新NISAは売却後に枠復活する?仕組みと活用法を解説

新NISAは売却後に枠復活する?仕組みと活用法を解説

新NISAで商品を売却したら投資枠が復活すると聞いたけれど、本当にそうなのか気になりますよね。

結論から言うと、新NISAでは売却した商品の取得額分だけ、翌年1月1日に非課税保有限度額が復活します。

ただし、年間投資枠(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)は復活しないため、注意が必要です。

この記事では、枠復活の仕組みから具体的な活用方法、注意点まで詳しく解説します。

ライフイベントに合わせた資産の取り崩しや、リスク許容度の変化に応じた商品の入れ替えなど、枠復活を活用した実践的な運用方法も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事の要約
  • 新NISAでは売却後、翌年1月1日に取得額分の非課税保有限度額が復活する
  • 年間投資枠(つみたて120万円・成長240万円)は復活しない
  • 枠復活を活用すれば、ライフイベント対応や商品入れ替えが柔軟にできる
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

新NISAの投資枠が復活する仕組み

新NISAの最大の特徴は、売却後に投資枠が復活することです。旧NISAでは一度使った枠は二度と使えませんでしたが、新NISAでは売却することで枠が再利用できるようになりました。

ただし、復活する枠には明確なルールがあり、正しく理解しておかないと思わぬ誤解を招く可能性があります。ここでは、枠復活の基本的な仕組みを3つのポイントに分けて詳しく説明します。

復活するのは非課税保有限度額(1800万円の枠)

新NISAで復活するのは、非課税保有限度額(総枠)と呼ばれる1800万円の枠です。

この非課税保有限度額は、生涯にわたって非課税で保有できる投資額の上限を指します。つみたて投資枠と成長投資枠を合わせて1800万円まで投資でき、そのうち成長投資枠は単独で1200万円までという制限があります。

商品を売却すると、その商品の取得額分だけ非課税保有限度額が復活します。たとえば、100万円で購入した投資信託を150万円で売却した場合、復活する枠は100万円です。

売却時の価格ではなく、購入時の価格(取得額)が基準になる点が重要です。

この仕組みにより、1800万円の枠を繰り返し使うことができます。100万円で購入した商品を売却し、また100万円で別の商品を購入するという行為を繰り返せば、総投資額は1800万円を超えることも可能です。

金融庁:NISA特設ウェブサイト

復活するタイミングは翌年の1月1日

枠が復活するタイミングは、売却した年の翌年1月1日です。

たとえば、2024年に商品を売却した場合、枠が復活するのは2025年1月1日になります。実際に証券会社で再投資できるのは、その年の最初の営業日(通常1月4日前後)からです。

この「翌年復活」というルールは、短期的な売買を繰り返す投資には向いていません。年末に売却しても、その年の12月中に復活した枠を使って再投資することはできないため、投資機会を逃す可能性があります。

売却のタイミングは、年またぎの期間も考慮して計画的に判断する必要があります。

また、復活した枠は自動的に利用可能になりますが、証券会社の管理画面で非課税保有限度額の残高を確認することで、実際にいくら復活したかを把握できます。売却履歴と照らし合わせて、正確に枠の管理を行いましょう。

金融庁:NISA特設ウェブサイト

復活する金額は取得額ベース

復活する枠の金額は、売却時の金額ではなく、購入時の取得額(簿価)が基準になります。

これは「簿価残高方式」と呼ばれる管理方法によるものです。たとえば、100万円で購入した投資信託が値上がりして150万円になり、それを売却した場合、復活する枠は100万円です。

逆に、100万円で購入した商品が値下がりして70万円で売却した場合も、復活する枠は100万円になります。

この仕組みは、含み益がある商品を売却した場合には有利に働きます。150万円で売却しても100万円分の枠しか使っていないとみなされるため、実質的には50万円分の利益を非課税で確定しつつ、100万円分の枠を再利用できるからです。

一方で、含み損がある商品を売却した場合は注意が必要です。70万円で売却しても100万円分の枠が復活するため、枠の面では損はしませんが、30万円の損失は実現してしまいます。含み損での売却は、枠復活のメリットよりも損失の確定というデメリットの方が大きい場合があるため、慎重に判断しましょう。

金融庁:NISA特設ウェブサイト

年間投資枠は復活しない|固定される枠の違い

新NISAには「非課税保有限度額」と「年間投資枠」という2種類の枠があります。

売却後に復活するのは非課税保有限度額だけで、年間投資枠は復活しません。

この違いを正しく理解していないと、「売却すればすぐに再投資できる」と誤解してしまう可能性があります。ここでは、復活しない年間投資枠について詳しく説明します。

つみたて投資枠は年間120万円で固定

つみたて投資枠の年間投資枠は120万円で固定されており、商品を売却しても増えることはありません。

たとえば、2024年につみたて投資枠で100万円分の投資信託を購入し、同じ年に50万円分を売却したとします。この場合、2024年に追加で投資できるのは残りの20万円だけです。売却した50万円分は、2024年の年間投資枠には加算されません。

年間投資枠は、その年の1月1日にリセットされて新たに120万円が付与されます。前年に使い切れなかった枠を翌年に繰り越すこともできません。

つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資を前提とした制度設計になっています。頻繁な売買を想定していないため、年間投資枠は固定されており、計画的な積立投資を継続することが推奨されています。

金融庁:NISA特設ウェブサイト

成長投資枠は年間240万円で固定

成長投資枠の年間投資枠も240万円で固定されており、売却しても増えることはありません。

つみたて投資枠と同様に、年間投資枠は毎年1月1日にリセットされ、新たに240万円が付与されます。前年に使い切れなかった枠を翌年に繰り越すことはできません。

成長投資枠は、個別株や投資信託を一括購入できる柔軟性の高い枠ですが、年間投資枠の上限は変わりません。たとえば、2024年に成長投資枠で200万円分の株式を購入し、同じ年に100万円分を売却しても、2024年に追加で投資できるのは残りの40万円だけです。

年間投資枠と非課税保有限度額の違いを理解することで、売却後の再投資計画を正確に立てられます。年間投資枠は毎年固定されているため、年内に大きな金額を売却して再投資したい場合は、年をまたいで計画的に行う必要があります。

金融庁:NISA特設ウェブサイト

新NISAと旧NISAの枠復活の違い

新NISAの大きな特徴の一つが、売却後に枠が復活することです。

旧NISAにはこの仕組みがなかったため、一度使った枠は二度と使えませんでした。この違いは、長期的な資産形成において非常に大きなメリットをもたらします。

旧NISAは売却しても枠が復活しない

旧NISAでは、一度投資枠を使って商品を購入すると、その枠は二度と使えませんでした。

たとえば、一般NISAで年間120万円の枠を使って投資信託を購入し、その後売却しても、120万円の枠は戻ってきません。売却した資金を再投資したい場合は、課税口座(特定口座や一般口座)で行うしかありませんでした。

この仕組みは、ライフイベントで資金が必要になった場合に不便でした。教育費や住宅購入の頭金が必要になり、NISA口座の商品を売却すると、その後は非課税の恩恵を受けられなくなってしまうからです。

また、投資方針を変更したい場合も、一度売却すると枠が消滅するため、柔軟な運用ができませんでした。

旧NISAの非課税保有期間は、一般NISAが5年、つみたてNISAが20年と決められており、期間終了後は課税口座に移管されるか、ロールオーバー(一般NISAのみ)を行う必要がありました。この制約も、長期的な資産形成の障壁となっていました。

新NISAは翌年に枠が復活する

新NISAでは、商品を売却すると翌年1月1日に非課税保有限度額が復活します。

たとえば、2024年に100万円で購入した投資信託を売却すると、2025年には100万円分の非課税保有限度額が再び利用可能になります。この仕組みにより、ライフイベントに応じて柔軟に資産を取り崩し、その後再び非課税で投資を再開できます。

また、新NISAでは非課税保有期間が無期限化されたため、売却のタイミングを自分で自由に決められます。旧NISAのように「5年後に非課税期間が終了するから売却するか、ロールオーバーするか」という判断を迫られることがありません。

市場が暴落している時期に無理に売却する必要もなく、回復を待つことができます。

新NISAの枠復活の仕組みは、長期的な資産形成とライフイベント対応の両立を可能にします。1800万円の非課税保有限度額を繰り返し使えるため、生涯にわたって非課税の恩恵を受けながら資産運用を続けられます。

金融庁:NISA特設ウェブサイト

枠復活を活用する3つのメリット

新NISAの枠復活の仕組みは、単に投資枠が戻ってくるだけではありません。

ライフイベントへの対応、投資方針の変更、そして1800万円の枠を繰り返し使うことで、より柔軟で効率的な資産形成が可能になります。

ライフイベントに合わせて取り崩しと再投資ができる

新NISAの枠復活の仕組みを活用すれば、教育費や住宅購入、医療費など、人生の大きな支出に合わせて資産を取り崩し、その後再び非課税で投資を再開できます。

たとえば、子どもの大学進学費用として500万円が必要になった場合、NISA口座で保有している投資信託を売却して資金を確保できます。

進学費用の支払いが終わった後、翌年以降に再び500万円分の非課税保有限度額を使って投資を再開できるのです。

旧NISAでは、一度売却すると枠が消滅するため、ライフイベントで資金が必要になった場合は、NISA口座の資産に手をつけるか、別の資金を用意するかの二択でした。新NISAでは、この制約がなくなり、必要な時に資産を取り崩し、余裕ができたら再投資するという柔軟な運用が可能になりました。

ただし、枠が復活するのは翌年1月1日なので、売却から再投資まで最大1年弱の空白期間が生じる点には注意が必要です。市場が好調な時期に空白期間があると、投資機会を逃す可能性もあります。売却のタイミングは、ライフイベントの時期と市場環境を考慮して計画的に判断しましょう。

リスク許容度の変化に応じて商品を入れ替えられる

年齢やライフステージの変化に伴い、リスク許容度は変わります。

新NISAの枠復活の仕組みを活用すれば、リスク許容度の変化に応じて商品を入れ替えることができます。たとえば、30代の頃は株式中心のポートフォリオで高いリターンを狙い、50代になったら債券やバランス型ファンドに切り替えてリスクを抑えるという戦略が可能です。

具体的には、成長投資枠で保有している個別株や株式型投資信託を売却し、翌年に債券型やバランス型の投資信託を購入することで、ポートフォリオのリスクを調整できます。

ただし、頻繁な商品の入れ替えは、手数料負担や税務上の複雑さを増す可能性があります。また、短期的な市場変動に反応して頻繁に売買すると、長期投資の複利効果を損なう恐れもあります。商品の入れ替えは、ライフステージの大きな変化や投資方針の見直しなど、明確な理由がある時に限定することをおすすめします。

1800万円の枠を繰り返し使える

新NISAの非課税保有限度額は1800万円ですが、枠復活の仕組みを活用すれば、この1800万円を繰り返し使うことができます。

たとえば、1800万円分の投資信託を購入し、数年後に全額売却すると、翌年には再び1800万円分の非課税保有限度額が復活します。理論上は、生涯にわたって何度でも1800万円の枠を使い続けることが可能です。

この仕組みは、長期的な資産形成において大きなメリットをもたらします。たとえば、30代で1800万円まで投資し、50代で一部を売却してライフイベントに対応し、60代で再び投資を再開するといった柔軟な運用が可能です。非課税保有期間が無期限化されたことで、売却のタイミングを自分で自由に決められる点も大きな利点です。

ただし、枠を繰り返し使うことを目的とした頻繁な売買は推奨されません。新NISAは長期・積立・分散投資を基本とした制度であり、短期的な売買を繰り返すと、複利効果を十分に活かせない可能性があります。枠復活の仕組みは、あくまでライフイベントや投資方針の変更など、必要な時に活用するものと考えましょう。

売却するときに気をつけたい5つのこと

新NISAの枠復活の仕組みは便利ですが、売却時にはいくつかの注意点があります。

タイミングや金額の計算方法を誤解すると、思わぬ損失を招いたり、投資機会を逃したりする可能性があります。

年末に売却しても翌年まで枠は使えない

枠が復活するのは翌年1月1日なので、年末に売却しても、その年の12月中に復活した枠を使って再投資することはできません。

たとえば、2024年12月に商品を売却した場合、枠が復活するのは2025年1月1日であり、実際に再投資できるのは証券会社の最初の営業日(通常1月4日前後)からです。

この「翌年復活」のルールは、年末に売却して年内に再投資したいと考えている人にとっては不便です。市場が好調な時期に売却し、すぐに別の商品に乗り換えたい場合でも、最大1年弱の空白期間が生じます。この期間中は、売却代金を証券会社の口座に置いておくか、課税口座で一時的に運用するかの選択になります。

売却のタイミングは、年またぎの期間も考慮して計画的に判断しましょう。年初に売却すれば、翌年の1月まで約1年の空白期間が生じますが、年末に売却すれば空白期間は数週間で済みます。

売却額ではなく取得額が復活する

復活する枠の金額は、売却時の金額ではなく、購入時の取得額(簿価)が基準になります。

たとえば、100万円で購入した投資信託が150万円に値上がりして売却した場合、復活する枠は100万円です。売却額の150万円ではありません。逆に、100万円で購入した商品が70万円に値下がりして売却した場合も、復活する枠は100万円です。

この仕組みは、含み益がある商品を売却した場合には有利に働きますが、含み損がある商品を売却した場合は注意が必要です。70万円で売却しても100万円分の枠が復活するため、枠の面では損はしませんが、30万円の損失は実現してしまいます。含み損での売却は、枠復活のメリットよりも損失の確定というデメリットの方が大きい場合があります。

売却を検討する際は、現在の評価額と取得額を比較し、含み益があるか含み損があるかを確認しましょう。証券会社の管理画面では、保有商品の取得額と現在の評価額が表示されるため、簡単に確認できます。

含み損での売却は実現損失になる

含み損がある商品を売却すると、その損失が実現します。

たとえば、100万円で購入した投資信託が70万円に値下がりしている場合、売却すると30万円の損失が確定します。NISA口座で発生した損失は、課税口座(特定口座や一般口座)の利益と損益通算できないため、税務上のメリットもありません。

含み損での売却は、枠復活のメリットよりも損失の確定というデメリットの方が大きい場合が多いです。市場が一時的に下落している場合は、売却せずに保有を継続し、回復を待つ方が賢明です。新NISAでは非課税保有期間が無期限化されているため、焦って売却する必要はありません。

ただし、商品の将来性に疑問がある場合や、ポートフォリオのリバランスが必要な場合は、含み損でも売却する判断が必要な場合もあります。その際は、損失を確定することのデメリットと、ポートフォリオを最適化することのメリットを比較し、総合的に判断しましょう。

頻繁な売買は手数料負担が増える可能性

新NISAでは多くの証券会社が国内株式や投資信託の売買手数料を無料にしていますが、一部の商品や取引方法では手数料がかかる場合があります。

たとえば、海外株式の売買手数料や、投資信託の信託財産留保額などは、売買のたびに発生します。頻繁に売買を繰り返すと、これらの手数料が積み重なり、運用成績を圧迫する可能性があります。

また、売買のタイミングを誤ると、市場の変動により損失を被る可能性もあります。短期的な市場変動に反応して頻繁に売買すると、長期投資の複利効果を十分に活かせません。新NISAは長期・積立・分散投資を基本とした制度であり、頻繁な売買は推奨されません。

売買の頻度は、ライフイベントや投資方針の変更など、明確な理由がある時に限定することをおすすめします。市場の短期的な変動に一喜一憂せず、長期的な視点で資産形成を続けることが、新NISAを最大限に活用するコツです。

特定口座以外は確定申告が必要な場合がある

NISA口座で発生した利益は非課税なので、確定申告は不要です。

しかし、NISA口座から課税口座(特定口座や一般口座)に資金を移動した場合や、複数の証券会社で取引している場合は、確定申告が必要になることがあります。特に、一般口座で取引している場合は、自分で損益を計算して確定申告する必要があります。

特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合は、証券会社が自動的に税金を計算して源泉徴収するため、確定申告は原則不要です。ただし、複数の証券会社で取引している場合や、損失を繰り越したい場合は、確定申告することで税金の還付を受けられる可能性があります。

NISA口座と課税口座を併用している場合は、それぞれの口座での取引を正確に把握し、必要に応じて確定申告を行いましょう。税務上の不明点がある場合は、税理士やファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。

枠復活の確認方法|証券会社の管理画面でチェック

枠復活の仕組みを理解しても、実際にいくら復活したかを確認できなければ、計画的な再投資は困難です。

ほとんどの証券会社では、管理画面で非課税保有限度額の残高や売却履歴を確認できます。

非課税保有限度額の残高を確認する

証券会社の管理画面では、「非課税保有限度額」または「NISA残高」という項目で、現在利用している枠の金額と残りの枠の金額を確認できます。

たとえば、1800万円の非課税保有限度額のうち、現在500万円分を使っている場合、残りの枠は1300万円と表示されます。

商品を売却すると、翌年1月1日に非課税保有限度額が復活し、管理画面の残高が更新されます。たとえば、2024年に100万円分の商品を売却した場合、2025年1月以降に管理画面を確認すると、残りの枠が1300万円から1400万円に増えていることが確認できます。

非課税保有限度額の残高は、定期的に確認することをおすすめします。特に、年明けには前年の売却分が反映されているかを確認し、再投資の計画を立てましょう。証券会社によっては、スマートフォンアプリでも簡単に確認できるため、こまめにチェックする習慣をつけると良いでしょう。

売却履歴と枠復活のタイミングを確認する

証券会社の管理画面では、「取引履歴」または「売却履歴」という項目で、過去に売却した商品の詳細を確認できます。

売却日、売却金額、取得額などが記録されており、どの商品をいつ売却したかが一目で分かります。この売却履歴を参照することで、翌年にいくら枠が復活するかを事前に把握できます。

たとえば、2024年に複数の商品を売却した場合、それぞれの取得額を合計することで、2025年に復活する枠の総額を計算できます。売却履歴には、売却時の評価額と取得額が両方記載されているため、含み益や含み損も確認できます。

枠復活のタイミングは翌年1月1日ですが、証券会社によっては反映に数日かかる場合があります。年明けに管理画面を確認し、売却履歴と照らし合わせて、正確に枠が復活しているかをチェックしましょう。もし不一致がある場合は、証券会社のサポートに問い合わせることをおすすめします。

ライフステージ別の活用シナリオ

新NISAの枠復活の仕組みは、ライフステージに応じて柔軟に活用できます。

教育費、住宅購入、リタイア後の生活費など、人生の大きな支出に合わせて資産を取り崩し、その後再び投資を再開することで、長期的な資産形成とライフイベント対応を両立できます。

教育費の準備と取り崩し(30-40代)

30-40代の子育て世代にとって、教育費は大きな支出の一つです。

新NISAを活用すれば、子どもが小さい頃から教育費を積み立て、必要な時期に取り崩し、その後再び投資を再開できます。たとえば、子どもが小学生の頃からつみたて投資枠で毎月10万円ずつ積み立て、大学進学時に500万円分を売却して学費に充てることができます。

大学卒業後、教育費の負担が減ったら、再び投資を再開できます。売却した500万円分の非課税保有限度額は翌年に復活するため、老後資金の準備として再投資することが可能です。このように、教育費の準備と取り崩し、そして老後資金の準備を一つのNISA口座で完結できるのが、新NISAの大きなメリットです。

ただし、教育費は支出時期が明確なので、大学進学の数年前から株式の比率を減らし、債券やバランス型ファンドに切り替えるなど、リスクを抑える工夫も必要です。市場が暴落している時期に無理に売却すると、損失を被る可能性があるため、余裕を持った資産配分を心がけましょう。

住宅購入の頭金準備(30-40代)

住宅購入の頭金も、新NISAで準備できます。

たとえば、20代から毎月5万円ずつ積み立て、10年後に600万円分を売却して住宅購入の頭金に充てることができます。住宅ローンの返済が始まった後も、余裕ができたら再び投資を再開し、老後資金の準備を進めることが可能です。

住宅購入の頭金は、教育費と同様に支出時期が明確なので、購入予定の数年前から株式の比率を減らし、安定性の高い商品に切り替えることをおすすめします。また、住宅ローンの金利と投資のリターンを比較し、頭金を多く入れるか、投資を継続するかを判断することも重要です。

住宅購入後は、ローン返済と投資のバランスを考えながら、無理のない範囲で投資を再開しましょう。新NISAの枠復活の仕組みを活用すれば、住宅購入という大きなライフイベントを経ても、長期的な資産形成を継続できます。

リタイア後の生活費補填(50-60代)

50-60代のリタイア世代にとって、新NISAは老後の生活費を補填するための有効な手段です。

現役時代に積み立てた資産を、必要に応じて取り崩しながら、残りの資産は運用を継続することで、長期的な資産寿命を延ばすことができます。たとえば、毎年100万円ずつ売却して生活費に充て、残りの資産は株式や投資信託で運用を続けることが可能です。

50代前半:リスク許容度の見直し
株式の比率を徐々に減らし、債券やバランス型ファンドに切り替え始める時期です。
50代後半:安定性重視へシフト
リタイアが近づくにつれ、安定性の高い商品の比率を高めます。
60代以降:計画的な取り崩し
年金収入と合わせて、必要な分だけ計画的に売却します。

枠復活の仕組みを活用すれば、一度売却した後も、再び投資を再開できます。たとえば、一時的に大きな支出があり、500万円分を売却した後、翌年に年金収入が増えたら、再び投資を再開することが可能です。このように、ライフステージの変化に応じて柔軟に運用できるのが、新NISAの大きな魅力です。

よくある質問(Q&A)

よくある質問(Q&A)
売却した年の12月に再投資できる?

いいえ、売却した年の12月に再投資することはできません。枠が復活するのは翌年1月1日なので、年内に再投資したい場合は、その年の年間投資枠の範囲内で行う必要があります。たとえば、2024年に100万円分の商品を売却した場合、復活する100万円分の枠を使えるのは2025年1月以降です。

ただし、2024年の年間投資枠(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)がまだ残っている場合は、その範囲内で再投資することは可能です。売却によって年間投資枠が増えるわけではないため、注意が必要です。

複数の証券会社で口座を持つ場合の枠管理は?

NISA口座は一人一口座しか開設できないため、複数の証券会社でNISA口座を持つことはできません。ただし、課税口座(特定口座や一般口座)は複数の証券会社で開設できます。NISA口座を別の証券会社に移管したい場合は、「金融機関変更」の手続きを行う必要があります。

金融機関変更を行う場合、変更前の証券会社で保有している商品は、そのまま非課税で保有を継続できます。ただし、変更後の証券会社では新たな投資しかできないため、既存の商品を売却したい場合は、変更前の証券会社で手続きを行う必要があります。枠復活のタイミングや残高の確認も、それぞれの証券会社で行う必要があるため、管理が煩雑になる可能性があります。

枠復活を使った頻繁な売買は問題ない?

法律上は問題ありませんが、推奨されません。新NISAは長期・積立・分散投資を基本とした制度であり、頻繁な売買を繰り返すと、長期投資の複利効果を十分に活かせません。また、売買のたびに手数料がかかる場合もあり、運用成績を圧迫する可能性があります。

枠復活の仕組みは、ライフイベントや投資方針の変更など、明確な理由がある時に活用するものです。短期的な市場変動に反応して頻繁に売買するのではなく、長期的な視点で資産形成を続けることが、新NISAを最大限に活用するコツです。

相続時の枠復活はどうなる?

NISA口座の資産は、口座名義人が亡くなった場合、相続人に引き継がれます。ただし、NISA口座自体は相続できないため、相続した資産は課税口座(特定口座や一般口座)に移管されます。相続時点までの利益は非課税ですが、移管後の利益には税金がかかります。

相続人が自分のNISA口座で相続した資産を保有することはできません。相続した資産を新たにNISA口座で運用したい場合は、一度課税口座で売却し、その資金を使って自分のNISA口座で新たに商品を購入する必要があります。この場合、売却時に利益が出ていれば、課税口座で税金が発生する点に注意が必要です。

まとめ

新NISAでは、商品を売却すると翌年1月1日に取得額分の非課税保有限度額が復活します。この仕組みにより、ライフイベントに応じて資産を取り崩し、その後再び非課税で投資を再開できるようになりました。

旧NISAでは一度使った枠は二度と使えませんでしたが、新NISAでは1800万円の枠を繰り返し使えるため、長期的な資産形成がより柔軟に行えます。

  • 復活するのは非課税保有限度額だけで、年間投資枠(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)は復活しない
  • 復活する金額は売却時の金額ではなく、購入時の取得額(簿価)が基準
  • 含み損がある商品を売却した場合、枠は復活するが損失は実現してしまう

枠復活の仕組みは、教育費や住宅購入、リタイア後の生活費補填など、ライフステージに応じて柔軟に活用できます。ただし、頻繁な売買は長期投資の複利効果を損なう可能性があるため、明確な理由がある時に限定することをおすすめします。

証券会社の管理画面で非課税保有限度額の残高や売却履歴を定期的に確認し、計画的に再投資を行いましょう。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは各証券会社や金融庁の公式サイトでご確認ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

この記事のキーワード

キーワードがありません。

この記事と同じキーワードの記事

まだ記事がありません。

キーワードから探す

資料請求

資料請求

カンタン1分登録で、気になる資料を無料でお取り寄せ

お問い合わせ

そんなお悩みをお持ちの方は、まずはお問い合わせください!

お問い合わせ