仮想通貨のテクニカル分析とは|初心者が実践で使える基本手法【2026年版】

仮想通貨のテクニカル分析とは|初心者が実践で使える基本手法【2026年版】

仮想通貨の価格チャートを見ても、どこで買えばいいのか、売ればいいのか分からない。

感覚で取引して損失を出してしまった経験はありませんか。

テクニカル分析を学べば、チャートから売買タイミングを客観的に判断できるようになります。

この記事では、初心者が実践で使えるテクニカル分析の基本手法を、図解を交えながら分かりやすく解説します。

移動平均線やRSIなどの主要指標から、複数指標の組み合わせ方、失敗しやすいパターンまで網羅的に紹介します。

この記事の要約
  • テクニカル分析は過去のチャートから未来の値動きを予測する手法
  • トレンド系・オシレーター系・チャートパターンの3種類を組み合わせて使う
  • 初心者は移動平均線とRSIから学び、段階的にスキルアップするのがおすすめ
結論

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SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

仮想通貨のテクニカル分析とは|基本の考え方

テクニカル分析とは、過去の価格変動や出来高などのデータを基に、将来の価格動向を予測する分析手法です。仮想通貨投資において、売買タイミングを客観的に判断するための重要なツールとなります。

テクニカル分析の定義と目的

テクニカル分析は、チャート上に表示される価格や取引量のパターンから、今後の値動きを予測する手法です。過去の値動きを記したチャートからさまざまなパターンを読み取り、同じような状況では同じような売買が起こる可能性があるという前提に基づいています。

主な目的は以下の3つです。売買タイミングを知ること、相場のトレンド(上昇・下降・横ばい)を把握すること、そして感情的な取引を避けてデータに基づいた判断をすることです。チャートを見るだけで相場状況やベストな取引価格が把握できるため、初心者でも比較的取り組みやすい分析方法と言えます。

詳細な分析手法は後続のセクションで解説します

過去のチャートから未来を予測する仕組み

テクニカル分析が機能する理由は、人間の心理が共通しているためです。価格が上昇すれば「もっと上がるかも」と買いたくなり、下落すれば「損失を避けたい」と売りたくなる。こうした投資家心理は時代や場所を問わず共通しており、似たような状況では似たようなチャートパターンが形成されます。

例えば、価格が一定のラインで何度も反発している場合、多くの投資家がそのラインを意識していることが分かります。このラインを「支持線(サポートライン)」と呼び、価格がこのラインに近づくと買い注文が入りやすくなります。過去のパターンを理解することで、次に何が起こるかを予測しやすくなるのです。

仮想通貨でテクニカル分析が有効な理由

仮想通貨市場は24時間365日取引が行われており、価格変動が激しいという特徴があります。株式市場と異なり、決算発表や配当といった企業固有の情報が少ないため、価格はチャートパターンや需給バランスに強く影響されます。

また、仮想通貨市場は世界中の投資家が参加しており、市場参加者が多い主要銘柄(ビットコインやイーサリアムなど)ではテクニカル分析が機能しやすい傾向にあります。短期的な価格の動きを捉えやすいテクニカル分析は、仮想通貨市場において有効な分析手法なのです。

主要銘柄は取引量が多く、分析精度が高い

ファンダメンタルズ分析との違い|使い分けのポイント

投資の世界には、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析という2つの主要な分析方法があります。それぞれの特徴を理解し、状況に応じて使い分けることが重要です。

ファンダメンタルズ分析とは

ファンダメンタルズ分析とは、景気動向や財務状況、プロジェクトの開発状況などをもとに将来の価格を予測する手法です。仮想通貨の場合、通貨の開発元の財務状況や活動内容、技術的な進化、規制の動向などから組織としての成長性や健全性を分析します。

例えば、イーサリアムが2022年9月にProof of Work(PoW)からProof of Stake(PoS)へ移行したことは、大きなファンダメンタルズ要因でした。この移行により環境負荷が大幅に削減され、長期的な成長ポテンシャルが評価されています。こうしたプロジェクトの根本的な価値変化を捉えるのがファンダメンタルズ分析の役割です。

テクニカル分析との3つの違い

比較項目 テクニカル分析 ファンダメンタルズ分析
分析対象 過去の価格・出来高データ プロジェクトの価値・経済情勢
向いている投資期間 短期〜中期トレード 中期〜長期投資
必要な情報 チャートのみ ニュース・公式発表・規制情報など
判断の客観性 数値・パターンで判断しやすい 情報の解釈に個人差が出やすい
突発的なニュースへの対応 対応しにくい 対応しやすい

テクニカル分析は過去のチャートをベースにしているため、相場や経済についての深い知識がなくても把握しやすい方法です。一方、ファンダメンタルズ分析は仮想通貨に関する情報を幅広く集め、それを分析して値動きを予測します。

どちらを選ぶべき?投資スタイル別の使い分け

一般的に、仮想通貨のトレードではどちらの分析方法も有効に機能するといわれています。ケースバイケースで2つの分析手法を使い分けることで、分析をしないよりも正確な価格予想ができるようになります。

デイトレードやスイングトレードなど短期的な売買を行う場合は、テクニカル分析が中心となります。数日から数週間で売買を完結させるため、チャートから売買タイミングを判断することが重要です。一方、数ヶ月から数年単位で保有する長期投資では、ファンダメンタルズ分析を重視します。プロジェクトの将来性や技術的な優位性を評価し、成長が期待できる銘柄を選びます。

理想的なのは両方を組み合わせることです。ファンダメンタルズ分析で投資する銘柄を選び、テクニカル分析で具体的な売買タイミングを判断するという使い分けが効果的です。

両方を学ぶことで投資判断の精度が向上します

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テクニカル分析のメリット・デメリット|向いている人は?

テクニカル分析には明確なメリットがある一方で、限界やデメリットも存在します。両面を理解したうえで活用することが重要です。

メリット①|売買タイミングを客観的に判断できる

テクニカル分析の最大のメリットは、売買タイミングを数値やパターンで客観的に判断できることです。「なんとなく上がりそう」という感覚ではなく、移動平均線のゴールデンクロスやRSIの数値など、明確な根拠を持って取引できます。

データを根拠にした取引が実行できるため、急な価格変動に動揺して売買してしまうリスクを抑えられます。感情的な取引を避け、冷静な投資判断を行えることは大きな強みです。

明確な根拠を持って取引できる

メリット②|短期トレードに強い

仮想通貨市場は価格変動が激しく、短期的な値動きが頻繁に発生します。テクニカル分析は短期的な価格の動きを捉えやすいため、デイトレードやスキャルピングといった短期トレードで威力を発揮します。

特に出来高が安定したトレンドフォロー相場では、テクニカル分析を用いることで取引を始める価格帯を予測できます。移動平均線からトレンドフォロー相場を確認したら、一時的に価格が下がる「押し目」部分を狙うことで、無理なくトレンドに乗って資産を増やせます。

短期的な値動きを捉えやすい

メリット③|感情的な取引を避けられる

投資で失敗する大きな原因の一つが、感情的な取引です。価格が急騰すると「乗り遅れたくない」と高値で買ってしまい、急落すると「これ以上損したくない」と安値で売ってしまう。こうした感情の揺れが損失につながります。

テクニカル分析では、事前に設定したルールに基づいて機械的に売買を行うため、感情に左右されにくくなります。資金管理や投資失敗による撤退の判断基準も、テクニカル分析を用いることでルール化できます。

デメリット①|習得に時間がかかる

テクニカル分析には多様な手法があり、それぞれの指標の意味や使い方を理解するには時間がかかります。移動平均線、RSI、MACD、ボリンジャーバンド、一目均衡表など、主要な指標だけでも数多く存在します。

中途半端な知識での取引は損失につながります

仮想通貨投資で失敗しないためにもテクニカル分析を用いるなら正しく勉強する必要があります。

デメリット②|ダマシ(偽シグナル)が発生する

テクニカル分析は仮想通貨取引において有効な手法ですが、分析結果に依存しすぎると損失を招く可能性があります。過去のパターンが常に同じ結果を生み出すわけではなく、テクニカル分析で過去のパターンと同じだとしても、別要因でまったく違う値動きをすることもあります。

分析結果を過信しすぎないことが重要です

特に相場によってはRSIの数値通りに価格が反転しない場合があります。ファンダメンタルが要因の値動きはRSIが機能しないことが多いため、さまざまな要因を加味して取引判断する必要があります。

デメリット③|突発的なニュースには対応できない

大きな事故や災害、経済政策の転換、規制の発表など、予想外の出来事には対応できない点はデメリットといえます。仮想通貨の価格は、経済ニュースや仮想通貨の法規制など多くの外部要因に影響されるため、確実な価格予想は望めません。

損失はある程度発生するものと割り切りましょう

仮想通貨市場は価格変動が激しいため、予測が外れた場合に想定以上の損失が発生する可能性もあります。分析結果を過信しすぎず「損失はある程度発生するもの」と割り切って、仮想通貨取引を進めましょう。

チャートの基本|ローソク足の見方を覚えよう

テクニカル分析の基礎となるのがローソク足チャートです。ローソク足を正しく読めるようになることが、テクニカル分析の第一歩となります。

ローソク足とは|4つの価格情報

ローソク足チャートは、設定時間内の相場に対する4つの値(始値、高値、安値、終値)をまとめたチャートです。1本のローソク足で、その期間の値動きを一目で把握できる優れた表示方法です。

ローソク足は長方形の「実体」と上下に伸びる細い線「ヒゲ」で構成されます。実体の上端と下端が始値と終値を表し、ヒゲの先端が高値と安値を示します。この4つの価格情報から、その期間の相場の強弱や投資家心理を読み取ることができます。

陽線と陰線の違い

ローソク足には陽線と陰線の2種類があります。陽線は始値よりも終値が高い(価格が上昇した)場合に表示され、一般的に白色や緑色で表現されます。陰線は始値よりも終値が安い(価格が下落した)場合に表示され、黒色や赤色で表現されます。

陽線が連続して出現すると上昇トレンド、陰線が連続すると下落トレンドと判断できます。実体が長いほど強い値動きがあったことを示し、ヒゲが長いほど一時的に大きく動いたことを意味します。

ローソク足のパターンで相場を読む

ローソク足には特定のパターンがあり、それぞれが相場の転換点を示唆することがあります。代表的なパターンを覚えておくと、売買タイミングの判断に役立ちます。

  • 大陽線:実体が長い陽線で、強い買い圧力を示す
  • 大陰線:実体が長い陰線で、強い売り圧力を示す
  • 上ヒゲが長い陽線:一時的に高値をつけたが売り圧力で押し戻された
  • 下ヒゲが長い陰線:一時的に安値をつけたが買い圧力で押し上げられた
  • 十字線:始値と終値がほぼ同じで、方向感がない状態

実際のチャートで確認してみよう

ローソク足の見方を学んだら、実際の仮想通貨チャートで確認してみましょう。国内の仮想通貨取引所が提供するチャートツールや、TradingViewなどの高機能チャートツールを使うと、ローソク足を詳しく分析できます。

最初はビットコインやイーサリアムなど、取引量の多い主要銘柄のチャートを見ることをおすすめします。過去のデータもあり、流通性も高いためテクニカル分析が機能しやすい銘柄です。

主要銘柄から練習を始めましょう

抵抗線(レジスタンス)と支持線(サポート)の引き方

ローソク足と並んで重要なのが、抵抗線と支持線です。これらのラインを引くことで、価格が反転しやすいポイントを視覚的に把握できます。

抵抗線(レジスタンスライン)とは

仮想通貨に限らず投資において価格が上昇した後、ある一定のラインで反発して、下落に転じることがあります。この下落に転じたポイントを直線で結ぶと、上昇を抑えるようなラインが見えてきます。このラインが抵抗線です。

抵抗線は「売り圧力が強まるライン」と言い換えることができます。多くの投資家が「この価格まで上がったら売ろう」と考えているため、そのラインに近づくと売り注文が増えて価格が下がりやすくなります。抵抗線を上抜けると、新たな上昇トレンドが始まる可能性があります。

支持線(サポートライン)とは

しばらく下落したチャートはどこかで上昇に転じますが、この上昇に転じたポイントを直線で結ぶと、下落を底支えするようなラインが見えてきます。これが支持線です。

支持線は「買い圧力が強まるライン」を意味します。多くの投資家が「この価格まで下がったら買おう」と待ち構えているため、そのラインに近づくと買い注文が入りやすくなります。支持線を下抜けると、さらなる下落トレンドに入る可能性があります。

ラインを引くときの3つのコツ

抵抗線と支持線を正しく引くためには、いくつかのコツがあります。以下の3つのポイントを意識すると、より精度の高いラインが引けるようになります。

1.複数回反発しているポイントを選ぶ:2回以上価格が反発している水準を結ぶことで、多くの投資家が意識しているラインを見つけられます。
2.ヒゲの先端ではなく実体で判断する:一時的なヒゲではなく、ローソク足の実体が反発しているポイントを重視します。
3.長期足と短期足の両方で確認する:日足で引いたラインが1時間足でも機能しているか、複数の時間足で検証すると信頼性が高まります。

この二つの直線を想定すると、今後価格がどこで上下するか、どこで反転するか、予測をつけやすくなります。

トレンド系分析|相場の流れを読む5つの指標

トレンド系分析は、市場の全体的なトレンド(価格変動の傾向)をもとに将来の通貨価格を判断する手法です。相場の方向性を把握するための基本的な指標を紹介します。

移動平均線|ゴールデンクロスとデッドクロス

移動平均線は、過去一定期間の価格平均を線でつないだものです。たとえば「20日移動平均線」は、過去20日間の平均価格をプロットしています。価格の大まかな流れを把握するのに最も基本的で重要な指標です。

特に重要なのが、短期移動平均線と長期移動平均線のクロスです。短期線が長期線を下から上に突き抜ける現象を「ゴールデンクロス」と呼び、上昇トレンドの始まりを示唆します。逆に、短期線が長期線を上から下に突き抜ける現象を「デッドクロス」と呼び、下落トレンドの始まりを示唆します。

例えば移動平均線で、20日EMAが50日EMAを上抜くゴールデンクロスが発生し、出来高が平均以上で推移していれば強いトレンド継続が期待できます。多くのトレーダーがこのシグナルを重視しているため、実際に価格が動きやすい傾向にあります。

ボリンジャーバンド|価格変動の範囲を見る

ボリンジャーバンドは、移動平均線を中心に、価格の変動範囲を統計学的に示す指標です。中心線(移動平均線)の上下に、標準偏差に基づいた帯状のラインが表示されます。

価格がバンドの上限に近づくと「買われすぎ」、下限に近づくと「売られすぎ」と判断されます。ただし、強いトレンドが発生している場合は、バンドの上限や下限に沿って価格が推移する「バンドウォーク」という現象が起こることもあります。バンドの幅が狭くなった後に広がる動きは、大きな値動きの前兆とされています。

一目均衡表|日本発祥の総合指標

一目均衡表は、日本で開発された独自のテクニカル指標で、複数の要素を組み合わせて相場の均衡状態を視覚的に表します。転換線、基準線、先行スパン1・2、遅行スパンという5つの線で構成されます。

特に「雲」と呼ばれる先行スパン1と先行スパン2に挟まれた領域が重要です。価格が雲の上にあれば上昇トレンド、雲の下にあれば下落トレンドと判断します。雲が厚いほど抵抗や支持が強く、薄いほど突破されやすいとされています。

MACD|トレンドの強さを測る

MACD(移動平均収束拡散)は、2本の移動平均線の差を利用してトレンドの強さや転換点を捉える指標です。MACDラインとシグナルラインの2本の線で構成され、これらのクロスが売買シグナルとなります。

MACDラインがシグナルラインを下から上に抜けると買いシグナル、上から下に抜けると売りシグナルです。また、ゼロラインより上にあれば上昇トレンド、下にあれば下落トレンドと判断できます。ヒストグラムの高さでトレンドの勢いも確認できます。

パラボリック|トレンド転換を察知する

パラボリック(パラボリックSAR)は、チャート上に点(ドット)で表示される指標で、トレンドの方向性と転換点を示します。価格の下に点が表示されている場合は上昇トレンド、価格の上に点が表示されている場合は下落トレンドです。

点の位置が価格を挟んで反対側に移動したとき、トレンド転換の可能性が高まります。パラボリックは明確なシグナルを出すため、初心者でも使いやすい指標の一つです。ただし、レンジ相場ではダマシが多くなるため、トレンドが明確な相場で使うことをおすすめします。

レンジ相場では精度が下がる点に注意

オシレーター系分析|買われすぎ・売られすぎを判断する4つの指標

オシレーター系分析は、上昇や下降のトレンドより、価格がレンジ相場で推移している場合に有効です。買われすぎ・売られすぎを数値化し、逆張りの売買タイミングを見つけるのに役立ちます。

RSI|相場の過熱感を数値化

RSI(相対力指数)は、0から100の数値で相場の過熱感を示す指標です。一般的に、RSIが70以上になると「買われすぎ」、30以下になると「売られすぎ」と判断されます。

RSIは価格ではなく市場心理を数値化しているため、トレンド系のテクニカル指標とは違った根拠で相場を分析できます。買われすぎの状態から反転して下落する、売られすぎの状態から反転して上昇するというシグナルとして活用されます。また、トレンド相場形成中のRSIは50付近で数値が反発するため、トレンド相場の終了タイミングの見極めにも有効です。

RSI70以上で買われすぎ、30以下で売られすぎ

ストキャスティクス|短期的な売買タイミング

ストキャスティクスは、一定期間の高値・安値に対して、現在の価格がどの位置にあるかを示す指標です。%Kラインと%Dラインの2本で構成され、0から100の範囲で推移します。

80以上で買われすぎ、20以下で売られすぎと判断されます。%Kラインが%Dラインを下から上に抜けると買いシグナル、上から下に抜けると売りシグナルです。RSIよりも敏感に反応するため、短期トレードに適しています。

RCI|価格と時間の相関を見る

RCI(順位相関指数)は、価格の順位と時間の順位の相関関係を数値化した指標です。-100から+100の範囲で推移し、+80以上で買われすぎ、-80以下で売られすぎと判断されます。

RCIが上昇している場合は価格も上昇傾向、下降している場合は価格も下降傾向にあることを示します。複数の期間設定(短期・中期・長期)のRCIを同時に表示することで、より精度の高い分析が可能になります。

サイコロジカルライン|投資家心理を数値化

サイコロジカルラインは、過去一定期間のうち何日上昇したかを百分率で表す指標です。12日間のうち何日上昇したかを計算するのが一般的で、0%から100%の範囲で推移します。

75%以上で買われすぎ、25%以下で売られすぎと判断されます。投資家の心理状態を数値化したシンプルな指標ですが、相場の過熱感を把握するのに有効です。他のオシレーター系指標と組み合わせて使うことで、精度を高められます。

チャートパターン分析|形から売買シグナルを読む

チャート上に現れる特定のパターンを読み取り、将来の価格動向を予測する手法がフォーメーション分析です。仮想通貨は値動きをグラフ線で結ぶと、特定のパターンが見られることがあります

ダブルトップ・ダブルボトム|天井と底の合図

ダブルトップは、価格が2回同じような高値をつけた後に下落するパターンで、上昇トレンドの終わりを示唆します。アルファベットの「M」のような形になるのが特徴です。2つ目の山を形成した後、ネックライン(2つの谷の安値を結んだ線)を下抜けると、売りシグナルとなります。

ダブルボトムはその逆で、価格が2回同じような安値をつけた後に上昇するパターンです。アルファベットの「W」のような形になり、下落トレンドの終わりを示唆します。2つ目の谷を形成した後、ネックラインを上抜けると、買いシグナルとなります。

ヘッドアンドショルダー|トレンド転換の典型パターン

ヘッドアンドショルダー(三尊天井)は、3つの山が形成されるパターンで、中央の山(ヘッド)が最も高く、両側の山(ショルダー)がやや低い形になります。上昇トレンドの終わりを示す強力な反転シグナルです。

右肩を形成後、ネックラインを下抜けると大きな下落の可能性

逆ヘッドアンドショルダー(逆三尊)は、3つの谷が形成されるパターンで、下落トレンドの終わりを示します。

三角持ち合い|ブレイクアウトを狙う

三角持ち合いは、価格の変動幅が徐々に狭くなり、三角形を形成するパターンです。上昇三角形、下降三角形、対称三角形の3種類があります。価格が三角形の頂点に近づくにつれて、大きな値動きが発生する可能性が高まります。

対称三角形はどちらにも動く可能性があるため、ブレイクアウトの方向を確認してから取引

上昇三角形は上方向へのブレイクアウトが期待され、下降三角形は下方向へのブレイクアウトが期待されます。

フラッグ・ペナント|トレンド継続のサイン

フラッグとペナントは、強いトレンドの途中で一時的に調整が入るパターンです。どちらもトレンドの継続を示唆する形として知られています。

  • フラッグ:平行四辺形のような形で、トレンドと逆方向に傾いた長方形を形成します
  • ペナント:小さな三角形のような形で、変動幅が徐々に狭くなります

いずれも、パターンを上抜けまたは下抜けすると、元のトレンド方向に大きく動く傾向があります。フォーメーション分析を使うと、過去に発生したチャートの形を参考に、将来価格を予測しやすくなります。

複数の指標を組み合わせる実践戦略|精度を高める方法

テクニカル分析にはさまざまな指標やチャートパターンが存在します。一つの指標だけに依存するのではなく、複数の指標を組み合わせて、多角的な分析を行うことが重要です。

トレンド系×オシレーター系の組み合わせ

最も基本的で効果的な組み合わせが、トレンド系指標とオシレーター系指標を併用する方法です。トレンド系で相場の方向性を確認し、オシレーター系で具体的なエントリータイミングを計るという使い分けが有効です。

上昇トレンド中にRSIが30以下で押し目買いのチャンス

例えば、移動平均線でトレンドの方向を確認した上で、RSIで買われすぎ・売られすぎを判断します。下落トレンド中にRSIが70以上になったら戻り売りのチャンスと判断できます。

移動平均線+RSIの実践例

具体的な実践例を見てみましょう。まず、20日移動平均線と50日移動平均線を表示します。20日線が50日線の上にあれば上昇トレンド、下にあれば下落トレンドと判断します。

上昇トレンドが確認できたら、RSIを見ます。RSIが30〜40付近まで下がったタイミングで買いエントリーします。これは一時的な調整で価格が下がっただけで、トレンドは継続すると判断できるためです。RSIが70を超えたら利益確定を検討します。この組み合わせにより、トレンドに逆らわず、かつ良いタイミングで取引できます。

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ボリンジャーバンド+MACDの実践例

ボリンジャーバンドとMACDの組み合わせも効果的です。ボリンジャーバンドで価格の変動範囲を確認し、MACDでトレンドの強さと転換点を捉えます

価格が下限に接触+MACDゴールデンクロスで強い買いシグナル

逆に、価格がボリンジャーバンドの上限に接触し、MACDがデッドクロスを示したら、売りシグナルです。複数の指標が同じ方向を示しているとき、そのシグナルの信頼性は高まります。

時間足の使い分け|短期・中期・長期の見方

テクニカル分析では、どの時間足を見るかも重要です。短期トレード・中長期投資で見るべき時間足が異なります。以下の表を参考に、自分の投資スタイルに合った時間足を選びましょう。

投資スタイル 推奨時間足 保有期間 特徴
スキャルピング 1分足〜15分足 数分〜数時間 細かい値動きを捉える
デイトレード 15分足〜1時間足 数時間〜1日 日中の値動きを分析
スイングトレード 4時間足〜日足 数日〜数週間 中期的なトレンドを捉える
長期投資 日足〜週足 数ヶ月〜数年 大きなトレンドを重視

長期足で大きなトレンドを確認してから、短期足でエントリータイミングを計る

例えば、日足で上昇トレンドを確認したら、1時間足で押し目のタイミングを探すという使い方が効果的です。

失敗しやすいパターンと対策|初心者が陥りがちな罠

テクニカル分析を学び始めた初心者は、いくつかの典型的な失敗パターンに陥りがちです。これらを事前に知っておくことで、同じ失敗を避けられます。

ダマシに引っかかる|対処法は?

テクニカル分析で最も厄介なのが「ダマシ」です。ゴールデンクロスが出たのに価格が下がった、RSIが売られすぎを示したのにさらに下落したなど、シグナル通りに動かないことがあります。

損切りラインを事前に設定しておくことで、ダマシによる損失を最小限に抑える

ダマシを完全に避けることはできませんが、減らすことは可能です。複数の指標で確認する、出来高も同時にチェックする、重要なニュースがないか確認するといった対策が有効です。

指標を見すぎて判断に迷う|シンプルに絞る重要性

テクニカル分析を学ぶと、あれもこれもと指標を追加したくなります。しかし、指標を増やしすぎると、それぞれが異なるシグナルを出して判断に迷うことになります。

初心者のうちは、トレンド系1つとオシレーター系1つに絞って使うことをおすすめ

実はきちんと利益を出し続けるトレーダーは、自身の性格と自身で編み出したテクニカル分析の手法が合致しているから成功しています。性格とテクニカル分析の手法は両輪とも言えるでしょう。シンプルな分析の方が、判断が明確になり実行しやすくなります。

感情的な取引をしてしまう|ルールを守る方法

テクニカル分析でシグナルが出ても、「もう少し待てばもっと良い価格で買えるかも」「損切りラインに達したけど、もう少し持っていれば戻るかも」と感情が邪魔をすることがあります

取引ルールを明文化し、機械的に実行することが重要

「移動平均線がゴールデンクロスしたら買う」「RSIが70を超えたら利益確定する」「5%下落したら損切りする」など、具体的なルールを紙に書き出し、機械的に実行します。ルールを破りたくなったら、なぜそのルールを作ったのかを思い出しましょう。

バックテストをせずに実践する|検証の重要性

新しい手法を学んだら、すぐに実際のお金で試したくなります。しかし、その手法が本当に有効かどうかを検証せずに実践すると、損失リスクが高くなります

  • 過去のチャートで手法を試してみる(バックテスト)
  • デモトレードで練習する
  • 少額から始めて徐々に増やす
  • 取引記録をつけて勝率や損益を分析する

バックテストを行うことで、その手法の勝率や平均利益、最大損失などが分かります。手法の有効性を検証する具体的な方法を知ることで、自信を持って取引できるようになります。

テクニカル分析の勉強法|初心者から中級者へのステップ

テクニカル分析を効果的に学ぶためには、基礎からしっかりと理解し、実際にチャートを見ながら学習を進めることが重要です。段階的に学習を進めることで、無理なくスキルアップできます。

初級編|基本用語とローソク足を覚える

まずは基本用語を理解することから始めましょう。ローソク足、移動平均線、トレンド、レンジ、支持線、抵抗線といった基本的な用語の意味を覚えます。

次に、実際のチャートでローソク足の形を観察します。陽線と陰線の違い、実体とヒゲの意味、ローソク足のパターンを実際のビットコインやイーサリアムのチャートで確認しましょう。この段階では、難しい指標は使わず、価格の動きそのものを理解することに集中します。

中級編|主要指標を使いこなす

基本が理解できたら、主要なテクニカル指標を一つずつ学んでいきます。移動平均線から始めて、RSI、MACD、ボリンジャーバンドと順番に習得していきましょう。

一つの指標を1〜2週間かけてじっくり学び、実際のチャートで動きを観察

各指標について、以下のポイントを理解します。何を示す指標なのか、どう計算されるのか、どんなシグナルが出るのか、どんな相場で有効なのか。急いで多くの指標を覚えようとせず、一つずつ確実に理解することが大切です。

上級編|複数指標の組み合わせと検証

個々の指標が使えるようになったら、複数の指標を組み合わせた分析に挑戦します。トレンド系とオシレーター系を組み合わせる、異なる時間足で分析する、チャートパターンと指標を併用するといった応用的な使い方を学びます。

また、自分なりの取引ルールを作り、バックテストで検証します。過去1年間のチャートで、そのルールに従って取引したらどうなっていたかをシミュレーションします。勝率や平均利益、最大損失を計算し、ルールを改善していきます。

おすすめの書籍・動画コンテンツ

独学でテクニカル分析を学ぶには、書籍や動画コンテンツが役立ちます。以下のような学習リソースを活用しましょう。

  • 書籍:株式投資向けのテクニカル分析本も仮想通貨に応用できます。基礎から学べる入門書を1冊選んで通読しましょう
  • YouTubeやオンライン講座:実際のチャート分析の様子を視覚的に学べます。動画は初心者向けの解説が多く、理解を深めるのに役立ちます
  • 取引所の教育コンテンツ:国内取引所が提供する初心者向けガイドも参考になります
  • TradingViewのコミュニティ:世界中のトレーダーが分析を共有しており、実践的な学びが得られます

デモトレード・ペーパートレードで練習する

テクニカル分析を学んだら、実際のお金を使う前にデモトレードで練習しましょう。仮想通貨取引所のデモトレード機能を使えば、リスクなしで取引のシミュレーションができます。

デモトレードで安定して利益を出せるようになってから、少額の実取引に移行

デモトレードでは、実際のお金と同じ真剣さで取引することが重要です。エントリー理由、決済理由、結果を記録し、自分の取引を振り返ります。

取引所のチャート機能を比較|TradingView対応状況

テクニカル分析を行うには、使いやすいチャートツールが必要です。国内の仮想通貨取引所の中には、高機能チャートツール「TradingView」に対応している業者もあります。

TradingViewは世界中で利用されているプラットフォームで、豊富なテクニカル指標と描画ツールを標準搭載しています。国内FX会社では、みんなのFXやLIGHT FX、FOREX.comなどがTradingViewを内蔵したツールを提供しています。仮想通貨取引所では、各社が独自のチャートツールを提供していますが、機能や使いやすさに差があります。

初心者のうちは、無料で使える高機能チャートツールを活用して、テクニカル分析の練習を重ねることをおすすめ

チャート分析に慣れてきたら、実際に取引する取引所のチャート機能も確認しておきましょう。

よくある質問(Q&A)

テクニカル分析は仮想通貨で本当に有効ですか?

はい、仮想通貨市場でもテクニカル分析は有効に働く場面が非常に多いです。特に市場参加者が多く歴史がある銘柄ほど有効に働きやすいため、ビットコインやイーサリアムなどの主要銘柄ではテクニカル分析が機能しやすい傾向にあります。ただし、完璧な予測ができるわけではなく、他の分析手法と組み合わせて使うことが重要です。

株式のテクニカル分析と仮想通貨で違いはありますか?

基本的な考え方や指標の使い方は同じですが、いくつか違いがあります。仮想通貨は24時間365日取引されるため、株式のように取引時間の制約がありません。また、仮想通貨は株式よりも価格変動(ボラティリティ)が大きいため、損切りラインの設定や資金管理がより重要になります。市場の成熟度も異なり、仮想通貨市場は株式市場に比べて新しいため、予測が難しい場面もあります。

少額投資でもテクニカル分析は意味がありますか?

はい、少額投資でもテクニカル分析は有効です。テクニカル分析は投資金額に関係なく、売買タイミングの判断に役立ちます。むしろ少額から始める場合こそ、テクニカル分析を学んで計画的に取引することが重要です。国内取引所では数百円から仮想通貨を購入できるため、少額で実践しながら学ぶことができます。

24時間取引の市場でどのタイミングでチャートを見るべきですか?

仮想通貨は24時間取引されていますが、すべての時間帯を監視する必要はありません。自分の投資スタイルに合わせて、チェックする時間を決めましょう。デイトレードなら朝・昼・夜の1日3回程度、スイングトレードなら1日1回夜にチェックするなど、無理のないペースで続けることが大切です。重要な経済指標の発表時間や、取引量が多い時間帯(日本時間の夜間など)は価格が動きやすいため、注意して見ると良いでしょう。

テクニカル分析だけで勝てますか?

テクニカル分析だけで勝ち続けることは難しいです。突発的なニュースや規制の発表など、ファンダメンタルズ要因で価格が大きく動くことがあるためです。理想的なのは、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析を組み合わせることです。また、資金管理やリスク管理も同様に重要です。どんなに優れた分析手法でも、資金管理を誤ると破綻するリスクがあります。

初心者が最初に覚えるべき指標は何ですか?

初心者はまず、移動平均線とRSIから始めることをおすすめします。移動平均線はトレンドの方向性を把握するのに最も基本的で重要な指標です。RSIは買われすぎ・売られすぎを数値で判断できるため、初心者でも使いやすい指標です。この2つをしっかり理解してから、ボリンジャーバンドやMACDなど他の指標に進むと良いでしょう。

どの取引所のチャートツールがおすすめですか?

取引所によってチャート機能や対応している指標が異なります。高機能チャートツールを求めるなら、TradingViewの利用がおすすめです。国内取引所では、各社が独自のチャートツールを提供していますが、使いやすさや機能に差があるため、複数の取引所のチャートを比較してみると良いでしょう。詳細は公式サイトでご確認ください。

まとめ

テクニカル分析は、過去のチャートから未来の値動きを予測する手法で、仮想通貨投資において売買タイミングを客観的に判断するための重要なツールです。ローソク足の見方から始まり、移動平均線やRSIなどの主要指標、チャートパターンの読み方まで、段階的に学ぶことで誰でも習得できます。

初心者のうちは、トレンド系指標とオシレーター系指標を一つずつ選んでシンプルに使い始めることをおすすめします。移動平均線とRSIの組み合わせから始めて、徐々に他の指標やチャートパターンを学んでいきましょう。デモトレードで練習を重ね、自分なりの取引ルールを確立することが成功への近道です。

暗号資産の価格は変動するため、損失が生じる場合があります。お取引の際は、取引内容を十分に理解し、自己の責任をもって行ってください。

ただし、テクニカル分析は万能ではありません。ダマシが発生することもあり、突発的なニュースには対応できないという限界があります。ファンダメンタルズ分析と組み合わせ、適切な資金管理とリスク管理を行うことが重要です。

テクニカル分析を学ぶことで、感情的な取引を避け、データに基づいた冷静な判断ができるようになります。この記事で紹介した基本手法を実践しながら、少しずつスキルアップしていきましょう。継続的な学習と実践が、テクニカル分析を使いこなすための鍵となります。

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SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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