会社設立のミチシルベ

積立NISAを始めたいけれど、どの銘柄を組み合わせればいいのか分からない。

そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

実は、積立NISAの銘柄選びで最も大切なのは「組み合わせの数」よりも「自分に合った銘柄を選ぶこと」です。

この記事では、初心者でも失敗しない銘柄の組み合わせ例を、リスク許容度や年代別に分けて詳しく解説します。

全世界株式1本だけで十分なのか、それとも複数銘柄を組み合わせるべきなのか。

あなたに最適なポートフォリオが見つかります。

積立NISAの銘柄はいくつ買うべき？｜結論は1〜2本で十分

積立NISAで銘柄を何本買えばいいのか迷っている方に、まず結論をお伝えします。

銘柄数は1〜2本で十分です。

多くの銘柄を買えば安心だと思われがちですが、実際には1本のインデックスファンドだけでも世界中の株式に分散投資できます。

金融庁が推奨する長期・積立・分散投資の原則も、必ずしも複数銘柄を持つことを求めていません。

金融庁「NISA特設ウェブサイト」

1本だけでも十分に分散できる理由

全世界株式型のインデックスファンド1本だけで、約50カ国・数千銘柄に分散投資できます。

代表的な商品である「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、先進国から新興国まで幅広い地域をカバーしています。

この1本を持つだけで、米国のAppleやMicrosoft、日本のトヨタ自動車、欧州の大手企業など、世界中の優良企業に投資していることになります。

地域分散・銘柄分散がすでに完了しているため、わざわざ複数の銘柄を組み合わせる必要はありません。

また、1本だけに絞ることで、投資判断がシンプルになり、毎月の積立設定も簡単です。

投資初心者の方が最初に選ぶ銘柄として、全世界株式型は理想的な選択肢と言えます。

複数銘柄を持つメリットとデメリット

複数銘柄を組み合わせるメリットは、自分の投資方針に合わせて細かく調整できる点です。

例えば、米国株式の比率を高めたい場合は「S&P500」を追加し、リスクを抑えたい場合は債券型ファンドを組み合わせることができます。

一方で、デメリットも存在します。

銘柄数が増えると、各ファンドの値動きを追う手間が増え、リバランスのタイミングを判断するのが難しくなります。

複数銘柄を持つ場合は、それぞれの銘柄の特徴を理解し、重複投資を避けることが重要です。

初心者の方は、まず1本から始めて、慣れてきたら2本目を検討するという段階的なアプローチがおすすめです。

積立NISAの銘柄を選ぶ3つのポイント｜失敗しない基準

積立NISAで銘柄を選ぶ際には、押さえておくべき3つの基準があります。

インデックスファンドを選ぶこと、信託報酬が低い銘柄を選ぶこと、投資先地域の分散を考えることです。

これらの基準を守ることで、長期的に安定したリターンを目指すことができます。

金融庁のつみたてNISA対象商品リストに掲載されている銘柄は、すでに一定の基準をクリアしていますが、その中でもさらに厳選するための視点を解説します。

金融庁「つみたてNISAの対象商品」

インデックスファンドを選ぶ

インデックスファンドとは、日経平均株価やS&P500などの指数に連動する運用を目指す投資信託です。

アクティブファンドと比較して、運用コストが低く、長期的なリターンが安定しているというメリットがあります。

金融庁の調査でも、長期投資においてはインデックスファンドの方がアクティブファンドよりも優れたパフォーマンスを示すケースが多いとされています。

特に初心者の方は、市場平均を目指すインデックスファンドから始めることで、無理なく資産形成を続けられます。

これらはいずれも信託報酬が低く、長期保有に適した商品です。

信託報酬が低い銘柄を選ぶ

信託報酬とは、投資信託を保有している間に毎日差し引かれる運用コストのことです。

年率で表示され、例えば信託報酬0.1%の場合、100万円の投資に対して年間1,000円のコストがかかります。

長期投資では、この信託報酬の差が大きな影響を与えます。

信託報酬0.1%と0.5%の銘柄を20年間保有した場合、最終的なリターンには数十万円の差が生まれることもあります。

特に「eMAXIS Slim」シリーズや「楽天・バンガード」シリーズは、業界最低水準の信託報酬を実現しており、長期保有に適しています。

信託報酬は各運用会社の公式サイトや目論見書で確認できますので、銘柄選びの際には必ずチェックしましょう。

投資先地域の分散を考える

投資先地域の分散とは、特定の国や地域に偏らず、世界中に投資することでリスクを分散する手法です。

例えば、米国株式だけに投資していると、米国経済が不調の時に大きな損失を被る可能性があります。

全世界株式型のファンドは、米国・欧州・日本・新興国など、世界中の株式市場に分散投資しているため、特定地域のリスクを軽減できます。

一方で、米国株式型のファンドは米国市場に集中投資するため、リターンは高い可能性がありますが、リスクも高くなります。

初心者の方は、まず全世界株式型で広く分散し、投資に慣れてきたら米国株式や新興国株式を追加するという方法が安全です。

自分のリスク許容度に合わせて、地域分散のバランスを調整しましょう。

リスク許容度別｜おすすめの組み合わせ例5パターン

ここからは、リスク許容度に応じた具体的な銘柄の組み合わせ例を5パターン紹介します。

自分の投資目的やリスクに対する考え方に合わせて、最適なポートフォリオを選んでください。

各パターンには、実際の銘柄名と配分比率を記載していますので、そのまま参考にすることができます。

なお、銘柄の選定にあたっては、各運用会社の公式サイトで最新の情報を確認することをおすすめします。

三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slimシリーズ」

リスクを抑えたい人向け｜全世界株式1本

リスクを最小限に抑えたい方には、全世界株式型のインデックスファンド1本だけの運用をおすすめします。

代表的な銘柄は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。

この銘柄1本で、約50カ国・数千銘柄に分散投資できるため、特定の国や地域の経済危機の影響を受けにくくなります。

信託報酬も0.05775%と業界最低水準で、長期保有に適しています。

バランス重視の人向け｜全世界株式+債券型

リスクとリターンのバランスを重視する方には、全世界株式と債券型ファンドの組み合わせがおすすめです。

配分比率は、全世界株式70%・債券型30%が一般的です。

具体的な組み合わせ例は、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」70%と「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」30%です。

債券型ファンドは株式よりも値動きが穏やかで、株式市場が下落した際のクッション役となります。

この組み合わせは、40代以降の方や、安定した資産形成を目指す方に適しています。

株式100%よりもリスクが低く、長期的に安定したリターンを期待できます。

リターンを狙いたい人向け｜米国株式+新興国株式

高いリターンを狙いたい方には、米国株式と新興国株式の組み合わせがおすすめです。

配分比率は、米国株式80%・新興国株式20%が一般的です。

具体的な組み合わせ例は、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」80%と「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」20%です。

米国株式は世界最大の経済大国であり、安定した成長が期待できます。

新興国株式は値動きが大きいですが、高い成長率が魅力です。

地域分散を重視する人向け｜先進国+新興国

地域分散を重視する方には、先進国株式と新興国株式の組み合わせがおすすめです。

配分比率は、先進国株式70%・新興国株式30%が一般的です。

具体的な組み合わせ例は、「ニッセイ外国株式インデックスファンド」70%と「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」30%です。

先進国株式は米国・欧州・日本などの成熟した市場をカバーし、新興国株式は中国・インド・ブラジルなどの成長市場をカバーします。

この組み合わせは、全世界株式型よりも自分で地域配分を調整したい方に適しています。

新興国の成長を取り込みつつ、先進国の安定性も確保できます。

積極運用したい人向け｜米国株式+アクティブファンド

積極的に運用したい方には、米国株式とアクティブファンドの組み合わせがおすすめです。

配分比率は、米国株式70%・アクティブファンド30%が一般的です。

具体的な組み合わせ例は、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」70%と「ひふみプラス」30%です。

アクティブファンドは、ファンドマネージャーが独自の判断で銘柄を選定するため、市場平均を上回るリターンを目指します。

年代別・ライフステージ別の組み合わせ例｜自分に合った選び方

積立NISAの銘柄選びは、年代やライフステージによっても最適解が変わります。

20代と50代では、リスク許容度も投資期間も大きく異なるため、それぞれに適したポートフォリオを組む必要があります。

ここでは、年代別・ライフステージ別に具体的な組み合わせ例を紹介します。

自分の年齢や家族構成、将来の目標に合わせて、最適なポートフォリオを見つけてください。

20〜30代｜長期運用でリターン重視

20〜30代の方は、投資期間が長く取れるため、リスクを取ってでも高いリターンを狙うことができます。

おすすめの組み合わせは、米国株式100%または全世界株式100%です。

具体的には、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」1本、または「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」1本です。

若いうちは債券を組み入れる必要はなく、株式100%で運用することで、複利効果を最大限に活用できます。

20年以上の長期運用を前提とすれば、短期的な値動きに一喜一憂せず、市場の成長を享受できます。

毎月3万円を20年間積み立てた場合、年率5%で運用できれば約1,200万円になる計算です（金融庁の資産運用シミュレーションを基に試算）。

40代｜子育て世代のバランス型

40代の方は、子育てや住宅ローンなどの支出が多い時期ですが、老後資金の準備も始める必要があります。

おすすめの組み合わせは、全世界株式80%・債券型20%です。

具体的には、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」80%と「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」20%です。

株式の比率を高めに保ちつつ、債券で安定性を確保するバランス型のポートフォリオです。

40代は収入が安定してくる時期でもあるため、積立額を増やすことも検討しましょう。

毎月5万円を20年間積み立てた場合、年率4%で運用できれば約1,800万円になる計算です（金融庁の資産運用シミュレーションを基に試算）。

50代以上｜老後資金準備で安定重視

50代以上の方は、老後資金の準備が本格化する時期です。

リスクを抑えた安定運用を心がけましょう。

おすすめの組み合わせは、全世界株式60%・債券型40%です。

具体的には、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」60%と「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」40%です。

債券の比率を高めることで、株式市場の下落リスクを軽減できます。

50代は退職までの期間が短いため、大きな損失を避けることが重要です。

また、積立NISAだけでなく、iDeCoや企業型確定拠出年金も活用して、総合的な資産形成を進めましょう。

積立額別のシミュレーション（月1万円vs月5万円）

積立額によって、将来の資産額は大きく変わります。

ここでは、月1万円と月5万円の積立を20年間続けた場合のシミュレーションを紹介します。

月1万円を年率5%で20年間運用した場合、最終的な資産額は約411万円です（金融庁の資産運用シミュレーションを基に試算）。

元本240万円に対して、運用益は約171万円となります。

一方、月5万円を同じ条件で運用した場合、最終的な資産額は約2,055万円です。

元本1,200万円に対して、運用益は約855万円となります。

このように、積立額を増やすことで、複利効果がより大きく働きます。

無理のない範囲で積立額を設定し、収入が増えたタイミングで増額することをおすすめします。

人気銘柄の比較｜オールカントリーとS&P500どちらを選ぶ？

積立NISAで最も人気のある2つの銘柄が、全世界株式型の「オールカントリー」と米国株式型の「S&P500」です。

どちらを選ぶべきか迷っている方は多いと思いますが、それぞれに明確な特徴があります。

ここでは、2つの銘柄の違いを詳しく比較し、どちらを選ぶべきかの判断基準を解説します。

各運用会社の公式サイトでも詳細な情報が公開されていますので、合わせて確認してください。

三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slimシリーズ」

全世界株式（オールカントリー）の特徴

全世界株式型の代表的な銘柄は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。

この銘柄は、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスに連動し、約50カ国・数千銘柄に分散投資します。

投資先の地域配分は、米国約60%、欧州約15%、日本約5%、新興国約10%、その他約10%となっています。

米国の比率が高いものの、世界中の株式市場に幅広く投資しているため、特定地域のリスクを分散できます。

信託報酬は0.05775%と非常に低く、長期保有に適しています。

初心者の方や、世界経済全体の成長を享受したい方におすすめです。

米国株式（S&P500）の特徴

米国株式型の代表的な銘柄は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。

この銘柄は、S&P500指数に連動し、米国の主要500社に投資します。

投資先には、Apple、Microsoft、Amazon、Google、Teslaなど、世界を代表する企業が含まれています。

米国経済は世界最大の規模を誇り、過去の実績でも高いリターンを記録してきました。

信託報酬は0.09372%と低水準で、長期保有に適しています。

米国経済の成長に期待したい方や、高いリターンを狙いたい方におすすめです。

どちらを選ぶべき？判断基準

オールカントリーとS&P500のどちらを選ぶべきかは、あなたのリスク許容度と投資方針によって決まります。

判断基準は以下の通りです。

迷った場合は、オールカントリー1本から始めることをおすすめします。

慣れてきたら、S&P500を追加して米国比率を高めるという方法もあります。

銘柄の組み合わせで気をつけたい3つの注意点

銘柄を組み合わせる際には、いくつかの注意点があります。

特に初心者の方が陥りがちな失敗を避けるため、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

これらの注意点を守ることで、無駄なコストを削減し、効率的なポートフォリオを構築できます。

同じ指数への重複投資を避ける

複数の銘柄を組み合わせる際に最も注意すべきなのが、同じ指数への重複投資です。

例えば、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を同時に保有すると、米国株式が重複してしまいます。

重複投資を避けるためには、各銘柄の投資先を事前に確認することが重要です。

目論見書や運用会社の公式サイトで、投資先の地域配分や組入銘柄を確認しましょう。

銘柄数を増やしすぎない

銘柄数を増やせば分散効果が高まると思われがちですが、実際には3本以上になると管理が煩雑になります。

各銘柄の値動きを追うのが難しくなり、リバランスのタイミングを見誤る可能性もあります。

また、銘柄数が増えると、各銘柄の配分比率が小さくなり、分散効果が薄れてしまいます。

例えば、5本の銘柄を均等に保有すると、1本あたりの比率は20%になり、個別の銘柄の影響力が低下します。

初心者の方は、まず1〜2本から始めて、投資に慣れてきたら3本目を検討するという段階的なアプローチがおすすめです。

銘柄数を増やすよりも、積立額を増やす方が効果的です。

信託報酬の合計コストを確認する

複数の銘柄を組み合わせる場合、信託報酬の合計コストを確認することが重要です。

例えば、信託報酬0.1%の銘柄を2本保有すると、合計で0.2%のコストがかかります。

信託報酬は毎日差し引かれるため、長期保有では大きな影響を与えます。

信託報酬0.2%と0.5%の差は、20年間で数十万円の差になることもあります。

また、信託報酬以外にも、売買委託手数料や監査報酬などの隠れコストがあります。

これらは目論見書の「その他の費用」欄に記載されていますので、必ず確認してください。

銘柄を変更・リバランスする方法｜タイミングと手順

積立NISAを始めた後、銘柄を変更したり、リバランスしたりする必要が出てくることがあります。

ここでは、銘柄変更やリバランスの具体的な方法と、そのタイミングについて解説します。

銘柄変更やリバランスは、投資方針の見直しや市場環境の変化に対応するための重要な手段です。

適切なタイミングで実行することで、より効率的な資産形成が可能になります。

銘柄を変更するタイミングの判断基準

銘柄を変更するタイミングは、主に以下の3つです。

第一に、投資方針が変わった場合です。

例えば、リスクを抑えたくなった場合は、債券型ファンドを追加したり、株式の比率を下げたりします。

第二に、信託報酬がより低い銘柄が登場した場合です。

例えば、現在保有している銘柄よりも0.1%以上低い信託報酬の銘柄が出た場合は、変更を検討する価値があります。

第三に、運用実績が期待を下回った場合です。

銘柄変更は頻繁に行うものではありません。

年に1回程度、自分のポートフォリオを見直すタイミングで検討することをおすすめします。

リバランスの具体的な手順

リバランスとは、ポートフォリオの配分比率を元の目標値に戻す作業です。

例えば、株式70%・債券30%で運用していたところ、株式が値上がりして株式80%・債券20%になった場合、株式を売却して債券を買い増すことでバランスを戻します。

積立NISAでは、保有している銘柄を売却すると非課税枠が復活しますが、その年の枠は戻りません。

そのため、リバランスは売却ではなく、積立設定の変更で対応することをおすすめします。

例えば、株式の積立を一時停止し、債券の積立を増やすことで、徐々にバランスを戻すことができます。

リバランスの頻度は、年に1回程度が目安です。

頻繁に行うと手間がかかり、取引コストも増えるため、年末や誕生月など、決まったタイミングで実施しましょう。

非課税枠の復活ルールと注意点

積立NISAで保有している銘柄を売却すると、翌年以降に非課税枠が復活します。

また、売却した銘柄の取得価額ではなく、売却時の時価で非課税枠が復活します。

例えば、100万円で購入した銘柄が150万円に値上がりした場合、売却すると150万円分の非課税枠が翌年以降に復活します。

非課税枠の復活ルールは複雑なため、証券会社のサポートページや金融庁の公式サイトで詳細を確認することをおすすめします。

金融庁「NISA特設ウェブサイト」

よくある失敗例と回避方法｜初心者が陥りがちな3つの罠

積立NISAを始める際、多くの初心者が陥りがちな失敗例があります。

ここでは、代表的な3つの失敗例と、その回避方法を詳しく解説します。

これらの失敗例を事前に知っておくことで、無駄なコストや損失を避け、効率的な資産形成を進めることができます。

失敗例1｜分散しすぎて管理できなくなる

初心者が陥りがちな失敗の一つが、銘柄を分散しすぎて管理できなくなることです。

5本以上の銘柄を保有すると、各銘柄の値動きを追うのが難しくなり、リバランスのタイミングを見誤る可能性があります。

また、銘柄数が増えると、各銘柄の配分比率が小さくなり、分散効果が薄れてしまいます。

例えば、10本の銘柄を均等に保有すると、1本あたりの比率は10%になり、個別の銘柄の影響力が低下します。

失敗例2｜手数料の高い銘柄を選んでしまう

信託報酬が高い銘柄を選んでしまうと、長期的に大きなコストがかかります。

例えば、信託報酬1.0%の銘柄を20年間保有すると、元本の約20%がコストとして差し引かれます。

積立NISAの対象商品は信託報酬が低めに設定されていますが、その中でも0.5%以上の銘柄は避けるべきです。

この失敗を避けるためには、信託報酬0.2%以下の銘柄を選ぶことをおすすめします。

「eMAXIS Slim」シリーズや「楽天・バンガード」シリーズは、業界最低水準の信託報酬を実現しています。

失敗例3｜短期的な値動きで売却してしまう

積立NISAは長期投資を前提とした制度ですが、短期的な値動きに一喜一憂して売却してしまう方がいます。

例えば、株式市場が暴落した際に慌てて売却すると、損失が確定してしまいます。

長期投資では、短期的な値動きは気にせず、市場の成長を待つことが重要です。

過去のデータでも、15年以上の長期保有では、ほとんどのケースでプラスのリターンを記録しています。

積立NISAにおすすめの証券会社3社｜銘柄の取扱いと手数料で比較

積立NISAを始めるには、証券会社で口座を開設する必要があります。

証券会社選びは、取扱銘柄数や手数料、ポイント還元などを総合的に比較して決めましょう。

ここでは、初心者におすすめの証券会社3社を紹介します。

各社の特徴を理解し、自分に合った証券会社を選んでください。

詳しくは各証券会社の公式サイトでご確認ください。

SBI証券｜取扱銘柄数が豊富でポイント還元も充実

SBI証券は、積立NISA対象商品の取扱数が約271本と豊富です。

投資信託の総取扱数も約2,600本と多く、幅広い選択肢から銘柄を選べます。

ポイント還元も充実しており、Vポイント、Pontaポイント、dポイント、JALマイル、PayPayポイントの5種類から選べます。

投資信託の保有残高に応じてポイントが貯まるため、長期保有するほどお得です。

口座開設数は約1,500万口座と国内最大級で、初心者から上級者まで幅広く利用されています。

取引ツールも充実しており、スマホアプリ「SBI証券アプリ」は使いやすいと評判です。

楽天証券｜楽天ポイントで投資できる

楽天証券は、積立NISA対象商品の取扱数が約200本で、主要な銘柄はすべてカバーしています。

投資信託の総取扱数は約2,550本と豊富です。

最大の特徴は、楽天ポイントで投資信託を購入できる点です。

楽天市場や楽天カードで貯めたポイントを投資に回すことができ、現金を使わずに資産形成を始められます。

また、楽天カードで積立設定をすると、最大1%のポイント還元を受けられます。

口座開設数は約1,200万口座で、楽天経済圏を利用している方には特におすすめです。

取引ツール「MARKET SPEED Ⅱ」は高機能で、上級者にも人気があります。

マネックス証券｜米国株との併用に強い

マネックス証券は、積立NISA対象商品の取扱数が約217本で、主要な銘柄はすべてカバーしています。

投資信託の総取扱数は約1,800本です。

最大の特徴は、米国株の取扱銘柄数が約5,000銘柄と豊富である点です。

積立NISAで日本の投資信託を積み立てながら、成長投資枠やNISA以外の口座で米国株に投資するという使い分けができます。

ポイント還元は、マネックスポイントまたはdポイントが貯まります。

また、IPO(新規公開株)の取扱実績も年間54銘柄(2024年実績)と豊富で、将来的にIPO投資も検討している方におすすめです。

よくある質問（Q&A）

積立NISAの銘柄選びに関して、よくある質問をまとめました。

初心者の方が疑問に思いやすいポイントを中心に、分かりやすく回答します。

積立NISAで何本まで銘柄を買えますか？

積立NISAでは、銘柄数に制限はありません。

1本だけでも、10本以上でも自由に選べます。

ただし、管理のしやすさを考えると、1〜2本に絞ることをおすすめします。

銘柄数を増やしても分散効果が大きく向上するわけではなく、むしろ管理が煩雑になるデメリットがあります。

途中で銘柄を変更できますか？

はい、途中で銘柄を変更できます。

現在積み立てている銘柄を売却して、別の銘柄を購入することも可能です。

ただし、売却した年の非課税枠は戻らないため、翌年以降に非課税枠が復活します。

また、積立設定を変更するだけで、新たに購入する銘柄を変えることもできます。

複数の証券会社で積立NISAを運用できますか？

いいえ、積立NISAの口座は1人1口座しか開設できません。

複数の証券会社で同時に運用することはできません。

ただし、年単位で証券会社を変更することは可能です。

変更する場合は、現在の証券会社で手続きを行い、新しい証券会社で口座を開設する必要があります。

アクティブファンドとインデックスファンドどちらがいいですか？

初心者の方には、インデックスファンドをおすすめします。

インデックスファンドは信託報酬が低く、長期的に安定したリターンが期待できます。

アクティブファンドは、ファンドマネージャーが独自の判断で銘柄を選定するため、市場平均を上回るリターンを目指しますが、信託報酬が高く、必ずしもインデックスファンドを上回るとは限りません。

暴落時はどうすればいいですか？

暴落時は、慌てて売却せず、冷静に対応することが重要です。

積立NISAは長期投資を前提としているため、短期的な値動きは気にせず、積立を継続しましょう。

むしろ、暴落時は株価が安くなっているため、買い増しのチャンスと捉えることができます。

過去のデータでも、暴落後に市場は回復し、長期的にはプラスのリターンを記録しています。

まとめ

積立NISAの銘柄選びは、1〜2本のインデックスファンドで十分です。

全世界株式型の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」1本だけでも、世界中の株式に分散投資できます。

銘柄を選ぶ際の3つの基準は、インデックスファンドを選ぶこと、信託報酬が低い銘柄を選ぶこと、投資先地域の分散を考えることです。

これらの基準を守ることで、長期的に安定したリターンを目指せます。

リスク許容度や年代に応じて、最適なポートフォリオは変わります。

20〜30代の方は株式100%でリターン重視、40代はバランス型、50代以上は債券を組み入れた安定重視の運用がおすすめです。

銘柄の組み合わせで気をつけたいのは、同じ指数への重複投資を避けること、銘柄数を増やしすぎないこと、信託報酬の合計コストを確認することです。

これらを守ることで、効率的なポートフォリオを構築できます。

証券会社選びでは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券がおすすめです。

取扱銘柄数、ポイント還元、使いやすさなどを比較して、自分に合った証券会社を選びましょう。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、慎重にご検討ください。