積立NISAとは?始め方と証券会社の選び方を解説

純金積立を始めたいけれど、どの証券会社を選べばいいのか迷っていませんか。
金価格の上昇が続く中、少額から金投資を始められる純金積立に注目が集まっています。
しかし「手数料が高い」「やめとけという声もある」といった情報を目にして、不安を感じている方も多いでしょう。
この記事では、純金積立の仕組みからメリット・デメリット、おすすめの証券会社3社まで詳しく解説します。
手数料比較や選び方のポイントも紹介するので、ご自身に合った証券会社を見つけられます。
目次
純金積立は、毎月一定額または一定量の金を自動的に購入していく投資方法です。金という現物資産を少額から積み立てられるため、投資初心者でも始めやすい仕組みになっています。
株式や投資信託とは異なり、金そのものを保有する実物資産への投資である点が大きな特徴です。証券会社や貴金属商が提供するサービスを利用することで、手軽に金投資を始められます。
純金積立は、証券会社や貴金属商に口座を開設し、毎月決まった金額または量の金を自動購入する仕組みです。購入した金は業者が保管し、一定量が貯まれば現物として引き出すこともできます。
保管方法には「特定保管」と「消費寄託」の2種類があります。特定保管は顧客の金を個別に保管する方法で、業者が破綻しても資産が保全されます。消費寄託は業者が金を混蔵して保管する方法で、破綻時のリスクがやや高くなります。
購入した金の価格は、国際的な金価格(ロンドン金市場の価格)を基準に、為替レートを考慮して決定されます。そのため、金価格の変動だけでなく、円高・円安の影響も受けることになります。
保管方法の詳細は、各証券会社の公式サイトでご確認ください。
純金積立には「定額積立」と「定量積立」の2つの方法があります。定額積立は毎月決まった金額分の金を購入する方法で、金価格が高い時は少なく、安い時は多く購入できます。
定量積立は毎月決まったグラム数の金を購入する方法です。金価格に関わらず同じ量を購入するため、価格が高い月は支払額が増え、安い月は減ります。
多くの証券会社では定額積立を採用しています。定額積立の方が予算管理がしやすく、ドルコスト平均法の効果を得やすいためです。一方、定量積立は毎月一定量を確実に積み上げたい方に向いています。
純金積立の最大のメリットは、ドルコスト平均法による価格変動リスクの軽減効果です。ドルコスト平均法とは、定期的に一定額を投資することで、平均購入価格を平準化する手法を指します。
金価格が高い時は少量しか買えませんが、安い時には多く買えるため、結果的に平均購入単価が下がります。一括購入の場合、高値で買ってしまうリスクがありますが、積立なら時間分散によってそのリスクを抑えられます。
金融庁も、長期・積立・分散投資の重要性を推奨しています。短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的な視点で資産形成を行うことが大切です。
純金積立には、他の投資方法にはない独自のメリットがあります。特に投資初心者や、リスクを抑えながら資産を分散したい方にとって魅力的なポイントが多いです。
ここでは、純金積立の5つの主要なメリットを詳しく解説します。それぞれのメリットを理解することで、ご自身の投資戦略に純金積立が適しているかを判断できるでしょう。
純金積立の最大の魅力は、月1,000円程度の少額から始められる手軽さです。金地金を購入する場合、数十万円以上の資金が必要になりますが、純金積立なら投資初心者でも無理なく始められます。
SBI証券や楽天証券では月1,000円から積立が可能で、家計に負担をかけずに金投資をスタートできます。まずは少額で始めて、慣れてきたら金額を増やすという柔軟な運用も可能です。
少額から始められるため、投資初心者でも気軽に金投資にチャレンジできます。
金は「有事の金」と呼ばれ、経済不安やインフレ時に価値が上がりやすい資産です。株式や債券と異なる値動きをするため、ポートフォリオに組み入れることでリスク分散効果が期待できます。
特に近年はインフレ懸念が高まっており、現金や預金の実質的な価値が目減りするリスクがあります。金は実物資産として価値を保ちやすいため、資産の一部を金で保有することはインフレ対策として有効です。
ただし、金の価格は常に上昇するわけではなく、短期的には大きく変動することもあります。あくまでポートフォリオ全体の5〜10%程度を目安に、分散投資の一環として活用するのがおすすめです。
純金積立で購入した金は、一定量が貯まれば現物として引き出すことができます。金貨や金地金として手元に置けるため、実物資産を保有している安心感が得られます。
株式や投資信託は企業の業績や市場の状況に左右されますが、金は物理的な実体を持つ資産です。企業が倒産しても金自体の価値がゼロになることはなく、世界中どこでも換金できる普遍的な価値を持っています。
現物引き出しには手数料がかかる場合が多いため、頻繁に引き出すのは推奨されません。しかし、いざという時に現物として保有できる選択肢があるのは、純金積立ならではのメリットです。
純金積立は毎月コツコツと購入を続けるため、一括購入に比べて高値掴みのリスクを軽減できます。金価格は日々変動しますが、長期的に積み立てることで購入価格が平準化されます。
例えば、金価格が1グラム1万円の時に10万円分を一括購入すると10グラムしか買えません。しかし毎月1万円ずつ10ヶ月積み立てれば、価格が安い月には多く、高い月には少なく購入できるため、平均購入単価を下げられる可能性があります。
金は数千年にわたって価値を認められてきた資産であり、長期的には安定した価値を保っています。短期的には価格が変動しますが、10年、20年といった長期で見ると、一定の価値を維持してきた実績があります。
特に2000年代以降、金価格は長期的な上昇トレンドを示しています。世界的な金融緩和や地政学リスクの高まりなどを背景に、金への需要が増加してきました。
ただし、過去の実績が将来を保証するものではありません。金価格は為替や世界経済の影響を受けるため、長期的な視点で資産形成の一部として活用することが重要です。
純金積立のデメリット5つ
純金積立にはメリットがある一方で、いくつかの注意すべきデメリットも存在します。これらのデメリットを理解せずに始めると、期待していた成果が得られない可能性があります。
投資判断を行う前に、デメリットもしっかりと把握しておくことが大切です。ここでは、純金積立の主要なデメリット5つを正直に解説します。
純金積立の最大のデメリットは、手数料が比較的高いことです。多くの証券会社では、購入時に購入金額の1〜3%程度の手数料がかかります。さらに年会費や保管料が必要な業者もあります。
例えば、月1万円を積み立てる場合、購入手数料が2.5%なら毎月250円、年間で3,000円のコストがかかります。投資信託の信託報酬が年0.1〜0.5%程度であることを考えると、純金積立の手数料負担は決して小さくありません。
SBI証券や楽天証券では、購入手数料が比較的低めに設定されていますが、それでも一定のコストは発生します。長期的に積み立てる場合、手数料の累積が運用成績に大きく影響するため、事前に各社の手数料体系を比較することが重要です。
手数料は各証券会社で異なるため、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
金は株式の配当金や債券の利息のようなインカムゲイン(保有しているだけで得られる収益)を生みません。金の価値は価格変動によるキャピタルゲイン(売買差益)のみで決まります。
株式投資であれば、保有しているだけで年2〜3%程度の配当を受け取れる銘柄もあります。また、債券や預金には利息が付きますが、金にはそうした収益がありません。
そのため、純金積立は「資産を増やす」というよりも「資産を守る」「分散する」という目的に適しています。積極的に利益を増やしたい方には、株式や投資信託の方が向いているかもしれません。
純金積立では、購入価格(買値)と売却価格(売値)の差であるスプレッドが比較的大きいことがデメリットです。一般的に、スプレッドは2〜3%程度に設定されています。
つまり、購入した直後に売却しようとすると、金価格が変動していなくても2〜3%の損失が発生します。例えば10万円分の金を購入してすぐに売却すると、約97,000円にしかならない計算です。
スプレッドは業者の利益となる部分であり、投資家にとっては実質的なコストです。短期売買には向かず、長期保有を前提とした投資であることを理解しておく必要があります。
純金積立は、NISA(少額投資非課税制度)の対象外です。そのため、売却益に対して約20%の譲渡所得税が課税されます。NISAを活用できる投資信託やETFと比べて、税制面で不利になります。
2024年から始まった新NISA制度では、非課税保有限度額が1,800万円に拡大されました。投資信託やETFであれば、この枠内で非課税運用が可能ですが、純金積立にはこの恩恵がありません。
税制優遇を重視する方は、金に投資する場合でも、NISA対応の金投資信託やETFを検討する方が有利です。純金積立は現物保有の安心感を優先する方に向いています。
純金積立を提供する業者が破綻した場合、保管方法によっては資産が保全されないリスクがあります。「消費寄託」方式の場合、顧客の金が混蔵保管されているため、破綻時に全額が戻ってこない可能性があります。
一方、「特定保管」方式であれば、顧客の金が個別に保管されているため、業者破綻時でも資産が保全されやすくなります。ただし、特定保管には保管料が別途かかる場合が多いです。
証券会社で純金積立を行う場合、日本投資者保護基金により一定額(上限1,000万円)まで補償される可能性があります。しかし、貴金属商の場合は補償制度がないこともあるため、事前に確認が必要です。業者選びの際は、保管方法と補償制度を必ず確認しましょう。
業者の保管方法と補償制度は必ず確認してください。信頼性の高い大手証券会社を選ぶことも重要です。
純金積立におすすめの証券会社3社
純金積立を始めるなら、手数料の安さとサービスの充実度で選ぶことが重要です。ここでは、純金積立に対応している主要証券会社の中から、特におすすめの3社を紹介します。
それぞれの特徴や手数料体系を比較することで、ご自身に最適な証券会社を見つけられるでしょう。なお、手数料やサービス内容は変更される可能性があります。最新情報は各証券会社の公式サイトでご確認ください。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む) |
| 取引手数料 | 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。 |
| NISA対応 | 〇 |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年3月3日時点 |
| 外国株 | 8カ国/米国株式(5,000銘柄) |
| 取引ツール(PC) | HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー |
| スマホアプリ | SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD |
| 提携銀行口座 | SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
SBI証券は、国内最大手のネット証券で、純金積立のサービスも充実しています。口座数は約1,500万口座を誇り、初心者から上級者まで幅広い投資家に支持されています。
純金積立では、金・プラチナ・銀の3種類の貴金属を取り扱っており、月1,000円から積立が可能です。投資信託やNISAなど他の金融商品も豊富に揃っているため、総合的な資産運用を一つの口座で管理できます。
SBI証券の純金積立は、購入手数料が比較的低めに設定されています。スプレッドは市場の状況により変動しますが、業界標準の2〜3%程度です。年会費は無料で、保管料も基本的にかかりません。
SBI証券の特徴
取扱商品の豊富さとポイントサービスの充実
Vポイント、Pontaポイント、dポイント、JALマイル、PayPayポイントに対応
投資信託の取扱本数は約2,600本と業界トップクラス
NISA対応の金投資信託も充実
また、投資信託の取扱本数は約2,600本と業界トップクラスで、NISA対応の金投資信託も充実しています。純金積立だけでなく、金ETFや投資信託と組み合わせた柔軟な運用が可能です。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約12,000,000口座 ※2025年1月時点 |
| 取引手数料 | 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 263銘柄 ※2025年4月24日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年4月24日時点 |
| 外国株 | 6カ国/米国株式(約4,500銘柄) |
| 取引ツール(PC) | マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4 |
| スマホアプリ | iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物 |
| 提携銀行口座 | 楽天銀行(マネーブリッジ) |
| ポイント投資・付与 | 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
楽天証券は、楽天グループのネット証券で、約1,200万口座を持つ大手証券会社です。楽天経済圏を活用している方にとって、特にメリットが大きい証券会社と言えます。
純金積立は月1,000円から始められ、金・プラチナの2種類を取り扱っています。楽天ポイントを使った投資や、投資で楽天ポイントを貯めることができる点が大きな魅力です。
楽天証券の純金積立は、購入手数料が業界水準並みで、年会費は無料です。スプレッドは市場の状況により変動しますが、おおむね2〜3%程度に設定されています。
楽天証券の特徴
楽天ポイントとの連携が最大の魅力
楽天カードで積立投資をすると楽天ポイントが貯まる
貯まった楽天ポイントを投資に使える
投資信託の取扱本数は約2,550本と豊富
さらに、投資信託の取扱本数は約2,550本と豊富で、NISA対応の金投資信託も多数取り揃えています。スマホアプリ「iSPEED」も使いやすく、初心者でも直感的に操作できる設計になっています。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約2,700,000口座 ※2025年2月時点 |
| 取引手数料 | 【取引毎手数料コース】
|
| NISA対応 | 〇(日本株・米国株・中国株・投資信託の売買手数料が無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(銘柄数は公式サイトで確認) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 中国株 / 投資信託(約1,750本以上) |
| 投資信託 | 約1,800本(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 2カ国/米国株:約5,000銘柄以上(2025年1月27日時点) |
| 取引ツール(PC) | マネックストレーダー / 銘柄スカウター |
| スマホアプリ | マネックス証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ |
| 提携銀行口座 | マネックス証券専用銀行口座(詳細は公式サイトで確認) |
| ポイント投資・付与 | マネックスポイント / dポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | オンライン申込で最短翌営業日 |
マネックス証券は、米国株投資に強みを持つネット証券ですが、純金積立のサービスも提供しています。口座数は約270万口座で、投資情報の充実度や取引ツールの使いやすさに定評があります。
純金積立は月1,000円から可能で、金・プラチナの2種類を取り扱っています。特にNISA対応の金投資信託のラインナップが充実しており、税制優遇を活用した金投資を検討している方におすすめです。
マネックス証券の純金積立は、購入手数料が業界標準レベルで、年会費は無料です。スプレッドは2〜3%程度で、他社と大きな差はありません。
マネックス証券の特徴
NISA対応の金投資信託が充実
投資情報やレポートが充実
マネックスポイントやdポイントが貯まる
投資信託の取扱本数は約1,800本
また、投資情報やレポートが充実しており、金価格の見通しや市場動向を学びながら投資できます。マネックスポイントやdポイントも貯まるため、ポイント活用派の方にもおすすめです。投資信託の取扱本数は約1,800本で、米国株も約5,000銘柄と豊富に揃っています。
| 項目 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 |
| 最低積立金額 | 月1,000円〜 | 月1,000円〜 | 月1,000円〜 |
| 取扱貴金属 | 金・プラチナ・銀 | 金・プラチナ | 金・プラチナ |
| 購入手数料 | 低め(業界標準以下) | 業界標準 | 業界標準 |
| 年会費 | 無料 | 無料 | 無料 |
| スプレッド | 2〜3%程度 | 2〜3%程度 | 2〜3%程度 |
| ポイント | Vポイント、Pontaポイント、dポイント、JALマイル、PayPayポイント | 楽天ポイント | マネックスポイント、dポイント |
| 投資信託数 | 約2,600本 | 約2,550本 | 約1,800本 |
| 金投資信託(NISA対応) | 充実 | 充実 | 特に充実 |
| 口座数 | 約1,500万口座 | 約1,200万口座 | 約270万口座 |
上記の比較表を参考に、ご自身の投資スタイルや利用したいサービスに合わせて証券会社を選びましょう。手数料の安さを重視するならSBI証券、楽天ポイントを活用したいなら楽天証券、NISA対応の金投資信託を重視するならマネックス証券がおすすめです。
純金積立を始める証券会社を選ぶ際は、いくつかの重要なポイントを比較する必要があります。手数料だけでなく、サービス内容や保管方法なども考慮することで、長期的に満足できる選択ができます。
ここでは、証券会社選びで特に重要な4つのポイントを詳しく解説します。これらの基準を参考に、ご自身に最適な証券会社を見つけてください。
純金積立で最も重要な比較ポイントは、手数料の安さです。購入手数料は毎月の積立ごとに発生するため、長期的には大きなコスト差になります。
一般的に、購入手数料は購入金額の1〜3%程度です。例えば月1万円を積み立てる場合、手数料が2.5%なら年間3,000円、10年で3万円のコストになります。手数料が1%なら年間1,200円、10年で1.2万円と、大きな差が生まれます。
また、年会費や保管料が別途かかる業者もあります。ネット証券の多くは年会費無料ですが、一部の貴金属商では年会費が必要な場合があります。トータルコストで比較することが大切です。
スプレッド(買値と売値の差)は、実質的な取引コストです。スプレッドが広いほど、購入後すぐに売却した場合の損失が大きくなります。
一般的なスプレッドは2〜3%程度ですが、業者によって若干の違いがあります。例えばスプレッドが2%の業者と3%の業者では、10万円分の金を売却する際に1,000円の差が生まれます。
スプレッドは日々変動するため、公式サイトで最新の価格を確認することが重要です。長期保有を前提とする場合、スプレッドの影響は相対的に小さくなりますが、それでも狭い方が有利です。
証券会社によって、最低積立金額や取扱商品が異なります。多くのネット証券では月1,000円から積立が可能ですが、一部の業者では月3,000円以上が必要な場合もあります。
取扱商品も重要なポイントです。金だけでなく、プラチナや銀も積み立てたい場合は、複数の貴金属を扱っている証券会社を選ぶ必要があります。SBI証券は金・プラチナ・銀の3種類を取り扱っており、選択肢が豊富です。
また、純金積立以外の金融商品も確認しましょう。投資信託やETFなど、他の金投資商品も併せて利用できる証券会社なら、柔軟な資産運用が可能になります。
純金積立で購入した金の保管方法は、「特定保管」と「消費寄託」の2種類があります。特定保管は顧客の金を個別に保管する方法で、業者破綻時でも資産が保全されます。消費寄託は金を混蔵保管する方法で、破綻時のリスクがやや高くなります。
多くのネット証券では消費寄託方式を採用していますが、特定保管を選択できる業者もあります。特定保管は保管料が別途かかる場合が多いですが、安全性を重視する方にはおすすめです。
また、現物引き出しの条件も確認しましょう。一定量(例:5グラム以上)が貯まれば現物として引き出せる業者が多いですが、引き出し手数料や最低引出量は業者によって異なります。将来的に現物保有を考えている方は、引き出し条件を事前に確認しておくことが大切です。
純金積立と金ETF・投資信託を比較
金に投資する方法は、純金積立だけではありません。金ETF(上場投資信託)や金投資信託も選択肢として検討する価値があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、投資目的によって最適な方法が異なります。
ここでは、純金積立と他の金投資方法を比較し、どのような方にどの方法が適しているかを解説します。ご自身の投資目的やライフスタイルに合わせて、最適な投資方法を選びましょう。
金ETFは、金価格に連動する上場投資信託で、株式と同じように証券取引所で売買できます。代表的な金ETFには「SPDRゴールド・シェア」や国内ETFの「金価格連動型上場投資信託」などがあります。
金ETFの最大のメリットは、流動性の高さと手数料の安さです。株式と同じように市場でリアルタイムに売買でき、購入手数料も株式取引と同等の低水準です。また、信託報酬も年0.4%程度と、純金積立の手数料より大幅に安くなっています。
一方、金ETFは現物の金を保有するわけではなく、あくまで金価格に連動する証券です。現物として引き出すことはできないため、実物資産を手元に置きたい方には向きません。また、最低投資額が数万円程度と、純金積立より高めになります。
金ETFは、手数料を抑えながら金価格の値動きに投資したい方や、売買の自由度を重視する方におすすめです。一方、現物保有の安心感を求める方や、月1,000円程度の少額から始めたい方には純金積立が適しています。
金投資信託は、金価格に連動する投資信託で、証券会社で購入できます。代表的な商品には「三菱UFJ純金ファンド」や「ピクテ・ゴールド」などがあります。
金投資信託の最大のメリットは、NISA対応であることです。新NISA制度を活用すれば、売却益が非課税になるため、税制面で大きなメリットがあります。また、信託報酬も年0.5〜1%程度と、純金積立の手数料より低めです。
投資信託は100円程度から購入できる証券会社もあり、少額投資にも向いています。自動積立設定も可能で、毎月コツコツと積み立てる運用スタイルにも対応しています。
ただし、金投資信託も現物の金を保有するわけではなく、あくまで金価格に連動する金融商品です。現物引き出しはできないため、実物資産としての安心感は得られません。
金投資信託は、NISA枠を活用して税制優遇を受けたい方や、手数料を抑えながら金に投資したい方におすすめです。現物保有にこだわらず、効率的な資産形成を目指す方には最適な選択肢と言えます。
税制優遇を最大限に活用したい方には、NISA対応の金投資信託が最もおすすめです。2024年から始まった新NISA制度では、つみたて投資枠で年間120万円、成長投資枠で年間240万円まで非課税で投資できます。
金投資信託は成長投資枠の対象となるため、年間240万円まで非課税で購入できます。売却益に対する約20%の税金がかからないため、長期的には大きな節税効果が期待できます。
例えば、10年間で100万円の利益が出た場合、通常なら約20万円の税金がかかりますが、NISA口座なら全額非課税です。この差は長期投資になるほど大きくなります。
ただし、金投資信託は現物引き出しができないため、実物資産としての金を保有したい方には向きません。税制優遇と現物保有のどちらを優先するかで、純金積立か金投資信託かを選ぶとよいでしょう。
| 項目 | 純金積立 | 金ETF | 金投資信託 |
| 最低投資額 | 月1,000円〜 | 数万円〜 | 100円〜 |
| 手数料 | 1〜3%(購入時) | 低い(株式取引と同等) | 0.5〜1%(信託報酬/年) |
| NISA対応 | 非対応 | 対応(成長投資枠) | 対応(成長投資枠) |
| 現物引き出し | 可能 | 不可 | 不可 |
| 売買の自由度 | 低い(業者経由) | 高い(市場で売買) | 中程度(証券会社経由) |
| 向いている人 | 現物保有を重視する人 | 手数料を抑えたい人 | NISA活用を重視する人 |
純金積立が向いている人・向いていない人
純金積立は誰にでも適した投資方法というわけではありません。投資目的やライフスタイル、リスク許容度によって、向き不向きがあります。
ここでは、純金積立が向いている人と向いていない人の特徴を具体的に解説します。ご自身がどちらに当てはまるかを確認することで、純金積立を始めるべきかどうかの判断材料になります。
ご自身がどちらのタイプに当てはまるかを確認し、純金積立が本当に適しているかを慎重に判断しましょう。向いていない場合は、金ETFや金投資信託など、他の金投資方法を検討することをおすすめします。
純金積立を始める手順
純金積立を始めるための具体的な手順を解説します。証券会社の口座開設から積立設定まで、ステップごとに分かりやすく説明するので、初めての方でも安心して始められます。
実際の手続きは証券会社によって若干異なりますが、基本的な流れはほぼ共通しています。ここではSBI証券や楽天証券などの主要ネット証券を想定して説明します。
まず、純金積立を提供している証券会社で口座を開設します。SBI証券、楽天証券、マネックス証券などの主要ネット証券では、オンラインで簡単に口座開設ができます。
口座開設には、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)とマイナンバーが必要です。スマホで本人確認書類を撮影してアップロードすれば、最短で翌営業日に口座開設が完了します。
口座開設は無料で、維持費もかかりません。すでに証券口座を持っている方は、その口座で純金積立を始められる場合が多いので、追加の口座開設は不要です。口座開設後、ログインIDとパスワードが発行されたら、証券会社のサイトやアプリにログインしましょう。
口座開設が完了したら、純金積立の設定を行います。証券会社のサイトまたはアプリにログインし、「純金積立」または「貴金属積立」のメニューを選択します。
設定後は毎月自動的に積立が実行されるため、特別な手続きは不要です。
積立開始後は、定期的に以下のポイントを確認しましょう。まず、毎月の積立が正常に実行されているかを確認します。証券会社のサイトやアプリで積立履歴を確認できます。
次に、保有残高と評価額を確認します。金価格の変動により、購入時より評価額が増減しているかをチェックしましょう。ただし、短期的な価格変動に一喜一憂する必要はありません。長期的な視点で資産形成を続けることが大切です。
また、金価格の推移や世界経済の動向にも注目しましょう。金融庁や証券会社が提供する投資情報を活用することで、金投資の知識を深められます。年に1回程度、ポートフォリオ全体を見直し、金の保有比率が適切かを確認することもおすすめです。
純金積立に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。これから純金積立を始める方が疑問に思いやすいポイントを中心に解説します。
「純金積立 やめとけ」という意見は、主に手数料の高さやNISA非対応といったデメリットを理由にしています。確かに、投資信託やETFと比べると手数料負担が大きく、税制優遇もありません。
しかし、現物資産として金を保有したい方や、インフレ対策・リスク分散を重視する方にとっては、純金積立は有効な選択肢です。デメリットを理解した上で、ご自身の投資目的に合っているかを判断することが重要です。
純金積立で得た売却益は、譲渡所得として課税されます。税率は約20.315%(所得税15.315%+住民税5%)です。年間の譲渡所得が50万円以下の場合、特別控除により課税されない場合があります。
売却益が発生した場合は、原則として確定申告が必要です。ただし、給与所得者で年間の譲渡所得が20万円以下の場合は、確定申告が不要になることもあります。詳しくは税務署や税理士にご相談ください。
多くの証券会社では、一定量(5グラム以上など)が貯まれば、金貨や金地金として現物引き出しが可能です。ただし、現物転換手数料がかかる場合が多く、数千円程度の費用が発生します。
現物引き出しには最低引出量が設定されているため、少額積立の場合は数年以上かかることもあります。頻繁に引き出すと手数料負担が大きくなるため、長期保有を前提に計画的に引き出すことをおすすめします。
金価格が下落しても、慌てて売却する必要はありません。純金積立はドルコスト平均法により、価格が下がった時には多く購入できるため、長期的には平均購入単価を下げる効果があります。
短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的な視点で積立を継続することが大切です。金融庁も、長期・積立・分散投資の重要性を推奨しています。
証券会社で純金積立を行っている場合、日本投資者保護基金により一定額(上限1,000万円)まで補償される可能性があります。また、「特定保管」方式であれば、顧客の金が個別に保管されているため、業者破綻時でも資産が保全されやすくなります。
一方、「消費寄託」方式の場合、顧客の金が混蔵保管されているため、破綻時に全額が戻ってこないリスクがあります。業者選びの際は、保管方法と補償制度を必ず確認しましょう。信頼性の高い大手証券会社を選ぶことも、リスク軽減につながります。
純金積立は、月1,000円程度の少額から金投資を始められる手軽な方法です。ドルコスト平均法により価格変動リスクを抑えながら、現物資産として金を保有できる点が大きな魅力です。
一方で、手数料の高さ、配当・利息がないこと、NISA非対応といったデメリットもあります。これらのデメリットを理解した上で、ご自身の投資目的に合っているかを慎重に判断することが重要です。
証券会社選びでは、SBI証券・楽天証券・マネックス証券の3社がおすすめです。手数料の安さ、ポイントサービス、NISA対応の金投資信託の充実度など、それぞれに特徴があります。手数料やサービス内容を比較して、ご自身に最適な証券会社を選びましょう。
また、純金積立だけでなく、金ETFや金投資信託との比較も検討してください。税制優遇を重視するならNISA対応の金投資信託、手数料を抑えたいなら金ETF、現物保有を重視するなら純金積立という選択になります。
純金積立は長期保有を前提とした投資方法です。短期的な価格変動に惑わされず、コツコツと積み立てを続けることで、将来の資産形成に役立てることができます。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、慎重にご検討ください。
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