会社設立のミチシルベ

「NISAを始めたいけど、実際どれくらい増えるの？」と疑問に思っていませんか。

NISA投資の成果を知るには、利回りという指標が欠かせません。

利回りとは、投資した金額に対してどれだけ利益が出たかを示す数値のことです。

この記事では、NISAの平均利回り、計算方法、そして具体的なシミュレーションまで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

20年後にいくら増えるのか、どうすれば利回りを高められるのか、具体的な数字とともにお伝えしていきます。

NISAの利回りとは？｜投資の成果を測る指標

NISA投資を始める前に、まず「利回り」という言葉の意味を正しく理解しておきましょう。

利回りは投資の成果を測る最も基本的な指標です。

利回りの定義と計算式

利回りとは、投資した元本に対してどれだけの利益が得られたかを年率で表したものです。

例えば100万円を投資して1年後に105万円になった場合、利回りは5%となります。

基本的な計算式は以下のとおりです。

運用益には、値上がり益（キャピタルゲイン）と配当金・分配金（インカムゲイン）の両方が含まれます。

NISAでは、この運用益が非課税になるため、通常の課税口座よりも効率的に資産を増やせるのが大きなメリットです。

金融庁:NISA特設ウェブサイト

利回りと利率の違い

「利回り」と「利率」は似た言葉ですが、意味が異なります。

混同しやすいポイントなので、しっかり区別しておきましょう。

利率は、債券などで約束された固定の金利のことです。

例えば「年利1%の債券」という場合、これは利率を指します。購入価格に関わらず、額面金額に対して1%の利息が支払われます。

一方、利回りは実際の投資成果を示す数値で、購入価格と売却価格、配当金などをすべて含めて計算します。

株式や投資信託のように価格が変動する商品では、利回りで運用成績を評価するのが一般的です。

NISAの平均利回りはどれくらい？

実際にNISAで投資すると、どれくらいの利回りが期待できるのでしょうか。

金融庁のデータをもとに、平均的な利回りの相場を見ていきましょう。

つみたて投資枠の平均利回り

つみたて投資枠（旧つみたてNISA）で選べる投資信託は、金融庁の厳しい基準をクリアした商品のみです。

これらの商品の平均利回りは、年3〜7%程度が目安とされています。

金融庁の「つみたてNISA早わかりガイドブック」によると、長期・積立・分散投資を行った場合、過去20年間の実績では年平均2〜8%の収益率となっています。

特に全世界株式や先進国株式に連動するインデックスファンドでは、年5%前後の利回りが期待できる傾向にあります。

金融庁:つみたてNISA早わかりガイドブック

成長投資枠の平均利回り

成長投資枠では、個別株式やアクティブファンドなど、より幅広い商品に投資できます。

そのため、利回りの幅も大きく、年-10%〜+20%以上と商品によって大きく異なります。

個別株式の場合、企業の成長や業績によって株価が大きく変動します。

成長企業に投資すれば年10%以上の利回りも期待できますが、業績悪化時には大きく値下がりするリスクもあります。

アクティブファンドは、運用のプロが銘柄を選定して市場平均を上回る成果を目指しますが、信託報酬が高めに設定されているため、実際の利回りは手数料を差し引いた後の数値になります。

金融庁データで見る収益率の分布

金融庁が公表している「資産運用シミュレーション」のデータによると、毎月一定額を積み立てる投資を20年間継続した場合、約7割の期間でプラスの収益が得られたという結果が示されています。

具体的な収益率の分布を見ると、年率3〜5%の範囲に収まるケースが最も多く、全体の約4割を占めています。

一方で、短期間では元本割れのリスクもあります。

投資期間が5年以下の場合、約3割の期間で元本割れが発生していますが、20年間の長期投資では元本割れの確率が大幅に低下します。

金融庁:資産運用シミュレーション

利回り別シミュレーション｜20年後の資産はいくら？

利回りの数字だけを見ても、実際にどれくらい資産が増えるのかイメージしにくいですよね。

ここでは、具体的な金額でシミュレーションしてみましょう。

毎月3万円を積立投資した場合

毎月3万円を20年間積み立てた場合、利回りによって最終的な資産額は大きく変わります。

以下の表で確認してみましょう。

利回り3%でも、元本720万円が約982万円に増え、約262万円の運用益が得られます。

利回り5%なら約513万円、7%なら約847万円もの運用益です。

この差は複利効果によって生まれます。運用益がさらに運用されることで、時間が経つほど資産の増え方が加速していくのです。

金融庁:資産運用シミュレーション

毎月5万円を積立投資した場合

毎月5万円を積み立てられる場合、20年後の資産はさらに大きくなります。

毎月5万円の積立では、利回り5%で約2,055万円、7%なら約2,612万円にまで資産が成長します。

元本1,200万円に対して、運用益だけで855万円〜1,412万円も増える計算です。

複利効果で資産が加速する仕組み

上記のシミュレーションで資産が大きく増える理由は、複利効果にあります。

複利とは、運用で得た利益をそのまま再投資することで、利益が利益を生む仕組みのことです。

例えば100万円を利回り5%で運用した場合、1年目は5万円の利益が出ます。

この5万円を引き出さずに再投資すると、2年目は105万円に対して5%の利益が発生し、5万2,500円の利益になります。

このように、時間が経つほど利益の増え方が加速していくのです。

金融庁:投資の基本

利回りの計算方法｜自分の運用成績を確認しよう

実際にNISA投資を始めたら、定期的に自分の運用成績を確認することが大切です。

ここでは、利回りの具体的な計算方法を学びましょう。

年間利回りの計算式

一括投資の場合の年間利回りは、以下の計算式で求められます。

例えば、100万円で購入した投資信託が1年後に107万円になった場合、年間利回りは{(107万円 – 100万円) ÷ 100万円} × 100 = 7%となります。

複数年にわたる運用の場合は、年平均利回りを計算します。

投資期間が3年で元本100万円が130万円になった場合、{(130万円 ÷ 100万円)^(1 ÷ 3) – 1} × 100 ≒ 9.14%となります。

積立投資の利回り計算方法

毎月積み立てる場合の利回り計算は、一括投資よりも複雑です。

なぜなら、投資のタイミングが毎月異なり、それぞれの投資元本に対する運用期間も異なるためです。

積立投資の正確な利回り計算には、IRR（内部収益率）という手法が用いられます。

この計算は複雑なため、通常は証券会社の管理画面やエクセルの関数（XIRR関数）を使って算出します。

簡易的な目安としては、以下の計算式が使えます。

証券会社の管理画面で確認する方法

実際には、複雑な計算式を自分で使う必要はありません。

証券会社の管理画面で、現在の運用成績を簡単に確認できます。

SBI証券や楽天証券などの主要ネット証券では、口座管理画面にログインすると「保有資産」や「損益」のページで以下の情報が表示されます。

損益率がそのまま利回りの目安となります。

NISA利回りを高める5つのポイント

同じNISAでも、商品選びや運用方法によって利回りは大きく変わります。

ここでは、利回りを高めるための具体的なポイントを5つ紹介します。

インデックスファンドを選ぶ

利回りを安定的に高めたいなら、インデックスファンドを選ぶのが基本戦略です。

インデックスファンドとは、日経平均株価やS&P500などの株価指数に連動することを目指す投資信託のことです。

金融庁のデータによると、長期的にはアクティブファンド（プロが銘柄を選定するファンド）の多くがインデックスファンドの成績を下回っています。

これらは過去20年間で年平均5〜7%程度の利回りを実現しており、長期投資に適した選択肢と言えます。

金融庁:投資の基本

信託報酬が低い商品を選ぶ

信託報酬は、投資信託を保有している間、毎日差し引かれる運用コストです。

わずか数パーセントの差に見えますが、長期投資では最終的な利回りに大きな影響を与えます。

例えば、年利回り5%の商品で信託報酬が年0.1%と年1.0%の場合を比較してみましょう。

100万円を20年間運用した場合、信託報酬0.1%なら約258万円になりますが、1.0%では約216万円にしかなりません。

その差は約42万円にもなります。

長期投資を継続する

利回りを高める最も確実な方法は、長期投資を継続することです。

短期的には市場が下落して含み損を抱えることもありますが、長期で見れば経済は成長を続け、株価も上昇する傾向にあります。

金融庁のデータによると、投資期間が5年以下の場合は元本割れのリスクが約30%ありますが、20年間の長期投資では元本割れの確率が大幅に低下します。

金融庁:投資の基本

分散投資でリスクを抑える

利回りを高めるには、リスクを適切にコントロールすることも重要です。

分散投資は、リスクを抑えながら安定的な利回りを目指す基本戦略です。

分散投資には、以下の3つの観点があります。

ドルコスト平均法を活用する

ドルコスト平均法とは、定期的に一定額を投資し続ける手法のことです。

NISAのつみたて投資枠は、まさにこのドルコスト平均法を活用した仕組みです。

この手法のメリットは、価格が高い時には少なく、価格が安い時には多く購入できることです。

例えば、毎月3万円を積み立てる場合、基準価額が1万円の時は3口、5千円の時は6口購入できます。

利回りで気をつけたい3つのこと

利回りは魅力的な指標ですが、数字だけに注目すると思わぬ落とし穴にはまることがあります。

ここでは、利回りを見る際に気をつけるべき重要なポイントを3つ解説します。

過去の実績は将来を保証しない

「過去20年間の平均利回りは年7%でした」という情報を見ると、将来も同じように増えると期待してしまいがちです。

しかし、過去の実績は将来のリターンを保証するものではありません。

株式市場は経済情勢、金利動向、地政学リスクなど、さまざまな要因で変動します。

金融庁:リスク情報の開示について

高利回りには高リスクが伴う

「年利回り20%以上！」といった広告を見ると魅力的に感じるかもしれませんが、高い利回りには必ず高いリスクが伴います。

これは投資の大原則です。

例えば、個別株式やレバレッジ型の投資信託は、うまくいけば高い利回りを得られますが、市場が下落した時には大きな損失を被る可能性があります。

短期的な損失に動揺しない

投資を始めると、必ず含み損を抱える時期があります。

特に市場全体が下落する局面では、資産が大きく目減りして不安になることもあるでしょう。

しかし、短期的な損失に動揺して売却してしまうと、損失を確定させてしまいます。

過去のデータを見ると、市場は一時的に下落しても、長期的には回復して成長を続けてきました。

年代別・目的別のおすすめ利回り設定

最適な利回り目標は、年齢や資産状況、投資目的によって異なります。

ここでは、年代別に適した利回り設定と運用戦略を解説します。

20～30代｜積極的な資産形成期

この年代の強みは、時間を味方につけられることです。

仮に市場が暴落しても、回復を待つ時間が十分にあります。

40～50代｜安定重視の運用期

この年代では、積極的にリスクを取るよりも、これまで築いた資産を守りながら着実に増やすことが重要です。

60代以降｜取り崩しを見据えた運用

利回りが期待を下回った時の対処法

実際に投資を始めると、思ったように利回りが伸びないこともあります。

そんな時、どう対処すればよいのでしょうか。具体的な対処法を3つ紹介します。

市場の一時的な下落か構造的な問題か見極める

利回りが低迷している原因を正しく理解することが、最初のステップです。

原因は大きく2つに分けられます。

ポートフォリオを見直す

利回りが期待を下回る原因として、ポートフォリオのバランスが崩れている可能性もあります。

定期的にポートフォリオを見直し、必要に応じてリバランスを行いましょう。

リバランスとは、資産配分を当初の目標に戻す作業のことです。

例えば、株式60%・債券40%という配分で始めた場合、株価が上昇すると株式の比率が70%に増えることがあります。

この時、株式の一部を売却して債券を買い増し、元の60%・40%に戻すのがリバランスです。

積立を継続して平均取得単価を下げる

市場が下落して含み損を抱えている時こそ、積立を継続することが重要です。

価格が下がっている時に買い続けることで、平均取得単価を下げられます。

例えば、基準価額1万円の時に毎月3万円（3口）を購入していたとします。

価格が5千円に下落した場合、同じ3万円で6口購入できます。その後、価格が7,500円に回復すれば、平均取得単価を下回るため利益が出ます。

NISAにおすすめの証券会社5社

NISA投資を始めるには、証券会社で口座を開設する必要があります。

ここでは、利回り重視の投資に適した証券会社を5社紹介します。

SBI証券｜取扱商品数と利回りシミュレーターが充実

SBI証券は、NISA口座開設数No.1の最大手ネット証券です。

つみたて投資枠対象の投資信託は約271本と業界トップクラスで、幅広い選択肢から自分に合った商品を選べます。

特に注目したいのが、充実した投資ツールです。

「資産運用シミュレーター」では、積立額と目標利回りを入力するだけで、将来の資産額を簡単に試算できます。

楽天証券｜楽天ポイントで利回りアップ

楽天証券は、楽天経済圏を活用したポイント投資が魅力の証券会社です。

楽天カードで積立投資をすると、積立額の最大1%分の楽天ポイントが貯まります。

このポイントを投資に回すことで、実質的な利回りをさらに高められます。

マネックス証券｜米国株の利回り重視派におすすめ

マネックス証券は、米国株投資に強みを持つ証券会社です。

米国株の取扱銘柄数は約5,000銘柄と業界トップクラスで、S&P500や米国ETFへの投資を考えている方に適しています。

米国株式は過去の実績から年7〜10%程度の利回りが期待でき、長期的な資産形成に向いています。

松井証券｜50万円まで手数料無料で利回り改善

松井証券は、1日の約定代金が50万円までなら株式売買手数料が無料という独自のサービスが魅力です。

また、25歳以下なら金額に関わらず手数料無料で、若い世代の資産形成を強力にサポートしています。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券｜銀行連携で管理しやすい

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJ銀行と連携した資産管理が魅力の証券会社です。

銀行口座と証券口座を一元管理できるため、資産全体の利回りを把握しやすいのが特徴です。

まとめ

NISA投資の利回りは、商品選びと運用方法によって大きく変わります。

つみたて投資枠では年3〜7%、成長投資枠ではさらに幅広い利回りが期待できます。

利回りを高めるポイントは、インデックスファンドの選択、信託報酬の低い商品、長期投資の継続、分散投資、そしてドルコスト平均法の活用です。

これらを実践することで、安定的な資産形成が可能になります。

また、年代や目的に応じて適切な利回り目標を設定することも重要です。

20〜30代は積極的に、40〜50代は安定重視で、60代以降は安全性を最優先にと、ライフステージに合わせた運用を心がけましょう。

利回りが期待を下回った時は、慌てて売却せず、原因を冷静に分析することが大切です。

市場の一時的な下落なら保有継続、商品に問題があるならポートフォリオの見直しを検討しましょう。

NISA投資を始めるなら、SBI証券や楽天証券などの主要ネット証券がおすすめです。

取扱商品が豊富で、手数料も低く、投資ツールも充実しているため、効率的に資産を増やせます。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。過去の利回り実績は将来を保証するものではなく、市場環境によって大きく変動する可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。不安な点があれば、証券会社や専門家に相談することをおすすめします。