中堅証券会社ランキング|選び方と特徴を徹底比較

中堅証券会社ランキング|選び方と特徴を徹底比較

証券会社を選ぶとき、大手は敷居が高く感じるし、ネット証券は不安という方も多いのではないでしょうか。

そんな方におすすめなのが「中堅証券会社」です。

中堅証券会社は、大手証券のような手厚い対面サポートを受けられながら、地域密着型のきめ細かいサービスが魅力です。

本記事では、売上高で見た中堅証券会社のランキングや、選び方のポイント、メリット・デメリットまで詳しく解説します。

投資初心者の方や、まとまった資金を相談しながら運用したい方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約
  • 中堅証券会社は大手並みの対面サポートと地域密着型サービスが特徴
  • 売上高トップは東海東京フィナンシャル・ホールディングス、次いで岡三証券グループ
  • 手厚い相談サポートを求める投資初心者やまとまった資金を運用したい方におすすめ

目次

中堅証券会社とは?|大手との違いを解説

中堅証券会社とは、野村證券やSMBC日興証券などの5大証券には含まれないものの、全国または特定地域で営業基盤を持つ証券会社のことです。対面サービスを提供しながら、大手ほどの規模ではないため、地域に根ざしたきめ細かい対応が特徴となっています。

中堅証券会社の定義

中堅証券会社に明確な定義はありませんが、一般的には売上高や営業拠点数が大手5社に次ぐ規模の証券会社を指します。岡三証券、東海東京証券、いちよし証券、丸三証券、岩井コスモ証券などが代表的です。

これらの証券会社は、日本証券業協会に加盟し、金融庁の登録を受けた正規の金融商品取引業者です。

日本証券業協会:会員一覧

多くは創業から数十年以上の歴史を持ち、地域の投資家との長い信頼関係を築いてきました。店舗網は大手ほど全国的ではありませんが、特定地域では強固な営業基盤を持っています。

大手5大証券との違い

大手5大証券(野村證券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、大和証券)と中堅証券の最大の違いは、規模と営業エリアです。大手は全国に数百の店舗を展開し、海外拠点も持つグローバルな証券会社です。

一方、中堅証券は特定地域を中心に数十~百数十の店舗を展開しています。

サービス内容では、大手は富裕層向けのプライベートバンキングや複雑な金融商品を幅広く取り扱います。中堅証券も株式・投資信託・債券などの基本商品は充実していますが、商品ラインナップは大手よりやや少なめです。

ただし、地方企業のIPO(新規株式公開)や地元企業の株式情報では、中堅証券が強みを持つケースも多くあります。

手数料水準は、中堅証券も大手と同程度か、やや低めに設定されていることが多いです。担当者の対応は、中堅証券の方がより親身で、顧客一人ひとりに時間をかけたサポートが受けられる傾向があります。

ネット証券との違い

ネット証券(SBI証券楽天証券など)との違いは、対面サポートの有無です。ネット証券は店舗を持たず、インターネット上で取引が完結するため、手数料が非常に安いのが特徴です。

株式売買手数料は無料~数百円程度で、投資信託の取扱本数も数千本に上ります。

一方、中堅証券は店舗で担当者と直接相談しながら投資判断ができます。投資初心者にとっては、分からないことをその場で質問できる安心感があります。

手数料はネット証券より高めですが、そのぶん手厚いサポートが受けられるのです。

どちらを選ぶべき?

ネット証券が向いている人:自分で情報収集し、投資判断ができる方

中堅証券が向いている人:専門家のアドバイスを受けながら慎重に投資したい方

売上高で見る中堅証券会社ランキング5社

中堅証券会社を客観的に比較するため、売上高(営業収益)に基づくランキングを紹介します。売上高は企業の事業規模を示す重要な指標であり、各社の有価証券報告書から取得した最新データを基にしています。

1位:東海東京フィナンシャル・ホールディングス

東海東京フィナンシャル・ホールディングスは、中堅証券会社の中で売上高トップの企業です。2024年3月期の連結営業収益は約1,200億円で、中堅証券の中では最大規模を誇ります。

東海地方(愛知・岐阜・三重)を中心に強固な営業基盤を持ち、全国に約120の拠点を展開しています。

東海東京証券の特徴

地元企業のIPO主幹事実績が豊富

オンライントレードサービス「ダイレクト口座」で手数料を抑えた取引が可能

投資信託の取扱本数は約1,000本、NISA口座にも対応

2位:岡三証券グループ

岡三証券グループは、2024年3月期の連結営業収益が約1,100億円で、中堅証券の中で第2位の規模です。創業は1923年と100年以上の歴史を持ち、独立系証券会社として高い信頼性を誇ります。

全国に約100の店舗を展開し、対面営業の「岡三証券」とネット取引の「岡三オンライン」の両方を運営しています。

岡三証券の強み

IPO取扱実績:2024年は32銘柄のIPOを取り扱い、主幹事も4社

岡三オンラインは1日の約定代金100万円まで無料のプランあり

投資信託は約480本を取り扱い、NISA・iDeCoにも対応

3位:岩井コスモホールディングス

岩井コスモホールディングスは、2024年3月期の連結営業収益が約600億円で第3位です。大阪を本拠地とし、関西地方を中心に約80の店舗を展開しています。

岩井コスモ証券は、1916年創業の岩井証券と、1917年創業のコスモ証券が2005年に合併して誕生した歴史ある証券会社です。

岩井コスモ証券の特徴

関西企業のIPO情報や地元企業の株式情報に強み

2024年は22銘柄のIPOを取り扱い

投資信託は約600本、米国株式は約2,600銘柄を取り扱い

4位:いちよし証券

いちよし証券は、2024年3月期の営業収益が約500億円で第4位です。1944年創業の独立系証券会社で、全国に約80の店舗を展開しています。

独立系であるため、特定の金融グループに属さず、中立的な立場から投資提案ができるのが特徴です。

いちよし証券の強み

調査・分析力に定評があり、独自のアナリストレポートが充実

地方企業のIPO主幹事を務めることも多い

投資信託は約700本を取り扱い、NISA口座にも対応

5位:丸三証券

丸三証券は、2024年3月期の営業収益が約400億円で第5位です。1909年創業の老舗証券会社で、東京を中心に約40の店舗を展開しています。

100年以上の歴史があり、信頼性と安定感が魅力です。

丸三証券の特徴

対面営業に加えて「マルサントレード」というオンライン取引サービスも提供

手数料は対面とオンラインで異なり、オンライン経由の方が低く設定

投資信託は約500本を取り扱い、NISA口座にも対応

中堅証券会社を選ぶメリット3つ

中堅証券会社には、大手証券やネット証券にはない独自のメリットがあります。ここでは、中堅証券を選ぶ3つの主なメリットを解説します。

手厚い対面サポートが受けられる

中堅証券会社の最大のメリットは、担当者による手厚い対面サポートです。投資初心者にとって、株式投資や投資信託の仕組みは複雑で分かりにくいものです。

中堅証券では、店舗で担当者と直接相談しながら、自分に合った投資方法を一緒に考えることができます。

担当者は、顧客の投資目的やリスク許容度をヒアリングした上で、適切な商品を提案してくれます。分からないことがあればその場で質問でき、納得してから投資判断ができるのです。

また、相場が大きく変動した際には、担当者から電話でアドバイスをもらえることもあります。

大手証券に比べて、中堅証券は顧客一人あたりに割ける時間が長く、より親身な対応が受けられる傾向があります。長期的な資産形成を相談できるパートナーとして、信頼関係を築きやすいのが魅力です。

地域密着型のきめ細かいサービス

中堅証券会社は、特定地域に根ざした営業を行っているため、地域密着型のきめ細かいサービスが受けられます。地元企業の情報に詳しく、地方企業のIPO情報や業績動向をいち早く入手できるのが強みです。

例えば、東海東京証券は愛知・岐阜・三重の企業情報に強く、岩井コスモ証券は関西企業の情報が充実しています。地元企業への投資を考えている方にとって、中堅証券は貴重な情報源となります。

また、地域の投資家向けセミナーや勉強会を定期的に開催しており、投資知識を身につける機会も豊富です。

店舗も地域に密着しているため、自宅や職場から通いやすい場所にあることが多いです。気軽に立ち寄って相談できる距離感が、長期的な投資サポートにつながります。

IPOや地方企業株式の取扱いが豊富

中堅証券会社は、IPO(新規株式公開)の取扱いが豊富で、特に地方企業のIPO主幹事を務めることが多いのが特徴です。IPO株は公募価格より初値が高くなることが多く、投資家に人気があります。

大手ネット証券でもIPOは取り扱っていますが、競争率が非常に高く、当選しにくいのが現状です。

中堅証券では、地方企業のIPOを主幹事として引き受けるため、配分される株数が多く、当選確率が高まります。岡三証券は2024年に主幹事4社、岩井コスモ証券は2社の主幹事実績があります。

地元企業のIPOに参加したい方にとって、中堅証券は有力な選択肢です。

また、地方企業の株式情報も充実しており、地域経済に貢献しながら投資できるのも魅力です。地元の成長企業を応援する気持ちで投資したい方に向いています。

中堅証券会社で気をつけたいこと3つ

中堅証券会社にはメリットがある一方で、注意すべき点もあります。ここでは、中堅証券を選ぶ際に気をつけたい3つのポイントを解説します。

手数料は大手並みに高い場合がある

中堅証券会社の手数料は、ネット証券に比べると高めに設定されています。対面サービスを提供するための人件費や店舗運営費がかかるため、手数料が高くなるのは避けられません。

株式売買手数料は、約定金額に応じて数百円~数万円かかることが一般的です。

例えば、100万円の株式を購入する場合、ネット証券なら無料~数百円ですが、中堅証券では1,000円~5,000円程度かかることがあります。頻繁に売買を繰り返す投資スタイルの場合、手数料負担が大きくなる可能性があります。

ただし、中堅証券の中にはオンライン取引サービスを提供しているところもあり、オンライン経由なら手数料を抑えられます。岡三オンラインや東海東京証券のダイレクト口座など、用途に応じて使い分けることで手数料を節約できます。

オンライン取引の利便性はネット証券に劣る

中堅証券会社の多くはオンライン取引サービスを提供していますが、機能性や使いやすさはネット証券に劣る場合があります。ネット証券は、スマホアプリやPCツールが非常に充実しており、リアルタイムでの株価チェックや高度なチャート分析が可能です。

中堅証券のオンラインツールは、基本的な取引はできますが、ネット証券ほど高機能ではないことが多いです。また、取引画面のデザインや操作性も、ネット証券の方が洗練されている傾向があります。

オンライン取引をメインにしたい方
ネット証券の方が向いています
対面相談をメインにして、補助的にオンライン取引を使いたい方
中堅証券でも十分対応できます

店舗数が限られている

中堅証券会社は、大手証券に比べて店舗数が限られています。大手証券は全国に数百の店舗を展開していますが、中堅証券は数十~百数十店舗程度です。

そのため、地方によっては近くに店舗がなく、対面相談が難しい場合があります。

例えば、東海東京証券は東海地方には多数の店舗がありますが、東北や九州には店舗が少ないです。岩井コスモ証券は関西地方に強いですが、北海道や沖縄には店舗がありません。自宅や職場から通いやすい場所に店舗があるかを事前に確認することが大切です。

店舗が遠い場合は、電話やオンラインでのサポートを活用する方法もあります。また、訪問サービスを提供している証券会社もあるため、担当者に相談してみるとよいでしょう。

中堅証券会社を選ぶべき人はこんな人

中堅証券会社は、すべての投資家に向いているわけではありません。ここでは、中堅証券を選ぶべき具体的なペルソナを3つ紹介します。

投資初心者で対面相談したい人

投資を始めたばかりで、何から手をつければよいか分からない方には、中堅証券会社が最適です。株式投資や投資信託の仕組み、リスクとリターンの考え方など、基本的な知識を担当者から直接学べます。

ネット証券は手数料が安い反面、すべて自分で判断する必要があり、初心者には難易度が高いです。中堅証券なら、担当者が投資目的やリスク許容度をヒアリングした上で、適切な商品を提案してくれます。

分からないことがあればその場で質問でき、納得してから投資を始められるのです。

また、投資初心者向けのセミナーや勉強会も定期的に開催されています。投資の基礎知識を身につけながら、少しずつ投資経験を積んでいきたい方に向いています。

ただし、手数料は高めなので、少額投資から始める場合はコストパフォーマンスを考慮する必要があります。

まとまった資金を運用したい人

退職金や相続などでまとまった資金(500万円以上)を運用したい方にも、中堅証券会社はおすすめです。大きな資金を運用する場合、投資判断のミスが大きな損失につながる可能性があります。

担当者と相談しながら、慎重に投資戦略を立てることが重要です。

中堅証券では、資産全体のポートフォリオ提案や、リスク分散のアドバイスを受けられます。株式だけでなく、投資信託、債券、外貨建て商品など、複数の商品を組み合わせた運用プランを提案してもらえるのです。

また、税金対策や相続対策についても相談できる証券会社もあります。

手数料は高めですが、まとまった資金を運用する場合、専門家のアドバイスを受けることで損失リスクを減らせる可能性があります。長期的な資産形成を考えている方に向いています。

地元企業への投資に興味がある人

地元企業を応援する気持ちで投資したい方にも、中堅証券会社は適しています。中堅証券は地域密着型の営業を行っているため、地元企業の詳細な情報を持っています。

地方企業のIPOや増資情報をいち早く入手でき、投資機会を逃しません。

例えば、愛知県在住で地元企業に投資したい方は東海東京証券、大阪在住で関西企業に投資したい方は岩井コスモ証券が向いています。地元企業の成長を間近で見守りながら、地域経済に貢献できるのが魅力です。

また、地元企業の経営者や従業員と接点を持つ機会もあり、企業の実態をより深く理解できます。地域に根ざした投資をしたい方には、中堅証券が最適な選択肢です。

中堅証券会社の選び方|5つのポイント

中堅証券会社を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、自分に合った証券会社を見つけるための5つの選び方を解説します。

店舗の場所とアクセスのしやすさ

対面サポートを受けるためには、店舗が通いやすい場所にあることが重要です。自宅や職場から遠い店舗では、相談に行くのが面倒になり、結局利用しなくなる可能性があります。

まずは、各証券会社の公式サイトで店舗一覧を確認し、最寄りの店舗がどこにあるかをチェックしましょう。

店舗の営業時間も確認が必要です。平日の日中しか営業していない場合、仕事をしている方は相談に行きにくいかもしれません。

一部の証券会社では、土曜日や夕方以降の相談予約に対応しているところもあります。また、訪問サービスを提供している証券会社もあるため、店舗が遠い場合は担当者に相談してみるとよいでしょう。

店舗の雰囲気も大切です。可能であれば、口座開設前に一度店舗を訪れて、担当者の対応や店舗の雰囲気を確認することをおすすめします。長期的に付き合うパートナーを選ぶつもりで、慎重に検討しましょう。

手数料体系の比較

中堅証券会社の手数料は、証券会社ごとに異なります。株式売買手数料、投資信託の販売手数料、口座管理手数料など、さまざまな手数料がかかる可能性があります。

公式サイトの手数料表を確認し、自分の投資スタイルに合った手数料体系を選びましょう。

例えば、頻繁に売買する方は、1回あたりの手数料が安い証券会社が向いています。一方、長期保有を前提とする方は、口座管理手数料が無料の証券会社を選ぶとよいでしょう。

また、オンライン取引サービスを提供している証券会社では、オンライン経由の取引手数料が対面より安く設定されています。

投資信託を購入する場合は、販売手数料(購入時手数料)がかかることがあります。最近では、ノーロード(販売手数料無料)の投資信託も増えているため、手数料を抑えたい方はノーロード商品を選ぶとよいでしょう。手数料は長期的に見ると大きな差になるため、慎重に比較することが大切です。

取扱商品の種類と豊富さ

証券会社によって、取り扱っている商品の種類や数が異なります。株式、投資信託、債券、外国株式など、自分が投資したい商品を取り扱っているかを確認しましょう。

特に、NISA口座で投資したい方は、NISA対応商品の取扱いが豊富な証券会社を選ぶことが重要です。

投資信託の取扱本数は、証券会社によって数百本~千本以上と幅があります。多ければよいというわけではありませんが、選択肢が多い方が自分に合った商品を見つけやすいです。

また、外国株式に投資したい方は、米国株式や中国株式の取扱いがあるかを確認しましょう。

IPO投資に興味がある方は、IPO取扱実績を確認することが大切です。主幹事実績が多い証券会社ほど、IPO株の配分数が多く、当選確率が高まります。各証券会社の公式サイトで、過去のIPO取扱実績を公開しているので、参考にするとよいでしょう。

IPO実績と配分数

IPO投資を重視する方にとって、IPO取扱実績は最も重要な選択基準です。中堅証券会社は、地方企業のIPO主幹事を務めることが多く、主幹事になると配分される株数が多くなります。

岡三証券は2024年に主幹事4社、岩井コスモ証券は2社の実績があります。

IPO株は公募価格より初値が高くなることが多く、利益を得やすい投資機会です。ただし、人気銘柄は抽選倍率が高く、なかなか当選しません。

中堅証券では、大手ネット証券に比べて競争率が低く、当選確率が高まる可能性があります。

IPO株の配分ルールは証券会社によって異なります。完全平等抽選の証券会社もあれば、預かり資産額や取引実績に応じて優遇される証券会社もあります。公式サイトでIPO配分ルールを確認し、自分に有利な証券会社を選びましょう。

財務健全性と信頼性

証券会社を選ぶ際には、財務健全性と信頼性も重要なポイントです。証券会社が倒産した場合、投資者保護基金により1,000万円までは補償されますが、それを超える資産は保護されない可能性があります。

長期的に資産を預ける相手として、信頼できる証券会社を選ぶことが大切です。

日本投資者保護基金:投資者保護基金制度

財務健全性を確認するには、自己資本規制比率をチェックしましょう。自己資本規制比率は、証券会社の財務の健全性を示す指標で、金融商品取引法により120%以上を維持することが義務付けられています。

各証券会社の公式サイトやIR情報で確認できます。比率が高いほど財務が安定していると言えます。

また、創業年数や業歴の長さも信頼性の目安になります。100年以上の歴史を持つ証券会社は、長年の実績と信頼があると考えられます。口コミや評判も参考にして、総合的に判断しましょう。

中堅証券会社と大手・ネット証券の比較

中堅証券会社と大手・ネット証券の比較

中堅証券会社の位置づけを明確にするため、大手証券とネット証券との比較を行います。それぞれの特徴を理解することで、自分に最適な証券会社を選ぶ参考になります。

手数料で比較

手数料は、証券会社選びの重要な判断材料です。ネット証券は、株式売買手数料が無料~数百円と非常に安く設定されています。

SBI証券楽天証券では、国内株式の現物取引手数料が原則無料です。

中堅証券会社の手数料は、対面サービスのコストが含まれるため、ネット証券より高めです。約定金額100万円の場合、1,000円~5,000円程度かかることが一般的です。

ただし、オンライン取引サービスを利用すれば、手数料を抑えることができます。

大手証券会社の手数料は、中堅証券と同程度か、やや高めです。対面サービスの質が高い分、手数料も高く設定されています。頻繁に売買する方はネット証券、対面サポートを重視する方は中堅証券または大手証券が向いています。

サービス内容で比較

サービス内容では、大手証券が最も充実しています。富裕層向けのプライベートバンキング、複雑な金融商品、海外投資など、幅広いサービスを提供しています。

担当者の専門性も高く、高度な投資戦略の相談が可能です。

中堅証券会社は、株式・投資信託・債券などの基本商品を中心に取り扱っています。大手ほど商品ラインナップは多くありませんが、地方企業のIPO情報や地域密着型のサービスが強みです。

担当者との距離が近く、親身な対応が受けられます。

ネット証券は、オンライン取引に特化しており、取引ツールやアプリが非常に充実しています。投資信託の取扱本数は数千本に上り、選択肢が豊富です。ただし、対面サポートはなく、すべて自分で判断する必要があります。初心者には難易度が高いと言えます。

向いている人で比較

大手証券会社が向いている人
まとまった資産(数千万円以上)を運用する富裕層や、複雑な金融商品に投資したい方。全国に店舗があり、どこでも同じレベルのサービスが受けられるのが魅力です。
中堅証券会社が向いている人
投資初心者や、まとまった資金(500万円以上)を相談しながら運用したい方。地元企業への投資に興味がある方や、担当者と長期的な信頼関係を築きたい方にも向いています。
ネット証券が向いている人
自分で情報収集し、投資判断ができる方。手数料を抑えたい方や、頻繁に売買する方に向いています。投資経験がある程度ある方や、オンラインツールを使いこなせる方におすすめです。

中堅証券会社の詳細プロフィール

ここでは、主要な中堅証券会社5社の詳細プロフィールを紹介します。各社の特徴や強みを理解することで、自分に合った証券会社を選ぶ参考にしてください。

岡三証券|IPO実績と情報力が強み

岡三証券は、1923年創業の独立系証券会社で、100年以上の歴史を誇ります。全国に約100の店舗を展開し、対面営業の「岡三証券」とネット取引の「岡三オンライン」の両方を運営しています。

独立系であるため、特定の金融グループに属さず、中立的な立場から投資提案ができるのが特徴です。

岡三証券の最大の強み

IPO取扱実績:2024年は32銘柄のIPOを取り扱い、主幹事も4社

アナリストレポートは質が高く、独自の市況解説や銘柄分析が充実

地方企業のIPO主幹事実績が豊富で、IPO投資に興味がある方には有力な選択肢

東海東京証券|東海地方に強い地域密着型

東海東京証券は、愛知県名古屋市に本社を置き、東海地方(愛知・岐阜・三重)を中心に強固な営業基盤を持つ証券会社です。全国に約120の拠点を展開していますが、特に東海地方での店舗数が多く、地域密着型のサービスを提供しています。

東海東京証券の強み

地元企業のIPO情報と地域経済への深い知識

トヨタ自動車をはじめとする東海地方の製造業に関する情報が豊富

オンライン取引サービス「ダイレクト口座」で手数料を抑えた取引も可能

いちよし証券|独立系で中立的な提案

いちよし証券は、1944年創業の独立系証券会社で、全国に約80の店舗を展開しています。独立系であるため、特定の金融グループに属さず、顧客の利益を第一に考えた中立的な投資提案ができるのが特徴です。

いちよし証券の強み

調査・分析力:独自のアナリストレポートが充実

企業の財務分析や業界動向の解説が詳しく提供

地方企業のIPO主幹事を務めることも多く、IPO投資にも強み

丸三証券|老舗の信頼性と安定感

丸三証券は、1909年創業の老舗証券会社で、100年以上の歴史があります。東京を中心に約40の店舗を展開しており、長年の実績に基づく信頼性と安定感が魅力です。

丸三証券の特徴

対面営業に加えて「マルサントレード」というオンライン取引サービスも提供

手数料は対面とオンラインで異なり、オンライン経由の方が低く設定

老舗ならではの安心感を求める投資家や、長期的な資産形成を考えている方におすすめ

岩井コスモ証券|関西地盤の総合証券

岩井コスモ証券は、大阪を本拠地とし、関西地方を中心に約80の店舗を展開しています。1916年創業の岩井証券と、1917年創業のコスモ証券が2005年に合併して誕生した歴史ある証券会社です。

岩井コスモ証券の強み

関西企業のIPO情報や業績動向に詳しい

2024年は22銘柄のIPOを取り扱い、主幹事も2社

投資信託は約600本、米国株式は約2,600銘柄を取り扱い

中堅証券会社の口座開設の流れ

中堅証券会社で口座を開設する際の具体的な流れを解説します。初めて証券口座を開設する方は、参考にしてください。

必要書類の準備

口座開設には、本人確認書類とマイナンバー確認書類が必要です。本人確認書類としては、運転免許証、健康保険証、パスポート、住民票の写しなどが使えます。

マイナンバー確認書類は、マイナンバーカード、通知カード、マイナンバー記載の住民票の写しのいずれかが必要です。

マイナンバーカードを持っている場合は、これ1枚で本人確認とマイナンバー確認の両方ができるため便利です。

また、金融機関の口座情報(銀行名、支店名、口座番号)も必要になります。証券口座への入出金に使う銀行口座を事前に決めておきましょう。

印鑑は、対面で口座開設する場合に必要なことがあります。オンライン申込の場合は、印鑑不要の証券会社も増えています。各証券会社の公式サイトで、必要書類の詳細を確認してから準備しましょう。

申込方法(店舗・オンライン)

中堅証券会社の口座開設方法は、店舗での申込とオンライン申込の2種類があります。店舗で申し込む場合は、必要書類を持参して最寄りの店舗を訪れます。

担当者が口座開設の手続きを案内してくれるため、分からないことがあればその場で質問できます。初めて証券口座を開設する方には、店舗での申込がおすすめです。

オンライン申込の場合は、各証券会社の公式サイトから口座開設ページにアクセスし、必要事項を入力します。本人確認書類とマイナンバー確認書類は、スマホで撮影してアップロードするか、郵送で提出します。

最近では、スマホで本人確認を完結できる「eKYC」に対応している証券会社も増えており、最短即日で口座開設が完了することもあります。

NISA口座を同時に開設したい場合は、申込時に「NISA口座も開設する」を選択します。NISA口座は税務署の審査があるため、通常の口座より開設に時間がかかります(1~2週間程度)。

審査から口座開設まで

口座開設の申込が完了すると、証券会社による審査が行われます。審査では、本人確認書類の内容や、反社会的勢力でないかなどが確認されます。

通常、審査には数日~1週間程度かかります。オンライン申込でeKYCを利用した場合は、最短即日で審査が完了することもあります。

審査が完了すると、口座開設完了の通知が届きます。店舗で申し込んだ場合は、口座番号やログインIDが記載された書類が郵送されます。

オンライン申込の場合は、メールで口座開設完了の通知が届き、ログイン情報が案内されます。

口座開設後は、取引用のパスワードを設定し、銀行口座から証券口座へ資金を入金すれば、取引を始められます。初めての方は、少額から投資を始めて、徐々に慣れていくことをおすすめします。

よくある質問(Q&A)

よくある質問(Q&A)
中堅証券会社は倒産リスクが高いですか?

中堅証券会社は、大手証券に比べて規模が小さいため、倒産リスクを心配する方もいるかもしれません。しかし、証券会社は金融商品取引法により厳しく規制されており、財務の健全性が求められています。

自己資本規制比率は120%以上を維持することが義務付けられており、定期的に金融庁の検査を受けています

また、万が一証券会社が倒産した場合でも、投資者保護基金により1,000万円までは補償されます。顧客の資産は証券会社の自己資産と分別管理されているため、証券会社の倒産で顧客資産が失われることは基本的にありません。

ただし、1,000万円を超える資産は保護されない可能性があるため、複数の証券会社に分散して口座を持つことも検討しましょう。

日本投資者保護基金:投資者保護基金制度

大手証券から中堅証券に乗り換えできますか?

大手証券から中堅証券への乗り換えは可能です。証券口座は複数持つことができるため、新たに中堅証券で口座を開設し、保有株式や投資信託を移管する方法があります。

株式の移管は「証券口座振替」という手続きで行い、通常1~2週間程度かかります。移管手数料は証券会社によって異なり、無料の場合もあれば、数千円かかる場合もあります。

ただし、投資信託の移管は、同じ商品を移管先の証券会社が取り扱っている場合のみ可能です。取り扱っていない場合は、一度売却してから新しい証券会社で買い直す必要があります。

NISA口座の移管も可能ですが、年単位での変更となり、手続きに時間がかかります。乗り換えを検討する際は、事前に移管先の証券会社に相談することをおすすめします。

NISA口座は開設できますか?

中堅証券会社でも、NISA口座は開設できます。岡三証券、東海東京証券、いちよし証券、丸三証券、岩井コスモ証券など、主要な中堅証券はすべてNISA口座に対応しています。

2024年から始まった新NISA制度にも対応しており、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を利用できます。

NISA口座は1人1口座しか開設できないため、すでに他の証券会社でNISA口座を持っている場合は、移管手続きが必要です。NISA口座の移管は年単位で行われ、手続きには1~2か月程度かかります。

新規にNISA口座を開設する場合は、税務署の審査があるため、通常の口座より開設に時間がかかります(1~2週間程度)。

最低投資金額はいくらですか?

株式投資の最低投資金額は、銘柄によって異なります。日本株は通常100株単位で売買されるため、株価×100株が最低投資金額となります。

例えば、株価1,000円の銘柄なら10万円、株価5,000円の銘柄なら50万円が必要です。

ただし、一部の中堅証券では単元未満株(1株から購入できるサービス)を提供しています。岡三証券や岩井コスモ証券では、1株から購入できるため、数千円から投資を始められます。

投資信託は、多くの証券会社で100円から積立投資が可能です。初めての方は、少額から始めて徐々に投資額を増やしていくことをおすすめします。

担当者が変わることはありますか?

証券会社の担当者は、異動や転勤により変わることがあります。特に全国展開している証券会社では、数年ごとに担当者が変わることが一般的です。

担当者が変わると、それまでの信頼関係が途切れてしまい、不安に感じる方もいるかもしれません。

ただし、顧客情報は引き継がれるため、新しい担当者もこれまでの投資履歴や投資方針を把握した上で対応してくれます。また、担当者が変わる際には、事前に挨拶があり、新しい担当者の紹介が行われます。

どうしても同じ担当者に継続して担当してもらいたい場合は、支店長に相談することもできます。担当者との相性が合わない場合は、変更をお願いすることも可能です。

まとめ

中堅証券会社は、大手証券のような手厚い対面サポートを受けられながら、地域密着型のきめ細かいサービスが魅力です。売上高で見ると、東海東京フィナンシャル・ホールディングスがトップで、次いで岡三証券グループ、岩井コスモホールディングス、いちよし証券、丸三証券と続きます。

中堅証券を選ぶメリットは、手厚い対面サポート、地域密着型のサービス、IPOや地方企業株式の取扱いが豊富な点です。一方、手数料は大手並みに高い場合があり、オンライン取引の利便性はネット証券に劣ります。

店舗数も限られているため、近くに店舗があるかを事前に確認することが大切です。

中堅証券会社は、投資初心者で対面相談したい方、まとまった資金を運用したい方、地元企業への投資に興味がある方に向いています。証券会社を選ぶ際は、店舗の場所、手数料体系、取扱商品、IPO実績、財務健全性を総合的に比較しましょう。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは各証券会社にご確認ください。

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