証券会社の中堅7社とは|特徴と選び方をわかりやすく解説

証券会社の中堅7社とは|特徴と選び方をわかりやすく解説

「証券会社の中堅7社って何?」と疑問に思ったことはありませんか。

証券業界には大手・準大手・中堅・地場といった分類があり、中堅7社はその中でも独自の強みを持つ証券会社のグループです。

この記事では、中堅7社の正式名称や特徴、大手証券やネット証券との違いをわかりやすく解説します。

対面サービスやIPO投資に興味がある方、地域密着型の証券会社を探している方に役立つ情報をまとめました。

中堅証券のメリット・デメリットや選び方のポイントも紹介しますので、自分に合った証券会社選びの参考にしてください。

この記事の要約
  • 中堅7社は藍澤證券、いちよし証券、岩井コスモ証券、極東証券、東洋証券、丸三証券、水戸証券の7社
  • 対面サービスとIPO投資の強みを持ち、地域密着型のきめ細かいサポートが特徴
  • 投資スタイル・地域・IPO実績で自分に合った証券会社を選ぶことが重要
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

証券会社の中堅7社とは|一覧と基本情報

証券会社の中堅7社とは、日本の証券業界で大手や準大手に次ぐ規模を持つ7つの証券会社のグループです。

対面サービスを中心に、地域密着型の営業を展開している点が共通の特徴です。

中堅7社の正式名称と読み方

中堅7社の正式名称

藍澤證券(あいざわしょうけん)

いちよし証券(いちよししょうけん)

岩井コスモ証券(いわいこすもしょうけん)

極東証券(きょくとうしょうけん)

東洋証券(とうようしょうけん)

丸三証券(まるさんしょうけん)

水戸証券(みとしょうけん)

これらの証券会社は、いずれも金融庁に登録された第一種金融商品取引業者であり、日本証券業協会にも加盟しています。

100年以上の歴史を持つ老舗企業も多く、長年にわたり投資家にサービスを提供してきた実績があります。

各社とも東京証券取引所に上場しており、経営の透明性が確保されています。

店舗網は全国に展開されており、対面での相談サービスを重視している点が特徴です。

「中堅7社」という呼び方の由来

「中堅7社」という呼び方は、証券業界内で使われる非公式な分類です。

日本証券業協会が公式に定めた分類ではありませんが、業界関係者や投資家の間で広く認知されている用語です。

この分類が生まれた背景には、証券業界の規模による階層構造があります。野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の5社が「五大証券」と呼ばれ、その下に準大手証券、そして中堅証券という順序で位置づけられています。

中堅7社は、大手や準大手ほどの規模ではないものの、地場証券よりも広域での営業展開を行っており、独自の強みを持つ証券会社として認識されています。

特にIPO(新規公開株)の引受実績や、地域密着型のサービスで差別化を図っています。

中堅7社の共通する特徴

中堅7社に共通する最大の特徴は、対面サービスを重視した営業スタイルです。全国に店舗網を展開し、顧客との直接的なコミュニケーションを大切にしています。

投資初心者や高齢者など、対面での相談を希望する顧客層に強みを持っています。

IPO投資においても独自の強みがあります。

大手証券に比べて申込者数が少ないため、IPOの当選確率が相対的に高くなる可能性があります。

地域密着型の営業も特徴の一つです。

地方都市や郊外にも店舗を構え、その地域の企業や投資家との関係を大切にしています。地元企業の株式公開支援や、地域の投資家向けセミナーの開催など、地域に根ざした活動を展開しています。

証券会社の分類|大手・準大手・中堅・地場の違い

証券業界は規模や営業スタイルによって、いくつかの階層に分類されています。

それぞれの分類には明確な定義があるわけではありませんが、業界内では一般的に認識されている区分です。この分類を理解することで、中堅7社の位置づけがより明確になります。

大手証券(五大証券)

大手証券は、野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の5社を指します。

これらは「五大証券」とも呼ばれ、日本の証券業界を代表する存在です。

預かり資産残高は数十兆円規模で、全国に数百店舗を展開しています。

IPOの主幹事実績も豊富で、大型案件を扱うことが多いのが特徴です。投資信託や債券、外国株式など、取扱商品の幅も広く、富裕層向けのサービスも充実しています。

対面サービスが中心ですが、近年はオンライン取引サービスも強化しています。

手数料は中堅証券やネット証券に比べて高めに設定されていますが、担当者による手厚いサポートが受けられる点が強みです。

準大手証券

準大手証券は、東海東京フィナンシャル・ホールディングス傘下の東海東京証券や、岡三証券ホールディングス傘下の岡三証券などが該当します。

五大証券に次ぐ規模を持ち、特定の地域や分野で強みを発揮しています。

店舗数は大手証券ほど多くありませんが、全国展開を行っており、地域によっては大手証券以上の存在感を持つこともあります。

中堅企業のIPO支援や、地方企業との関係構築に力を入れている会社が多いのが特徴です。

オンライン取引サービスも提供しており、対面サービスとオンラインサービスの両方を選択できる体制を整えています。

手数料は大手証券と中堅証券の中間程度に設定されていることが一般的です。

中堅証券

中堅証券は、本記事で紹介する中堅7社が代表的です。

藍澤證券、いちよし証券、岩井コスモ証券、極東証券、東洋証券、丸三証券、水戸証券の7社が、この分類に含まれます。

店舗数は数十店舗程度で、特定の地域や顧客層に特化したサービスを提供しています。対面サービスを重視しながらも、オンライン取引にも対応している会社が増えています。

IPO投資では、大手証券に比べて申込者数が少ないため、当選確率が高くなる可能性があります。

地域密着型の営業スタイルを取り、地元企業や地域の投資家との関係を大切にしています。投資セミナーや相談会を定期的に開催し、投資初心者へのサポートにも力を入れています。

地場証券

地場証券は、特定の都道府県や地域に特化した証券会社です。

北海道証券、東武証券、髙木証券など、地域名を冠した会社が多いのが特徴です。

店舗数は数店舗から十数店舗程度で、営業エリアも限定的です。

しかし、その地域における存在感は大きく、地元企業の株式公開支援や、地域の投資家との密接な関係構築に強みを持っています。

対面サービスが中心で、顧客一人ひとりに対するきめ細かいサポートが特徴です。

地域経済に精通しており、地元企業の情報提供に強みがあります。手数料は会社によって異なりますが、中堅証券と同程度か、やや高めに設定されていることが多いです。

ネット証券・外資系証券

ネット証券は、店舗を持たずオンライン取引に特化した証券会社です。

SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券などが代表的で、手数料の安さと取扱商品の豊富さが特徴です。

対面サービスは提供していませんが、電話やチャットでのサポート体制は整っています。

投資信託の取扱本数は数千本に及び、米国株式など外国株式の取扱いも充実しています。NISA口座の開設数も多く、投資初心者から上級者まで幅広い層に利用されています。

外資系証券は、海外の金融機関が日本で展開する証券会社です。

主に機関投資家向けのサービスを提供しており、個人投資家向けのサービスは限定的です。

中堅7社それぞれの特徴|7社を個別に解説

ここからは、中堅7社それぞれの特徴を個別に解説します。

各社の創業年、本社所在地、店舗数、強みなどをまとめました。自分に合った証券会社を選ぶ際の参考にしてください。

藍澤證券

藍澤證券は1918年(大正7年)創業の老舗証券会社です。

本社は東京都中央区に位置し、全国に約20店舗を展開しています。100年以上の歴史を持ち、長年にわたり投資家にサービスを提供してきた実績があります。

藍澤證券の強み

中堅・中小企業のIPO支援に強み

100年以上の歴史を持つ老舗

対面サービスと顧客との信頼関係を重視

オンライン取引サービスも提供しており、店舗での対面相談とオンライン取引の両方を利用できます。

投資セミナーや相談会も定期的に開催しており、投資初心者へのサポートにも力を入れています。

いちよし証券

いちよし証券は1944年(昭和19年)創業で、本社は東京都中央区にあります。

全国に約80店舗を展開しており、中堅7社の中では比較的大きな店舗網を持っています。

リサーチ力に定評があり、独自の調査レポートを発行しています。中小型株の分析に強みを持ち、成長企業の発掘に力を入れています。

IPO投資においても実績があり、主幹事証券会社として多くの企業の上場を支援してきました。

対面サービスが中心ですが、オンライン取引サービス「いちよしダイレクト」も提供しています。投資信託や債券、外国株式など、取扱商品も充実しています。

岩井コスモ証券

岩井コスモ証券は、1916年創業の岩井証券と1917年創業のコスモ証券が2009年に合併して誕生しました。

本社は大阪市中央区にあり、全国に約90店舗を展開しています。

岩井コスモ証券の特徴

関西地盤の証券会社として大阪・関西圏に強い

投資信託の取扱本数は約600本

オンライン取引サービス「ネットレ」を提供

IPO投資では主幹事実績も持ち、特に関西企業の上場支援に強みがあります。

NISA口座にも対応しており、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を利用できます。店舗では投資相談会やセミナーを定期的に開催しています。

岩井コスモ証券:会社概要

極東証券

極東証券は1947年(昭和22年)創業で、本社は東京都中央区にあります。

全国に約30店舗を展開しており、東京・神奈川を中心に店舗網を持っています。

債券投資に強みを持ち、個人向け国債や社債の取扱いが充実しています。対面サービスを重視しており、顧客一人ひとりに合わせた投資提案を行っています。

投資信託や株式投資にも対応しており、幅広い商品を取り扱っています。

オンライン取引サービス「極東証券ホームトレード」も提供しており、店舗とオンラインの両方を利用できます。投資セミナーや個別相談会も定期的に開催しており、投資初心者へのサポートに力を入れています。

東洋証券

東洋証券は1916年(大正5年)創業の老舗証券会社です。

本社は東京都中央区にあり、全国に約40店舗を展開しています。100年以上の歴史を持ち、長年にわたり投資家にサービスを提供してきました。

中小型株の投資情報に強みを持ち、独自のリサーチレポートを発行しています。

IPO投資では主幹事実績も持ち、成長企業の上場支援に力を入れています。対面サービスが中心ですが、オンライン取引サービス「トレジャーネット」も提供しています。

投資信託や債券、外国株式など、幅広い商品を取り扱っています。

NISA口座にも対応しており、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を利用できます。

丸三証券

丸三証券は1944年(昭和19年)創業で、本社は東京都千代田区にあります。

全国に約70店舗を展開しており、関東地方を中心に店舗網を持っています。

丸三証券の特徴

対面サービスとオンライン取引の両方に力を入れている

オンライン取引サービス「マルサントレード」は手数料の安さで知られる

投資信託の取扱本数は約1,000本

IPO投資にも対応しており、主幹事実績も持っています。

NISA口座にも対応しており、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を利用できます。投資セミナーや相談会も定期的に開催しており、投資初心者へのサポートにも力を入れています。

水戸証券

水戸証券は1921年(大正10年)創業で、本社は東京都中央区にあります。

全国に約80店舗を展開しており、関東地方を中心に店舗網を持っています。100年以上の歴史を持つ老舗証券会社です。

中小型株の投資情報に強みを持ち、独自のリサーチレポートを発行しています。

IPO投資では主幹事実績も持ち、成長企業の上場支援に力を入れています。対面サービスが中心ですが、オンライン取引サービス「水戸ネット」も提供しています。

投資信託や債券、外国株式など、幅広い商品を取り扱っています。

NISA口座にも対応しており、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を利用できます。投資セミナーや相談会も定期的に開催しており、地域密着型のサービスを提供しています。

中堅証券を選ぶメリット|3つの強み

中堅証券には、大手証券やネット証券にはない独自の強みがあります。

対面での相談サービス、IPO投資での優位性、地域密着型のきめ細かいサポートなど、中堅証券ならではのメリットを3つ紹介します。

対面で相談しながら投資できる

中堅証券の最大のメリットは、店舗で担当者と対面で相談しながら投資できることです。投資初心者や高齢者など、ネット取引に不安を感じる方にとって、対面サービスは大きな安心材料になります。

担当者は投資に関する専門知識を持っており、個々の投資目的やリスク許容度に合わせた商品提案を行います。

市場動向や個別銘柄の情報提供、ポートフォリオの見直しなど、継続的なサポートを受けられます。電話での問い合わせにも対応しており、困ったときにすぐ相談できる体制が整っています。

また、投資セミナーや相談会も定期的に開催されており、投資の基礎知識を学ぶ機会も豊富です。

同じ担当者と長期的な関係を築くことで、自分の状況を理解した上でのアドバイスを受けられる点も魅力です。

ただし、対面サービスは手数料が高めに設定されていることが多いため、コストとサービスのバランスを考慮する必要があります。また、担当者の営業スタイルや提案内容が自分に合うかどうかも重要なポイントです。

IPO投資で当選確率が上がる可能性

中堅証券はIPO(新規公開株)投資において、大手証券やネット証券に比べて当選確率が高くなる可能性があります。

これは、中堅証券の口座開設数が相対的に少ないため、申込者数が少ないことが理由です。

中堅7社は主幹事証券会社としてIPOを引き受ける実績も持っており、主幹事の場合は割当株数が多くなります。

特に中小型株のIPOでは、中堅証券が主幹事を務めるケースも多く、当選のチャンスが広がります。

IPO投資を目的に複数の証券口座を開設する投資家も多く、中堅証券の口座を持つことで当選確率を高める戦略が取られています。

ただし、IPOに当選するためには事前に口座開設と資金の準備が必要です。

なお、IPO投資は必ず利益が出るわけではなく、上場後に株価が公募価格を下回るケースもあります。投資判断は慎重に行う必要があります。

地域密着型のきめ細かいサービス

中堅証券は地域密着型の営業スタイルを取っており、地元企業や地域の投資家との関係を大切にしています。

地方都市や郊外にも店舗を構え、その地域に根ざしたサービスを提供しています。

地域の投資家向けセミナーや相談会を定期的に開催しており、地元の経済情報や企業情報の提供にも力を入れています。

地域企業の株式公開支援も行っており、地元経済の活性化に貢献しています。

店舗が自宅や職場の近くにあれば、気軽に相談に訪れることができます。地域に密着しているからこそ、顧客一人ひとりの状況を理解した上でのサポートが可能です。

ただし、店舗数は大手証券に比べて少ないため、営業エリア外では対面サービスを受けられない場合があります。

オンライン取引サービスも提供されていますが、ネット証券に比べると機能が限定的なこともあります。

中堅証券で気をつけたいこと|3つのデメリット

中堅証券にはメリットがある一方で、注意すべきデメリットもあります。

手数料の高さ、オンライン取引機能の限定性、取扱商品の少なさなど、中堅証券を選ぶ前に知っておきたい3つのデメリットを解説します。

手数料が高めの場合がある

中堅証券の対面取引は、ネット証券に比べて手数料が高めに設定されていることが一般的です。

株式売買手数料は、ネット証券が数十円から数百円程度であるのに対し、中堅証券では数千円から数万円になることもあります。

対面サービスには担当者の人件費や店舗運営費がかかるため、手数料が高くなるのは避けられません。

投資信託の販売手数料も、ネット証券では無料(ノーロード)の商品が多い一方、中堅証券では数%の手数料がかかることがあります。

頻繁に売買を行う投資スタイルの場合、手数料の負担が大きくなり、投資収益を圧迫する可能性があります。手数料体系は証券会社によって異なるため、口座開設前に必ず確認することが重要です。

ただし、対面サービスによる投資アドバイスや情報提供の価値を考慮すれば、手数料が高いことが必ずしもデメリットとは言えません。

コストとサービスのバランスを自分の投資スタイルに合わせて判断する必要があります。

オンライン取引の機能が限定的

中堅証券の多くはオンライン取引サービスを提供していますが、ネット証券に比べると機能が限定的な場合があります。

取引ツールの使いやすさ、リアルタイム情報の充実度、注文方法の多様性などで差が出ることがあります。

ネット証券では高機能な取引ツールやスマホアプリが無料で提供されていますが、中堅証券では基本的なWeb取引のみの場合もあります。

チャート分析機能やスクリーニング機能も、ネット証券に比べると簡易的なことがあります。

また、オンライン取引の手数料も、対面取引よりは安いものの、ネット証券ほど低くない場合があります。

オンライン取引を中心に利用したい場合は、ネット証券の方が適している可能性があります。

ただし、中堅証券のオンライン取引サービスも年々改善されており、使いやすさは向上しています。対面サービスとオンライン取引を使い分けることで、両方のメリットを享受できます。

取扱商品がネット証券より少ない

中堅証券の取扱商品は、ネット証券に比べて少ない傾向があります。

投資信託の取扱本数は、ネット証券が2,000本以上であるのに対し、中堅証券では数百本から1,000本程度のことが多いです。

外国株式の取扱いも限定的で、米国株式の取扱銘柄数はネット証券に比べて少ない場合があります。

中国株式やアセアン株式など、その他の外国株式は取扱いがないこともあります。

単元未満株(ミニ株)の取扱いも、ネット証券に比べると銘柄数が少ないか、サービス自体を提供していない場合があります。

つみたてNISAの対象商品も、ネット証券に比べると選択肢が限られることがあります。

ただし、中堅証券が取り扱う商品は厳選されたものが多く、担当者からの推奨商品として提案されることもあります。商品数が多すぎて選べないという悩みを持つ投資家にとっては、適度な選択肢が用意されていることがメリットになる場合もあります。

中堅証券の選び方|自分に合った証券会社を見つける

中堅証券を選ぶ際は、自分の投資スタイルや目的に合った証券会社を見つけることが重要です。

投資スタイル、地域、IPO実績という3つの視点から、中堅証券の選び方を解説します。

投資スタイルで選ぶ(対面・オンライン)

まず、自分の投資スタイルが対面相談を重視するか、オンライン取引を重視するかを明確にしましょう。

投資初心者や高齢者、まとまった資産の運用を相談したい方は、対面サービスが充実している証券会社を選ぶのがおすすめです。

対面サービス重視の場合
店舗の場所や担当者のサポート体制を確認しましょう。投資セミナーや相談会の開催頻度、電話サポートの対応時間なども重要なポイントです。
オンライン取引重視の場合
オンライン取引の手数料体系、取引ツールの使いやすさ、スマホアプリの有無などを比較検討します。

実際に店舗を訪れて、雰囲気や担当者の対応を確認するのも良い方法です。

対面サービスとオンライン取引の両方を利用したい場合は、両方のサービスが充実している証券会社を選ぶことが重要です。

地域で選ぶ(店舗の場所)

対面サービスを利用したい場合、自宅や職場の近くに店舗があるかどうかが重要なポイントです。

中堅7社の店舗網は会社によって異なり、特定の地域に強い証券会社もあります。

岩井コスモ証券は関西地盤が強く、大阪や関西圏に多くの店舗を持っています。丸三証券や水戸証券は関東地方に店舗が集中しています。

自分が住んでいる地域に店舗がある証券会社を選ぶことで、対面サービスを受けやすくなります。

店舗の場所は各社の公式サイトで確認できます。店舗検索機能を使って、最寄りの店舗を探してみましょう。店舗までのアクセスや営業時間も確認しておくと良いでしょう。

店舗が近くにない場合でも、オンライン取引や電話サポートを利用することで、中堅証券のサービスを受けることは可能です。

ただし、対面サービスの利用頻度が高い場合は、店舗の場所を優先して選ぶことをおすすめします。

IPO投資の実績で選ぶ

IPO投資を目的に中堅証券の口座を開設する場合は、各社のIPO取扱実績を確認しましょう。

主幹事実績が多い証券会社は、割当株数も多くなるため、当選確率が高くなる可能性があります。

いちよし証券や東洋証券は、中小型株のIPOで主幹事を務める実績が豊富です。

藍澤證券も中堅・中小企業のIPO支援に力を入れています。各社の公式サイトやIR情報で、過去のIPO取扱実績を確認できます。

IPO投資では、複数の証券口座を開設して申込数を増やす戦略が一般的です。中堅7社の中から複数の証券会社を選び、それぞれで申し込むことで、当選確率を高めることができます。

ただし、IPO投資には事前の資金準備が必要で、抽選に外れることも多いため、過度な期待は禁物です。IPO投資を主目的とする場合でも、通常の株式投資や投資信託など、他の投資手段も併用することをおすすめします。

中堅証券と大手・ネット証券の比較|どう使い分ける?

中堅証券、大手証券、ネット証券にはそれぞれ特徴があり、目的に応じて使い分けることが賢い戦略です。

各証券会社の違いと、複数口座を使い分ける方法を解説します。

大手証券との違い

中堅証券と大手証券の最も大きな違いは、規模と取扱商品の幅です。

大手証券は全国に数百店舗を展開し、預かり資産残高も数十兆円規模です。一方、中堅証券は数十店舗から百店舗程度で、規模は大手に比べて小さくなります。

取扱商品の幅も大手証券の方が広く、外国株式や債券、デリバティブ商品など、多様な商品を取り扱っています。

富裕層向けのプライベートバンキングサービスも充実しています。手数料は大手証券の方が高めに設定されていることが一般的です。

一方、中堅証券は地域密着型のサービスに強みがあり、顧客一人ひとりに対するきめ細かいサポートが特徴です。IPO投資では、大手証券に比べて申込者数が少ないため、当選確率が高くなる可能性があります。

大手証券は大型IPOの主幹事を務めることが多く、中堅証券は中小型株のIPOに強みがあります。

投資スタイルや目的に応じて、大手証券と中堅証券を使い分けることが効果的です。

ネット証券との違い

中堅証券とネット証券の最大の違いは、対面サービスの有無です。

中堅証券は店舗で担当者と対面で相談できるのに対し、ネット証券は店舗を持たずオンライン取引に特化しています。

手数料はネット証券の方が圧倒的に安く、株式売買手数料は無料または数十円から数百円程度です。

投資信託の販売手数料も無料(ノーロード)の商品が多く、コスト面ではネット証券が有利です。

取扱商品もネット証券の方が豊富で、投資信託は2,000本以上、外国株式も数千銘柄を取り扱っています。

取引ツールやスマホアプリも高機能で、リアルタイム情報の提供も充実しています。

一方、中堅証券は対面での相談サービスが受けられるため、投資初心者や高齢者にとっては安心感があります。

担当者からの投資アドバイスや情報提供も受けられます。IPO投資では、ネット証券よりも当選確率が高くなる可能性があります。

複数口座を使い分ける戦略

投資上級者の多くは、複数の証券口座を開設して使い分けています。

中堅証券、大手証券、ネット証券のそれぞれの強みを活かすことで、投資の選択肢が広がります。

日常的な売買
ネット証券で行い、手数料を抑える
IPO投資
中堅証券や大手証券で申し込み、当選確率を高める
資産運用相談
中堅証券や大手証券の対面サービスを利用

また、まとまった資産の運用相談は中堅証券や大手証券の対面サービスを利用し、自分で判断できる投資はネット証券で行うという使い分けも効果的です。

NISA口座は一人一口座しか開設できませんが、特定口座は複数の証券会社で開設できます。

複数口座を持つ際の注意点は、管理の手間が増えることです。各口座の資産状況や取引履歴を把握する必要があり、確定申告が必要な場合は複数の証券会社からの書類をまとめる必要があります。自分が管理できる範囲で、必要な口座数を見極めることが重要です。

中堅証券の安全性|経営の安定性と保護制度

証券会社を選ぶ際、安全性は非常に重要なポイントです。

中堅証券の経営の安定性と、万が一の場合の保護制度について解説します。

金融庁への登録と監督

中堅7社はすべて金融庁に登録された第一種金融商品取引業者であり、金融商品取引法に基づく厳格な規制を受けています。

金融庁の監督下にあり、定期的な検査や報告義務が課されています。

金融商品取引業者として登録されるためには、一定の財産的基礎や人的構成、業務運営体制などの要件を満たす必要があります。

登録後も継続的に要件を満たしているかが監督され、違反があれば業務改善命令や登録取消などの処分を受けることがあります。

中堅7社はいずれも日本証券業協会にも加盟しており、自主規制機関による監督も受けています。

投資者保護や市場の公正性確保のための自主規制ルールを遵守しています。

金融庁:金融商品取引業者登録一覧

投資者保護基金による補償

中堅7社はすべて投資者保護基金に加盟しています。

投資者保護基金は、証券会社が破綻した場合に、顧客の資産を保護するための制度です。

証券会社が破綻して顧客資産の返還ができなくなった場合、投資者保護基金が一人当たり1,000万円まで補償します。これにより、万が一の場合でも一定の資産保護が確保されています。

分別管理の仕組み

証券会社は、顧客から預かった資産を自社の資産と分別して管理することが法律で義務付けられています。

これを「分別管理」と呼びます。

顧客の株式や債券は、証券保管振替機構(ほふり)で管理され、証券会社の資産とは明確に区分されています。

顧客の現金も、信託銀行などで分別管理されています。この仕組みにより、証券会社が破綻した場合でも、顧客の資産は保全されます。

中堅7社はいずれも分別管理を適切に行っており、金融庁の検査や監督を受けています。

分別管理の状況は、各社の決算報告書などで確認することができます。

ただし、分別管理は証券会社の破綻から資産を守る仕組みであり、投資による損失を防ぐものではありません。投資には常にリスクが伴うことを理解した上で、慎重に判断する必要があります。

よくある質問(Q&A)

よくある質問
中堅7社の口座開設は難しい?

中堅7社の口座開設は、ネット証券と同様に比較的簡単に行えます。必要書類は本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)とマイナンバー確認書類です。

オンラインで申し込みができる証券会社も多く、書類を郵送する手間が省けます。審査期間は数日から1週間程度で、審査に通れば口座開設が完了します。店舗で直接申し込むこともでき、その場合は担当者のサポートを受けながら手続きを進められます。

中堅証券でもNISAは使える?

中堅7社のほとんどがNISA口座に対応しています。2024年から始まった新NISA制度では、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を利用できます。

つみたて投資枠で投資できる商品は、金融庁が定めた基準を満たした投資信託に限定されています。中堅証券でも数十本から数百本のつみたて投資枠対象商品を取り扱っています。成長投資枠では、株式や投資信託など幅広い商品に投資できます。

NISA口座は一人一口座しか開設できないため、どの証券会社で開設するかは慎重に検討しましょう。一度開設した後も、年単位で金融機関を変更することは可能です。

口座維持費はかかる?

中堅7社の多くは、口座維持費や管理費は無料です。口座を開設しても、取引をしなければ費用は発生しません。ただし、一部の証券会社では、一定期間取引がない場合に口座管理料が発生することがあります。

口座維持費の有無は、各社の公式サイトや口座開設時の説明書類で確認できます。不明な点があれば、口座開設前に問い合わせて確認することをおすすめします。

中堅証券の営業はしつこい?

中堅証券の営業スタイルは会社や担当者によって異なります。対面サービスを重視しているため、定期的な連絡や商品提案があることは一般的です。ただし、しつこい営業や無理な勧誘は金融商品取引法で禁止されています。

もし営業が負担に感じる場合は、担当者に連絡頻度や連絡方法について希望を伝えることができます。オンライン取引を中心に利用し、必要な時だけ担当者に連絡するという使い方も可能です。

証券会社は顧客の投資目的やリスク許容度に合わせた提案を行う義務があり、不適切な勧誘があれば金融庁や日本証券業協会に相談することができます。

初心者でも利用できる?

中堅証券は投資初心者にも利用しやすい証券会社です。対面サービスがあるため、投資の基礎知識から丁寧に教えてもらえます。投資セミナーや相談会も定期的に開催されており、初心者向けの学習機会が豊富です。

担当者が投資目的やリスク許容度をヒアリングした上で、適切な商品を提案してくれます。少額から始められる投資信託の積立や、NISA口座を活用した投資など、初心者向けの投資方法もサポートしてもらえます。

ただし、投資には必ずリスクが伴います。担当者のアドバイスを参考にしながらも、最終的な投資判断は自分自身で行う必要があります。投資の基礎知識を学び、リスクを理解した上で、少額から始めることをおすすめします。

まとめ

証券会社の中堅7社は、藍澤證券、いちよし証券、岩井コスモ証券、極東証券、東洋証券、丸三証券、水戸証券の7社です。

対面サービスを重視し、地域密着型の営業を展開している点が共通の特徴です。

中堅証券の強みは、店舗で担当者と相談しながら投資できること、IPO投資で当選確率が高くなる可能性があること、地域に根ざしたきめ細かいサービスが受けられることです。

一方、手数料が高めであること、オンライン取引の機能が限定的なこと、取扱商品がネット証券より少ないことがデメリットです。

中堅証券を選ぶ際は、自分の投資スタイル(対面・オンライン)、店舗の場所、IPO投資の実績などを考慮しましょう。

大手証券やネット証券と使い分けることで、それぞれの強みを活かした投資が可能です。

中堅7社はすべて金融庁に登録され、投資者保護基金にも加盟しています。

分別管理の仕組みにより、万が一の場合でも顧客資産は保護されます。投資初心者でも利用しやすく、対面サービスによるサポートが受けられます。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは各証券会社にご確認ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
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慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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