NISAのおすすめ証券会社と銘柄|初心者向け選び方ガイド

「iDeCoに加入すると税金が安くなるって聞いたけど、本当にお得なの?」と疑問に思っていませんか。
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛金が全額所得控除の対象となり、所得税と住民税を大幅に軽減できる制度です。
年収400万円の会社員が毎月2万円を積み立てた場合、年間で約4.8万円の節税効果が期待できます。
ただし、60歳まで引き出せない制約や、年末調整・確定申告での手続きが必要など、注意すべきポイントもあります。
この記事では、iDeCoの控除の仕組みから具体的な節税シミュレーション、手続き方法、他の控除との併用時の注意点まで、初心者にも分かりやすく解説します。
自分に合った掛金額の設定方法や、受取時の税制優遇も含めて、iDeCoを最大限活用するためのポイントをお伝えします。
目次
iDeCoの控除とは
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資金を準備しながら税制優遇を受けられる私的年金制度です。最大の特徴は、掛金・運用・受取の3つの段階で税制優遇があることです。
iDeCoの最大のメリットは、掛金が全額「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象になることです。
例えば、年収500万円の会社員が毎月2万円(年間24万円)を積み立てた場合、その24万円が課税所得から差し引かれます。
所得控除とは
税金を計算する前の所得から一定額を差し引く仕組みです。所得が減ることで、所得税と住民税の両方が軽減されます。
生命保険料控除などと違い、掛金の全額が控除対象となるため、節税効果が非常に高いのが特徴です。
この控除は「小規模企業共済等掛金控除」に分類され、年末調整や確定申告で申告することで適用されます。掛金を支払った年の所得から控除されるため、毎年継続的に節税効果を得られます。
iDeCoで運用して得た利益(運用益)は、全額非課税となります。
通常、投資信託や株式で得た利益には20.315%の税金がかかりますが、iDeCoではこの税金が一切かかりません。
運用益非課税の効果
運用で10万円の利益が出た場合、通常は約2万円が税金として引かれますが、iDeCoなら10万円がそのまま運用資産として残ります。
この非課税効果は、長期間運用することで複利効果と相まって大きな差となります。
iDeCoの資産を60歳以降に受け取る際にも、税制優遇があります。受取方法は「一時金」「年金」「一時金と年金の併用」の3つから選べ、それぞれ異なる控除が適用されます。
一時金で受け取る場合は「退職所得控除」が適用され、勤続年数に応じて控除額が計算されます。年金で受け取る場合は「公的年金等控除」が適用され、年齢や年金額に応じて控除されます。
どちらの方法でも、通常の所得よりも税負担が軽くなる仕組みです。
受取方法は60歳到達時に選択できるため、その時の税制や自身の状況に合わせて最適な方法を選べます。
所得控除の仕組み
iDeCoの節税効果を理解するには、所得控除の仕組みを知ることが重要です。
所得控除とは、税金を計算する前の所得から一定額を差し引く制度で、結果として所得税と住民税が軽減されます。
小規模企業共済等掛金控除は、所得控除の一種で、iDeCoの掛金や小規模企業共済の掛金などが対象となります。
この控除は、生命保険料控除などと違い、支払った掛金の全額が控除対象となるのが大きな特徴です。
生命保険料控除との違い
生命保険料控除は年間8万円以上支払っても控除額は最大4万円ですが、iDeCoは年間24万円支払えば24万円全額が控除されます。
この控除は所得税法で定められており、確定申告書や年末調整の書類で申告することで適用されます。控除を受けるためには、金融機関から送られてくる「小規模企業共済等掛金払込証明書」が必要です。
iDeCoの掛金が所得控除されると、所得税と住民税の両方が軽減されます。
所得税は累進課税制度で、所得が高いほど税率も高くなりますが、iDeCoで所得を減らすことで適用される税率が下がる場合もあります。
所得税率の段階
課税所得195万円以下:5%
課税所得195万円超330万円以下:10%
課税所得330万円超695万円以下:20%
例えば、課税所得が340万円の人が年間24万円をiDeCoに拠出すると、課税所得が316万円となり、一部が10%の税率区分に下がります。
住民税は一律10%(都道府県民税4%+市区町村民税6%)で、所得控除後の課税所得に対して課税されます。iDeCoの掛金で所得が減ると、その分だけ住民税も減額されます。
iDeCoの節税効果は、「掛金額×(所得税率+住民税率10%)」で概算できます。
例えば、所得税率が20%の人が年間24万円を拠出した場合、24万円×(20%+10%)=7.2万円が年間の節税額となります。
節税効果は毎年継続するため、長期的に見ると大きな金額になります。年間7.2万円の節税効果が30年続くと、合計216万円もの税金が軽減されることになります。
所得税率は課税所得によって異なるため、まず自分の課税所得を確認する必要があります。課税所得は、年収から給与所得控除や社会保険料控除、基礎控除などを差し引いた金額です。
年収・職業別の節税シミュレーション
iDeCoの節税効果は、年収や職業によって大きく異なります。
節税額は、所得税率と住民税率(一律10%)の合計で決まります。所得税率は課税所得が高いほど高くなるため、高収入の方ほど節税効果が大きくなる傾向があります。
会社員の掛金上限額は、企業年金の有無によって異なります。
企業年金がない場合は月額2.3万円(年間27.6万円)、企業型DCがある場合は月額2万円(年間24万円)または月額1.2万円(年間14.4万円)が上限です。
| 年収 | 月額掛金 | 所得税率 | 年間節税額 | 30年間の節税額 |
| 300万円 | 2.3万円 | 5%+住民税10% | 約4.1万円 | 約123万円 |
| 500万円 | 2.3万円 | 10%+住民税10% | 約5.5万円 | 約165万円 |
| 700万円 | 2.3万円 | 20%+住民税10% | 約8.3万円 | 約249万円 |
| 1000万円 | 2.3万円 | 33%+住民税10% | 約11.9万円 | 約357万円 |
高収入の方ほど、iDeCoの節税メリットが大きくなることが分かります。
自営業・フリーランスの方は、国民年金のみの加入となるため、iDeCoの掛金上限額が最も高く、月額6.8万円(年間81.6万円)まで拠出できます。
この高い上限額により、会社員よりも大きな節税効果を得られる可能性があります。
| 年収 | 月額掛金 | 所得税率 | 年間節税額 | 30年間の節税額 |
| 400万円 | 6.8万円 | 10%+住民税10% | 約16.3万円 | 約489万円 |
| 600万円 | 6.8万円 | 20%+住民税10% | 約24.5万円 | 約735万円 |
| 800万円 | 6.8万円 | 23%+住民税10% | 約26.9万円 | 約807万円 |
年収が変動しやすいため、無理のない掛金設定が重要です。
公務員は共済年金に加入しているため、iDeCoの掛金上限額は月額1.2万円(年間14.4万円)と最も低く設定されています。
節税額は会社員と比べると少なくなりますが、それでも長期的には大きなメリットがあります。
| 年収 | 月額掛金 | 所得税率 | 年間節税額 | 30年間の節税額 |
| 500万円 | 1.2万円 | 10%+住民税10% | 約2.9万円 | 約87万円 |
| 700万円 | 1.2万円 | 20%+住民税10% | 約4.3万円 | 約129万円 |
掛金上限は低いものの、安定した収入があるため、長期的に継続しやすいのが公務員のメリットです。
専業主婦(夫)の方は、所得がないため所得控除のメリットは受けられません。
しかし、運用益が非課税になることと、受取時の税制優遇は適用されるため、長期的な資産形成には有効です。
専業主婦(夫)のメリット
年率3%で30年間運用した場合、約400万円の運用益が非課税となります。
将来パートやアルバイトで収入を得るようになった場合、その時点から所得控除のメリットも受けられます。
配偶者の扶養範囲内で働く場合でも、自分名義で老後資金を準備できるのは大きなメリットです。
掛金上限額
iDeCoの掛金上限額は、職業や企業年金の加入状況によって異なります。
自分がいくらまで拠出できるのかを正確に把握することが、iDeCoを最大限活用するための第一歩です。
自営業者(第1号被保険者)は、国民年金のみの加入となるため、iDeCoの掛金上限額が最も高く設定されています。
月額68,000円(年間816,000円)まで拠出でき、国民年金基金の掛金と合わせた上限額です。
企業年金(企業型DCや確定給付企業年金)がない会社員は、月額23,000円(年間276,000円)まで拠出できます。
これは、企業年金がない分を個人で補うための設定です。
自分の勤務先に企業年金があるかどうかは、総務部や人事部に確認するか、給与明細や源泉徴収票で確認できます。
企業年金がある会社員の掛金上限額は、企業年金の種類によって異なります。
企業型DCに加入している場合、会社によってはiDeCoとの併用が認められていないこともあります。2022年10月から制度が改正され、多くの企業で併用が可能になりましたが、事前に勤務先に確認することをおすすめします。
公務員(第2号被保険者のうち共済組合員)は、月額12,000円(年間144,000円)が掛金上限額です。
公務員は共済年金に加入しており、手厚い年金制度があるため、iDeCoの上限額は最も低く設定されています。
上限額は低いものの、安定した収入があるため、長期的に継続しやすいのが特徴です。月額12,000円でも30年間継続すれば、大きな資産形成につながります。
専業主婦(夫)(第3号被保険者)は、月額23,000円(年間276,000円)まで拠出できます。
所得がないため所得控除のメリットは受けられませんが、運用益非課税と受取時の税制優遇は適用されます。
60歳まで引き出せないため、家計の余裕資金で無理のない範囲で始めることが重要です。
年末調整での控除手続き
会社員がiDeCoの所得控除を受けるには、年末調整で手続きを行う必要があります。
手続きは難しくありませんが、必要書類を準備し、正確に記入することが重要です。
iDeCoの控除を受けるには、金融機関から送られてくる「小規模企業共済等掛金払込証明書」が必要です。
この証明書は、その年に支払った掛金の合計額を証明するもので、通常10月〜11月頃に郵送されます。
証明書の内容
1月〜9月までに支払った掛金の実績
10月〜12月の予定掛金
証明書が届いたら、紛失しないよう大切に保管してください。
10月以降にiDeCoを開始した場合は、証明書の発行時期が遅れることがあります。その場合は、年末調整に間に合わなければ、翌年の確定申告で控除を受けることができます。
年末調整では、「給与所得者の保険料控除申告書」にiDeCoの掛金を記入します。
この書類の「小規模企業共済等掛金控除」欄に、払込証明書に記載された金額を転記します。
コピーではなく原本が必要なので注意してください。
勤務先が年末調整を行い、所得税の還付や住民税の減額が反映されます。所得税の還付は12月または翌年1月の給与で、住民税の減額は翌年6月から反映されます。
払込証明書を紛失してしまった場合でも、再発行が可能です。
加入している金融機関(運営管理機関)に連絡すれば、再発行の手続きができます。再発行には1〜2週間程度かかることが多いため、早めに連絡することが重要です。
年末調整の期限に間に合わない場合は、確定申告で控除を受けることができます。確定申告の期限は翌年3月15日までなので、余裕を持って手続きできます。
年の途中で転職した場合、前職と現職の両方の源泉徴収票が必要になります。
現職の勤務先で年末調整を行う際に、前職の源泉徴収票を提出し、1年間の所得を合算して申告します。
iDeCoの払込証明書は、1年間(1月〜12月)に支払った掛金の合計が記載されているため、転職前後の掛金も含めて控除を受けられます。
転職先で年末調整を受けられない場合(例えば、12月に転職した場合など)は、自分で確定申告を行う必要があります。
確定申告での控除手続き
自営業者やフリーランスの方は、年末調整がないため、確定申告でiDeCoの控除を受けます。
確定申告は毎年2月16日〜3月15日に行い、前年1年間の所得と控除を申告します。
確定申告書の「小規模企業共済等掛金控除」欄に、iDeCoの掛金額を記入します。
確定申告書Bの第二表「小規模企業共済等掛金控除」の「個人型確定拠出年金(iDeCo)」欄に、払込証明書に記載された金額を転記します。
e-Taxで申告する場合は、証明書の添付を省略できる場合がありますが、5年間は証明書を保管しておく必要があります。
e-Tax(国税電子申告・納税システム)を使えば、自宅から確定申告ができます。
e-Taxでは、確定申告書の作成から提出までをオンラインで完結でき、税務署に行く必要がありません。
e-Taxの利用方法
マイナンバーカードとICカードリーダーが必要
または、税務署で発行されるID・パスワードでもログイン可能
iDeCoの掛金は、「所得控除」の「小規模企業共済等掛金控除」欄に入力します。払込証明書に記載された金額を入力すれば、自動的に控除額が計算され、還付金額も表示されます。
e-Taxで申告すれば、還付金の振込も早く、通常3週間程度で指定口座に振り込まれます。
iDeCoの掛金は年1回まで変更できますが、年の途中で変更した場合でも、払込証明書には1年間の合計額が記載されます。
例えば、1月〜6月は月額2万円、7月〜12月は月額3万円に変更した場合、証明書には「300,000円」と記載されます。
確定申告では、この合計額をそのまま記入すればよく、月ごとの内訳を記載する必要はありません。
iDeCoは他の所得控除と併用できますが、併用することで思わぬ影響が出る場合があります。
特に、ふるさと納税の限度額や住宅ローン控除との関係は、事前に理解しておくことが重要です。
iDeCoとふるさと納税は併用できますが、iDeCoで所得控除を受けると、ふるさと納税の限度額が減少します。
これは、iDeCoで課税所得が減ることで、控除できる住民税の額も減るためです。
ふるさと納税限度額の変化
年収500万円の会社員がiDeCoに加入していない場合:限度額約6万円
iDeCoで年間24万円を拠出した場合:限度額約5.5万円に減少
ふるさと納税の限度額は、総務省のシミュレーションサイトや各ふるさと納税サイトのシミュレーターで確認できます。iDeCoの掛金を入力すれば、正確な限度額が計算されるため、寄付前に必ず確認しましょう。
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、所得税から直接控除される税額控除です。
iDeCoは所得控除のため、先に所得から差し引かれ、その後に住宅ローン控除が適用されます。
住宅ローン控除で所得税が全額還付される場合、iDeCoの所得控除による所得税の軽減効果はなくなります。ただし、住民税の軽減効果(10%)は残るため、完全に無駄になるわけではありません。
住宅ローン控除を受けている場合でも、所得税が全額還付されていなければ、iDeCoの所得控除による節税効果があります。自分の源泉徴収票を確認し、住宅ローン控除後の所得税額がゼロかどうかをチェックしてください。
所得控除には、適用される順序があります。
iDeCoの小規模企業共済等掛金控除は、社会保険料控除や生命保険料控除などと同じく、所得から直接差し引かれる控除です。
複数の控除を併用する場合、どの控除を優先すべきかではなく、すべての控除を適用して課税所得を最小化することが重要です。
iDeCoは掛金の全額が控除されるため、生命保険料控除(最大12万円)や医療費控除(10万円超の部分)と比べて、控除額が大きくなる傾向があります。
iDeCoは掛金の拠出時だけでなく、受取時にも税制優遇があります。
60歳以降に受け取る際、「一時金」「年金」「一時金と年金の併用」の3つの方法から選べ、それぞれ異なる控除が適用されます。
iDeCoの資産を一時金で受け取る場合、「退職所得控除」が適用されます。
退職所得控除は、勤続年数(iDeCoの場合は加入期間)に応じて控除額が計算されます。
退職所得控除の計算式
20年以下:40万円×加入年数
20年超:800万円+70万円×(加入年数−20年)
例えば、iDeCoに30年間加入した場合、退職所得控除額は「800万円+70万円×10年=1,500万円」となります。
会社から退職金を受け取る場合、iDeCoの一時金と合算して退職所得控除が計算されます。退職金とiDeCoの受取時期が同じ年の場合、控除枠を共有するため、税負担が増える可能性があります。
iDeCoの資産を年金で受け取る場合、「公的年金等控除」が適用されます。
公的年金等控除は、年齢や年金収入額に応じて控除額が決まり、65歳未満の場合は最低60万円、65歳以上の場合は最低110万円が控除されます。
年金受取の税負担例
65歳以上で公的年金とiDeCoの年金を合わせて年間200万円を受け取る場合
公的年金等控除:110万円
課税所得:90万円(200万円−110万円)
基礎控除48万円を差し引くと、課税所得は42万円
公的年金や企業年金が多い場合、iDeCoの年金を加えると控除枠を超えて税負担が増える可能性があります。また、年金として受け取る期間中は、社会保険料(国民健康保険料など)の負担も考慮する必要があります。
一時金と年金のどちらが有利かは、個人の状況によって異なります。
退職金が少ない場合や、iDeCoの資産が退職所得控除の範囲内であれば、一時金で受け取る方が税負担は少なくなります。
一時金と年金を併用する方法もあります。例えば、退職所得控除の範囲内で一時金を受け取り、残りを年金で受け取ることで、両方の控除を活用できます。
受取方法は60歳到達時に選択できるため、その時の税制や自分の状況に合わせて判断できます。受取時期が近づいたら、税理士やファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。
iDeCoで気をつけたい5つのこと
iDeCoは大きな節税効果がある一方で、いくつかの注意点があります。
加入前にデメリットやリスクを理解しておくことで、後悔のない選択ができます。
iDeCoの最大のデメリットは、原則として60歳まで資産を引き出せないことです。
病気や失業など、急にお金が必要になった場合でも、iDeCoの資産は使えません。
60歳前に引き出せるのは、障害を負った場合や死亡した場合など、限定的な条件のみです。住宅購入や子どもの教育資金など、60歳前に必要になる可能性のあるお金は、iDeCoではなく、NISA口座や預貯金で準備する方が適しています。
iDeCoには、加入時・運用中・受取時にさまざまな手数料がかかります。
手数料を抑えるには、口座管理手数料が無料または低額の金融機関を選ぶことが重要です。SBI証券や楽天証券など、大手ネット証券の多くは口座管理手数料が無料です。
iDeCoで投資信託などの運用商品を選んだ場合、元本割れのリスクがあります。
株式や債券で運用する投資信託は、市場環境によって価格が変動し、拠出した掛金よりも資産が減る可能性があります。
iDeCoは長期投資を前提とした制度であり、短期的な価格変動に一喜一憂する必要はありません。過去のデータでは、15年以上の長期投資では元本割れのリスクが大幅に低下することが示されています。
元本割れが心配な方は、定期預金や保険商品など、元本確保型の商品を選ぶこともできます。ただし、元本確保型は運用益が少ないため、インフレリスク(物価上昇により実質的な資産価値が目減りするリスク)には注意が必要です。
iDeCoは節税効果が高いため、つい掛金を高く設定しがちですが、無理な金額で始めると生活が苦しくなります。
60歳まで引き出せないため、掛金を拠出した後に家計が厳しくなっても、iDeCoの資産は使えません。
掛金は年1回まで変更できますが、変更には手続きが必要で、すぐには反映されません。また、掛金の拠出を停止することはできますが、その間も口座管理手数料は発生し続けます。
掛金は、生活費や緊急予備資金を確保した上で、余裕資金の範囲内で設定することが重要です。
iDeCoは受取時に税制優遇がありますが、控除枠を超えた部分は課税されます。
特に、退職金が多い場合や、公的年金と合わせて受け取る場合は、想定以上の税負担が発生する可能性があります。
受取時の税負担を抑えるには、退職金とiDeCoの受取時期をずらす、一時金と年金を併用するなどの工夫が必要です。受取方法は60歳到達時に選択できるため、その時の状況に合わせて最適な方法を選びましょう。
iDeCoにおすすめの証券会社5社
iDeCoを始めるには、金融機関(運営管理機関)を選ぶ必要があります。
手数料、運用商品のラインナップ、サポート体制などを比較し、自分に合った金融機関を選びましょう。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む) |
| 取引手数料 | 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。 |
| NISA対応 | 〇 |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年3月3日時点 |
| 外国株 | 8カ国/米国株式(5,000銘柄) |
| 取引ツール(PC) | HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー |
| スマホアプリ | SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD |
| 提携銀行口座 | SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
SBI証券は、iDeCoの運用商品数が約90本と業界トップクラスで、投資信託の選択肢が豊富です。
低コストのインデックスファンドから、アクティブファンド、元本確保型の定期預金まで、幅広い商品から選べます。口座管理手数料は無料で、コストを抑えながら運用できます。
SBI証券のポイント
eMAXIS Slimシリーズなど、信託報酬が低い人気ファンドを多数取り扱い
初心者向けのロボアドバイザーサービスあり
iDeCoの加入手続きもオンラインで完結
運用商品の選択肢を重視する方や、低コストで運用したい方におすすめです。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約12,000,000口座 ※2025年1月時点 |
| 取引手数料 | 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 263銘柄 ※2025年4月24日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年4月24日時点 |
| 外国株 | 6カ国/米国株式(約4,500銘柄) |
| 取引ツール(PC) | マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4 |
| スマホアプリ | iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物 |
| 提携銀行口座 | 楽天銀行(マネーブリッジ) |
| ポイント投資・付与 | 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
楽天証券は、iDeCoの運用で楽天ポイントが貯まるのが特徴です。
運用資産の残高に応じてポイントが付与され、貯まったポイントは楽天市場での買い物や楽天カードの支払いに使えます。口座管理手数料は無料で、運用商品も約30本と充実しています。
楽天証券のポイント
楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドなど、楽天グループのオリジナルファンドを取り扱い
スマホアプリからも運用状況を確認可能
初心者向けの解説動画や記事が豊富
楽天サービスを普段から利用している方や、ポイント還元を重視する方におすすめです。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約2,700,000口座 ※2025年2月時点 |
| 取引手数料 | 【取引毎手数料コース】
|
| NISA対応 | 〇(日本株・米国株・中国株・投資信託の売買手数料が無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(銘柄数は公式サイトで確認) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 中国株 / 投資信託(約1,750本以上) |
| 投資信託 | 約1,800本(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 2カ国/米国株:約5,000銘柄以上(2025年1月27日時点) |
| 取引ツール(PC) | マネックストレーダー / 銘柄スカウター |
| スマホアプリ | マネックス証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ |
| 提携銀行口座 | マネックス証券専用銀行口座(詳細は公式サイトで確認) |
| ポイント投資・付与 | マネックスポイント / dポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | オンライン申込で最短翌営業日 |
マネックス証券は、低コストのインデックスファンドが充実しており、長期投資に適した商品が揃っています。
eMAXIS Slimシリーズや楽天・バンガードシリーズなど、信託報酬が0.1%台の超低コストファンドを多数取り扱っています。口座管理手数料は無料です。
マネックス証券のポイント
ロボアドバイザー「マネックスアドバイザー」が無料で利用可能
コールセンターの対応時間が長い(平日夜8時まで、土日も対応)
低コストで長期投資をしたい方や、サポートを重視する方におすすめです。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約1,670,000口座 ※2025年3月時点 |
| 取引手数料 | 【ボックスレート(1日定額制)】 1日の約定代金合計50万円まで:0円 50万円超:1,000円(税込1,100円)~※25歳以下なら約定代金に関わらず手数料無料 |
| NISA対応 | 〇(日本株、米国株、投資信託すべて売買手数料無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(銘柄数は公式サイトで確認) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 投資信託(約1,800本以上) |
| 投資信託 | 約1,900本以上(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 米国株:約4,900銘柄(2025年4月23日時点) |
| 取引ツール(PC) | ネットストック・ハイスピード(無料) |
| スマホアプリ | 日本株アプリ / 投信アプリ / 米国株アプリ(すべて無料) |
| 提携銀行口座 | MATSUI Bank(松井証券専用銀行) |
| ポイント投資・付与 | 松井証券ポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | 最短即日(スマートフォンによるオンライン申込) |
松井証券は、サポート体制の手厚さで定評があり、初心者でも安心してiDeCoを始められます。
コールセンターの対応が丁寧で、iDeCoの仕組みや運用商品の選び方など、基本的な質問から詳しく教えてもらえます。口座管理手数料は無料で、運用商品も約40本と充実しています。
松井証券のポイント
創業100年以上の老舗証券会社で信頼性が高い
Webサイトのデザインがシンプルで分かりやすい
運用商品の選び方を解説する動画やセミナーを定期開催
初めてiDeCoを始める方や、サポートを重視する方におすすめです。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約1,800,000口座 ※2025年2月時点 |
| 取引手数料 | 【ワンショット手数料コース】 約定代金5万円以下:55円(税込) 約定代金50万円超:1,070円(税込)【一日定額手数料コース】 1日100万円まで:0円 1日300万円まで:2,750円(税込) 以降300万円ごとに:2,750円(税込)加算 |
| NISA対応 | 〇(日本株・米国株・投資信託の売買手数料が無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 251銘柄(2025年4月時点) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 投資信託(1,155銘柄) |
| 投資信託 | 約1,853本(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 米国株:約1,050銘柄(2025年4月時点) |
| 取引ツール(PC) | kabuステーション / 銘柄スカウター |
| スマホアプリ | 三菱UFJ eスマート証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ |
| 提携銀行口座 | 三菱UFJ銀行 / auじぶん銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | 最短翌営業日(スマートフォンによるオンライン申込) |
三菱UFJeスマート証券(旧auカブコム証券)は、三菱UFJフィナンシャル・グループの一員で、信頼性と安心感があります。
口座管理手数料は無料で、運用商品も約30本と充実しています。三菱UFJポイントが貯まり、Pontaポイントにも交換できます。
三菱UFJeスマート証券のポイント
三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズを中心に低コストファンドを取り扱い
auユーザー向けの特典あり
三菱UFJ銀行の口座を持っている方は連携がスムーズ
大手金融グループの安心感を重視する方や、auユーザーにおすすめです。
iDeCoは、掛金が全額所得控除の対象となり、運用益も非課税、受取時も税制優遇がある、非常にお得な制度です。
年収や職業によって節税額は異なりますが、長期的に見ると数百万円規模の節税効果が期待できます。
所得控除を受けるには、会社員は年末調整、自営業者は確定申告で手続きが必要です。金融機関から送られてくる払込証明書を添付して申告すれば、所得税と住民税が軽減されます。
ただし、60歳まで引き出せない制約や、各種手数料、元本割れのリスクなど、注意すべきポイントもあります。ふるさと納税や住宅ローン控除との併用時には、限度額や税負担への影響も考慮する必要があります。
iDeCoを始めるには、手数料が安く、運用商品が充実した金融機関を選ぶことが重要です。SBI証券や楽天証券、マネックス証券など、大手ネット証券は口座管理手数料が無料で、初心者にもおすすめです。
iDeCoは老後資金を準備しながら節税できる、非常に優れた制度です。自分の家計状況やライフプランに合わせて、無理のない範囲で活用しましょう。なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは各証券会社や専門家にご相談ください。
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