楽天証券のNISAの始め方|口座開設から買い方まで完全ガイド

楽天証券のNISAの始め方|口座開設から買い方まで完全ガイド

楽天証券でNISAを始めたいけれど、口座開設の手順や実際の買い方が分からず、一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。

楽天証券のNISAは、楽天ポイントが貯まる・使える点や100円から投資できる手軽さが魅力です。

この記事では、楽天証券のNISA口座開設から投資信託の買い方、楽天ポイント活用法まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

楽天経済圏を活用している方なら、さらにお得に資産形成ができます。

口座開設は最短翌営業日で完了し、スマホだけで手続きが完結します。

この記事の要約
  • 楽天証券のNISAは口座開設から積立設定まで最短5ステップで完了
  • 楽天ポイントが貯まる・使える楽天経済圏との連携が最大の強み
  • 100円から投資可能で初心者でも始めやすい
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

楽天証券のNISAとは|基本の仕組みと特徴

楽天証券のNISAは、投資で得た利益が非課税になる制度を活用できる証券口座です。2024年からスタートした新NISA制度では、非課税保有限度額が1,800万円に拡大され、より多くの資産を非課税で運用できるようになりました。楽天証券は約1,200万口座を突破し、ネット証券の中でもトップクラスの実績を誇ります。

新NISAの2つの投資枠

新NISA制度には「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの投資枠があり、併用が可能です。

つみたて投資枠は年間120万円まで、成長投資枠は年間240万円まで投資でき、合計で年間360万円の投資が可能です。非課税保有期間は無期限となり、長期的な資産形成に適しています。

金融庁:NISA特設ウェブサイト

つみたて投資枠は金融庁が認めた投資信託約220本が対象で、初心者でも安心して選べる商品がそろっています。

一方、成長投資枠では個別株やETF、REITなども購入でき、より幅広い投資が可能です。両方の枠を併用することで、安定的な積立投資と成長性の高い投資を組み合わせた資産形成ができます。

楽天証券が選ばれる理由

楽天証券の3つの強み

楽天経済圏との連携でポイントが貯まる・使える

スマホアプリ「iSPEED」で直感的な操作が可能

楽天銀行との連携で自動入出金・金利優遇

楽天証券がNISA口座として選ばれる最大の理由は、楽天経済圏との連携です。楽天カードでのクレカ積立なら、投資額に応じて楽天ポイントが貯まります。

さらに、貯まった楽天ポイントを投資に使うこともでき、ポイント投資で資産形成を加速できます。

取引ツールの使いやすさも大きな魅力です。スマホアプリ「iSPEED」は直感的な操作が可能で、投資初心者でも迷わず使えます。

PC向けには「MARKET SPEED Ⅱ」という高機能ツールも無料で提供されており、本格的な投資にも対応しています。

楽天銀行との連携サービス「マネーブリッジ」を設定すれば、自動入出金(スイープ)機能により、投資に必要な資金を自動的に楽天銀行から楽天証券へ移動できます。

普通預金金利も優遇され、資金管理の手間が大幅に削減されます。

楽天証券のNISA口座数と実績

楽天証券のNISA口座数は600万口座を超え、業界トップクラスの実績を誇ります。楽天グループは東証プライム市場に上場しており、1999年の設立以来20年以上の運営実績があります。

金融庁登録業者(関東財務局長(金商)第195号)として、顧客資産の分別管理を徹底しています。

日本投資者保護基金にも加入しており、万が一楽天証券が経営破綻した場合でも、1,000万円までの資産が保護されます。

投資信託の取扱本数は約2,550本と豊富で、つみたて投資枠対象の投資信託も約200本から選べます。

楽天証券でNISAを始める5つのステップ

楽天証券のNISA口座開設は、スマホだけで完結する簡単な手続きです。最短翌営業日で取引を開始できます。

ここでは、メールアドレスの登録から審査完了まで、5つのステップに分けて詳しく解説します。

ステップ1|メールアドレスの登録

まず、楽天証券の公式サイトにアクセスし、「口座開設」ボタンをクリックします。メールアドレスを入力すると、登録したアドレスに確認メールが届きます。

メール内のURLをクリックして、本登録画面に進みましょう。

楽天会員の方は、楽天IDでログインすることで、氏名や住所などの基本情報が自動入力されます。

楽天会員でない方も、この段階で楽天IDを新規作成することで、今後の楽天サービス利用がスムーズになります。

ステップ2|本人確認書類の提出

本人確認書類の提出方法は、「スマホで本人確認」と「書類アップロード」の2種類から選べます。

スマホで本人確認を選ぶと、最短翌営業日で口座開設が完了するため、おすすめです。

スマホで本人確認では、運転免許証またはマイナンバーカードのいずれかを使用します。スマホのカメラで本人確認書類と自分の顔を撮影するだけで、提出が完了します。

撮影時は、書類の文字がはっきり読めるように、明るい場所で撮影しましょう。

書類アップロードを選んだ場合は、本人確認書類(運転免許証、健康保険証、パスポートなど)をスマホやデジタルカメラで撮影し、画像ファイルをアップロードします。

この方法では、後日郵送で送られてくるログインIDとパスワードを受け取る必要があるため、口座開設まで数日かかります。

ステップ3|お客様情報の入力

氏名、住所、生年月日、職業などの基本情報を入力します。楽天会員の方は、楽天に登録している情報が自動入力されるため、入力の手間が省けます。

住所は本人確認書類と完全に一致している必要があるため、マンション名や部屋番号まで正確に入力しましょう。

NISA口座を開設するかどうかの選択画面では、必ず「開設する」を選択してください。NISA口座は一人一口座しか開設できないため、他の証券会社でNISA口座を持っている場合は、金融機関変更の手続きが必要です。

特定口座の選択では、「特定口座(源泉徴収あり)」を選ぶことをおすすめします。

この口座タイプを選ぶと、証券会社が税金の計算と納税を代行してくれるため、確定申告が不要になります。

ステップ4|初期設定とマイナンバー登録

口座開設には、マイナンバーの登録が必須です。マイナンバーカード、通知カード、マイナンバーが記載された住民票のいずれかを用意しましょう。

スマホで本人確認を選んだ方は、マイナンバーカードを使うことで、本人確認とマイナンバー登録を同時に完了できます。

ログインパスワードや取引暗証番号を設定します。パスワードは第三者に推測されにくい、英数字を組み合わせた複雑なものにしましょう。

取引暗証番号は4桁の数字で、出金や重要な取引の際に必要になります。

配当金の受取方法は「株式数比例配分方式」を選択してください。この方式を選ぶと、NISA口座で保有する株式の配当金もNISA口座で受け取れるため、非課税のメリットを最大限に活用できます。

ステップ5|審査完了通知を待つ

すべての情報を入力し、本人確認書類を提出すると、楽天証券による審査が始まります。

スマホで本人確認を利用した場合、最短翌営業日に審査が完了し、ログインIDとパスワードがメールで届きます。

審査完了後、楽天証券のサイトにログインし、初期設定を完了させましょう。NISA口座の開設には、税務署の審査も必要なため、通常1〜2週間程度かかります。

NISA口座の審査完了を待たずに、特定口座での取引は開始できます。

NISA口座の開設が完了すると、「NISA口座開設完了のお知らせ」がメールで届きます。これで、楽天証券のNISAで投資を始める準備が整いました。

楽天証券のNISAの買い方|積立設定の手順

NISA口座が開設できたら、次は実際に投資信託を購入する設定を行います。

楽天証券では、自動で毎月積立投資ができる「積立設定」が便利です。ここでは、証券口座への入金から積立設定まで、4つのステップで解説します。

証券口座への入金方法

楽天証券への入金方法は、「らくらく入金」「リアルタイム入金」「振込入金」の3種類があります。

らくらく入金は、楽天銀行の口座から手数料無料で即座に入金できる方法です。楽天銀行と楽天証券を連携する「マネーブリッジ」を設定しておくと、自動入出金(スイープ)機能により、投資に必要な金額が自動的に楽天銀行から移動します。

リアルタイム入金は、楽天銀行以外の提携金融機関からも即座に入金できる方法で、手数料は無料です。

三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行など、主要な銀行に対応しています。振込入金は、金融機関の窓口やATMから楽天証券の指定口座に振り込む方法ですが、振込手数料がかかる場合があります。

クレカ積立を利用する場合は、事前入金は不要です。毎月の積立日に、楽天カードから自動的に引き落とされます。

クレカ積立なら、投資額に応じて楽天ポイントが貯まるため、お得に資産形成ができます。

購入したい投資信託の選び方

楽天証券のNISAでは、約200本のつみたて投資枠対象の投資信託から選べます。

投資信託を選ぶ際は、「ファンド検索」機能を使って、人気ランキングや信託報酬の低い順に並べ替えると、初心者でも選びやすくなります。

投資信託の詳細ページでは、過去の運用実績、信託報酬(運用コスト)、投資対象などを確認できます。

初心者の方には、全世界の株式に分散投資できる「オールカントリー」タイプや、米国株式に投資する「S&P500」タイプの投資信託がおすすめです。

投資信託を選んだら、「積立注文」ボタンをクリックします。NISA口座で購入する場合は、必ず「つみたて投資枠」を選択してください。

成長投資枠で購入したい場合は、「成長投資枠」を選択します。

引き落とし方法の設定

積立投資の引き落とし方法は、「楽天カードクレジット決済」「楽天キャッシュ決済」「証券口座(楽天銀行マネーブリッジ)」の3種類から選べます。

最もお得なのは、楽天カードクレジット決済です。投資額に応じて楽天ポイントが貯まり、楽天カードの種類によって還元率が異なります。

楽天カード(一般カード)の還元率は0.5%、楽天ゴールドカードは0.75%、楽天プレミアムカードは1.0%です。

月5万円までクレカ積立ができるため、楽天プレミアムカードなら毎月最大500ポイント(年間6,000ポイント)が貯まります。

楽天キャッシュ決済は、楽天ペイにチャージした電子マネーで投資する方法です。楽天カードから楽天キャッシュへチャージする際に0.5%のポイントが貯まり、さらに楽天キャッシュで投資すると0.5%のポイントが貯まるため、合計1.0%の還元率になります。

クレカ積立と併用すれば、月10万円まで積立投資が可能です。

積立金額と分配金コースの設定

積立金額は100円から1円単位で設定できます。つみたて投資枠の年間上限は120万円(月10万円)ですが、無理のない金額から始めることが大切です。

まずは月1万円〜3万円程度から始め、慣れてきたら徐々に増額していくのがおすすめです。

積立日は毎月1日〜28日の間で選べます。給料日の直後に設定すると、確実に積立投資ができます。

ボーナス設定を利用すれば、年2回まで追加で積立投資ができ、年間上限を効率的に使えます。

分配金コースは「再投資型」を選びましょう。再投資型を選ぶと、投資信託から分配金が出た場合、自動的に同じ投資信託に再投資されます。

複利効果により、長期的な資産形成に有利です。すべての設定が完了したら、「注文内容を確認する」ボタンをクリックし、内容を確認して注文を確定します。

楽天ポイントを最大限活用する方法

楽天証券の最大の魅力は、楽天ポイントが貯まる・使えることです。

楽天経済圏を活用することで、投資をしながらポイントを効率的に貯め、そのポイントをさらに投資に回すことができます。ここでは、楽天ポイントを最大限活用する方法を詳しく解説します。

楽天ポイントが貯まる3つの方法

楽天証券では、投資をしながら楽天ポイントを貯める方法が複数あります。

それぞれの方法を組み合わせることで、年間数千ポイント以上を獲得できます。

クレカ積立でポイント還元

楽天カードで投資信託を積立購入すると、投資額に応じて楽天ポイントが貯まります。

楽天カード(一般カード)なら0.5%、楽天ゴールドカードなら0.75%、楽天プレミアムカードなら1.0%の還元率です。月5万円をクレカ積立した場合、楽天プレミアムカードなら毎月500ポイント、年間6,000ポイントが貯まります。

投信残高ポイントプログラム

楽天証券では、投資信託の月間平均残高に応じて楽天ポイントが貯まる「投信残高ポイントプログラム」があります。

残高10万円ごとに年間数十ポイントが付与され、残高が増えるほどポイントも増えていきます。対象となる投資信託は限られているため、事前に確認しましょう。

楽天キャッシュ決済

楽天キャッシュで投資信託を購入すると、投資額の0.5%のポイントが貯まります。

楽天カードから楽天キャッシュへチャージする際にも0.5%のポイントが貯まるため、合計1.0%の還元率になります。クレカ積立と楽天キャッシュ決済を併用すれば、月10万円まで積立投資ができ、ポイント獲得も最大化できます。

楽天ポイントで投資する方法

楽天証券では、貯まった楽天ポイントを投資に使えます。

ポイント投資の設定は、楽天証券のマイページから「ポイント設定・SPU」を選び、「ポイント投資の利用設定」で行います。1ポイント=1円として、投資信託の購入に利用できます。

ポイント投資の利用方法は、「すべて使う」「一部使う」「使わない」の3つから選べます。「一部使う」を選ぶと、毎回の積立で使用するポイント数を指定できます。

期間限定ポイントも投資に使えるため、有効期限が近いポイントを無駄なく活用できます。

ポイント投資をすると、楽天市場でのお買い物がポイント+1倍になるSPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象になります。

月1回500円以上のポイント投資(1ポイント以上利用)をすることで、楽天市場での買い物が常にポイント+1倍になり、楽天経済圏全体でお得になります。

楽天カードのグレード別比較|どれを選ぶ?

楽天証券のクレカ積立で使える楽天カードは、一般カード、ゴールドカード、プレミアムカードの3種類があります。

それぞれ年会費と還元率が異なるため、自分の投資額に合わせて選ぶことが大切です。

楽天カード(一般カード)
年会費無料で、クレカ積立の還元率は0.5%。月5万円を積立した場合、年間3,000ポイントが貯まります。年会費がかからないため、投資初心者や少額投資の方におすすめです。
楽天ゴールドカード
年会費2,200円(税込)で、還元率は0.75%。月5万円を積立した場合、年間4,500ポイントが貯まります。年会費を差し引いても年間2,300ポイントのプラスになるため、月5万円の積立を継続できる方にはお得です。
楽天プレミアムカード
年会費11,000円(税込)で、還元率は1.0%。月5万円を積立した場合、年間6,000ポイントが貯まります。年会費を差し引くと実質マイナスになるため、クレカ積立だけを考えると元が取れません。ただし、楽天市場でのポイント還元率が+2倍になる特典や、空港ラウンジが無料で使える特典があるため、楽天市場を頻繁に利用する方や旅行が多い方には総合的にお得になります。

楽天証券のNISAのメリット5つ

楽天証券のNISAには、他の証券会社にはない魅力的なメリットがあります。

特に楽天経済圏を活用している方にとっては、投資をしながらポイントが貯まる・使える点が大きな強みです。ここでは、楽天証券を選ぶべき5つのメリットを詳しく解説します。

投資信託の取扱本数が豊富

楽天証券では、約2,550本の投資信託を取り扱っており、つみたて投資枠対象の投資信託も約200本から選べます。

人気の「eMAXIS Slimシリーズ」や「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」など、低コストで運用できる優良ファンドが豊富にそろっています。

投資信託の検索機能も充実しており、「ファンドランキング」「信託報酬の低い順」「純資産総額の大きい順」など、さまざまな条件で絞り込めます。

初心者でも自分に合った投資信託を見つけやすい環境が整っています。

100円から1円単位で始められる

楽天証券では、投資信託を100円から1円単位で購入できます。

投資初心者の方でも、少額から無理なく資産形成を始められます。まずは月1,000円から始めて、慣れてきたら徐々に増額していくことも可能です。

少額投資でも、楽天ポイントを使えばさらにハードルが下がります。

楽天市場での買い物や楽天カードの利用で貯まったポイントを投資に回すことで、実質的な現金負担なしで投資を始められます。

楽天経済圏との連携でお得

楽天証券の最大の魅力は、楽天経済圏との連携です。

楽天カードでのクレカ積立、楽天ポイントでの投資、楽天市場でのSPU対象など、楽天グループのサービスを組み合わせることで、投資をしながらポイントが貯まり、そのポイントをさらに投資に回せる好循環が生まれます。

楽天市場でのお買い物が多い方なら、ポイント投資でSPU+1倍の特典を受けられるため、楽天市場での還元率が上がります。

楽天モバイル、楽天ひかり、楽天でんきなど、他の楽天サービスとも組み合わせることで、楽天経済圏全体での還元率を最大化できます。

取引ツールが使いやすい

楽天証券のスマホアプリ「iSPEED」は、直感的な操作で初心者でも使いやすいと評判です。

投資信託の積立設定、保有資産の確認、株価チェックなど、すべてスマホで完結します。アプリのデザインもシンプルで見やすく、必要な情報にすぐアクセスできます。

PC向けには「MARKET SPEED Ⅱ」という高機能ツールが無料で提供されています。

リアルタイムの株価情報、チャート分析、ニュース配信など、本格的な投資に必要な機能がすべてそろっています。初心者から上級者まで、幅広い投資家のニーズに対応しています。

楽天銀行との連携(マネーブリッジ)

楽天銀行と楽天証券を連携する「マネーブリッジ」を設定すると、自動入出金(スイープ)機能により、投資に必要な資金が自動的に楽天銀行から楽天証券へ移動します。

わざわざ入金手続きをする必要がなく、資金管理の手間が大幅に削減されます。

マネーブリッジを設定すると、楽天銀行の普通預金金利が優遇されます。通常の普通預金金利は年0.02%ですが、マネーブリッジ設定により年0.10%(税引前)になります。

投資をしながら、銀行の預金金利も優遇されるため、資産全体の運用効率が上がります。

楽天証券のNISAで気をつけたい3つのこと

楽天証券のNISAには多くのメリットがある一方で、いくつか注意すべき点もあります。

メリットだけでなくデメリットも理解した上で、自分に合った証券会社を選ぶことが大切です。ここでは、楽天証券を選ぶ前に知っておきたい3つの注意点を解説します。

クレカ積立の還元率がSBI証券より低い

楽天証券のクレカ積立還元率は、楽天カード(一般カード)で0.5%、楽天ゴールドカードで0.75%、楽天プレミアムカードで1.0%です。

一方、SBI証券の三井住友カード ゴールド(NL)を使った場合、還元率は1.0%になります。月5万円を積立した場合、年間で1,500ポイントの差が生まれます。

ただし、楽天証券には楽天キャッシュ決済という選択肢もあります。楽天カードから楽天キャッシュへチャージする際に0.5%、楽天キャッシュで投資する際に0.5%のポイントが貯まり、合計1.0%の還元率になります。

クレカ積立5万円と楽天キャッシュ決済5万円を併用すれば、月10万円まで積立投資ができ、ポイント還元も最大化できます。

還元率だけで比較するとSBI証券が有利に見えますが、楽天市場でのSPU特典や楽天ポイントの使いやすさを考慮すると、楽天経済圏を活用している方にとっては楽天証券の方がトータルでお得になる場合もあります。

自分のライフスタイルに合わせて判断しましょう。

楽天経済圏の改悪リスク

楽天グループは過去に、ポイント制度の改悪を何度か行っています。例えば、楽天市場でのSPU条件の変更、楽天カードのポイント還元率の変更などがありました。

今後も、楽天証券のクレカ積立還元率や投信残高ポイントプログラムが改悪される可能性はゼロではありません。

楽天モバイルの赤字問題など、楽天グループ全体の経営状況も注視する必要があります。

ただし、楽天証券自体は顧客資産を分別管理しており、日本投資者保護基金にも加入しているため、万が一楽天証券が経営破綻しても、1,000万円までの資産は保護されます。

改悪リスクへの対策としては、複数の証券会社に口座を開設しておくことが有効です。NISA口座は一人一口座しか持てませんが、特定口座は複数の証券会社で開設できます。

楽天証券でNISAを利用しつつ、SBI証券やマネックス証券にも口座を持っておけば、制度変更があった際に柔軟に対応できます。

楽天証券を選ぶべきでない人の特徴

楽天証券は多くの方におすすめできる証券会社ですが、すべての人に最適とは限りません。

以下のような方は、他の証券会社も検討する価値があります。

楽天経済圏を全く利用していない方
楽天市場での買い物をしない、楽天カードを持っていない、楽天ポイントを使う機会がない方は、SBI証券やマネックス証券の方が還元率や取扱商品数で有利な場合があります。
IPO投資に力を入れたい方
楽天証券のIPO取扱実績は年間56銘柄(2024年)で、主幹事実績はゼロです。SBI証券は年間78銘柄で主幹事12社、SMBC日興証券は年間52銘柄で主幹事22社と、IPO投資ではこれらの証券会社の方が有利です。
米国株投資を中心に行いたい方
楽天証券の米国株取扱銘柄は約4,500銘柄ですが、SBI証券は約5,000銘柄、マネックス証券も約5,000銘柄を取り扱っています。特定の米国株に投資したい場合は、取扱銘柄を事前に確認しましょう。

楽天証券のつみたて投資枠でおすすめの銘柄3選

楽天証券のつみたて投資枠では、約200本の投資信託から選べます。

初心者の方は、どの銘柄を選べばよいか迷うことも多いでしょう。ここでは、楽天証券で人気が高く、初心者にもおすすめの投資信託を3つ紹介します。

楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド

楽天証券LP画像
項目 内容
口座数 約12,000,000口座 ※2025年1月時点
取引手数料 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。
NISA対応 〇(新NISA対応)
つみたて投資枠取扱銘柄数 263銘柄 ※2025年4月24日時点
成長投資枠対象商品 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄)
投資信託 約2,550本 ※2025年4月24日時点
外国株 6カ国/米国株式(約4,500銘柄)
取引ツール(PC) マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4
スマホアプリ iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物
提携銀行口座 楽天銀行(マネーブリッジ)
ポイント投資・付与 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>)
口座開設スピード 最短 翌営業日

楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンドは、全世界の株式に分散投資できる投資信託です。

MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスに連動することを目指しており、先進国から新興国まで、約50カ国の株式に投資できます。

信託報酬は年0.0561%程度(税込)と非常に低コストで、長期投資に適しています。

楽天証券オリジナルのファンドで、楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンドよりもさらに低コストになっています。1つの投資信託で世界中の株式に分散投資できるため、初心者でも手軽にグローバル投資ができます。

過去の運用実績を見ると、長期的には右肩上がりの成長を続けています。ただし、短期的には株式市場の変動により元本割れする可能性もあるため、長期保有を前提に投資することが大切です。

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、三菱UFJアセットマネジメントが運用する人気の投資信託です。

楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンドと同じく、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスに連動することを目指しています。

信託報酬は年0.05775%程度(税込)で、業界最低水準のコストです。

eMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続ける」ことをコンセプトにしており、他社がより低コストのファンドを出した場合、信託報酬を引き下げる方針を掲げています。

純資産総額も3兆円を超えており、多くの投資家から支持されています。純資産総額が大きいファンドは、運用の安定性が高く、繰上償還(ファンドが途中で終了すること)のリスクも低いため、長期投資に適しています。

楽天・S&P500インデックス・ファンド

楽天証券LP画像
項目 内容
口座数 約12,000,000口座 ※2025年1月時点
取引手数料 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。
NISA対応 〇(新NISA対応)
つみたて投資枠取扱銘柄数 263銘柄 ※2025年4月24日時点
成長投資枠対象商品 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄)
投資信託 約2,550本 ※2025年4月24日時点
外国株 6カ国/米国株式(約4,500銘柄)
取引ツール(PC) マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4
スマホアプリ iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物
提携銀行口座 楽天銀行(マネーブリッジ)
ポイント投資・付与 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>)
口座開設スピード 最短 翌営業日

楽天・S&P500インデックス・ファンドは、米国の代表的な株価指数「S&P500」に連動することを目指す投資信託です。

S&P500は、米国の大型株500銘柄で構成されており、Apple、Microsoft、Amazon、Googleなど、世界を代表する企業に投資できます。

信託報酬は年0.077%程度(税込)と低コストで、米国株式に特化して投資したい方におすすめです。

米国経済の成長を信じる方、GAFAMなどのテクノロジー企業の成長に期待する方に向いています。

過去のデータを見ると、S&P500は長期的に年平均10%程度のリターンを上げてきました。ただし、これは過去の実績であり、将来の運用成果を保証するものではありません。米国経済の動向や為替変動の影響を受けるため、リスクも理解した上で投資しましょう。

楽天証券のNISAに関するよくある質問

楽天証券のNISAに関するよくある質問
つみたてNISAから新NISAへの移行方法は?

2023年までにつみたてNISAで投資していた方は、2024年から自動的に新NISA制度に移行されます。特別な手続きは不要で、楽天証券が自動的に新NISA口座を開設してくれます。旧つみたてNISAで保有している投資信託は、そのまま非課税で保有し続けられます。

旧つみたてNISAの非課税保有期間は最長20年間で、新NISA制度とは別枠で管理されます。新NISAの非課税保有限度額1,800万円とは別に、旧つみたてNISAの資産も非課税で運用できるため、非常にお得です。旧つみたてNISAの積立設定は自動的に新NISAのつみたて投資枠に引き継がれますが、内容を見直したい場合は設定変更も可能です。

NISA口座を他社から楽天証券に変更できる?

NISA口座は年単位で金融機関を変更できます。例えば、2025年にSBI証券でNISA口座を開設していた方が、2026年から楽天証券に変更することは可能です。ただし、変更手続きには時間がかかるため、変更したい年の前年10月1日から手続きを開始する必要があります。

NISA口座を変更する際の注意点として、変更前の金融機関で購入した投資信託は移管できません。変更前の金融機関で保有し続けるか、一度売却してから新しい金融機関で買い直す必要があります。売却すると、その年の非課税投資枠を使ってしまうため、タイミングには注意が必要です。

NISA口座の変更手続きは、楽天証券の公式サイトから「NISA口座金融機関変更」を選択し、必要書類を提出します。変更前の金融機関から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を取り寄せ、楽天証券に提出する必要があります。

マイナンバーカードがなくても口座開設できる?

マイナンバーカードがなくても、楽天証券のNISA口座は開設できます。マイナンバーの確認書類として、「通知カード」または「マイナンバーが記載された住民票」を使用できます。ただし、本人確認書類として運転免許証やパスポートなども別途必要になります。

マイナンバーカードを持っている方は、「スマホで本人確認」を利用することで、最短翌営業日で口座開設が完了します。マイナンバーカードがない方は、書類アップロードでの手続きになり、郵送でのID・パスワード受け取りが必要なため、口座開設まで数日かかります。

楽天証券のNISAで米国株は買える?

楽天証券のNISAでは、成長投資枠を使って米国株を購入できます。約4,500銘柄の米国株が対象で、Apple、Microsoft、Amazon、Teslaなど、人気の米国株に投資できます。つみたて投資枠では米国株は購入できず、金融庁が認めた投資信託のみが対象です。

米国株をNISAで購入する場合、売買手数料は約定代金の0.495%(税込、最低手数料0米ドル、上限22米ドル)がかかります。為替手数料も別途必要になるため、コストを考慮した上で投資しましょう。米国株の配当金は、NISA口座で受け取れば非課税になりますが、米国での源泉徴収税(10%)は課税されます。

積立設定後に金額を変更できる?

積立設定後でも、金額や積立日の変更は自由にできます。楽天証券のマイページから「積立設定」を選び、変更したい投資信託の「設定変更」ボタンをクリックすれば、いつでも変更できます。増額・減額だけでなく、一時的に積立を停止することも可能です。

ボーナス設定を追加して、年2回まで追加で積立投資をすることもできます。収入が増えた場合や、ボーナスが入った際に増額することで、年間の非課税投資枠を効率的に使えます。逆に、収入が減った場合や急な出費があった場合は、無理せず減額や一時停止をすることも大切です。

楽天証券が倒産したら資産はどうなる?

楽天証券が万が一経営破綻した場合でも、顧客の資産は保護されます。証券会社は法律により、顧客の資産を証券会社自身の資産と分別して管理することが義務付けられています。これを「分別管理」といい、証券会社が倒産しても顧客の資産は返還されます。

さらに、楽天証券は「日本投資者保護基金」に加入しています。万が一、分別管理が適切に行われていなかった場合でも、1,000万円までは日本投資者保護基金から補償されます。1,000万円を超える資産については、破綻した証券会社の財産状況により返還額が決まります。

日本投資者保護基金:制度の概要

楽天証券は楽天グループ(東証プライム上場)の一員であり、1999年の設立以来20年以上の運営実績があります。口座数も約1,200万口座を超えており、経営基盤は安定しています。ただし、投資には常にリスクが伴うため、複数の証券会社に資産を分散することもリスク管理の一つの方法です。

まとめ

楽天証券のNISAは、口座開設から積立設定まで最短5ステップで完了し、初心者でも簡単に始められます。

楽天ポイントが貯まる・使える楽天経済圏との連携が最大の強みで、投資をしながらポイントを効率的に活用できます。

100円から1円単位で投資できる手軽さ、約200本のつみたて投資枠対象の投資信託から選べる豊富なラインナップ、使いやすい取引ツールなど、初心者から中級者まで幅広い投資家におすすめできる証券会社です。

楽天銀行との連携(マネーブリッジ)により、資金管理の手間も削減できます。

一方で、クレカ積立の還元率がSBI証券より低い点や、楽天経済圏の改悪リスクには注意が必要です。

楽天経済圏を活用していない方や、IPO投資に力を入れたい方は、他の証券会社も検討する価値があります。

投資を始める際は、全世界株式や米国株式に分散投資できるインデックスファンドから始めるのがおすすめです。

長期・積立・分散投資を基本とし、短期的な価格変動に一喜一憂せず、じっくりと資産形成を続けることが大切です。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。投資信託は元本保証ではなく、株式市場の変動により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、不安な点があれば専門家に相談することをおすすめします。詳しくは楽天証券公式サイトでご確認ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

この記事のキーワード

キーワードがありません。

この記事と同じキーワードの記事

まだ記事がありません。

キーワードから探す

資料請求

資料請求

カンタン1分登録で、気になる資料を無料でお取り寄せ

お問い合わせ

そんなお悩みをお持ちの方は、まずはお問い合わせください!