールを事前に決めておくことが重要です。

一般的な損切りルールは、購入価格から10~20%下落したら売却するというものです。例えば1,000円で購入した株が800円まで下落したら、損切りして損失を限定します。損切りは精神的に辛い判断ですが、大きな損失を防ぐために必要な行動です。

ただし、一時的な下落で慌てて損切りすると、その後株価が回復して機会損失となる場合もあります。企業の業績や財務状況を確認し、構造的な問題がある場合は早めに損切りし、一時的な下落であれば保有を継続するという判断が重要です。

SNSの情報を鵜呑みにしない

最近では、SNSで株式投資の情報が多く流れていますが、すべての情報が正確とは限りません。特に「この銘柄が急騰する」といった煽り情報や、根拠のない推奨情報には注意が必要です。

SNSの情報は、発信者の意図や利益が絡んでいる場合があります。特定の銘柄を推奨することで、自分が保有している株を高値で売り抜けようとする「仕手筋」の可能性もあります。SNSの情報は参考程度にとどめ、必ず自分で企業の業績や財務状況を確認してから投資判断を行いましょう。

信頼できる情報源は、企業の公式サイトやIR情報、金融庁や証券取引所の公式情報です。これらの一次情報を確認する習慣をつけることが、投資判断の精度を高める鍵となります。

手数料を確認する

株式投資では、売買のたびに手数料がかかります。手数料は証券会社によって異なり、積み重なると大きな金額になるため、事前に確認することが重要です。

最近では、SBI証券や楽天証券など、株式の現物取引手数料が無料の証券会社も増えています。手数料無料の証券会社を選ぶことで、コストを抑えた投資が可能です。特に少額投資や頻繁に売買する場合は、手数料の影響が大きくなるため注意が必要です。

また、NISA口座では多くの証券会社が手数料無料としています。NISA口座を活用することで、手数料と税金の両方を節約できるため、初心者には特におすすめです。

決算発表や業績をチェックする

株式投資では、企業の決算発表や業績をチェックすることが重要です。決算発表では、売上高・営業利益・純利益などの業績が公表され、株価に大きな影響を与えます。

上場企業は年4回(四半期ごと)決算を発表します。決算発表の日程は企業のIR情報ページで確認できます。決算発表では、業績が市場予想を上回れば株価は上昇し、下回れば株価は下落する傾向があります。

また、企業が業績予想を上方修正すれば株価は上昇し、下方修正すれば株価は下落します。保有している銘柄の決算発表日は必ずチェックし、業績の推移を把握することで、適切な投資判断ができるようになります。

余裕資金で投資する

株式投資は、必ず余裕資金で行うことが鉄則です。生活費や近い将来使う予定のあるお金を投資に回すと、株価が下落したときに生活に支障をきたす可能性があります。

余裕資金とは、当面使う予定のないお金のことです。一般的には、生活費の3~6カ月分を緊急予備資金として確保し、それ以外の余裕資金で投資を行うことが推奨されています。

また、株式投資では元本保証がないため、投資した資金が減少する可能性があることを理解しておく必要があります。精神的な余裕を持って投資を続けるためにも、無理のない金額で投資を始めることが重要です。

まとめ

株式投資は、適切な知識と戦略を持って取り組めば、長期的な資産形成に有効な手段となります。この記事では、株式投資の基本から銘柄の選び方、証券会社の選び方、実際の購入手順まで解説しました。

銘柄選びでは、配当利回り・財務健全性・成長性・最低投資額・身近さという5つの基準を意識することが重要です。高配当株は安定した配当収入を、成長株は値上がり益を、割安株は株価の回復による利益を狙えます。ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、適切な銘柄を選びましょう。

証券会社選びでは、手数料・取扱銘柄数・ポイント還元・サポート体制などを比較し、自分に合った証券会社を選ぶことが大切です。SBI証券や楽天証券など、手数料無料で投資できる証券会社を活用することで、コストを抑えた投資が可能となります。

また、NISA口座を活用すれば、配当金や売却益が非課税となり、税制優遇を受けながら効率的な資産形成ができます。分散投資を心がけ、短期的な値動きに惑わされず、長期的な視点で投資を続けることが成功の鍵です。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しい投資情報や最新の制度については、金融庁や各証券会社の公式サイトでご確認ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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