マネックスグループとは?事業内容と投資の魅力を解説

マネックスグループとは?事業内容と投資の魅力を解説

マネックスグループという企業名を聞いたことはありますか?

マネックス証券やコインチェックの名前は知っていても、その親会社であるマネックスグループの全体像はあまり知られていないかもしれません。実は、マネックスグループは国内証券事業だけでなく、米国証券事業や暗号資産事業まで手掛ける金融グループなんです。

さらに2024年にはNTTドコモとの資本業務提携を発表し、大きな注目を集めています。

この記事では、マネックスグループの事業内容や投資対象としての魅力、そしてリスクまで詳しく解説します。投資を検討している方はもちろん、金融業界の動向に興味がある方にも役立つ内容です。

この記事の要約
  • マネックスグループは国内証券・米国証券・暗号資産の3事業を展開する金融持株会社
  • NTTドコモとの提携により、顧客基盤拡大とシナジー効果が期待される
  • 投資対象として検討する際は、暗号資産事業の規制リスクや競争環境の変化に注意が必要
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

マネックスグループとは?基本情報と事業の特徴

マネックスグループとは?基本情報と事業の特徴

マネックスグループは、オンライン証券取引を中心とした金融サービスを提供する持株会社です。1999年の創業以来、個人投資家向けのサービスに力を入れ、日本のネット証券業界を牽引してきました。

会社概要と上場情報

マネックスグループ株式会社は、東京証券取引所プライム市場に上場する金融持株会社です。証券コードは8698で、金融商品取引業を主な事業としています。

本社は東京都港区に置き、連結従業員数は約1,500名規模となっています。創業者の松本大氏が代表取締役会長CEOを務め、清明祐子氏が代表取締役社長COOとして経営を担っています。

2024年11月にはNTTドコモとの資本業務提携を発表し、ドコモマネックスホールディングスという合弁会社を通じてマネックスグループ株式の約50%をドコモが保有する体制に移行しました。

この提携により、通信キャリア最大手のドコモの顧客基盤とマネックスグループの金融サービスを組み合わせた新たなビジネス展開が期待されています。

主な事業内容とビジネスモデル

マネックスグループのビジネスモデルは、持株会社として傘下に複数の事業会社を持ち、それぞれが専門領域で金融サービスを提供する形態です。主な収益源は、証券取引の委託手数料、金融商品の販売手数料、トレーディング収益、暗号資産の交換手数料などとなっています。

事業は大きく3つのセグメントに分かれています。国内証券事業では、マネックス証券が個人投資家向けにオンライン証券サービスを提供しています。米国証券事業では、TradeStationが先進的なトレーディングプラットフォームを展開しています。

そして暗号資産事業では、コインチェックが国内最大級の暗号資産取引所を運営しています。

マネックスグループの3つの事業領域

国内証券事業(マネックス証券)

米国証券事業(TradeStation)

暗号資産事業(コインチェック)

この3つの事業領域を持つことで、伝統的な証券ビジネスと新興の暗号資産ビジネスの両方をカバーし、多様な顧客ニーズに応える体制を構築しています。また、国内と海外の両市場に事業基盤を持つことで、地域分散によるリスク軽減も図っています。

マネックスグループの3つの事業|それぞれの特徴

マネックスグループの事業構造を理解するには、3つの主要事業セグメントの特徴を把握することが重要です。それぞれの事業が異なる市場で独自の強みを発揮しており、グループ全体の収益基盤を支えています。

国内証券事業(マネックス証券)

国内証券事業の中核を担うのが、マネックス証券株式会社です。1999年の創業以来、個人投資家向けのオンライン証券サービスに特化し、使いやすい取引ツールと充実した投資情報の提供で支持を集めてきました。

マネックス証券の特徴は、米国株取引の充実度にあります。取扱銘柄数は約5,000銘柄と業界最高水準で、時間外取引にも対応しています。また、投資信託の取扱本数も約1,800本と豊富で、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度にも対応しています。

口座数は約270万口座を超え、預り資産も着実に増加しています。個人投資家の資産形成ニーズに応える総合的なサービス提供が、国内証券事業の強みとなっています。

手数料体系も明確で、投資初心者から上級者まで幅広い層に利用されています。

米国証券事業(TradeStation)

米国証券事業は、TradeStation Group, Inc.が担っています。TradeStationは1982年に創業した米国の証券会社で、マネックスグループは2011年に買収しました。

トレーディングプラットフォームの技術力に定評があり、アクティブトレーダー向けの高機能ツールを提供しています。

TradeStationの最大の特徴は、プログラミング言語「EasyLanguage」を使った自動売買システムの開発環境です。投資家は独自の売買ロジックをプログラムし、バックテストを行い、実際の取引で自動執行することができます。

この技術志向のサービスが、米国のアクティブトレーダーから高い評価を得ています。

TradeStationの強み

自動売買システム開発環境「EasyLanguage」

株式・オプション・先物・外国為替など多様な商品

口座数約40万口座、顧客の平均預り資産が高い

米国市場という世界最大の株式市場を基盤とすることで、グループの収益多様化に貢献しています。

暗号資産事業(コインチェック)

暗号資産事業の中核は、コインチェック株式会社です。マネックスグループは2018年にコインチェックを買収し、暗号資産取引所の運営に参入しました。

買収当時、コインチェックは不正流出事件の直後でしたが、マネックスグループの経営管理体制とコンプライアンス強化により、信頼回復を果たしています。

コインチェックは、ビットコイン、イーサリアムをはじめとする主要な暗号資産を取り扱い、現物取引やレンディングサービスを提供しています。アプリのダウンロード数は多くのユーザーに利用されており、初心者にも使いやすいインターフェースが特徴です。

NFT(非代替性トークン)マーケットプレイスの運営など、Web3.0領域への取り組みも進めています。

暗号資産市場は価格変動が大きく、規制環境も流動的です。マネックスグループにとって、伝統的な証券ビジネスとは異なる成長機会を提供する事業領域となっていますが、規制強化や市場環境の変化によるリスクも存在します。

グループ会社を詳しく紹介|各社の強みと役割

マネックスグループの事業は、複数のグループ会社によって運営されています。それぞれの会社が専門領域に特化し、グループ全体のシナジー効果を生み出しています。

マネックス証券|国内ネット証券の老舗

マネックス証券株式会社は、1999年に設立された日本のオンライン証券の草分け的存在です。創業時から「投資家第一」の理念を掲げ、個人投資家に質の高い投資環境を提供することを使命としてきました。

同社の強みは、米国株取引の充実度と投資情報の質の高さにあります。取扱銘柄数は約5,000銘柄と業界最高水準で、米国市場の時間外取引(プレマーケット・アフターマーケット)にも対応しています。

また、投資信託の取扱本数も約1,800本と豊富で、つみたてNISA対象商品も約217本と充実しています。

マネックス証券の特徴

PC向け取引ツール「マネックストレーダー」など17種類

スマートフォン向けアプリ15種類

投資情報充実(アナリストレポート、銘柄スカウター)

新NISA対応(つみたて投資枠・成長投資枠)

投資初心者から上級者まで、幅広い投資家のニーズに応える総合力が、マネックス証券の最大の特徴です。

また、新NISAへの対応も早く、つみたて投資枠と成長投資枠の両方で多様な商品を提供しています。ポイントプログラムも充実しており、マネックスポイントやdポイントが貯まり、投資に活用できます。

口座開設は最短2営業日で完了し、スムーズに取引を始められます。

TradeStation|米国の先進的取引プラットフォーム

TradeStation Group, Inc.は、1982年に創業した米国の証券会社です。フロリダ州に本社を置き、アクティブトレーダー向けの高機能トレーディングプラットフォームを提供しています。

マネックスグループは2011年に買収し、米国市場への本格参入を果たしました。

TradeStationの最大の特徴は、独自開発のプログラミング言語「EasyLanguage」を使った自動売買システムです。投資家は自分の売買戦略をプログラム化し、過去データでバックテストを行い、実際の取引で自動執行できます。

この技術力が、米国のアクティブトレーダーから高い支持を得ています。

取扱商品も多様で、株式、オプション、先物、外国為替など幅広い金融商品の取引に対応しています。取引手数料も競争力があり、アクティブトレーダー向けのプランでは取引量に応じた割引も提供されています。

また、リアルタイムのマーケットデータや高度なチャート分析機能も充実しており、プロフェッショナルな投資環境を求める投資家に最適です。

コインチェック|国内の暗号資産取引所

コインチェック株式会社は、2012年に設立された日本の暗号資産取引所です。マネックスグループは2018年4月に同社を買収し、暗号資産事業に参入しました。

買収当時、コインチェックは不正流出事件の直後でしたが、マネックスグループの経営管理体制とコンプライアンス強化により、信頼性を大きく向上させました。

コインチェックは、ビットコイン、イーサリアム、リップルなど主要な暗号資産を取り扱っており、現物取引のほか、レンディングサービス(暗号資産を貸し出して利息を得るサービス)も提供しています。

スマートフォンアプリは多くのユーザーに利用されており、初心者にも使いやすいシンプルなインターフェースが特徴です。

NFT(非代替性トークン)マーケットプレイス「Coincheck NFT」の運営など、Web3.0領域への取り組みも積極的に進めています。デジタルアートやゲームアイテムなどのNFTを売買できるプラットフォームを提供し、新しいデジタル資産の流通インフラを構築しています。

コインチェックの強みは、金融庁登録の暗号資産交換業者としての信頼性と、マネックスグループの経営ノウハウを活かしたガバナンス体制にあります。暗号資産市場は規制環境が変化しやすい分野ですが、コンプライアンスを重視した運営により、安定的なサービス提供を実現しています。

マネックス・アセットマネジメント|資産運用事業

マネックス・アセットマネジメント株式会社は、投資信託の設定・運用を行う資産運用会社です。グループの資産運用部門として、個人投資家向けの投資信託を提供しています。

同社の特徴は、低コストのインデックスファンドや、独自の運用戦略を持つアクティブファンドなど、多様な投資信託を設定していることです。特に、長期的な資産形成を目指す投資家向けに、分散投資を重視した商品設計を行っています。

また、マネックス証券との連携により、グループ内での投資信託の販売も行っています。投資信託の運用資産残高は着実に増加しており、グループの収益多様化に貢献しています。

資産運用事業は、証券仲介業とは異なる収益構造を持つため、グループ全体の収益安定化にも寄与しています。

NTTドコモとの提携|内容とシナジー効果

2024年11月、マネックスグループとNTTドコモは資本業務提携を発表しました。この提携は、金融業界と通信業界の垣根を超えた大型連携として注目を集めています。

資本業務提携の概要

資本業務提携の枠組みは、NTTドコモとマネックスグループが共同で設立した合弁会社「ドコモマネックスホールディングス」を通じて実現されています。この合弁会社がマネックスグループ株式の約50%を保有し、実質的にドコモがマネックスグループの筆頭株主となる構造です。

提携の目的は、ドコモの約9,000万件に及ぶ顧客基盤とマネックスグループの金融サービスを組み合わせ、新たな顧客価値を創造することにあります。

具体的には、ドコモの通信サービスとマネックスの証券・暗号資産サービスを連携させ、顧客の利便性を高める取り組みが計画されています。

この提携により、マネックスグループは大手通信キャリアの顧客基盤にアクセスできるようになり、新規顧客の獲得機会が大きく広がります。一方、ドコモは金融サービスを強化し、通信以外の収益源を拡大できるメリットがあります。

マネックスグループ株式会社:適時開示資料

ドコモマネックスホールディングスの役割

ドコモマネックスホールディングスは、NTTドコモとマネックスグループが共同で設立した持株会社です。この会社を通じて、両社の戦略的な連携を推進し、シナジー効果を最大化する役割を担っています。

具体的には、マネックスグループの経営方針の策定や、ドコモとの連携施策の企画・実行などを行います。両社の強みを活かした新サービスの開発や、既存サービスの相互連携などが主な業務となります。

また、ドコモマネックスホールディングスは、マネックスグループの独立性を維持しつつ、ドコモの経営資源を活用できる体制を構築しています。これにより、マネックスグループは上場企業としての独立性を保ちながら、ドコモとの協業メリットを享受できる仕組みとなっています。

提携による具体的なメリット

NTTドコモとの提携により、マネックスグループには複数のメリットが期待されています。まず最も大きいのは、顧客基盤の拡大です。

ドコモの約9,000万件の顧客に対して、マネックスの金融サービスを訴求できる機会が生まれます。

顧客基盤の拡大
ドコモの約9,000万件の顧客へのアクセス
サービス連携の強化
dポイントとマネックスポイントの統合、携帯料金との連携
技術力・マーケティング力の活用
サービス開発のスピードアップ、顧客獲得コストの削減
ブランド価値の向上
大手企業との提携による信頼性の向上

次に、サービス連携による利便性の向上です。例えば、ドコモの携帯電話料金とマネックス証券の取引をポイントで連携させたり、dポイントを投資に活用できるサービスなどが考えられます。

すでにdポイントとマネックスポイントの連携は実現しており、今後さらなる統合が進む可能性があります。

また、ドコモの技術力やマーケティング力を活用することで、サービス開発のスピードアップや顧客獲得コストの削減も期待できます。ドコモのデジタルマーケティングのノウハウを活かせば、より効率的に新規顧客を獲得できるでしょう。

マネックスグループの株価と業績|投資判断のポイント

マネックスグループを投資対象として検討する際には、株価の推移と業績の動向を理解することが重要です。ここでは、投資判断に必要な情報を詳しく見ていきます。

株価の推移と変動要因

マネックスグループの株価は、証券市場の環境や同社の業績、そして暗号資産市場の動向に大きく影響を受けます。証券コード8698で東京証券取引所プライム市場に上場しており、日々の取引高も一定の流動性があります。

株価の主な変動要因としては、まず証券市場の取引高があります。株式市場が活況で個人投資家の取引が増えると、マネックス証券の委託手数料収入が増加し、業績にプラスの影響を与えます。

逆に、市場が低迷すると取引高が減少し、収益も減少する傾向にあります。

次に、暗号資産市場の動向も重要な要因です。ビットコインなどの暗号資産価格が上昇すると、コインチェックの取引高が増加し、業績にプラスに働きます。

2024年には暗号資産市場が回復基調にあり、コインチェックの業績も改善傾向を示しています。

2024年11月に発表されたNTTドコモとの資本業務提携は、株価に大きな影響を与える材料となりました。提携発表後、株価は大きく上昇し、市場からの期待の高さを示しました。

今後、提携による具体的な成果が出てくるかどうかが、株価の動向を左右する重要なポイントとなります。

業績の推移(売上・利益)

マネックスグループの業績は、3つの事業セグメント(国内証券、米国証券、暗号資産)の合計で構成されています。売上高は「営業収益」として開示され、主に委託手数料、金融収益、トレーディング損益などから成り立っています。

近年の業績推移を見ると、2022年度から2023年度にかけては、暗号資産市場の低迷により厳しい状況が続きました。しかし、2024年度に入り、暗号資産市場の回復と証券市場の活況により、業績は改善傾向にあります。

営業収益は、市場環境に大きく左右される特性があります。株式市場が活況な時期は国内証券事業と米国証券事業の収益が増加し、暗号資産市場が盛り上がる時期はコインチェックの収益が増加します。

このように、複数の市場に事業を展開することで、収益の変動リスクを分散する効果もあります。

利益面では、営業利益と当期純利益が重要な指標となります。マネックスグループは、コスト管理を重視しており、効率的な経営を目指しています。

NTTドコモとの提携により、今後は顧客獲得コストの削減やシステム投資の効率化なども期待されます。

マネックスグループ株式会社:IR資料

投資指標の見方(PER・PBR・ROE)

マネックスグループへの投資を検討する際には、主要な投資指標を確認することが重要です。ここでは、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)という3つの代表的な指標について解説します。

PER(株価収益率)は、株価が1株あたり利益の何倍になっているかを示す指標です。PERが低いほど、利益に対して株価が割安と判断されます。

マネックスグループのPERを、SBIホールディングスや楽天グループなど同業他社と比較することで、相対的な割安性を評価できます。ただし、金融業界は市場環境により利益が大きく変動するため、過去の平均PERとの比較も重要です。

PBR(株価純資産倍率)は、株価が1株あたり純資産の何倍になっているかを示す指標です。PBRが1倍を下回ると、理論上は解散価値よりも株価が安いことを意味します。

金融業界では、PBRが1倍前後で推移することが多く、成長期待が高い企業はPBRが高くなる傾向があります。

ROE(自己資本利益率)は、自己資本に対してどれだけの利益を生み出しているかを示す指標です。ROEが高いほど、資本を効率的に活用して利益を生み出していると評価されます。

一般的に、ROEが10%以上あれば優良企業とされますが、金融業界では15%以上が望ましいとされています。マネックスグループのROEを確認し、同業他社と比較することで、収益性の高さを評価できます。

これらの指標は、単独で見るのではなく、複数の指標を組み合わせて総合的に判断することが重要です。また、過去の推移や同業他社との比較を通じて、相対的な評価を行うことで、より適切な投資判断ができます。

他社と比較|SBIや楽天との違いは?

マネックスグループを投資対象として検討する際には、同業他社との比較が欠かせません。ここでは、主要な競合であるSBIホールディングスと楽天グループとの違いを詳しく見ていきます。

SBIホールディングスとの比較

SBIホールディングスは、日本最大のオンライン金融グループです。SBI証券の口座数は約1,500万口座と、マネックス証券の約270万口座を大きく上回ります。

また、SBIグループは証券事業だけでなく、銀行業、保険業、暗号資産事業など幅広い金融サービスを展開しており、事業規模ではマネックスグループを大きく上回ります。

収益面でも、SBIホールディングスの営業収益は数千億円規模に達し、マネックスグループの数倍の規模となっています。また、SBI証券は国内株式の取引シェアでもトップクラスであり、市場での存在感が大きく異なります。

マネックスグループの強み

米国株取引の充実度(取扱銘柄数や取引ツールの機能)

NTTドコモとの提携による成長ポテンシャル

ドコモ顧客基盤へのアクセス機会

投資対象として見た場合、SBIホールディングスは事業規模と安定性で優れていますが、株価の成長余地という点ではマネックスグループにも魅力があります。特に、ドコモとの提携による成果が具体化すれば、株価の上昇余地は大きいと考えられます。

楽天グループとの比較

楽天グループは、楽天証券を傘下に持つ総合インターネットサービス企業です。楽天証券の口座数は約1,200万口座と、マネックス証券を大きく上回ります。

楽天グループの最大の強みは、楽天経済圏と呼ばれるエコシステムにあります。楽天市場、楽天カード、楽天銀行など多様なサービスを展開し、楽天ポイントで連携することで、顧客の囲い込みに成功しています。

楽天証券は、この楽天経済圏の一部として機能しており、楽天ポイントで投資ができるサービスや、楽天カードでの投信積立でポイントが貯まるサービスなど、グループシナジーを活かした独自のサービスを提供しています。

この点で、楽天証券は新規顧客の獲得において大きなアドバンテージを持っています。

一方、マネックスグループは、証券・金融サービスに特化したビジネスモデルを持っています。楽天グループのように多様な事業を展開していないため、事業規模では劣りますが、金融サービスの専門性という点では強みがあります。

また、NTTドコモとの提携により、楽天経済圏に対抗する「ドコモ経済圏」との連携が進めば、新たな成長機会が生まれる可能性があります。

投資対象として見た場合、楽天グループは楽天経済圏の成長性に期待する投資となりますが、楽天モバイルの赤字など課題も抱えています。マネックスグループは、金融サービスに特化した純粋な金融株として、異なる投資魅力を持っていると言えます。

マネックスグループの独自性

SBIホールディングスや楽天グループと比較した時、マネックスグループの独自性はどこにあるのでしょうか。最も大きな特徴は、NTTドコモとの資本業務提携による成長ポテンシャルです。

ドコモの約9,000万件という巨大な顧客基盤へのアクセスは、他社にはない強みとなります。

また、米国証券事業のTradeStationは、アクティブトレーダー向けの高機能プラットフォームとして独自のポジションを確立しています。自動売買システムの開発環境など、技術志向の投資家向けサービスは、他社との差別化要因となっています。

暗号資産事業においても、コインチェックは国内の暗号資産取引所として確固たる地位を築いています。NFTマーケットプレイスなどWeb3.0領域への取り組みも、将来的な成長機会を提供しています。

投資対象として見た場合、マネックスグループは、SBIホールディングスほどの事業規模はなく、楽天グループのような多角化もしていませんが、金融サービスに特化しつつ、ドコモとの提携という独自の成長ストーリーを持つ企業と言えます。

配当と株主還元|利回りと還元策の実績

株式投資において、配当は重要な収益源の一つです。マネックスグループの配当政策と株主還元の実績を見ていきましょう。

配当実績と配当利回り

マネックスグループは、業績に応じた配当を実施しています。配当方針としては、連結配当性向30%を目安に、安定的な配当を継続することを基本方針としています。

ただし、業績が大きく変動する年度においては、配当額も変動する可能性があります。

過去の配当実績を見ると、業績が好調な年度は増配を実施し、厳しい年度は減配や無配となったこともあります。特に、暗号資産市場が低迷した2022年度から2023年度にかけては、業績悪化により配当が減少しました。

しかし、2024年度は業績回復により、配当の復活や増配が期待されています。

配当利回りは、株価と配当金額の関係で決まります。株価が上昇すると配当利回りは低下し、株価が下落すると配当利回りは上昇します。

マネックスグループの配当利回りは、業績や株価の動向により変動しますが、一般的には2%〜4%程度の水準で推移することが多いです。

配当を重視する投資家にとっては、配当利回りだけでなく、配当の安定性や成長性も重要なポイントとなります。マネックスグループの場合、業績が市場環境に左右されやすいため、配当も変動しやすい傾向があります。

株主還元の方針と今後の見通し

マネックスグループの株主還元方針は、配当を基本としつつ、自己株式取得も機動的に実施するというものです。自己株式取得は、株価が割安な水準にある時に実施することで、株主価値の向上を図る手段となります。

今後の株主還元の見通しとしては、NTTドコモとの提携による業績改善が実現すれば、配当の増額や自己株式取得の実施が期待されます。ドコモとの協業により、新規顧客の獲得が進み、収益が拡大すれば、株主還元の余力も高まるでしょう。

また、暗号資産市場の回復も、株主還元の原資となる利益の増加につながります。2024年に入り、ビットコインなどの暗号資産価格が上昇基調にあり、コインチェックの業績も改善傾向にあります。

この流れが続けば、グループ全体の業績も底堅く推移し、安定的な配当が期待できます。

ただし、株主還元は業績に連動するため、市場環境が悪化した場合は減配や無配のリスクもあります。投資判断においては、配当利回りだけでなく、業績の安定性や成長性も総合的に評価することが重要です。

マネックスグループ株式会社:IR資料

投資するときに気をつけたいリスク

マネックスグループへの投資を検討する際には、いくつかのリスク要因を理解しておく必要があります。ここでは、主要なリスクを詳しく解説します。

暗号資産事業の規制リスク

マネックスグループの事業の一つである暗号資産事業は、規制環境の変化に大きく影響を受けます。日本では金融庁が暗号資産交換業者を監督しており、法規制の強化や新たな規制の導入が行われる可能性があります。

例えば、暗号資産の取扱銘柄に対する規制が厳格化されれば、コインチェックの取扱銘柄が制限される可能性があります。また、暗号資産の広告規制や、顧客保護のための新たなルールが導入されれば、事業コストが増加する可能性もあります。

さらに、海外での規制動向も影響を与えます。米国や欧州で暗号資産に対する規制が強化されると、グローバルな暗号資産市場全体が影響を受け、コインチェックの取引高にも波及する可能性があります。

証券業界の競争激化

証券業界は、手数料の引き下げ競争が続いており、収益性が低下する傾向にあります。特に、株式取引の手数料は多くのネット証券で無料化が進んでおり、委託手数料収入に依存するビジネスモデルは厳しい状況にあります。

マネックス証券も、この競争環境の影響を受けています。手数料収入の減少を補うため、投資信託の販売や金融商品の提供など、収益源の多様化を進めていますが、競合他社も同様の戦略を取っており、差別化が難しくなっています。

また、SBI証券や楽天証券など大手ネット証券は、口座数や預り資産でマネックス証券を大きく上回っており、規模の経済性で優位に立っています。この競争環境の中で、マネックス証券がどのように独自性を発揮し、収益を確保していくかが、投資判断の重要なポイントとなります。

為替変動リスク(米国事業)

マネックスグループは、米国証券事業のTradeStationを通じて米国市場で事業を展開しています。TradeStationの収益は米ドル建てであり、日本円に換算する際に為替レートの影響を受けます。

円高が進むと、米ドル建ての収益を日本円に換算した際の金額が減少し、グループ全体の業績にマイナスの影響を与えます。逆に、円安が進むと、換算後の収益が増加し、業績にプラスの影響を与えます。

為替レートは、日米の金利差や経済情勢、地政学リスクなど様々な要因で変動します。特に、近年は為替変動が大きく、業績への影響も無視できない水準となっています。

投資判断においては、為替リスクがグループ業績に与える影響を考慮する必要があります。

株価変動リスク

マネックスグループの株価は、業績や市場環境、そして投資家のセンチメントによって変動します。特に、証券業界は市場環境に業績が左右されやすいため、株価のボラティリティ(変動幅)が大きくなる傾向があります。

株式市場が活況な時期は、証券会社の業績が好調となり、株価も上昇しやすくなります。一方、市場が低迷すると、取引高が減少し、業績が悪化するため、株価も下落しやすくなります。

また、暗号資産市場の動向も、コインチェックの業績を通じて株価に影響を与えます。

さらに、NTTドコモとの提携による成果が市場の期待を下回った場合、株価が大きく下落するリスクもあります。提携発表時には株価が上昇しましたが、具体的な成果が出なければ、期待が失望に変わる可能性もあります。

金融庁:投資の基本

マネックスグループの沿革|創業から現在まで

マネックスグループの歴史を振り返ることで、企業の成長過程と戦略の変遷を理解できます。創業から現在までの主要な出来事を時系列で見ていきましょう。

創業期(1999年〜2010年)

1.1999年5月、松本大氏がマネックス株式会社を設立。日本のオンライン証券業界の黎明期に参入しました。
2.1999年10月、オンライン証券取引サービスを開始。個人投資家向けの使いやすいインターフェースと充実した投資情報の提供で注目を集めました。
3.2004年8月、東京証券取引所マザーズ市場に上場。資金調達により事業拡大の基盤を整えました。
4.2005年1月、持株会社体制に移行し、マネックスグループ株式会社を設立。マネックス証券を傘下に置く体制となりました。
5.2007年、東京証券取引所第一部(現プライム市場)に市場変更。企業としての信頼性が向上しました。
6.2010年、米国のTradeStation証券を買収。米国市場への本格参入を果たしました。

成長期(2011年〜2020年)

1.2011年、TradeStation Group, Inc.の買収を完了。米国証券事業が本格的にスタートしました。
2.2012年、マネックス・アセットマネジメントを設立。資産運用事業に参入しました。
3.2018年4月、コインチェック株式会社を買収。暗号資産事業に参入し、事業領域を大きく拡大しました。
4.2018年、コインチェックの経営再建に着手。不正流出事件後の信頼回復に取り組みました。
5.2019年、コインチェックが金融庁から暗号資産交換業者の登録を取得。正式に事業を再開しました。

現在(2021年〜)

1.2021年、コインチェックがNFTマーケットプレイス「Coincheck NFT」を開始。Web3.0領域への取り組みを本格化しました。
2.2022年、東京証券取引所の市場区分見直しにより、プライム市場に移行しました。
3.2024年11月、NTTドコモとの資本業務提携を発表。ドコモマネックスホールディングスを設立し、新たな成長フェーズに入りました。
4.2024年、暗号資産市場の回復により、コインチェックの業績が改善。グループ全体の収益も回復基調となりました。

このように、マネックスグループは1999年の創業以来、オンライン証券のパイオニアとして成長を続けてきました。米国証券事業への参入、暗号資産事業への進出、そしてNTTドコモとの提携と、常に新しい挑戦を続けています。

今後も、金融サービスの革新を通じて成長を目指す企業と言えます。

よくある質問(Q&A)

よくある質問(Q&A)
マネックスグループの株は買い時?

マネックスグループの株が買い時かどうかは、投資家のご自身の投資目的やリスク許容度によって異なります。2024年のNTTドコモとの提携発表後、株価は上昇しましたが、提携による具体的な成果が出るまでには時間がかかる可能性があります。また、暗号資産市場の動向や証券市場の環境にも業績が左右されるため、これらの要因を総合的に判断する必要があります。投資判断の際には、PERやPBRなどの投資指標を確認し、同業他社と比較することをおすすめします。

マネックス証券とマネックスグループの違いは?

マネックス証券は、マネックスグループの傘下にある証券会社です。マネックスグループは持株会社であり、マネックス証券のほか、TradeStation(米国証券)、コインチェック(暗号資産)、マネックス・アセットマネジメント(資産運用)などを傘下に持っています。つまり、マネックス証券はグループの一事業であり、マネックスグループはそれらの事業会社を統括する親会社という関係です。株式投資の対象となるのは、東京証券取引所に上場しているマネックスグループ株式会社の株式です。

コインチェックはマネックスグループの子会社?

はい、コインチェック株式会社はマネックスグループの完全子会社です。マネックスグループは2018年4月にコインチェックを買収し、暗号資産事業に参入しました。買収当時、コインチェックは不正流出事件の直後でしたが、マネックスグループの経営管理体制とコンプライアンス強化により、信頼性を回復しました。現在、コインチェックはマネックスグループの重要な事業の一つとして、暗号資産取引所の運営やNFTマーケットプレイスの提供などを行っています。

配当はいつもらえる?

マネックスグループの配当は、年1回の期末配当として支払われることが一般的です。決算期は3月末であり、配当の権利確定日は3月末日となります。配当金は、株主総会での承認後、通常6月頃に支払われます。ただし、配当の有無や金額は、その年度の業績によって変動します。業績が好調な年度は配当が実施されますが、業績が厳しい年度は減配や無配となる可能性もあります。最新の配当情報は、マネックスグループの公式サイトのIR情報で確認できます。

NTTドコモとの提携で何が変わった?

NTTドコモとの提携により、マネックスグループは大きく3つの変化を迎えています。第一に、ドコモの約9,000万件という巨大な顧客基盤へアクセスできるようになり、新規顧客の獲得機会が大幅に拡大しました。第二に、ドコモの技術力やマーケティング力を活用できるようになり、サービス開発のスピードアップや顧客獲得コストの削減が期待されます。第三に、dポイントとの連携強化など、ドコモの各種サービスとマネックスの金融サービスを組み合わせた新たな顧客価値の創造が可能になりました。ただし、提携の具体的な成果が出るまでには時間がかかると見られています。

個人投資家でも買いやすい株価?

マネックスグループの株価は、時期によって変動しますが、一般的には数百円から千円台で推移することが多く、個人投資家でも比較的購入しやすい水準と言えます。最低購入単位は100株(1単元)ですので、例えば株価が500円の場合、5万円程度から投資が可能です。ただし、株価は市場環境や業績によって変動するため、購入を検討する際には、現在の株価水準を確認し、ご自身の投資予算に合っているかを判断することが重要です。

まとめ

マネックスグループは、国内証券事業、米国証券事業、暗号資産事業という3つの柱を持つ金融持株会社です。マネックス証券、TradeStation、コインチェックという特色ある事業会社を傘下に持ち、多様な金融サービスを提供しています。

2024年のNTTドコモとの資本業務提携は、マネックスグループの成長戦略において重要な転換点となりました。ドコモの巨大な顧客基盤へのアクセスと、両社のシナジー効果により、今後の成長が期待されています。

ただし、提携の具体的な成果が出るまでには時間がかかる可能性があり、短期的な業績改善を過度に期待するのは避けるべきでしょう。

投資対象として見た場合、マネックスグループは、SBIホールディングスや楽天グループと比べて事業規模は小さいものの、ドコモとの提携という独自の成長ストーリーを持っています。また、米国証券事業のTradeStationや暗号資産事業のコインチェックなど、特色ある事業を展開している点も魅力です。

一方で、暗号資産事業の規制リスク、証券業界の競争激化、為替変動リスクなど、投資判断において考慮すべきリスク要因も存在します。特に、暗号資産市場は価格変動が大きく、規制環境も流動的であるため、コインチェックの業績は不安定になりやすい傾向があります。

マネックスグループへの投資を検討する際には、これらのリスクとリターンを総合的に評価し、ご自身の投資目的やリスク許容度に合った判断を行うことが重要です。なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しい情報は、マネックスグループの公式サイトや最新のIR資料でご確認いただくことをおすすめします。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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