米国株の高配当銘柄おすすめ|選び方と投資のコツ

「四大証券会社」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
実は、現在は「四大」ではなく「五大証券」が正式な呼び方になっています。
1997年に山一證券が破綻したことで業界再編が進み、現在は野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の5社が大手証券会社として知られています。
この記事では、歴史的な四大証券から現在の五大証券への変遷、各社の特徴や強み、そして自分に合った証券会社の選び方まで詳しく解説します。
対面証券とネット証券の違いや、手数料体系、投資を始める前に知っておくべきリスクについても分かりやすく説明しますので、証券会社選びの参考にしてください。
目次
四大証券会社とは?今は「五大証券」が正式な呼び方
「四大証券会社」という言葉は、かつて日本の証券業界を牽引していた4つの大手証券会社を指す呼び方でした。しかし、1997年の山一證券破綻を機に業界再編が進み、現在は「五大証券」という呼び方が一般的になっています。
ここでは、歴史的な四大証券から現在の五大証券への変遷を詳しく見ていきましょう。
歴史的な「四大証券」とは、野村證券、大和証券、日興証券(現SMBC日興証券)、山一證券の4社を指していました。
これらの証券会社は、戦後の日本経済の成長とともに発展し、1980年代から1990年代前半のバブル期には、日本の株式市場を牽引する存在として絶大な影響力を持っていました。
四大証券の主な業務
個人投資家向けのリテール業務
企業の資金調達を支援する投資銀行業務
IPO(新規株式公開)の主幹事業務
当時の四大証券は、全国に多数の店舗網を展開し、対面での営業活動を通じて個人投資家との信頼関係を築いていました。証券営業マンが顧客を訪問し、投資情報を提供しながら取引を勧めるスタイルが主流だった時代です。
四大証券という呼び方は、この時代の証券業界の構造を象徴する言葉として定着しました。
1997年11月、四大証券の一角を占めていた山一證券が自主廃業を発表しました。
これは、バブル崩壊後の不良債権問題や簿外債務の発覚が原因でした。当時の社長が記者会見で涙ながらに「社員は悪くありませんから」と訴えた姿は、日本経済史に残る象徴的な場面として記憶されています。
山一證券の破綻は、日本の金融業界全体に大きな衝撃を与えました。「大手証券会社は絶対に潰れない」という神話が崩れ、投資家の証券会社に対する信頼が大きく揺らぐきっかけとなりました。
この事件を受けて、金融庁は投資者保護基金の設立や分別管理の徹底など、投資家保護の仕組みを強化しました。
山一證券の破綻後、証券業界では大規模な再編が進みました。日興証券は三井住友フィナンシャルグループの傘下に入り、SMBC日興証券となりました。また、新光証券とみずほ証券が統合してみずほ証券が誕生し、三菱UFJ証券とモルガン・スタンレー証券が統合して三菱UFJモルガン・スタンレー証券が設立されるなど、メガバンクグループとの連携が強化されました。
こうした再編を経て、現在の「五大証券」という業界構造が形成されたのです。
現在の「五大証券」とは、野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の5社を指します。
これらの証券会社は、預り資産、口座数、売上高のいずれにおいても業界トップクラスの規模を誇り、日本の証券業界を代表する存在となっています。
| 証券会社名 | 特徴 |
| 野村證券 | 業界最大手、総合的な金融サービス |
| 大和証券 | 独立系、リテール業務に強み |
| SMBC日興証券 | 三井住友FG傘下、銀行との連携 |
| みずほ証券 | みずほFG傘下、投資銀行業務に強み |
| 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 三菱UFJFG傘下、グローバルな投資銀行業務 |
これら五大証券は、それぞれ異なる強みを持ちながら、日本の資本市場を支える重要な役割を果たしています。
大手証券会社5社の特徴を比較
五大証券はそれぞれ異なる強みと特徴を持っています。ここでは、各社の基本情報、サービス内容、そして他社との違いを詳しく比較していきます。
自分の投資スタイルや目的に合った証券会社を選ぶための参考にしてください。
野村證券は、日本の証券業界で最大手の地位を維持し続けている総合証券会社です。1925年の創業以来、100年近い歴史を持ち、国内外で幅広い金融サービスを提供しています。
預り資産は約130兆円と業界トップクラスで、口座数も約550万口座を誇ります。
野村證券の強み
リテール、ホールセール、アセットマネジメントすべてで高い競争力
IPO主幹事実績業界トップ(2024年16社)
全国約150店舗のネットワーク
富裕層向け専門部門「野村ウェルス・パートナーズ」
野村證券は、グローバルな投資機会へのアクセスも充実しており、米国、中国、香港、シンガポールなど4カ国の外国株式を取り扱っています。投資信託も約900本と豊富で、国内外の多様な資産に投資できる環境が整っています。
業界最大手ならではの情報力とサービスの質の高さが、野村證券の大きな魅力です。
大和証券は、メガバンクグループに属さない独立系の総合証券会社として、個人投資家向けのリテール業務に強みを持っています。
1902年の創業以来、120年以上の歴史を持ち、全国約120店舗を展開しています。預り資産は約90兆円、口座数は約350万口座と、業界第2位の規模を誇ります。
独立系ならではの中立的な立場から、幅広い金融商品を提案できることが大和証券の特徴です。特定の銀行グループに属していないため、複数の金融機関の商品を比較しながら、顧客に最適な提案ができる立場にあります。
投資信託の取扱本数は約1,200本と豊富で、国内外の多様な資産に投資できます。また、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度にも積極的に対応しており、長期的な資産形成をサポートする体制が整っています。
オンライン取引サービス「ダイワ・ダイレクト」では、店頭よりも割安な手数料で取引できるため、コストを抑えたい投資家にも対応しています。
対面での丁寧なサポートと、独立系ならではの中立的な提案力が、大和証券の大きな強みです。
SMBC日興証券は、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の一員として、銀行との連携を活かした総合的な金融サービスを提供しています。
2009年に三井住友フィナンシャルグループの傘下に入り、現在は約400万口座、預り資産約60兆円を誇る大手証券会社です。
SMBC日興証券の特徴
三井住友銀行との連携による総合的な金融サービス
IPO取扱実績豊富(2024年52銘柄、主幹事22社)
外国株式は米国と中国の2カ国で約2,200銘柄
Vポイント・dポイントが貯まる
銀行口座と証券口座を連携させることで、資金移動がスムーズになり、総合的な資産管理がしやすくなります。また、三井住友銀行の全国的な店舗網を活用して、銀行窓口でも証券サービスの相談ができる体制が整っています。
オンライン取引サービス「日興イージートレード」では、店頭よりも割安な手数料で取引できます。銀行との連携を活かした総合的なサービスが、SMBC日興証券の大きな魅力です。
みずほ証券は、みずほフィナンシャルグループの証券部門として、企業向けの投資銀行業務に強みを持つ総合証券会社です。
2009年に新光証券とみずほインベスターズ証券が統合して誕生しました。口座数は約170万口座、預り資産は約50兆円の規模を持ちます。
みずほ証券の特徴は、企業向けの投資銀行業務における高い実績です。M&A(企業の合併・買収)のアドバイザリー業務、企業の資金調達支援、IPO支援など、法人向けサービスで強みを発揮しています。2024年には43銘柄のIPOを取り扱い、そのうち19社で主幹事を務めました。
個人投資家向けには、みずほ銀行との連携を活かした総合的な資産管理サービスを提供しています。銀行口座と証券口座を連携させることで、資金移動がスムーズになり、給与振込口座からの自動入金設定なども可能です。
外国株式の取扱いも充実しており、米国、中国、香港、シンガポール、タイ、インドネシアの6カ国で約6,500銘柄を取り扱っています。特に、アジア新興国の株式取扱いでは業界トップクラスの品揃えを誇ります。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJフィナンシャル・グループとモルガン・スタンレーの合弁会社として、グローバルな投資銀行業務を展開しています。
2010年に三菱UFJ証券とモルガン・スタンレー証券が統合して誕生しました。口座数は約400万口座、預り資産は約40兆円の規模を持ちます。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の強み
モルガン・スタンレーのグローバルネットワーク
外国株式は14カ国と業界トップクラスの取扱国数
IPO業務で高い実績(2024年21銘柄、主幹事9社)
富裕層向け「ウェルスマネジメント」サービス
この証券会社の最大の強みは、モルガン・スタンレーという世界的な投資銀行のネットワークを活用できることです。グローバルな投資機会へのアクセス、海外企業の情報、国際的なM&Aのサポートなど、他の国内証券会社にはない強みを持っています。
個人投資家向けには、三菱UFJ銀行との連携を活かしたサービスを提供しています。銀行口座と証券口座の連携、総合的な資産管理、相続対策など、ライフステージに応じた幅広いサービスが利用できます。
グローバルな投資機会を求める投資家や、国際的な視点での資産管理を希望する富裕層にとって、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は魅力的な選択肢です。
業績で比較
五大証券の規模を客観的に比較するために、預り資産、口座数、売上高という3つの指標でランキングを見ていきましょう。
預り資産とは、証券会社が顧客から預かっている株式、投資信託、債券などの資産の総額を指します。この数値が大きいほど、多くの投資家から信頼されている証拠と言えます。
| 順位 | 証券会社名 | 預り資産 |
| 1位 | 野村證券 | 約130兆円 |
| 2位 | 大和証券 | 約90兆円 |
| 3位 | SMBC日興証券 | 約60兆円 |
| 4位 | みずほ証券 | 約50兆円 |
| 5位 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 約40兆円 |
野村證券と大和証券の上位2社で、五大証券全体の預り資産の約6割を占めており、この2社の存在感の大きさが分かります。
口座数は、その証券会社で取引口座を開設している顧客の数を示します。口座数が多いほど、幅広い層の投資家に利用されていることを意味します。
| 順位 | 証券会社名 | 口座数 |
| 1位 | 野村證券 | 約550万口座 |
| 2位 | SMBC日興証券 | 約400万口座 |
| 3位 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 約400万口座 |
| 4位 | 大和証券 | 約350万口座 |
| 5位 | みずほ証券 | 約170万口座 |
野村證券は預り資産だけでなく口座数でもトップで、幅広い顧客基盤を持っていることが分かります。SMBC日興証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、メガバンクグループとの連携により、銀行顧客からの口座開設が多いことが特徴です。
売上高と営業利益は、証券会社の経営規模と収益力を示す重要な指標です。売上高は手数料収入やトレーディング収益などの総額、営業利益は売上から経費を差し引いた利益を指します。
| 順位 | 証券会社名 | 売上高(2024年3月期) | 営業利益(2024年3月期) |
| 1位 | 野村證券 | 約2兆円 | 約3,000億円 |
| 2位 | 大和証券 | 約1.5兆円 | 約2,000億円 |
| 3位 | SMBC日興証券 | 約8,000億円 | 約1,200億円 |
| 4位 | みずほ証券 | 約7,000億円 | 約1,000億円 |
| 5位 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 約6,000億円 | 約900億円 |
野村證券と大和証券は、売上高・営業利益ともに他社を大きく引き離しており、業界をリードする存在であることが数字からも明らかです。
対面証券とネット証券の違い
証券会社を選ぶ際に最初に考えるべきは、対面証券とネット証券のどちらを選ぶかという点です。
それぞれにメリット・デメリットがあり、自分の投資スタイルや知識レベルに合わせて選ぶことが大切です。
対面証券のメリットは、専門家である証券営業マンから直接アドバイスを受けられることです。
投資初心者にとって、どの銘柄を選べばよいか、どのタイミングで売買すればよいかを判断するのは難しいものです。対面証券では、担当者が顧客の投資目的やリスク許容度をヒアリングした上で、最適な投資プランを提案してくれます。
| メリット | デメリット |
| 専門家のアドバイスが受けられる | 手数料が高い(ネット証券の数倍~10倍以上) |
| 市場動向や銘柄情報を定期的に提供 | 不要な商品を勧められるリスク |
| 資産承継・相続対策など総合的なサービス | 営業時間内に店舗に行く必要がある |
| 対面で相談できる安心感 | 営業マンの販売ノルマによる偏った提案の可能性 |
また、市場の動向や個別銘柄の情報を定期的に提供してくれるため、自分で情報収集する手間が省けます。富裕層向けには、資産承継や相続対策など、総合的な資産管理サービスも提供されます。
ネット証券のメリットは、何と言っても手数料の安さです。
多くのネット証券では、株式の現物取引手数料が無料、または数十円から数百円という低コストで取引できます。長期的に投資を続ける場合、手数料の差は運用成績に大きく影響するため、コストを抑えられることは大きなメリットです。
| メリット | デメリット |
| 手数料が安い(無料~数百円) | すべて自分で判断する必要がある |
| 24時間いつでもオンラインで取引可能 | 投資初心者には銘柄選びが難しい |
| 投資信託の取扱本数が多い | 専門家のアドバイスがない |
| NISA・iDeCoに積極対応 | オンライン操作に不慣れな人には難しい |
また、24時間いつでもオンラインで取引できる利便性も魅力です。スマートフォンアプリを使えば、通勤時間や昼休みなど、好きな時間に取引や情報収集ができます。
また、両方を併用するという選択肢もあります。例えば、メインの資産運用はネット証券で行い、複雑な金融商品や大きな投資判断が必要な場合だけ対面証券を利用するという方法です。
自分の投資スタイルや知識レベル、運用資金の規模に応じて、最適な証券会社を選びましょう。
手数料はどれくらい?対面証券の料金体系を解説
対面証券とネット証券の大きな違いの一つが手数料です。ここでは、対面証券の手数料体系と、ネット証券との具体的な違いを見ていきましょう。
対面証券の手数料は、ネット証券と比べて高く設定されています。これは、店舗の運営費用や営業マンの人件費、顧客へのサポートコストが含まれているためです。
株式の売買手数料は、約定金額(取引金額)に応じて決まる従量制が一般的です。
例えば、野村證券の店頭取引の場合、約定金額100万円までの取引では約定金額の1%程度、100万円を超える取引では約定金額の0.8%程度の手数料がかかります。具体的には、100万円の株式を購入する場合、手数料は約1万円となります。
さらに、投資信託を購入する場合は、購入時手数料(販売手数料)が購入金額の1%~3%程度かかることが一般的です。
ただし、対面証券でもオンライン取引を選択すれば、店頭取引よりも割安な手数料で取引できます。例えば、SMBC日興証券のダイレクトコースでは、約定金額100万円までの取引で137円~1,650円の手数料で取引できます。
ネット証券の手数料は、対面証券と比べて大幅に安く設定されています。
多くのネット証券では、株式の現物取引手数料が無料、または数十円から数百円という低コストで取引できます。例えば、SBI証券や楽天証券では、国内株式の現物取引手数料が原則無料です。
| 取引金額 | 対面証券(野村證券店頭) | ネット証券(SBI証券) |
| 100万円 | 約1万円 | 無料 |
| 500万円 | 約4万円 | 無料 |
| 1,000万円 | 約8万円 | 無料 |
投資信託も、購入時手数料が無料(ノーロード)の商品が多く、コストを抑えて投資できます。
年間に何度も取引を行う場合、この手数料の差は運用成績に大きく影響します。例えば、年間10回の取引を行う場合、対面証券では年間10万円の手数料がかかりますが、ネット証券では無料~数千円で済みます。
ただし、手数料が安いからといって、必ずしもネット証券が優れているわけではありません。対面証券では、専門家のアドバイスや情報提供、総合的な資産管理サービスなど、手数料に見合う価値が提供されています。
証券会社の選び方
証券会社を選ぶ際には、複数の観点から比較検討することが大切です。ここでは、証券会社選びの5つのポイントを詳しく解説します。
まず最初に考えるべきは、自分の投資スタイルです。投資初心者で専門家のアドバイスを受けたい人、まとまった資金を運用したい人、複雑な金融商品に投資したい人は、対面証券が適しています。
一方、投資の知識があり自分で判断できる人、手数料を抑えたい人、好きな時間に取引したい人は、ネット証券が適しています。また、両方を併用するという選択肢もあります。
自分の投資スタイルを明確にすることが、証券会社選びの第一歩です。
証券会社によって、取り扱っている商品の種類や数が異なります。
証券会社によって、提供しているサービス内容も異なります。
富裕層向けには、資産承継や相続対策、税務相談など、総合的な資産管理サービスを提供している証券会社があります。野村證券の「野村ウェルス・パートナーズ」、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の「ウェルスマネジメント」などが代表的です。
一方、投資初心者向けには、投資教育セミナーや分かりやすい情報提供、少額から始められるサービスが充実している証券会社が適しています。
手数料は証券会社選びの重要なポイントですが、単純に安ければよいというわけではありません。
ネット証券は手数料が安い一方、対面証券は手数料が高くても専門家のサポートや情報提供など、付加価値が提供されています。自分が求めるサービス内容と手数料のバランスを考えて選ぶことが大切です。
頻繁に取引する人や長期投資をする人は、手数料の差が運用成績に大きく影響するため、コストを重視すべきです。一方、まとまった資金を運用する人や複雑な投資判断が必要な人は、手数料よりもサービスの質を重視すべきでしょう。
証券会社の信頼性も重要な選択基準です。預り資産や口座数が多い証券会社は、多くの投資家から信頼されている証拠と言えます。
また、メガバンクグループに属している証券会社は、グループ全体の総合力を活かしたサービスを提供できます。さらに、IPO主幹事実績が豊富な証券会社は、企業からの信頼も厚いと言えます。
信頼性の高い証券会社を選ぶことで、安心して投資を続けられるでしょう。
投資を始める前に知っておきたいこと
証券会社を選んで口座を開設する前に、投資の基本的な知識とリスクについて理解しておくことが大切です。ここでは、投資を始める前に知っておくべき重要なポイントを解説します。
投資において最も重要な原則は、「リスクとリターンは表裏一体」ということです。
高いリターンを期待できる投資商品は、同時に高いリスクも伴います。逆に、リスクが低い投資商品は、期待できるリターンも低くなります。
投資を始める際には、自分のリスク許容度を明確にすることが大切です。リスク許容度とは、どの程度の損失まで受け入れられるかという基準です。
また、分散投資によってリスクを軽減することも重要です。一つの銘柄や一つの資産クラスに集中投資すると、その銘柄や資産クラスの価格が下落した場合、大きな損失を被る可能性があります。複数の銘柄や資産クラス(株式、債券、不動産など)に分散投資することで、リスクを分散できます。
金融庁も、長期・積立・分散投資の重要性を推奨しています。
証券会社が破綻した場合、自分の資産はどうなるのか不安に思う人も多いでしょう。しかし、日本では投資家の資産を保護する仕組みが整備されています。
まず、証券会社は顧客から預かった資産を、証券会社自身の資産とは分けて管理することが法律で義務付けられています。これを「分別管理」と言います。分別管理により、証券会社が破綻しても、顧客の資産は保護されます。
さらに、万が一、証券会社が分別管理を適切に行っていなかった場合に備えて、「投資者保護基金」という制度があります。投資者保護基金は、証券会社が加入する基金で、証券会社が破綻した際に、顧客一人当たり1,000万円まで補償されます。
ただし、投資商品自体の価格変動によって生じた損失は、投資者保護基金の対象外です。例えば、株式の価格が下落して損失が出た場合、その損失は補償されません。投資者保護基金は、あくまで証券会社の破綻によって顧客資産が返還されない場合に備えた制度です。
投資を始める際には、税制優遇制度を活用することで、より効率的に資産形成ができます。代表的な税制優遇制度が、NISA(少額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)です。
NISAは、投資で得た利益が非課税になる制度です。2024年からの新NISAでは、非課税保有限度額が1,800万円に拡大され、非課税保有期間も無期限になりました。つみたて投資枠と成長投資枠の2種類があり、年間投資枠はつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。
NISAとiDeCoは、それぞれ異なる特徴を持つため、自分のライフプランに応じて使い分けることが大切です。NISAは、いつでも引き出せる柔軟性があるため、住宅購入資金や教育資金など、中期的な目標のための資産形成に適しています。
一方、iDeCoは、老後資金の準備に特化した制度で、所得控除のメリットが大きいため、長期的な資産形成に適しています。両方を併用することで、より効率的に資産形成ができるでしょう。
歴史的な「四大証券」とは、野村證券、大和証券、日興証券(現SMBC日興証券)、山一證券の4社を指していました。しかし、1997年に山一證券が破綻したことで、四大証券という呼び方は使われなくなりました。
現在は、野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の5社を「五大証券」と呼ぶのが一般的です。
対面証券の手数料は、ネット証券と比べて高く設定されています。これは、店舗の運営費用や営業マンの人件費、顧客へのサポートコストが含まれているためです。
しかし、対面証券では専門家のアドバイスや情報提供、総合的な資産管理サービスなど、手数料に見合う価値が提供されています。自分の投資スタイルや知識レベルに応じて、手数料とサービスのバランスを考えて選ぶことが大切です。
証券会社が破綻しても、顧客の資産は保護されます。証券会社は、顧客から預かった資産を証券会社自身の資産とは分けて管理することが法律で義務付けられています(分別管理)。
さらに、万が一、分別管理が適切に行われていなかった場合に備えて、投資者保護基金という制度があり、顧客一人当たり1,000万円まで補償されます。ただし、投資商品自体の価格変動による損失は補償の対象外です。
複数の証券会社を使い分けることは可能です。例えば、メインの資産運用はネット証券で行い、IPO投資や複雑な金融商品への投資は対面証券を利用するという方法があります。
また、NISA口座は一つの証券会社でしか開設できませんが、課税口座は複数の証券会社で開設できます。各証券会社の強みを活かして使い分けることで、より効率的な投資ができるでしょう。ただし、複数の口座を管理する手間がかかることも考慮する必要があります。
投資初心者におすすめの証券会社は、自分の投資スタイルによって異なります。自分で情報を集めて判断できる人、手数料を抑えたい人には、SBI証券や楽天証券などのネット証券がおすすめです。これらの証券会社は、手数料が安く、投資信託の取扱本数も豊富で、NISAやiDeCoにも対応しています。
一方、専門家のアドバイスを受けたい人、まとまった資金を運用したい人には、野村證券や大和証券などの対面証券がおすすめです。投資セミナーや勉強会も開催されているため、投資知識を深めながら資産形成ができます。
この記事では、歴史的な四大証券から現在の五大証券への変遷、各社の特徴や強み、そして証券会社の選び方について詳しく解説しました。
現在の五大証券は、野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の5社で、それぞれ異なる強みを持っています。
対面証券は手数料が高い一方、専門家のアドバイスや情報提供、総合的な資産管理サービスが受けられます。ネット証券は手数料が安く、24時間いつでも取引できる利便性がありますが、すべて自分で判断する必要があります。
自分の投資スタイルや知識レベル、運用資金の規模に応じて、最適な証券会社を選びましょう。
また、投資を始める前には、リスクとリターンの関係を理解し、分散投資によってリスクを軽減することが重要です。NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用することで、より効率的に資産形成ができます。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、慎重にご検討ください。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは各証券会社にご確認ください。
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