積立NISA銘柄の組み合わせ例|初心者向けの選び方とポートフォリオ

老後資金の準備を考え始めたとき、iDeCo(個人型確定拠出年金)という言葉を耳にする機会が増えてきます。
税制優遇が魅力的なiDeCoですが、どの証券会社で始めればいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
手数料、取扱商品、サポート体制など、証券会社によって特徴はさまざまです。
この記事では、iDeCoにおすすめの証券会社5社を比較し、あなたに合った選び方を詳しく解説します。
初心者の方でも安心して始められるよう、制度の基本から口座開設の流れまで丁寧にご案内します。
目次
iDeCoにおすすめの証券会社5社
iDeCoを始めるなら、まず運営管理手数料が無料で、取扱商品が充実している証券会社を選ぶことが重要です。
ここでは主要5社の特徴を比較し、それぞれの強みをご紹介します。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む) |
| 取引手数料 | 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。 |
| NISA対応 | 〇 |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年3月3日時点 |
| 外国株 | 8カ国/米国株式(5,000銘柄) |
| 取引ツール(PC) | HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー |
| スマホアプリ | SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD |
| 提携銀行口座 | SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
SBI証券の特徴
取扱商品数が業界最多クラスで約90本以上
eMAXIS Slimシリーズなど低コストファンドが充実
運営管理手数料は無料
口座開設数は約1,500万口座を超える実績
SBI証券はiDeCoの取扱商品数が業界最多クラスで、約90本以上の投資信託から選べます。
運営管理手数料は無料で、信託報酬の低いインデックスファンドも豊富に揃っています。
eMAXIS Slimシリーズをはじめとする低コストファンドが充実しており、長期投資に適した商品を選びやすいのが特徴です。
多くの投資家から支持されており、選択肢の広さを重視する方におすすめです。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約12,000,000口座 ※2025年1月時点 |
| 取引手数料 | 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 263銘柄 ※2025年4月24日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年4月24日時点 |
| 外国株 | 6カ国/米国株式(約4,500銘柄) |
| 取引ツール(PC) | マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4 |
| スマホアプリ | iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物 |
| 提携銀行口座 | 楽天銀行(マネーブリッジ) |
| ポイント投資・付与 | 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
楽天証券の特徴
楽天ポイントが貯まる仕組みが充実
取扱商品数は約80本と豊富
運営管理手数料は無料
口座開設は最短翌営業日と迅速
楽天証券は楽天ポイントが貯まる仕組みが充実しており、楽天カードや楽天銀行を利用している方に特におすすめです。
運営管理手数料は無料で、取扱商品数も約80本と豊富です。
楽天経済圏を活用することで、iDeCoの運用と同時にポイントも効率的に貯められます。
スマホアプリも使いやすいと評判で、楽天サービスを普段から利用している方に向いています。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約1,670,000口座 ※2025年3月時点 |
| 取引手数料 | 【ボックスレート(1日定額制)】 1日の約定代金合計50万円まで:0円 50万円超:1,000円(税込1,100円)~※25歳以下なら約定代金に関わらず手数料無料 |
| NISA対応 | 〇(日本株、米国株、投資信託すべて売買手数料無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(銘柄数は公式サイトで確認) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 投資信託(約1,800本以上) |
| 投資信託 | 約1,900本以上(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 米国株:約4,900銘柄(2025年4月23日時点) |
| 取引ツール(PC) | ネットストック・ハイスピード(無料) |
| スマホアプリ | 日本株アプリ / 投信アプリ / 米国株アプリ(すべて無料) |
| 提携銀行口座 | MATSUI Bank(松井証券専用銀行) |
| ポイント投資・付与 | 松井証券ポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | 最短即日(スマートフォンによるオンライン申込) |
松井証券の特徴
創業100年を超える老舗証券会社
iDeCo専用コールセンターが平日夜間や土日も対応
取扱商品は約40本と厳選されている
運営管理手数料は無料
松井証券は創業100年を超える老舗証券会社で、サポート体制の充実度が高く評価されています。
運営管理手数料は無料で、iDeCo専用のコールセンターが平日夜間や土日も対応しています。
投資が初めての方でも、電話やチャットで気軽に相談できる環境が整っています。
取扱商品は約40本と厳選されており、選択に迷いにくいのも初心者には嬉しいポイントです。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約2,700,000口座 ※2025年2月時点 |
| 取引手数料 | 【取引毎手数料コース】
|
| NISA対応 | 〇(日本株・米国株・中国株・投資信託の売買手数料が無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(銘柄数は公式サイトで確認) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 中国株 / 投資信託(約1,750本以上) |
| 投資信託 | 約1,800本(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 2カ国/米国株:約5,000銘柄以上(2025年1月27日時点) |
| 取引ツール(PC) | マネックストレーダー / 銘柄スカウター |
| スマホアプリ | マネックス証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ |
| 提携銀行口座 | マネックス証券専用銀行口座(詳細は公式サイトで確認) |
| ポイント投資・付与 | マネックスポイント / dポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | オンライン申込で最短翌営業日 |
マネックス証券の特徴
米国株投資に強みを持つ証券会社
取扱商品数は約30本
運営管理手数料は無料
マネックスポイントやdポイントも貯まる
マネックス証券は米国株投資に強みを持つ証券会社で、iDeCoでも米国株式を中心とした商品ラインナップが充実しています。
運営管理手数料は無料で、取扱商品数は約30本です。
S&P500やNASDAQ100に連動するファンドなど、米国市場への投資を重視する方に適した商品が揃っています。
マネックスポイントやdポイントも貯まり、ポイント投資も可能です。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数(残あり口座) | 約105.3万口座 ※2025年3月末時点 |
| 取引手数料 | 【国内株式】 約定代金 × 最大1.265%(税込) ※最低手数料2,750円(税込) 【米国株式】 約定代金 × 0.495%(税込) ※最低手数料22米ドル(税込) ※手数料は取引チャネルや銘柄により異なります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA:つみたて投資枠・成長投資枠ともに対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 29銘柄 ※2025年時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式(約4,000銘柄) / 米国株式 / 投資信託(約285本) |
| 投資信託 | 約4,054本 ※2025年7月時点 |
| 外国株 | 米国株:約4,500銘柄 その他外国株:取扱限定的 |
| 取引ツール(PC) | オンライントレード(WEB) 専用取引アプリ(PC版) |
| スマホアプリ | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券アプリ(iOS / Android対応) |
| 提携銀行口座 | 三菱UFJ銀行(即時入出金サービス対応) |
| ポイント投資・付与 | なし(ポイント投資制度は未対応) |
| 口座開設スピード | 通常2〜3営業日 ※オンライン申込後、書類提出状況により変動 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の特徴
三菱UFJフィナンシャル・グループの一員
取扱商品数は約20本と厳選
運営管理手数料は無料
全国に店舗があり対面相談も可能
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJフィナンシャル・グループの一員で、大手金融機関ならではの安心感があります。
運営管理手数料は無料で、取扱商品数は約20本です。
商品数は少なめですが、厳選された低コストファンドが中心で、初心者でも選びやすい構成になっています。
全国に店舗があり、対面での相談も可能です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を拠出し、運用方法を選んで老後資金を準備する私的年金制度です。
国が推奨する資産形成制度の一つで、税制優遇が大きな特徴となっています。
iDeCoは、毎月一定額の掛金を拠出し、自分で選んだ投資信託や定期預金などで運用する制度です。
掛金の上限額は職業によって異なり、自営業者は月額6.8万円、会社員は月額1.2万円〜2.3万円が一般的です。
運用した資産は60歳以降に受け取ることができ、受取方法は一時金または年金形式から選択できます。
原則として60歳まで引き出すことはできませんが、その分、税制優遇が手厚く設計されています。
iDeCoの最大のメリットは、掛金が全額所得控除の対象となることです。
例えば、年収500万円の会社員が月額2万円(年間24万円)を拠出した場合、所得税・住民税合わせて約4.8万円の節税効果が期待できます。
所得控除により課税所得が減るため、所得税率が高い方ほど節税効果も大きくなります。
年末調整や確定申告で控除を受けることができ、毎年の税負担を軽減できます。
通常、投資信託などで得た運用益には20.315%の税金がかかりますが、iDeCoで運用した場合は非課税です。
運用益が再投資されることで、複利効果を最大限に活用できます。
例えば、30年間で300万円の運用益が出た場合、通常なら約60万円が税金として差し引かれますが、iDeCoならこの税金がかかりません。
長期運用するほど、この非課税メリットは大きくなります。
iDeCoで積み立てた資産を受け取る際も、税制優遇があります。
一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金形式で受け取る場合は公的年金等控除が適用されます。
退職所得控除は勤続年数に応じて控除額が増えるため、長期間積み立てるほど有利です。
受取方法は60歳到達時に選択できるため、その時の状況に応じて最適な方法を選べます。
iDeCo証券会社の選び方
iDeCoは長期間にわたって運用する制度なので、証券会社選びは慎重に行う必要があります。
以下の4つのポイントを押さえて、自分に合った証券会社を見つけましょう。
iDeCoには、国民年金基金連合会に支払う手数料(月額171円)と、証券会社に支払う運営管理手数料があります。
運営管理手数料は証券会社によって異なり、無料の会社と有料の会社があります。
月額数百円の違いでも、30年間では数万円〜十数万円の差になります。
現在は主要なネット証券のほとんどが運営管理手数料を無料にしているため、無料の証券会社を選ぶのが基本です。
運営管理手数料が無料であれば、国民年金基金連合会への手数料のみで運用できるため、コストを最小限に抑えられます。
iDeCoで選べる投資信託の本数と、その信託報酬(運用管理費用)の低さも重要なポイントです。
商品数が多いほど選択肢が広がりますが、多すぎても迷ってしまうこともあります。
信託報酬は投資信託を保有している間、継続的にかかるコストです。
年率0.1%の違いでも、長期間では大きな差になります。
eMAXIS Slimシリーズなど、信託報酬が0.2%以下の低コストファンドが充実している証券会社がおすすめです。
インデックスファンドを中心に、全世界株式やS&P500など、分散投資しやすい商品が揃っているかも確認しましょう。
投資が初めての方や、iDeCoの仕組みに不安がある方は、サポート体制が充実している証券会社を選ぶと安心です。
電話やチャットでの問い合わせ対応、専用コールセンターの有無などを確認しましょう。
松井証券のように、平日夜間や土日もサポートしている証券会社なら、仕事が忙しい方でも相談しやすいです。
また、iDeCo専用のガイドブックやセミナーを提供している会社もあります。
管理画面の使いやすさや、スマホアプリの機能性も日常的な運用に影響するため、事前に確認しておくとよいでしょう。
証券会社によっては、iDeCoの利用でポイントが貯まる特典を提供しています。
楽天証券なら楽天ポイント、SBI証券ならVポイント・Pontaポイント・dポイントなど、複数のポイントから選べます。
ポイント還元率は高くありませんが、長期間の積み立てでは無視できない金額になることもあります。
すでに利用しているポイントサービスがあれば、同じ経済圏の証券会社を選ぶとポイント管理が便利です。
ポイント特典だけで証券会社を選ぶのではなく、手数料や商品ラインナップを優先して検討することが大切です。
証券会社5社の詳細比較
主要5社の具体的なスペックを一覧で比較します。
運営管理手数料、取扱商品数、サポート体制を確認し、自分に合った証券会社を見つけましょう。
主要5社はすべて運営管理手数料が無料です。
国民年金基金連合会への手数料(月額171円)と、信託銀行への手数料(月額66円)は共通でかかりますが、証券会社への支払いはありません。
一部の地方銀行や対面証券では月額数百円の運営管理手数料がかかることもあるため、ネット証券を選ぶメリットは大きいです。
| 証券会社 | 取扱商品数 | 最低信託報酬 | eMAXIS Slim |
| SBI証券 | 約90本 | 0.09%程度 | 充実 |
| 楽天証券 | 約80本 | 0.09%程度 | 充実 |
| 松井証券 | 約40本 | 0.10%程度 | あり |
| マネックス証券 | 約30本 | 0.09%程度 | あり |
| 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 約20本 | 0.12%程度 | あり |
SBI証券と楽天証券は商品数が多く、幅広い選択肢から選べます。
松井証券は厳選された商品で初心者にも選びやすい構成です。
信託報酬の低さではどの証券会社も優秀ですが、eMAXIS Slimシリーズの取扱本数に違いがあります。
松井証券はiDeCo専用コールセンターが平日夜間や土日も対応しており、初心者向けのサポートが充実しています。
SBI証券と楽天証券はオンラインヘルプやFAQが充実しており、自分で調べて解決したい方に向いています。
マネックス証券は米国株情報が豊富で、グローバル投資を学びたい方におすすめです。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は全国の店舗で対面相談も可能で、直接話を聞きたい方に適しています。
スマホアプリの使いやすさでは、SBI証券と楽天証券が高評価を得ています。
管理画面のデザインや操作性は各社で異なるため、公式サイトでデモ画面を確認するとよいでしょう。
初心者におすすめの投資信託3選
iDeCoで口座を開設したら、次は実際に投資する商品を選びます。
初心者の方には、信託報酬が低く、分散投資ができるインデックスファンドがおすすめです。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、日本を含む世界中の株式に分散投資できるファンドです。
信託報酬は0.05775%程度と非常に低コストで、長期投資に適しています。
1本で約50カ国、3,000銘柄以上に分散投資できるため、地域や銘柄を選ぶ手間がかかりません。
世界経済全体の成長に期待する方に向いています。
iDeCoでは多くの証券会社で取り扱っており、初心者から上級者まで幅広く支持されている定番商品です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、米国の代表的な500社に投資するファンドです。
信託報酬は0.09372%程度と低コストで、過去の実績も良好です。
AppleやMicrosoft、Amazonなど、世界を代表する企業に投資できます。
米国経済の成長に期待する方や、シンプルに米国株に集中投資したい方に適しています。
長期的に見ると米国株式市場は安定した成長を続けてきた実績があり、多くの投資家に選ばれています。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約12,000,000口座 ※2025年1月時点 |
| 取引手数料 | 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 263銘柄 ※2025年4月24日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年4月24日時点 |
| 外国株 | 6カ国/米国株式(約4,500銘柄) |
| 取引ツール(PC) | マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4 |
| スマホアプリ | iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物 |
| 提携銀行口座 | 楽天銀行(マネーブリッジ) |
| ポイント投資・付与 | 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
楽天・プラス・オールカントリーは、楽天証券が提供する全世界株式インデックスファンドです。
信託報酬は0.0561%程度と業界最低水準で、eMAXIS Slimと並ぶ低コスト商品です。
全世界の株式に分散投資でき、楽天証券でiDeCoを始める方には特におすすめです。
楽天ポイントも貯まりやすく、楽天経済圏を活用している方に向いています。
商品の内容はeMAXIS Slim 全世界株式と似ていますが、信託報酬がわずかに低い点が特徴です。
iDeCoで気をつけたい3つのこと
iDeCoには大きな税制メリットがありますが、一方で注意すべき点もあります。
始める前にデメリットやリスクをしっかり理解しておきましょう。
iDeCoの最大の制約は、原則として60歳まで資産を引き出せないことです。
急な出費や生活費が必要になっても、途中で解約して現金化することはできません。
そのため、iDeCoに拠出する金額は、生活費や緊急予備資金とは別に、長期間使わなくても問題ない範囲で設定することが重要です。
掛金は月額5,000円から始められるため、無理のない金額から始めましょう。
すでに貯蓄がある方や、他の投資と併用する場合は、iDeCoを老後資金専用として位置づけると計画が立てやすくなります。
iDeCoで投資信託を選んだ場合、株式市場の変動により元本割れするリスクがあります。
特に運用開始直後や、受取直前に市場が大きく下落すると、積み立てた金額を下回る可能性があります。
リスクを抑えるには、長期・積立・分散投資の原則を守ることが大切です。
毎月一定額を積み立てることで、価格が高い時も安い時も平均的に購入でき、リスクを分散できます。
iDeCoでは、運営管理手数料が無料の証券会社を選んでも、国民年金基金連合会への手数料(月額171円)と信託銀行への手数料(月額66円)は必ずかかります。
年間で約2,800円の固定費が発生します。
さらに、投資信託を選んだ場合は信託報酬も継続的にかかります。
信託報酬は商品によって異なりますが、低コストファンドを選ぶことで負担を最小限に抑えられます。
受取時にも、一時金で受け取る場合は1回あたり440円、年金形式で受け取る場合は受取の都度440円の手数料がかかります。
これらのコストも考慮した上で、長期的なメリットを判断しましょう。
年代別・年収別のおすすめ掛金額
iDeCoの掛金は、年代や年収、ライフスタイルによって最適な金額が異なります。
無理のない範囲で、効果的に税制メリットを活用しましょう。
年収300万円〜500万円の方なら、月額1万円の拠出で年間約2万円〜3万円の節税効果が期待できます。
まずは少額でiDeCoの仕組みに慣れ、収入が安定してきたら掛金を増やす方法もあります。
この年代は運用期間が長く取れるため、株式中心のインデックスファンドで積極的に運用するのが効果的です。
年収600万円〜800万円の方なら、月額2万円の拠出で年間約7万円〜8万円の節税効果が期待できます。
所得税率が高い方ほど節税メリットが大きいため、上限額まで拠出するのも一つの方法です。
運用期間は10〜20年程度ですが、まだ十分な期間があるため、株式中心の運用でリターンを狙うことができます。
| 年収 | 月額掛金 | 年間節税額(目安) |
| 300万円 | 1万円 | 約1.8万円 |
| 500万円 | 2万円 | 約4.8万円 |
| 700万円 | 2万円 | 約7.2万円 |
| 1,000万円 | 2.3万円 | 約9.2万円 |
節税額は所得税率と住民税率を合わせて計算した目安です。
実際の節税額は、各種控除の状況によって変わります。
自分の年収と掛金で、どれくらいの節税効果があるかシミュレーションしてみましょう。
iDeCoの始め方
iDeCoの口座開設は、必要書類を準備すれば比較的スムーズに進められます。
ここでは基本的な手順をご紹介します。
事業主の証明書は、勤務先の人事部や総務部に依頼すると発行してもらえます。
発行には1〜2週間かかることもあるため、早めに依頼しましょう。
自営業者やフリーランスの方は、事業主の証明書は不要で、本人確認書類と基礎年金番号があれば手続きできます。
必要書類が揃ったら、選んだ証券会社の公式サイトから口座開設を申し込みます。
オンラインで申込書を作成し、必要書類をアップロードまたは郵送します。
申込書には、掛金額や引き落とし口座、運用する商品などを記入します。
最初は迷うかもしれませんが、後から変更できる項目も多いので、まずは無理のない範囲で設定しましょう。
審査には1〜2ヶ月程度かかることが多いため、余裕を持って申し込むことをおすすめします。
口座開設が完了したら、実際に運用する商品を選びます。
初心者の方は、eMAXIS Slim 全世界株式やeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)など、低コストで分散投資ができるインデックスファンドから始めるのがおすすめです。
掛金の配分は、1つの商品に100%配分することも、複数の商品に分散することもできます。
最初は1〜2本のシンプルな構成にして、慣れてきたら調整するとよいでしょう。
掛金の引き落としは、設定した口座から毎月自動的に行われます。
掛金額は年に1回変更できるため、ライフスタイルの変化に合わせて調整しましょう。
iDeCoとNISAはどちらも税制優遇がある制度ですが、iDeCoは60歳まで引き出せないのに対し、NISAはいつでも売却できる柔軟性があります。
まずはNISAで投資に慣れてから、余裕資金でiDeCoを始めるのがおすすめです。ただし、所得控除のメリットが大きい高所得者の方は、iDeCoを優先する選択肢もあります。
iDeCoの証券会社は途中で変更できますが、手続きには時間と手数料がかかります。
変更手数料として4,400円程度が必要で、手続き完了まで2〜3ヶ月かかることもあります。そのため、最初の証券会社選びは慎重に行い、長く使える会社を選ぶことが大切です。
掛金額は年に1回、変更することができます。
収入が増えたり減ったりした場合は、掛金を増減させて調整しましょう。また、掛金の拠出を一時停止することも可能です。ただし、拠出を停止している間も、口座管理手数料は毎月かかり続けるため、完全に停止するよりは最低額の月額5,000円で継続する方が効率的です。
iDeCoの資産を受け取る際は、一時金なら退職所得控除、年金形式なら公的年金等控除が適用されます。
控除額が大きいため、多くの場合は税負担が軽減されます。ただし、他の退職金がある場合や、公的年金の受給額が多い場合は、控除枠を超えて課税されることもあります。
2022年10月の法改正により、企業型DC(企業型確定拠出年金)に加入している方も、原則としてiDeCoに加入できるようになりました。
ただし、企業型DCの規約によっては併用できない場合もあるため、勤務先に確認が必要です。併用する場合、掛金の上限額は企業型DCとiDeCoの合計で調整されます。
iDeCoは、掛金が全額所得控除になり、運用益も非課税という大きな税制メリットがある制度です。
老後資金を効率的に準備したい方にとって、非常に有効な選択肢と言えます。
証券会社を選ぶ際は、運営管理手数料が無料で、取扱商品が充実しているところを選びましょう。
SBI証券、楽天証券、松井証券は、商品数や手数料の面で優れており、初心者から上級者まで幅広くおすすめできます。
投資する商品は、eMAXIS Slim 全世界株式やeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)など、信託報酬が低く、分散投資ができるインデックスファンドが適しています。
長期・積立・分散の原則を守り、無理のない範囲で続けることが成功のカギです。
60歳まで引き出せない制約や、元本割れのリスクもありますが、長期的な視点で資産形成を考えれば、iDeCoは非常に魅力的な制度です。
まずは少額から始めて、自分のペースで老後資金を準備していきましょう。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは各証券会社にご確認ください。
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