NISAはネット証券だと後悔する?知っておきたいデメリットと失敗しない選び方

「ネット証券って手数料が安いって聞くけど、本当に大丈夫なの?」「店舗型の証券会社と比べてどんなリスクがあるの?」と不安を感じていませんか。
新NISAをきっかけに投資を始める方が増える中、多くの人がネット証券と店舗型証券のどちらを選ぶべきか悩んでいます。
ネット証券は手数料の安さや利便性が魅力ですが、担当者のサポートがない点やセキュリティリスクなど、事前に理解しておくべきデメリットも存在します。
この記事では、ネット証券の仕組みから具体的なメリット・デメリット、そして安全に活用するための対策まで網羅的に解説します。
最後まで読むことで、自分に合った証券会社の選び方が明確になり、安心して資産形成の第一歩を踏み出せるでしょう。
目次
ネット証券と店舗型証券には、サービス内容やコスト構造に大きな違いがあります。どちらが優れているというわけではなく、投資スタイルや求めるサポートによって最適な選択肢は異なります。
ここでは両者の基本的な仕組みと特徴を整理し、違いを明確にしていきます。
ネット証券とは、インターネット上で株式や投資信託などの金融商品を売買できる証券会社のことです。実店舗を持たず、口座開設から取引、入出金までの全ての手続きをオンラインで完結できます。
パソコンやスマートフォンがあれば、24時間いつでも取引注文を出すことが可能です。市場が開いている時間帯であればリアルタイムで約定し、時間外でも予約注文を入れておけます。
店舗運営費や営業人員の人件費がかからないため、取引手数料を大幅に抑えられる点が特徴です。SBI証券や楽天証券などの大手では、国内株式の売買手数料を無料にするサービスも提供しています。
一方で、対面での相談窓口がないため、投資判断は基本的に自分自身で行う必要があります。分からないことがあれば、電話やチャットでのサポートを活用することになります。
店舗型証券とは、野村證券やSMBC日興証券、みずほ証券などの対面営業を行う証券会社を指します。全国各地に支店を構え、担当者が直接顧客と向き合ってサービスを提供します。
最大の特徴は、専属の担当者からアドバイスを受けられることです。市場動向の解説や銘柄の推奨、資産配分の提案など、プロの視点からサポートを受けながら投資を進められます。
IPO(新規公開株)の配分で有利になりやすい点も魅力の一つです。大型案件では主幹事を務めることが多く、顧客への割当数も多い傾向にあります。
ただし、人件費や店舗維持費がかかる分、取引手数料はネット証券より高くなります。1回の取引で数百円から数千円の手数料がかかることも珍しくありません。
ネット証券と店舗型証券の最も大きな違いは、コスト構造とサポート体制にあります。ネット証券は低コストを追求する代わりにセルフサービスが基本となり、店舗型は手厚いサポートの代わりに高コストという構図です。
取引手数料を比較すると、その差は歴然としています。ネット証券では国内株式の売買手数料が無料のところもありますが、店舗型では100万円の取引で1万円以上かかることもあります。
情報提供の面でも違いがあります。店舗型では担当者から直接情報が届きますが、ネット証券では自分から情報を取りに行く姿勢が求められます。
どちらを選ぶかは、手数料を重視するか、サポートを重視するかという優先順位によって決まります。投資経験や資産規模、投資にかけられる時間によっても最適解は変わってきます。
手数料の安さばかりが注目されがちなネット証券ですが、利用する前に理解しておくべきデメリットも存在します。これらを把握した上で対策を講じることで、リスクを最小限に抑えながらメリットを享受できます。
ここでは、特に注意が必要な5つのポイントについて詳しく解説します。
ネット証券を利用する場合、投資に関する判断は全て自分で行う必要があります。店舗型証券のように「この銘柄がおすすめです」「今は売り時かもしれません」といった個別のアドバイスを担当者から受けることはできません。
これは、投資経験が浅い方にとっては大きな不安要素となることがあります。どの銘柄を選べばいいのか、いつ買っていつ売ればいいのか、全て自分で調べて判断しなければなりません。
投資判断に迷った際は、ネット証券各社が提供する情報ツールやレポートを活用することが基本的な対処法となります。各社ともアナリストレポートや銘柄分析ツールを無料で提供しています。
また、電話やチャットでのカスタマーサポートに問い合わせることで、操作方法や制度に関する疑問は解消できます。ただし、個別の投資判断については回答してもらえません。
ネット証券で成果を出すためには、投資の基礎知識を自分で身につける必要があります。株式市場の仕組み、財務諸表の読み方、リスク管理の考え方など、学ぶべきことは多岐にわたります。
逆に言えば、学ぶ姿勢があれば質の高い情報に無料でアクセスできる環境が整っています。各社のセミナーや学習コンテンツを活用すれば、着実に知識を積み上げることが可能です。
ネット証券での取引は全て自分の操作で完結するため、注文ミスをしてしまうリスクがあります。買いと売りを間違えたり、数量を1桁間違えたりしても、約定してしまえば取り消すことができません。
店舗型証券であれば、担当者が注文内容を確認してくれる場面もあるでしょう。しかしネット証券では、画面上で確認ボタンをクリックすれば即座に注文が執行されます。
代表的な注文ミスとして、数量の入力間違いがあります。100株買うつもりが1,000株発注してしまうケースは珍しくありません。
また、指値注文と成行注文の選択を間違えるパターンも多く見られます。成行注文では想定外の価格で約定してしまう可能性があるため、注意が必要です。
こうしたミスを防ぐためには、発注前の確認画面で数量・価格・売買区分を必ずチェックする習慣をつけることが重要です。
ネット証券を利用する上で、サイバーセキュリティのリスクは見過ごせない問題です。2025年に入ってから、証券口座を狙った不正アクセスが急増しており、被害が深刻化しています。
金融庁の発表によると、2025年1月から7月までの不正アクセス件数は1万4,000件以上、不正取引件数は8,000件以上に達しました。不正な売却金額と買付金額の合計は約6,300億円にのぼっています。
最も多い手口はフィッシング詐欺です。証券会社を装った偽メールやSMSを送りつけ、偽サイトに誘導してログインIDやパスワードを盗み取ります。偽サイトは本物と見分けがつかないほど精巧に作られています。
さらに高度な手口として「インフォスティーラー」と呼ばれるマルウェアを使った情報窃取も確認されています。パソコンに感染させて認証情報を盗み出す手法です。
口座を乗っ取られると、保有資産が勝手に売却され、犯人が指定する銘柄を高値で買わされるケースがあります。これは相場操縦に悪用される「仕手戦」の手口として知られています。
被害者の手元には暴落した無価値に近い株だけが残り、大きな損失を被ることになります。こうした被害を受けた場合、証券会社による補償対応が進んでいますが、全額補償されるとは限りません。
ネット証券はシステムが生命線ですが、アクセスが集中すると障害が発生することがあります。特に相場が大きく動いている局面では、取引したいときに注文が出せないという事態が起こり得ます。
大手のSBI証券でさえ、2024年には複数回のシステム障害が発生しました。市場開始直後のアクセス集中時や、世界的な株価変動が起きた際に不具合が生じています。
システム障害が発生しやすいのは、取引が集中するタイミングです。市場の寄り付き直後、重要な経済指標の発表後、相場が急変動している場面では特に注意が必要です。
このような機会損失リスクに備えるためには、複数の証券会社に口座を開設しておくことが有効な対策となります。メインの証券会社で障害が起きても、別の口座から注文できる体制を整えておきましょう。
ネット証券の取引画面は、機能が豊富な反面、初心者には複雑に感じられることがあります。無数のメニュー、専門用語、点滅する数字の羅列に圧倒され、何をどうすればいいか分からないという声も少なくありません。
各社は使いやすさの向上に努めていますが、プロ向けの高機能ツールをベースにしているため、動線が複雑になりがちです。慣れるまでには一定の時間と学習が必要です。
対策としては、まず少額から取引を始めて操作に慣れることをおすすめします。各社が提供するデモ取引や操作ガイドを活用するのも効果的です。
デメリットを理解した上で、改めてネット証券のメリットを確認していきましょう。手数料の安さだけでなく、利便性や情報ツールの充実など、多くの利点があります。
これらのメリットを最大限活用することで、効率的な資産形成が可能になります。
ネット証券最大の強みは、取引手数料の安さです。SBI証券や楽天証券をはじめとする主要ネット証券では、国内株式の売買手数料が無料となっています。
この「ゼロ革命」と呼ばれる動きは2023年から本格化し、現在では業界標準となりつつあります。GMOクリック証券も2025年9月から完全無料化に踏み切りました。
店舗型証券で100万円の株式を売買すると、往復で1万円以上の手数料がかかることもあります。ネット証券ならこれが0円で済むわけですから、差額はそのまま投資に回せます。
年間で10回取引すれば10万円、20回なら20万円もの違いが生まれます。この差額を投資に充てることで、複利効果により将来の資産額に大きな差がつきます。
投資においてリターンは不確実ですが、コストは確実にリターンを削る要因です。仮に年率5%のリターンを目指す場合、手数料で1%引かれれば実質4%になってしまいます。
20年、30年という長期で運用すると、この1%の差は複利効果によって数百万円単位の資産差を生み出します。低コストで運用できるネット証券は、長期投資家にとって大きな味方となります。
ネット証券なら、パソコンやスマートフォンがあればいつでもどこでも取引できます。通勤電車の中でも、出張先のホテルでも、市場の動きを確認して注文を出すことが可能です。
口座開設もオンラインで完結するため、店舗に足を運ぶ必要がありません。本人確認書類をスマホで撮影してアップロードすれば、最短で翌日から取引を始められます。
24時間いつでも注文を入れておけるため、日中は仕事で忙しい会社員でも無理なく投資を続けられます。
ネット証券では営業電話がかかってくることはありません。「おすすめ銘柄があるのですが」「今が買い時です」といった勧誘を受けることなく、純粋に自分の判断で投資を進められます。
店舗型証券では、担当者にノルマがあることから、顧客の意向に沿わない商品を勧められるケースもあります。ネット証券ならそうした煩わしさから解放されます。
投資の意思決定を他人に左右されず、自分のペースで学びながら経験を積めることは、長期的な投資スキルの向上につながります。
主要なネット証券では、国内株式はもちろん、米国株、投資信託、ETF、債券、FXなど幅広い金融商品を取り扱っています。一つの口座で多様な投資先にアクセスできる利便性は大きな魅力です。
特に米国株の取り扱いが充実している点は見逃せません。SBI証券では約5,300銘柄、マネックス証券も豊富な米国株ラインナップを揃えています。
投資信託も2,000本以上を取り扱っており、インデックスファンドからアクティブファンドまで幅広い選択肢があります。
ネット証券各社は、投資判断に役立つ情報やツールを豊富に提供しています。リアルタイムの株価チャート、企業の財務データ、アナリストレポートなど、かつては機関投資家しか使えなかった情報に無料でアクセスできます。
銘柄スクリーニング機能を使えば、PERやROEなどの指標で数千銘柄の中から条件に合う投資先を絞り込むことも簡単です。
楽天証券の「MarketSpeed II」やSBI証券の「HYPER SBI 2」は、本格的なトレーディングツールとして知られています。板情報、歩み値、テクニカル指標など、プロが使う機能が揃っています。
マネックス証券の「銘柄スカウター」は、企業分析に特化したツールとして人気があります。過去の業績推移や同業他社比較が視覚的に分かりやすく表示されます。
ネット証券の多くは、大手ポイント経済圏と連携した還元サービスを提供しています。投資をしながらポイントが貯まり、貯まったポイントで投資もできるという好循環が生まれます。
SBI証券はVポイント、Ponta、dポイントなど複数のポイントに対応。楽天証券は楽天ポイント、マネックス証券はdポイントとの連携が充実しています。
クレジットカードで投資信託を積立購入すると、決済額に応じてポイントが還元されます。SBI証券では三井住友カードの種類に応じて0.5%から最大5%の還元率となっています。
マネックス証券ではdカードプラチナ保有者に最大3.1%という高い還元率を提示しています。ポイント還元は信託報酬を実質的に相殺する効果があり、見逃せないメリットです。
ここまでネット証券のメリット・デメリットを見てきましたが、店舗型証券との比較という観点で改めて整理してみましょう。それぞれに強みと弱みがあり、一概にどちらが優れているとは言えません。
自分の投資スタイルや重視するポイントに照らして、最適な選択を検討してください。
取引コストで見れば、ネット証券の優位性は明らかです。国内株式の売買手数料0円は、店舗型証券では実現できない水準です。
投資信託の購入時手数料も、ネット証券ではほとんどの商品が無料となっています。店舗型では2%から3%程度の手数料がかかることも珍しくありません。
長期的な資産形成を考えれば、このコスト差は決定的な違いを生みます。同じ運用成果でも、手数料が安い分だけネット証券利用者の手元に残る金額は大きくなります。
投資の知識に自信がない方や、専門家の意見を参考にしたい方にとっては、店舗型証券の対面サポートは心強い存在です。担当者に相談しながら投資方針を決められる安心感があります。
相続や贈与を含めた総合的な資産管理のアドバイスを受けられる点も、富裕層には重要な要素です。税務や法務に関する専門知識を持った担当者が対応してくれます。
ただし、サポートの質は担当者によってばらつきがある点には留意が必要です。自社の利益を優先した提案をされる可能性もゼロではありません。
取扱商品の幅広さでは、ネット証券と店舗型証券で大きな差はありません。ただし、商品ラインナップの傾向には違いがあります。
ネット証券は低コストのインデックスファンドや米国株が充実しており、個人投資家の自助努力による資産形成に適した品揃えとなっています。
店舗型証券は債券や仕組債など、ネット証券では取り扱いの少ない商品も扱っています。大型のIPO案件での配分でも有利になりやすい傾向があります。
ネット証券を選ぶべきかどうかは、投資経験やITスキル、投資にかけられる時間、求めるサポートの程度によって異なります。自分がどのタイプに当てはまるか確認してみましょう。
向き不向きを正しく把握することで、ミスマッチによる後悔を避けられます。
ネット証券は全ての投資家に適しているわけではありませんが、以下のような特徴を持つ方には特におすすめできます。自分の投資スタイルや志向と照らし合わせてみてください。
投資において手数料は確実なマイナスリターンです。コストを最小限に抑えて運用効率を高めたい方には、ネット証券が最適な選択肢となります。
特に長期投資を前提とする場合、わずかな手数料差が20年後、30年後に大きな資産差となって表れます。
投資は最終的に自己責任です。自分で調べて学び、判断することに抵抗がない方にとって、ネット証券の情報ツールやレポートは強力な武器になります。
むしろ営業担当の意見に左右されず、純粋に自分の分析に基づいて投資したい方にはネット証券が向いています。
ネット証券での取引は全てオンラインで完結します。日常的にスマートフォンやパソコンを使い慣れている方であれば、取引画面の操作も問題なくこなせるでしょう。
各社のアプリは直感的な操作を意識して設計されており、一般的なスマホアプリが使えれば十分対応できます。
反対に、以下のような特徴を持つ方は、ネット証券よりも店舗型証券のほうが適している可能性があります。無理にネット証券を選んでストレスを感じるよりも、自分に合った環境を選ぶことが大切です。
投資判断を一人で行うことに不安を感じる方や、専門家のアドバイスを受けながら進めたい方には、担当者のつく店舗型証券が適しています。
特に投資を始めたばかりで右も左も分からないという段階では、対面でのサポートが安心材料になることもあります。
運用資産が数千万円から億単位になると、相続対策や税金対策など、投資以外の専門的なアドバイスも重要になってきます。
こうした総合的な資産管理サービスは、店舗型証券のほうが充実しています。専任の担当者がつき、ワンストップでサポートを受けられる体制が整っています。
ネット証券を利用する上で、セキュリティ対策は欠かせません。2025年に入ってからフィッシング詐欺による被害が急増しており、誰もが被害者になる可能性があります。
ここでは、自分の資産を守るために今すぐ実践できる具体的な対策を紹介します。
二段階認証(多要素認証)とは、パスワードに加えて別の認証手段を組み合わせる仕組みです。スマートフォンへのSMS認証や、認証アプリによるワンタイムパスワードなどが代表的です。
仮にパスワードが漏洩しても、二段階認証を設定していれば、第三者がログインすることは困難になります。
最近では生体認証(指紋認証や顔認証)に対応する証券会社も増えています。より強固なセキュリティを求めるなら、生体認証の設定を検討しましょう。
証券口座のパスワードを他のサービスと同じものにしていませんか。もし他のサービスで情報漏洩が起きた場合、そのパスワードで証券口座にも侵入されるリスクがあります。
証券会社専用の複雑なパスワードを設定し、定期的に変更することが基本です。英数字と記号を組み合わせた12文字以上のパスワードが推奨されています。
複雑なパスワードを覚えられない場合は、パスワード管理ツールの利用を検討してください。安全に複数のパスワードを管理できます。
フィッシング詐欺から身を守るためには、日頃からの心がけが重要です。一度でも偽サイトにIDとパスワードを入力してしまうと、被害に遭うリスクが高まります。
まず、メールやSMSに記載されたリンクは絶対にクリックしないことです。たとえ送信元が証券会社に見えても、偽装されている可能性があります。
次に、証券会社のサイトにアクセスする際は、事前に登録したブックマークか、公式アプリを使うことを徹底してください。検索結果からアクセスすると、広告枠に偽サイトが表示されているケースもあります。
正規の証券会社サイトのURLをブラウザのブックマークに登録し、必ずそこからアクセスする習慣をつけてください。これが最もシンプルかつ効果的なフィッシング対策です。
スマートフォンの場合は、公式アプリをダウンロードしてそこからログインする方法も安全です。App StoreやGoogle Playから正規のアプリを入手しましょう。
万が一のセキュリティ事故やシステム障害に備えて、複数のネット証券に口座を開設しておくことをおすすめします。一つの証券会社に全ての資産を集中させるのはリスクが高い行為です。
メインで使う証券会社と、サブとして使う証券会社を決めておきましょう。メインで問題が発生した際に、サブから取引できる体制を整えておくと安心です。
口座開設は無料で、維持費もかからない証券会社がほとんどです。備えあれば憂いなしの精神で、事前に準備しておきましょう。
ネット証券は各社それぞれ特徴があり、一概に「ここがベスト」とは言い切れません。自分の投資スタイルや重視するポイントに合った証券会社を選ぶことが大切です。
ここでは、ネット証券を選ぶ際にチェックすべき5つのポイントを解説します。
国内株式の売買手数料が無料の証券会社は増えていますが、適用条件や対象商品は各社で異なります。電子交付サービスへの申込が条件になっている場合や、特定のコースを選択する必要がある場合もあります。
米国株の取引手数料や為替手数料も重要なチェックポイントです。為替手数料は証券会社によって差があり、頻繁に取引する場合はコスト差が積み重なります。
投資信託の信託報酬も比較対象です。同じファンドでも、証券会社によってポイント還元の有無で実質コストが変わることがあります。
投資したい商品が取り扱われているかどうかは基本中の基本です。特に米国株や外国ETF、特定の投資信託を購入したい場合は、事前に確認しておきましょう。
単元未満株(ミニ株)の取り扱いも重要です。少額から分散投資をしたい場合、1株から購入できるサービスがあると便利です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)の取り扱い商品も証券会社によって異なります。運営管理手数料が無料かどうかも含めて確認してください。
日々の取引で使うツールやアプリの操作性は、投資生活の快適さに直結します。各社のアプリをダウンロードして、実際に使い勝手を確かめてみることをおすすめします。
口座開設前でもデモ画面を公開している証券会社もあります。チャートの見やすさ、注文画面の分かりやすさ、情報の探しやすさなどをチェックしましょう。
楽天証券のiSPEEDやSBI証券のスマホアプリなど、各社が力を入れているツールには特色があります。自分に合ったものを選んでください。
普段利用しているポイント経済圏と連携している証券会社を選ぶと、投資をしながら効率よくポイントを貯められます。
楽天経済圏をよく使うなら楽天証券、Vポイントを貯めたいなら三井住友カードとの相性が良いSBI証券、ドコモユーザーならマネックス証券といった具合に、生活スタイルと合わせて選びましょう。
クレカ積立の還元率は変更されることもあるため、口座開設時点の情報だけでなく、将来的な変更リスクも念頭に置いておくと良いでしょう。
普段はサポートを使わなくても、困ったときに頼れる窓口があるかどうかは重要です。電話、チャット、メールなど、問い合わせ手段が複数あると安心です。
電話サポートの対応時間も確認しておきましょう。平日の日中しか対応していない証券会社もあれば、夜間や土日に対応しているところもあります。
初心者向けのFAQや操作ガイドが充実しているかどうかも、自力で問題解決できるかの目安になります。
(出典:金融商品取引法について – 金融庁)
主要なネット証券5社について、それぞれの特徴とメリット・デメリットを整理しました。各社の強みを理解した上で、自分に合った証券会社を選んでください。
複数の証券会社に口座を持つことも一つの選択肢です。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約14,000,000口座 ※2025年3月10日時点(SBIネオモバイル証券など含む) |
| 取引手数料 |
【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円 【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円 ※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。 |
| NISA対応 | 〇 |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年3月3日時点 |
| 外国株 | 8カ国/米国株式(5,000銘柄) |
| 取引ツール(PC) | HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー |
| スマホアプリ | SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD |
| 提携銀行口座 | SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
SBI証券は、口座数1,400万口座超(2025年3月時点)を誇る国内最大手のネット証券です。取扱商品の幅広さ、手数料の安さ、情報ツールの充実度など、あらゆる面でバランスの取れたサービスを提供しています。
国内株式の売買手数料は無料(電子交付設定が条件)、米国株も約5,300銘柄を取り扱うなど、商品ラインナップの充実度は業界トップクラスです。
IPO取扱数が業界最多水準で、抽選に外れてもポイントが貯まる「IPOチャレンジポイント」制度があります。外国株は9市場に対応しており、グローバルな投資が可能です。
クレカ積立はVポイント、Ponta、dポイントなど複数のポイントに対応しており、選択の自由度が高い点も魅力です。
機能が豊富な反面、画面の情報量が多く初心者には複雑に感じられることがあります。アプリのリニューアル時にユーザーから使いにくいとの声が上がり、旧バージョンを再提供したこともありました。
システム障害が散発的に発生している点も注意が必要です。メインの口座として使う場合は、サブ口座も併せて準備しておくと安心です。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約12,000,000口座 ※2025年1月時点 |
| 取引手数料 | 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 263銘柄 ※2025年4月24日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年4月24日時点 |
| 外国株 | 6カ国/米国株式(約4,500銘柄) |
| 取引ツール(PC) | マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4 |
| スマホアプリ | iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物 |
| 提携銀行口座 | 楽天銀行(マネーブリッジ) |
| ポイント投資・付与 | 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
楽天証券は、口座数1,200万口座超(2025年1月時点)の大手ネット証券です。楽天経済圏との連携が強みで、楽天ポイントを使った投資や、楽天カードでの積立投資が人気を集めています。
国内株式の売買手数料は「ゼロコース」で無料となっています。投資信託も豊富な品揃えで、積立投資に適した環境が整っています。
スマホアプリ「iSPEED」やPC用ツール「MarketSpeed II」の操作性の高さが評価されています。視認性に優れ、初心者でも直感的に操作できます。
楽天ポイントで投資信託や国内株式を購入できるため、ポイントを効率的に資産に変えられます。楽天市場のSPUにも連動しており、楽天ユーザーにはメリットが大きい設計です。
ポイント還元ルールが過去に何度か変更されており、今後も条件が変わる可能性がある点は留意しておきましょう。
アクセスが集中するタイミングでは、サイトやアプリの反応が遅くなることがあるとの声も聞かれます。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約2,700,000口座 ※2025年2月時点 |
| 取引手数料 | 【取引毎手数料コース】
|
| NISA対応 | 〇(日本株・米国株・中国株・投資信託の売買手数料が無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(銘柄数は公式サイトで確認) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 中国株 / 投資信託(約1,750本以上) |
| 投資信託 | 約1,800本(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 2カ国/米国株:約5,000銘柄以上(2025年1月27日時点) |
| 取引ツール(PC) | マネックストレーダー / 銘柄スカウター |
| スマホアプリ | マネックス証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ |
| 提携銀行口座 | マネックス証券専用銀行口座(詳細は公式サイトで確認) |
| ポイント投資・付与 | マネックスポイント / dポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | オンライン申込で最短翌営業日 |
マネックス証券は、米国株取引に強みを持つネット証券です。時間外取引への対応や、豊富な注文方法(逆指値、トレーリングストップなど)が米国株投資家から支持されています。
2024年にNTTドコモとの資本業務提携を発表し、dカードによる積立投資の還元率を大幅に強化しました。ドコモユーザーにとって魅力的な選択肢となっています。
銘柄分析ツール「銘柄スカウター」の評価が高く、企業分析を重視する投資家に人気があります。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約1,670,000口座 ※2025年3月時点 |
| 取引手数料 | 【ボックスレート(1日定額制)】 1日の約定代金合計50万円まで:0円 50万円超:1,000円(税込1,100円)~※25歳以下なら約定代金に関わらず手数料無料 |
| NISA対応 | 〇(日本株、米国株、投資信託すべて売買手数料無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(銘柄数は公式サイトで確認) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 投資信託(約1,800本以上) |
| 投資信託 | 約1,900本以上(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 米国株:約4,900銘柄(2025年4月23日時点) |
| 取引ツール(PC) | ネットストック・ハイスピード(無料) |
| スマホアプリ | 日本株アプリ / 投信アプリ / 米国株アプリ(すべて無料) |
| 提携銀行口座 | MATSUI Bank(松井証券専用銀行) |
| ポイント投資・付与 | 松井証券ポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | 最短即日(スマートフォンによるオンライン申込) |
松井証券は、1918年創業の歴史ある証券会社です。日本で初めてインターネット取引を開始したネット証券の先駆けでもあります。
国内株式は1日の約定代金合計50万円まで手数料無料という定額制プランを採用しています。シンプルで分かりやすい料金体系が特徴です。
電話サポートの評判が良く、初心者が安心して利用できる環境が整っています。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約1,800,000口座 ※2025年2月時点 |
| 取引手数料 | 【ワンショット手数料コース】 約定代金5万円以下:55円(税込) 約定代金50万円超:1,070円(税込)【一日定額手数料コース】 1日100万円まで:0円 1日300万円まで:2,750円(税込) 以降300万円ごとに:2,750円(税込)加算 |
| NISA対応 | 〇(日本株・米国株・投資信託の売買手数料が無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 251銘柄(2025年4月時点) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 投資信託(1,155銘柄) |
| 投資信託 | 約1,853本(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 米国株:約1,050銘柄(2025年4月時点) |
| 取引ツール(PC) | kabuステーション / 銘柄スカウター |
| スマホアプリ | 三菱UFJ eスマート証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ |
| 提携銀行口座 | 三菱UFJ銀行 / auじぶん銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | 最短翌営業日(スマートフォンによるオンライン申込) |
三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)は、三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下のネット証券です。au経済圏やMUFGグループとの連携サービスが充実しています。
新NISAでは現物株式、ミニ株、米国株式、投資信託の取引手数料が無料となっています。au PAY カードでの積立投資にも対応しています。
三菱UFJ銀行との連携で、銀行口座から証券口座への資金移動がスムーズに行える点がメリットです。
「証券会社が倒産したら預けたお金はどうなるの?」という不安を持つ方も多いでしょう。結論から言えば、顧客の資産は証券会社の経営とは分離して管理されているため、基本的には全額が保護されます。
ここでは、資産保護の仕組みを詳しく解説します。
証券会社は、顧客から預かった金銭や有価証券を、自社の資産とは明確に分けて管理することが法律で義務付けられています。これを「分別管理」と呼びます。
分別管理により、証券会社が経営破綻しても、顧客の資産は証券会社の債権者に差し押さえられることなく、全額が顧客に返還される仕組みになっています。
銀行預金が銀行の経営に左右されるのとは異なり、証券口座の資産は証券会社の財務状況とは切り離されて保護されています。
万が一、証券会社が分別管理義務に違反していた場合でも、日本投資者保護基金による補償制度があります。一人当たり1,000万円を上限として、顧客の資産が補償されます。
この制度は銀行の預金保険制度に相当するセーフティネットです。ただし、1,000万円を超える部分については補償の対象外となります。
証券会社が適切に分別管理を行っていれば、この補償制度を使うまでもなく全額が保護されます。
資産保護制度には一定の限界があることも理解しておく必要があります。投資者保護基金の補償上限は1,000万円であり、富裕層にとっては十分とは言えない金額かもしれません。
また、FX取引の証拠金など、一部の商品は投資者保護基金の対象外となる場合があります。
さらに、証券会社が破綻した場合、資産が保護されていても手続きに時間がかかり、一時的に売買や出金ができなくなるリスクがあります。複数の証券会社に資産を分散させておくことも、リスク管理の一つの方法です。
(出典:No.1476 特定口座制度 – 国税庁)
ネット証券は、手数料の安さ、取引の利便性、情報ツールの充実という大きなメリットを持っています。長期的な資産形成において、低コストで運用できる環境は複利効果を最大化する上で重要な要素です。
一方で、担当者のサポートがないこと、セキュリティリスク、システム障害の可能性といったデメリットも存在します。特にフィッシング詐欺による被害が急増している現状では、二段階認証の設定やブックマークからのアクセス徹底など、自己防衛策が欠かせません。
大切なのは、メリットとデメリットの両面を理解した上で、自分の投資スタイルや求めるサポートに合った選択をすることです。手数料を重視するならネット証券、対面サポートを重視するなら店舗型証券という基本軸を持ちつつ、両者を併用する選択肢もあります。
新NISAの普及により、投資は特別なものから日常的な資産形成手段へと変わりつつあります。ネット証券の仕組みとリスクを正しく理解し、セキュリティ対策を万全にした上で、賢く活用していきましょう。
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