PayPayカードは在籍確認なし?審査の実態と通過のコツ【2026年】

役員貸付金とは、会社が役員に対して貸し付けたお金のことで、貸借対照表上は「資産」として計上されます。
会社のお金を個人的に使ってしまった場合や、領収書を紛失して経費処理できなかった場合などに発生し、意図せず計上されていることも少なくありません。
融資審査で大きなマイナス評価を受けます
役員貸付金があると、認定利息の課税や税務調査でのリスクが生じます。
本記事では、役員貸付金の基本的な定義から、融資審査への影響、7つの解消方法とそれぞれの税務コスト、相続税・事業承継への影響まで、実務に即した情報を網羅的に解説します。
金融機関への説明方法や税理士への相談タイミングなど、他では得られない実践的なノウハウもご紹介しますので、役員貸付金でお悩みの経営者の方はぜひ最後までお読みください。
目次
役員貸付金は、会社と役員の間の金銭貸借を表す勘定科目です。会社のお金を役員が個人的に使った場合や、経費として処理できなかった支出がこの科目に計上されます。
貸借対照表上は「資産」として表示されますが、実際には回収が困難なケースが多く、金融機関からは「隠れた損失」と見なされます。
役員貸付金は、会社法上の「役員に対する金銭の貸付け」に該当し、貸借対照表の資産の部に「役員貸付金」または「短期貸付金」として計上されます。会計上は債権として扱われますが、実質的には役員が会社から借りているお金です。
この勘定科目は、役員が会社のお金を一時的に使用した際に発生します。例えば、会社の経費として支出したものの領収書を紛失した場合や、個人的な支出を会社の資金で行った場合などです。
実質的な利益の流出と判断されます
金融機関の融資審査では、役員貸付金は自己資本から差し引いて評価されます。そのため、役員貸付金が多額にある企業は、財務健全性が低いと見なされ、融資条件が不利になる可能性があります。
役員貸付金は「会社→役員」、役員借入金は「役員→会社」へのお金の流れで、正反対の関係にあります。
貸借対照表上の位置も異なり、役員貸付金は資産の部に計上されるのに対し、役員借入金は負債の部に計上されます。融資審査への影響も大きく異なり、役員借入金は「役員が会社を支援している」と評価されプラス要因となりますが、役員貸付金は「会社のお金を役員が流用している」と見なされマイナス要因となります。
両方が同時に存在する場合は相殺処理が可能です
ただし、相殺には一定の手続きが必要であり、税務上の取り扱いにも注意が必要です。
役員貸付金が発生する5つのケース
役員貸付金は、経営者が意図せずに発生させてしまうケースが多くあります。ここでは、実務上よく見られる5つの典型的なケースをご紹介します。
自社の状況と照らし合わせ、どのような経緯で役員貸付金が発生したのかを特定することが、適切な解消方法を選択する第一歩となります。
最も多いケースが、会社の資金を個人的な支出に使ってしまうパターンです。会社のクレジットカードで個人的な買い物をした、会社の口座から生活費を引き出した、などが該当します。中小企業では会社と個人のお金の区別が曖昧になりやすく、気づかないうちに役員貸付金が積み上がっていることがあります。
会社の経費として支出したものの、領収書を紛失してしまい経費として処理できなかったケースです。税務上、領収書などの証憑書類がない支出は経費として認められないため、やむを得ず役員貸付金として処理されます。特に現金での支払いが多い業種では、このパターンで役員貸付金が発生しやすい傾向にあります。
役員報酬を減額せずに、実際の支給額を減らして差額を役員貸付金として処理するケースです。資金繰りが厳しい時期に、役員報酬を全額支給できない場合に発生します。
長期化すると解消が困難になります
この方法は一時的な対処としては有効ですが、役員貸付金が膨らみすぎないよう注意が必要です。
個人的な急な出費(医療費、冠婚葬祭など)のために、一時的に会社から借りるケースです。返済するつもりで借りたものの、返済が遅れたり忘れたりして残ってしまうことがあります。少額であっても、積み重なると無視できない金額になることがあります。
創業期や家族経営の企業に多いケースで、会社と個人のお金を明確に区別せずに運用していた結果、決算時に役員貸付金として処理されるパターンです。会社の口座を個人の財布のように使っていた、会社名義のクレジットカードで個人的な支出もしていた、などが該当します。このケースでは、役員貸付金の発生原因が複数にわたり、解消が複雑になる傾向があります。
役員貸付金があると、融資審査、税務、社会的信用の3つの側面で深刻な影響を受けます。それぞれの影響を正確に理解し、解消の必要性を認識することが重要です。
実質的な損失として扱われます
金融機関の融資審査では、役員貸付金は「回収不能な債権」と判断され、自己資本から差し引いて評価されます。
自己資本が1,000万円で役員貸付金が500万円ある場合、実質的な自己資本は500万円とみなされます。その結果、債務超過と判定されたり、融資限度額が大幅に減額されたりする可能性があります。
経営者のモラルハザードと見なされます
また、役員貸付金の存在は「会社と個人の区別ができていない」という印象を与え、融資担当者の心証を悪化させます。新規融資だけでなく、既存融資の条件変更や借り換えにも悪影響を及ぼすため、早期の解消が求められます。
無利息貸付は認定利息の課税対象です
役員貸付金に対して適正な利息を徴収していない場合、税務上「認定利息」として課税されるリスクがあります。認定利息とは、会社が役員に無利息または低利で貸し付けた場合に、税務署が「本来受け取るべき利息」を認定して課税する制度です。
令和4年から令和7年中の貸付けについては年0.9%の利子税特例基準割合が適用されます。例えば、役員貸付金が1,000万円ある場合、年間9万円の認定利息が発生し、この金額が役員の給与所得として課税されます。
会社側では、受け取っていない利息を収益として計上する必要があり、法人税が課税されます。役員側では、受け取っていない利息が給与所得として課税され、所得税・住民税の負担が増加します。このように、認定利息は会社と役員の双方に税負担を生じさせるため、注意が必要です。
実質的な役員賞与と認定される恐れがあります
役員貸付金の返済が長期間行われていない場合、税務調査で「実質的な役員賞与」と認定されるリスクがあります。役員賞与と認定されると、会社側では損金不算入となり、法人税の追徴課税が発生します。
役員側では、賞与として所得税・住民税が課税され、さらに源泉徴収漏れとして会社に源泉所得税の追徴も発生します。特に、返済の意思や返済計画が明確でない場合、税務署は「貸付金の形を取った実質的な報酬」と判断する傾向があります。
金銭消費貸借契約書と返済計画の作成が重要です
このリスクを回避するには、返済計画を明確にすることが重要です。また、定期的に返済を行い、貸付金残高を減少させていく実績を作ることも有効です。
粉飾決算の疑念を持たれる可能性があります
役員貸付金が多額にある企業は、取引先や金融機関から経営能力に対する信頼を損ないます。実際には粉飾ではなくても、会社と個人のお金の区別ができていないという印象を与えます。
M&Aや事業承継の場面でも、役員貸付金の存在は大きなマイナス要因となります。買い手候補や後継者は、役員貸付金を「隠れた負債」と見なし、企業価値を減額して評価します。また、上場準備中の企業では、役員貸付金の存在が上場審査の障害となることもあります。
社会的信用を維持し、将来的な事業展開の選択肢を広げるためにも、役員貸付金の解消は重要な経営課題と言えます。
役員貸付金を解消する7つの方法
役員貸付金の解消方法は複数あり、それぞれにメリット・デメリット、税務コストが異なります。自社の財務状況や役員の資金状況に応じて、最適な方法を選択することが重要です。
税務リスクが低く最も推奨される方法です
役員報酬から毎月一定額を天引きして返済する方法です。役員報酬は通常通り支給され、所得税・住民税・社会保険料が課税された後、手取り額から返済分を差し引く形になります。
メリットは、税務上の問題が発生しにくく、金融機関にも返済の意思を示せることです。デメリットは、返済期間が長期化しやすく、役員の手取り額が減少することです。例えば、役員貸付金が1,000万円ある場合、月10万円ずつ返済しても完済まで約8年かかります。
金銭消費貸借契約書の作成が必要です
この方法を選択する場合は、返済計画を明確にしておくことが重要です。また、金融機関に融資を申し込む際には、返済計画書を提出し、計画的に解消していることをアピールすることが効果的です。
役員賞与を支給し、その全額または一部を役員貸付金の返済に充てる方法です。短期間で解消したい場合に有効ですが、税務上の注意点があります。役員賞与は事前確定届出給与として届出が必要であり、届出なしで支給すると損金不算入となり、法人税が課税されます。
所得税・住民税の負担が大きくなります
役員側では、賞与に対して所得税・住民税が課税されるため、税負担が大きくなります。例えば、役員貸付金500万円を賞与で返済する場合、所得税・住民税で約150万円が課税され、実際の手取りは約350万円となり、不足分は別途用意する必要があります。
この方法は、役員に十分な資金がある場合や、短期間で解消する必要がある場合に適しています。ただし、事前確定届出給与の届出期限を守ることが絶対条件となります。
退職所得控除で税負担を抑えられます
役員の退職時に支給する退職金と役員貸付金を相殺する方法です。退職金は所得税法上の退職所得として優遇税制が適用されるため、税負担を抑えながら解消できるメリットがあります。
退職所得は、(退職金 – 退職所得控除) × 1/2 で計算されるため、通常の給与所得よりも税負担が軽くなります。例えば、勤続30年で退職金3,000万円を支給する場合、退職所得控除は1,500万円となり、課税対象額は750万円に抑えられます。
退職時まで解消を先送りすることになります
デメリットは、それまでの間は融資審査でマイナス評価を受け続けることです。また、退職金を支給するには、会社に十分な資金が必要となります。事業承継を控えている場合や、役員の引退が近い場合に適した方法です。
税務上のリスクが高い方法です
会社が役員貸付金の返済を免除する方法です。最も簡単に解消できる方法ですが、慎重な判断が必要です。債務免除を行うと、会社側では「債務免除益」として収益が計上され、法人税が課税されます。
役員側では、免除された金額が「債務免除益」として一時所得または給与所得として課税されます。給与所得と認定された場合、所得税・住民税の税率が高くなり、大きな税負担が発生します。例えば、1,000万円の債務免除を行った場合、役員の所得税・住民税で約400万円が課税される可能性があります。
繰越欠損金がある場合は税負担を軽減できます
この方法は、会社に繰越欠損金がある場合や、役員の所得が少ない年に実施することで、税負担を軽減できる場合があります。ただし、税務調査で「不当な債務免除」と判断されるリスクもあるため、税理士に相談の上、慎重に実施する必要があります。
DES(Debt Equity Swap)とは、役員貸付金を資本金または資本剰余金に振り替える方法です。会社の資本が増加し、財務体質が改善されるメリットがありますが、手続きが複雑で専門家のサポートが必要です。
法人税の課税を回避できます
DESを実施すると、会社側では債務免除益が発生せず、法人税の課税を回避できます。役員側では、現物出資として扱われ、株式の取得価額が増加しますが、直ちに課税されることはありません。ただし、将来株式を譲渡する際に、譲渡所得として課税される可能性があります。
株主構成が変わるため同意が必要です
デメリットは、他の株主の同意が必要となることです。また、登記手続きや株式評価などの専門的な手続きが必要となり、費用と時間がかかります。M&Aや事業承継を見据えた財務改善を行いたい場合に適した方法です。
役員が所有する不動産や有価証券などの現物資産を会社に譲渡し、その対価として役員貸付金を返済する方法です。役員に現金がない場合でも、保有資産を活用して解消できるメリットがあります。
税務上は、現物資産の譲渡として扱われ、時価と帳簿価額の差額が譲渡所得として課税されます。例えば、帳簿価額500万円の不動産を時価1,000万円で譲渡した場合、差額500万円が譲渡所得として課税されます。譲渡所得税率は、所有期間5年超で約20%、5年以下で約39%となります。
資産評価をめぐって税務署と見解が分かれる可能性
会社側では、取得した資産を時価で計上し、時価と役員貸付金の差額を調整します。デメリットは、資産の時価評価が必要となることです。また、不動産の場合は登記費用や不動産取得税などのコストも発生します。
最も簡単で税務リスクが低い方法です
役員貸付金と役員借入金の両方がある場合、相殺して処理する方法です。相殺できる金額は少ない方の金額までとなります。例えば、役員貸付金が1,000万円、役員借入金が600万円ある場合、600万円まで相殺でき、残り400万円の役員貸付金は他の方法で解消する必要があります。
相殺契約書の作成が必要です
相殺を行う際は、会社と役員の間で相殺契約書を作成し、相殺の意思を明確にしておくことが重要です。また、相殺後の残高について、返済計画を立てておくことも必要です。
この方法は、税務上の問題が発生しにくく、金融機関にも説明しやすいため、両方の勘定科目がある場合は最優先で検討すべき方法です。ただし、役員借入金を相殺することで、会社の負債が減少し、自己資本比率が改善される一方、役員の会社に対する貸付金がなくなるため、将来的な資金調達の選択肢が減ることになります。
7つの解消方法を一覧で比較し、自社に最適な方法を選択するための判断材料を提供します。
| 解消方法 | 税務コスト | 解消期間 | 手続きの複雑さ | メリット | デメリット |
| 役員報酬からの返済 | 低 | 長期(数年) | 低 | 税務リスクが低い、計画的に解消できる | 手取り額が減少、完済まで時間がかかる |
| 役員賞与での返済 | 中〜高 | 短期(1年以内) | 中 | 短期間で解消できる | 所得税・住民税の負担が大きい、事前届出が必要 |
| 退職金での相殺 | 低〜中 | 退職時まで | 中 | 退職所得控除で税負担を軽減できる | 退職時まで解消できない、会社に資金が必要 |
| 債務免除 | 高 | 即時 | 低 | 即座に解消できる | 役員の所得税・住民税の負担が大きい、税務リスクが高い |
| DES | 低 | 中期(数ヶ月) | 高 | 財務体質が改善される、税負担を抑えられる | 手続きが複雑、専門家費用がかかる、株主構成が変わる |
| 現物資産での返済 | 中〜高 | 中期(数ヶ月) | 高 | 現金がなくても解消できる | 譲渡所得税が発生、資産評価が必要、登記費用がかかる |
| 役員借入金との相殺 | 低 | 即時 | 低 | 税務リスクが低い、簡単に処理できる | 両方の勘定科目が必要、相殺できる金額に限度がある |
この比較表を参考に、自社の財務状況、役員の資金状況、解消にかけられる期間、税務リスクの許容度などを総合的に判断し、最適な方法を選択してください。
複数の方法を組み合わせることも可能です
例えば、役員借入金との相殺で一部を解消し、残りを役員報酬からの返済で対応するなど、段階的に解消する計画を立てることも有効です。
相続税・事業承継への影響
相続財産として評価され課税対象となります
役員貸付金は、相続発生時には相続財産として評価され、相続税の課税対象となります。事業承継を円滑に進めるためにも、生前に解消しておくことが重要です。
役員が死亡した場合、役員貸付金は会社に対する債務として相続財産に含まれます。相続人は、被相続人(死亡した役員)が会社に対して負っていた債務を承継することになり、会社に返済する義務を負います。
相続人が複数いる場合、遺産分割協議で誰が債務を承継するかを決定します。債務を承継した相続人は、会社に対して返済する必要がありますが、相続財産が少ない場合や現金がない場合、返済が困難になることがあります。
相続財産から差し引くことができますが複雑な処理が必要
また、相続税の申告において、役員貸付金は「マイナスの財産」として相続財産から差し引くことができますが、会社に対する債務であるため、相続税の計算上は複雑な処理が必要となります。
役員貸付金の相続税評価額は、原則として「額面金額」で評価されます。ただし、返済が困難であることが明らかな場合は、回収可能性を考慮して減額評価することができます。
具体的には、会社の財務状況が悪く、役員貸付金の返済が見込めない場合、税務署に「回収不能と認められる金額」を疎明することで、評価額を減額できる可能性があります。ただし、減額評価が認められるには、会社が債務超過である、返済計画がない、などの客観的な証拠が必要です。
例えば、役員貸付金が1,000万円あり、会社が債務超過で返済見込みがない場合、評価額を500万円に減額できる可能性があります。ただし、減額評価は税務署の判断によるため、税理士に相談の上、適切な評価を行うことが重要です。
後継者の承継判断に大きな影響を与えます
事業承継を円滑に進めるためには、役員貸付金を生前に解消しておくことが不可欠です。後継者が承継を決断する際、役員貸付金の存在は大きな懸念材料となり、承継を躊躇する原因となります。
事業承継計画を策定する際には、役員貸付金の解消スケジュールを明確に組み込むことが重要です。例えば、5年後に事業承継を予定している場合、毎年200万円ずつ返済し、承継時にはゼロにする計画を立てます。
事業承継税制の適用要件に影響する可能性
また、事業承継税制(特例措置)を利用する場合、役員貸付金の存在が制度の適用要件に影響する可能性があります。事業承継税制の適用を受けるためには、会社の財務状況が健全であることが求められるため、役員貸付金の解消は制度活用の前提条件となります。
後継者に負担をかけず、スムーズに事業を引き継ぐためにも、早期に役員貸付金の解消に着手し、計画的に進めることが重要です。
金融機関への説明方法
役員貸付金がある状態で融資を申し込む場合、金融機関への適切な説明と解消計画の提示が重要です。ここでは、融資担当者が見るポイントと、効果的な説明方法を解説します。
融資担当者は役員貸付金の発生原因、返済計画の有無、自己資本比率を重点的にチェックします。第一に、役員貸付金の発生原因です。個人的な流用なのか、やむを得ない事情なのかを確認し、経営者のモラルを判断します。
第二に、返済計画の有無です。金銭消費貸借契約書があるか、返済実績があるかを確認し、解消の意思があるかを判断します。
返済計画がない場合、実質的な損失と見なされます
返済計画がない場合、自己資本から差し引いて評価されます。
第三に、役員貸付金の金額と自己資本の比率です。役員貸付金が自己資本の50%を超える場合、財務健全性が低いと判断されます。融資条件が不利になる可能性が高まります。
融資申請時には役員貸付金の解消計画書を作成し、金融機関に提出することが効果的です。解消計画書には、以下の項目を記載します。
1. 役員貸付金の発生原因と現在の残高
2. 解消方法(役員報酬からの返済、賞与での返済など)
3. 返済スケジュール(月次または年次の返済額と期間)
4. 返済原資(役員報酬の手取り額など)
5. 解消完了予定時期
解消計画書で問題認識と計画的解消の姿勢を示せます
例えば、「役員貸付金1,000万円を5年間で解消する計画。毎月の役員報酬から20万円ずつ返済し、5年後には完済予定。返済実績として、過去6ヶ月で120万円を返済済み」といった具体的な内容を記載します。
解消計画書を提出することで、金融機関に対して「問題を認識し、計画的に解消している」という姿勢を示すことができ、融資審査でのマイナス評価を軽減できます。
融資担当者との面談では、役員貸付金について正直に説明し、解消の意思を明確に伝えることが重要です。
隠そうとしたり曖昧な説明をすると不信感を与えます
説明のポイントは、発生原因を具体的に説明すること、返済実績を示すこと、解消計画を明確に提示することの3点です。例えば、「創業期に会社と個人のお金の区別が曖昧で発生したが、現在は毎月20万円ずつ返済しており、過去6ヶ月で120万円を返済済み。5年後には完済予定」といった説明が効果的です。
また、解消計画書や金銭消費貸借契約書、返済実績の通帳コピーなどの資料を用意し、口頭だけでなく書面でも説明できるようにしておくことが重要です。誠実な対応と具体的な計画提示により、融資担当者の信頼を得ることができます。
税務調査で指摘されやすいポイントと対応方法
役員貸付金は、税務調査で重点的にチェックされる項目の一つです。ここでは、指摘されやすいポイントと、事前の対応方法を解説します。
適正な利息を徴収しないと認定利息として課税されます
役員貸付金に対して適正な利息を徴収していない場合、税務調査で「認定利息」として課税されるリスクがあります。令和4年から令和7年中の貸付けについては年0.9%の特例基準割合が用いられます。この利率を下回る利率または無利息の場合、差額が認定利息として課税されます。
対応方法としては、金銭消費貸借契約書を作成し、特例基準割合以上の利息を設定することです。また、利息を実際に受け取り、会社の収益として計上することが重要です。利息を受け取らない場合でも、帳簿上は利息収入を計上し、役員に対して利息相当額を給与として支給する処理が必要です。
返済が長期間行われないと役員賞与と認定されます
役員貸付金の返済が長期間行われていない場合、税務調査で「実質的な役員賞与」と認定されるリスクがあります。特に、返済の意思や返済計画が明確でない場合、税務署は「貸付金の形を取った実質的な報酬」と判断します。
役員賞与と認定されると、会社側では損金不算入となり、法人税の追徴課税が発生します。役員側では、賞与として所得税・住民税が課税され、さらに源泉徴収漏れとして会社に源泉所得税の追徴も発生します。
対応方法としては、金銭消費貸借契約書を作成し、返済計画を明確にすることです。また、定期的に返済を行い、貸付金残高を減少させていく実績を作ることが重要です。返済が困難な場合でも、少額でも返済を続けることで、貸付金であることの実態を示すことができます。
利益相反取引の承認手続きを怠ると取引が無効になります
役員貸付金は会社法上の「利益相反取引」に該当するため、取締役会の承認または株主総会の承認が必要です。この手続きを怠ると、取引自体が無効となるリスクがあります。
対応方法としては、役員貸付金が発生した時点で、速やかに取締役会議事録または株主総会議事録を作成し、承認を得ることです。事後的に議事録を作成することも可能ですが、税務調査で指摘される前に対応しておくことが重要です。
また、金銭消費貸借契約書には、利益相反取引の承認を得た旨を記載し、議事録のコピーを添付しておくことで、手続きの適正性を示すことができます。
役員貸付金が発生しないための予防策
役員貸付金を解消した後は、再発防止策を講じることが重要です。ここでは、役員貸付金が発生しないための具体的な予防策を解説します。
役員貸付金の発生を防ぐには、経費精算ルールを明確にし、会社と個人のお金の区別を徹底することが重要です。経費精算規程を作成し、経費として認められる支出の範囲、領収書の保管方法、精算期限などを明確に定めます。
特に、役員が会社のクレジットカードや法人口座を使用する場合は、個人的な支出との区別を明確にするルールを設けることが重要です。
会社のクレジットカードは業務目的のみに使用
例えば、会社のクレジットカードは業務目的のみに使用し、個人的な支出は絶対に行わない、といったルールを徹底します。
また、領収書を紛失した場合の対応方法も規程に盛り込みます。例えば、領収書を紛失した場合は、出金伝票に詳細を記載し、上長の承認を得ることで経費として認める、といったルールを設けることで、役員貸付金の発生を防ぐことができます。
会計システムに役員貸付金の残高をモニタリングする機能を組み込み、定期的にチェックする体制を構築します。例えば、役員貸付金の残高が一定額を超えた場合にアラートが出る設定にすることで、早期に問題を発見できます。
また、経費精算システムを導入し、役員の経費申請を電子化することで、領収書の紛失や不正な経費申請を防ぐことができます。経費精算システムでは、申請内容を上長や経理担当者が確認し、承認する仕組みを設けることで、不適切な支出を未然に防ぐことができます。
役員貸付金の残高を定期的に確認し、税理士に報告する体制を構築します。毎月または四半期ごとに、役員貸付金の残高と増減内容を税理士に報告し、問題がないかチェックしてもらいます。
税理士は、役員貸付金の税務リスクを専門的に判断できるため、早期に問題を発見し、適切な対応をアドバイスしてもらうことができます。また、税理士との定期的なコミュニケーションにより、経営者自身も役員貸付金の問題を意識し、発生を防ぐ意識が高まります。
さらに、決算時には、役員貸付金の残高とその内容を詳細に確認し、必要に応じて解消計画を見直すことが重要です。定期的な確認と報告により、役員貸付金の問題を未然に防ぎ、健全な財務管理体制を維持することができます。
税理士への相談タイミングと準備すべき資料
役員貸付金の問題は、税務や法務の専門知識が必要となるため、税理士への相談が不可欠です。ここでは、相談すべきタイミングと準備すべき資料を解説します。
早期対応するほど解消の選択肢が広がります
役員貸付金の問題は、早期に対応するほど解消の選択肢が広がり、税務リスクを抑えることができます。以下のタイミングで税理士に相談することをおすすめします。
第一に、役員貸付金が発生した時点です。発生した直後であれば、すぐに返済することで問題を解消できます。また、発生原因を明確にし、再発防止策を講じることもできます。
第二に、融資を申し込む前です。融資審査では役員貸付金が大きなマイナス要因となるため、申込前に解消計画を立て、税理士のアドバイスを受けることが重要です。
第三に、事業承継を検討し始めた時点です。事業承継では、役員貸付金の存在が大きな障害となるため、早期に解消計画を立て、計画的に進めることが重要です。
税理士に相談する際には、以下の書類を準備しておくとスムーズに相談できます。
1. 直近3期分の決算書(貸借対照表・損益計算書)
2. 役員貸付金の明細(発生時期、金額、原因)
3. 金銭消費貸借契約書(ある場合)
4. 返済実績の資料(通帳コピー、返済計画書など)
5. 役員報酬の支給実績
6. 会社の資金繰り表
7. 役員個人の資産・負債の状況
これらの資料を準備することで、税理士は現状を正確に把握し、最適な解消方法をアドバイスすることができます。また、相談前に自社の状況を整理することで、経営者自身も問題の全体像を理解することができます。
顧問税理士がいる場合でも、役員貸付金のような複雑な問題については、セカンドオピニオンを取ることも有効です。特に、顧問税理士の提案が保守的すぎる、または解消に時間がかかりすぎると感じる場合は、別の税理士の意見を聞くことで、より良い解決策が見つかる可能性があります。
セカンドオピニオンを依頼する際は、顧問税理士との関係を損なわないよう、事前に相談することが望ましいです。「より良い解決策を探したい」という前向きな姿勢で相談すれば、顧問税理士も理解してくれるでしょう。
また、事業承継やM&Aに強い税理士、金融機関対応に詳しい税理士など、専門分野に応じて相談先を選ぶことも重要です。複数の専門家の意見を聞くことで、自社に最適な解消方法を見つけることができます。
役員貸付金は、役員に対する貸付金として明確に認識されている金額です。一方、仮払金は、一時的に支出した金額で、後日精算される予定のものです。仮払金が長期間精算されずに残っている場合、税務調査で役員貸付金と認定されるリスクがあります。
役員貸付金の金額が少額であっても、融資審査ではマイナス要因となります。また、少額でも長期間放置すると、税務調査で指摘されるリスクがあります。金額の大小にかかわらず、早期に解消することが重要です。
法律上、役員貸付金に返済期限の定めはありませんが、金銭消費貸借契約書で返済期限を定めることが一般的です。
適正な利息(令和4年から令和7年中の貸付けについては年0.9%以上)を支払っていれば、認定利息の課税は回避できます。しかし、融資審査でのマイナス評価や、税務調査での指摘リスクは残ります。利息を払うだけでなく、元本の返済も計画的に行うことが重要です。
解消方法によって異なります。役員借入金との相殺や債務免除は即座に解消できますが、役員報酬からの返済は数年かかることがあります。自社の状況に応じて、現実的な解消計画を立てることが重要です。
顧問税理士がいない場合は、役員貸付金の解消に詳しい税理士を探して相談することをおすすめします。税理士会の相談窓口や、インターネットで専門分野を公開している税理士を探すことができます。
業種や企業規模によって異なりますが、中小企業では数百万円から数千万円の役員貸付金を抱えているケースが多く見られます。ただし、平均値と比較するよりも、自社の役員貸付金を早期に解消することが重要です。
役員貸付金に関してよくある質問に、簡潔にお答えします。
役員貸付金は、会社が役員に貸し付けたお金として貸借対照表の資産に計上されますが、実質的には回収困難な債権として金融機関から評価されます。融資審査で大きなマイナス要因となります。また、認定利息の課税や税務調査での指摘リスクもあり、早期の解消が求められます。
解消方法には、役員報酬からの返済、役員賞与での返済、退職金での相殺、債務免除、DES、現物資産での返済、役員借入金との相殺の7つがあり、それぞれに税務コストや手続きの複雑さが異なります。自社の財務状況や役員の資金状況に応じて、最適な方法を選択することが重要です。
相続発生時は相続財産として評価され相続人が承継
相続発生時には、役員貸付金は相続財産として評価され、相続人が債務を承継することになります。事業承継を見据えた場合、役員貸付金の存在は後継者の承継意欲を削ぐ要因となるため、生前に解消計画を立て、計画的に進めることが不可欠です。
金融機関への融資申請時には、役員貸付金の発生原因を正直に説明し、解消計画書を提出することで、マイナス評価を軽減できます。また、税務調査では、利息の有無、返済実績、利益相反取引の手続きなどが重点的にチェックされるため、事前に適切な対応をしておくことが重要です。
役員貸付金を解消した後は、経費精算ルールの明確化、会計システムでのチェック体制の構築、定期的な残高確認と税理士への報告など、再発防止策を講じることが重要です。役員貸付金の問題は、早期に対応するほど解消の選択肢が広がり、税務リスクを抑えることができます。問題を認識したら速やかに税理士に相談し、適切な対応を取ることをおすすめします。
詳しくは税理士や公認会計士にご相談ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務アドバイスではありません。
| 順位 | カードローン | 金利 | 限度額 | 審査時間 | 申し込み |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | アイフル | 3.0%~18.0% | 1万円~800万円 | 最短18分 | 申し込む |
| 2 | プロミス | 2.5%~18.0% | 1万円~800万円 | 最短3分 | 詳細を見る |
| 3 | アコム | 2.4%~17.9% | 1万円~800万円 | 最短20分 | 詳細を見る |
PR | 情報は2026年2月時点
この記事のキーワード
キーワードがありません。
この記事と同じキーワードの記事
まだ記事がありません。
キーワードから探す
カンタン1分登録で、気になる資料を無料でお取り寄せ
そんなお悩みをお持ちの方は、まずはお問い合わせください!