投資信託の仕組みとは?初心者向けにわかりやすく解説

投資信託の仕組みとは?初心者向けにわかりやすく解説

投資信託という言葉は聞いたことがあっても、実際にどんな仕組みで成り立っているのか分からない方も多いのではないでしょうか。

投資信託は、多くの投資家から集めたお金をプロが運用し、その成果を投資家に分配する金融商品です。

この記事では、投資信託の基本的な仕組みから、メリット・デメリット、始め方まで初心者向けに分かりやすく解説します。

投資信託を理解することで、少額から資産形成を始める第一歩を踏み出せるでしょう。ぜひ最後まで読んで、投資信託の仕組みを理解してください。

この記事の要約
  • 投資信託は販売会社・運用会社・信託銀行の3つの機関が役割分担して成り立つ仕組み
  • 少額から始められ、プロに運用を任せられる初心者向けの金融商品
  • 元本割れのリスクがあるため、仕組みを理解した上で自己責任で判断することが重要
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

投資信託とは?|3つの機関が支える仕組み

投資信託は、複数の投資家から集めた資金を専門家が運用し、その成果を投資家に分配する金融商品です。この仕組みは3つの機関が役割を分担することで成り立っています。

投資信託の基本的な定義

投資信託とは、多くの投資家から資金を集めて、専門家が株式や債券などに分散投資し、運用成果を投資家に還元する金融商品です。投資家は投資信託を購入することで、間接的に様々な資産に投資できます。

投資信託協会によると、投資信託は「多数の投資家から資金を集めて運用する」仕組みとして定義されています。個人では難しい分散投資を、少額から実現できる点が大きな特徴です。

投資信託協会:投資信託の基礎

投資信託には「元本保証がない」という重要な特徴があります。運用成果によっては、投資した金額を下回る可能性があることを理解しておく必要があります。

販売会社(証券会社・銀行)の役割

販売会社は、投資家と投資信託をつなぐ窓口の役割を果たします。証券会社や銀行が販売会社として、投資信託の販売・換金・分配金の支払いなどを行います。

販売会社の主な業務は、投資信託の募集・販売、目論見書の交付、口座管理、分配金・償還金の支払いです。投資家からの問い合わせ対応やアフターサービスも販売会社が担当します。

投資家は販売会社を通じて投資信託を購入するため、どの販売会社を選ぶかは重要なポイントです。手数料体系やサービス内容は販売会社によって異なります。

運用会社(委託者)の役割

運用会社は、投資信託の運用方針を決定し、実際に資産を運用する専門機関です。委託者とも呼ばれ、投資信託の中核的な役割を担います。

運用会社の主な業務は、運用方針の策定、投資先の調査・分析、売買の指図、運用報告書の作成です。ファンドマネージャーと呼ばれる専門家が、市場動向を分析しながら運用判断を行います。

運用会社は投資家から預かった資金を直接管理するのではなく、信託銀行に運用の指図を出す立場です。これにより、運用と資産保管の役割が分離され、投資家の資産が守られる仕組みになっています。

信託銀行(受託者)の役割

信託銀行は、投資家から集めた資金を実際に保管・管理する機関です。受託者とも呼ばれ、投資家の資産を安全に守る重要な役割を担います。

信託銀行の主な業務は、投資家の資産の保管・管理、運用会社からの指図に基づく売買の執行、資産の計算・記録です。信託銀行は運用会社とは独立した機関であり、資産を分別管理することで投資家を保護しています。

この分別管理の仕組みにより、万が一販売会社や運用会社が倒産しても、投資家の資産は保全されます。信託銀行が独立した立場で資産を管理することが、投資信託の安全性を支える基盤となっています。

金融庁:NISA特設ウェブサイト

投資信託の3つの特徴|初心者でも始めやすい理由

投資信託が初心者に適している理由は、少額から始められること、プロに運用を任せられること、分散投資でリスクを軽減できることの3つの特徴にあります。

少額から始められる(100円からOK)

投資信託の大きな魅力は、100円という少額から投資を始められることです。個別株の購入には数万円から数十万円が必要になることが多いのに対し、投資信託なら気軽に投資をスタートできます。

多くのネット証券では、投資信託を100円から購入できる仕組みを提供しています。たとえば、SBI証券や楽天証券では、100円から積立投資が可能です。毎月1万円の積立も、100円ずつ複数の投資信託に分散することができます。

少額投資のメリットは、投資経験を積みながらリスクを抑えられる点にあります。最初は少額で始めて、投資信託の仕組みや値動きに慣れてから投資額を増やすという段階的なアプローチが可能です。

また、少額から始められることで、若い世代や投資初心者でも資産形成をスタートしやすくなります。毎月の余裕資金が少なくても、コツコツと積み立てることで長期的な資産形成につながります。

プロに運用をおまかせできる

投資信託では、ファンドマネージャーと呼ばれる投資の専門家が運用を担当します。個人投資家が自分で銘柄を選んだり、売買のタイミングを判断したりする必要がありません。

運用のプロは、市場動向の分析、企業の財務状況の調査、経済指標のチェックなど、専門的な知識とノウハウを活かして投資判断を行います。個人では難しい高度な分析や情報収集を、プロに任せられるのが投資信託の強みです。

投資の知識や経験が少ない初心者にとって、プロに運用を任せられることは大きな安心材料になります。仕事や家事で忙しい人でも、専門家が運用してくれるため、日々の値動きを細かくチェックする必要がありません。

ただし、プロが運用するからといって必ず利益が出るわけではありません。市場環境によっては損失が出ることもあり、元本割れのリスクは存在します。プロの運用は「損失を避ける保証」ではなく、「専門的な判断に基づいた運用」という意味で理解することが大切です。

分散投資でリスクを軽減できる

投資信託は、1つの商品を購入するだけで、複数の株式や債券に分散投資できる仕組みです。分散投資は、リスクを軽減する投資の基本原則として広く知られています。

金融庁も、長期・積立・分散投資の重要性を推奨しています。特定の銘柄や資産に集中投資すると、その銘柄が値下がりした場合に大きな損失を被る可能性があります。一方、複数の資産に分散することで、一部が値下がりしても他の資産でカバーできる可能性が高まります。

金融庁:投資の基本

たとえば、個別株を購入する場合、1社の株式に数万円を投資することになります。しかし投資信託なら、同じ金額で数十社から数百社の株式に分散投資できます。国内株式だけでなく、海外株式や債券など、様々な資産に分散する投資信託もあります。

分散投資のもう1つのメリットは、地域や業種の偏りを避けられることです。日本株だけに投資するのではなく、米国株や新興国株にも分散することで、特定の国や地域の経済状況に左右されにくくなります。

ただし、分散投資はリスクをゼロにするものではありません。市場全体が下落する局面では、分散投資をしていても損失が出る可能性があります。分散投資は「リスクを軽減する手段」であり、「損失を完全に防ぐ方法」ではないことを理解しておきましょう。

投資信託の種類|インデックスとアクティブの違い

投資信託には大きく分けてインデックスファンドとアクティブファンドの2種類があります。それぞれの特徴を理解することで、自分に合った投資信託を選びやすくなります。

インデックスファンドとは

インデックスファンドは、日経平均株価やS&P500などの市場指数(インデックス)に連動する運用成果を目指す投資信託です。市場全体の動きに合わせて運用されるため、シンプルで分かりやすい特徴があります。

インデックスファンドの最大のメリットは、信託報酬(運用管理費用)が低いことです。市場指数に連動させるだけなので、銘柄選定や売買判断にかかるコストが少なく、年率0.1%〜0.5%程度の低コストで運用できる商品が多くあります。

代表的なインデックスファンドには、日経平均株価に連動するもの、TOPIX(東証株価指数)に連動するもの、米国のS&P500に連動するものなどがあります。初心者が最初に選ぶ投資信託として、インデックスファンドは適した選択肢です。

インデックスファンドのデメリットは、市場平均以上のリターンは期待できないことです。市場全体が下落する局面では、インデックスファンドも同様に下落します。ただし、長期的には市場全体の成長に合わせて資産が増える可能性があります。

アクティブファンドとは

アクティブファンドは、ファンドマネージャーが独自の判断で銘柄を選定し、市場平均を上回る運用成果を目指す投資信託です。プロの投資判断により、市場平均以上のリターンを狙います。

アクティブファンドの特徴は、運用会社の調査・分析力が運用成果に直結することです。優秀なファンドマネージャーが運用するアクティブファンドは、市場平均を大きく上回るリターンを実現することもあります。

一方で、アクティブファンドは信託報酬が高めに設定されています。銘柄調査や売買判断にコストがかかるため、年率1%〜2%程度の信託報酬がかかる商品が一般的です。インデックスファンドと比べると、コスト面では不利になります。

また、すべてのアクティブファンドが市場平均を上回るわけではありません。運用成績が市場平均を下回るアクティブファンドも多く存在します。過去の運用実績が良くても、将来も同じ成績を維持できる保証はありません。

どちらを選ぶべき?|初心者向けの判断基準

投資初心者には、まずインデックスファンドから始めることをおすすめします。理由は、コストが低く、仕組みがシンプルで分かりやすいためです。

インデックスファンドを選ぶべき人

長期的にコツコツ積み立てたい人

運用コストを抑えたい人

投資の知識や経験が少ない人

一方、アクティブファンドを選ぶべき人は、市場平均以上のリターンを狙いたい人、特定のテーマや地域に投資したい人、ある程度の投資経験がある人です。ただし、高い信託報酬を支払ってもそれに見合うリターンが得られるかは不確実です。

実際の選び方としては、まずインデックスファンドで投資信託に慣れてから、一部をアクティブファンドに振り分けるという方法もあります。投資資金の7〜8割をインデックスファンド、2〜3割をアクティブファンドにするなど、バランスを取った配分も有効です。

最終的には、ご自身の投資目的、リスク許容度、投資期間に合わせて選ぶことが大切です。どちらが絶対に優れているというわけではなく、それぞれの特徴を理解した上で判断しましょう。

投資信託の手数料|3つのコストを理解しよう

投資信託には主に3つの手数料がかかります。これらのコストを理解することで、実質的なリターンを正しく把握できます。

購入時手数料(販売手数料)

購入時手数料は、投資信託を購入する際に販売会社に支払う手数料です。購入金額に対して一定の割合がかかり、販売手数料とも呼ばれます。

購入時手数料の水準は、投資信託の種類や販売会社によって異なります。一般的には購入金額の0%〜3%程度です。たとえば、10万円の投資信託を購入時手数料3%で買った場合、3,000円の手数料がかかり、実際に運用される金額は97,000円になります。

最近では、購入時手数料が無料の「ノーロード」と呼ばれる投資信託が増えています。特にネット証券では、多くの投資信託をノーロードで購入できます。購入時手数料がかからない分、より多くの金額を運用に回せるため、初心者にはノーロードの投資信託がおすすめです。

同じ投資信託でも、販売会社によって購入時手数料が異なる場合があります。証券会社Aでは手数料がかかるのに、証券会社Bでは無料ということもあるため、購入前に複数の販売会社を比較することが大切です。

NISA口座で投資信託を購入する場合、多くの販売会社で購入時手数料が無料になっています。NISA制度を活用することで、コストを抑えた投資が可能です。

信託報酬(運用管理費用)

信託報酬は、投資信託を保有している間、継続的にかかる手数料です。運用管理費用とも呼ばれ、運用会社・販売会社・信託銀行の3者に支払われます。

信託報酬は、投資信託の純資産総額に対して年率で表示されます。たとえば、信託報酬が年率1%の投資信託を100万円分保有している場合、年間で約1万円の手数料がかかります。この手数料は日割りで自動的に差し引かれるため、投資家が直接支払う必要はありません。

信託報酬の水準は、投資信託の種類によって大きく異なります。インデックスファンドは年率0.1%〜0.5%程度、アクティブファンドは年率1%〜2%程度が一般的です。信託報酬が高いほど、運用成果から差し引かれる金額が大きくなります。

長期投資では、信託報酬の差が運用成果に大きく影響します。たとえば、信託報酬0.2%のファンドと1.5%のファンドを20年間保有した場合、最終的な資産額に数十万円の差が出ることもあります。信託報酬は毎年かかるコストなので、できるだけ低い投資信託を選ぶことが重要です。

信託報酬の内訳は、目論見書に記載されています。運用会社、販売会社、信託銀行にそれぞれどの程度の報酬が配分されているかを確認できます。投資信託を選ぶ際は、信託報酬の水準を必ずチェックしましょう。

信託財産留保額(解約手数料)

信託財産留保額は、投資信託を解約(換金)する際にかかる手数料です。解約手数料とも呼ばれ、解約金額に対して一定の割合が差し引かれます。

信託財産留保額の目的は、解約によって発生する売買コストを、残存する投資家に負担させないことです。投資信託を解約すると、運用会社は保有している株式などを売却する必要があり、そのコストが発生します。このコストを解約する投資家に負担してもらうのが信託財産留保額の仕組みです。

信託財産留保額の水準は、投資信託によって異なります。一般的には解約金額の0%〜0.5%程度です。多くの投資信託では信託財産留保額が設定されていないか、設定されていても0.3%程度と低めです。

信託財産留保額がかかる投資信託でも、長期保有を前提とする場合は大きな負担にはなりません。たとえば、100万円の投資信託を解約する際に信託財産留保額が0.3%の場合、3,000円が差し引かれます。頻繁に売買しなければ、影響は限定的です。

一部の投資信託では、保有期間に応じて信託財産留保額が変動する仕組みもあります。短期間で解約すると高い手数料がかかり、長期保有すると手数料が安くなるか無料になるケースです。目論見書で信託財産留保額の条件を確認しておきましょう。

投資信託のリスク|気をつけたい4つのポイント

投資信託には様々なリスクがあります。リスクを正しく理解することで、適切な投資判断ができるようになります。

元本割れのリスク(価格変動リスク)

投資信託の最も基本的なリスクは、元本割れのリスクです。投資信託は預金と異なり、元本保証がありません。運用成果によっては、投資した金額を下回る可能性があります。

価格変動リスクは、投資信託が保有する株式や債券の価格が変動することで発生します。株式市場が下落すれば、株式を組み入れた投資信託の価格も下落します。債券市場が下落すれば、債券を組み入れた投資信託の価格も下落します。

金融庁も、投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があることを明確に示しています。過去の運用実績が良好であっても、将来の運用成果を保証するものではありません。

金融庁:リスク情報の開示について

元本割れのリスクを軽減する方法は、長期投資と分散投資です。短期的には価格が大きく変動しても、長期的には市場の成長に合わせて回復する可能性があります。また、複数の資産に分散投資することで、特定の資産の下落による影響を抑えられます。

為替変動リスク(外国資産の場合)

外国の株式や債券に投資する投資信託には、為替変動リスクがあります。為替レートの変動により、外貨建ての資産を円に換算した際の価値が変動するリスクです。

たとえば、米国株に投資する投資信託を保有している場合、米国株の価格が上がっても、円高になれば円換算での価値は目減りします。逆に、米国株の価格が下がっても、円安になれば円換算での価値は上がることもあります。

為替変動リスクは、外国資産に投資する投資信託を保有する際に必ず考慮すべきポイントです。特に短期的には、株価の変動よりも為替の変動の方が大きな影響を与えることもあります。

為替変動リスクを避けたい場合は、為替ヘッジ付きの投資信託を選ぶ方法があります。為替ヘッジとは、為替変動の影響を抑える仕組みです。ただし、為替ヘッジにはコストがかかるため、為替ヘッジなしの投資信託よりも信託報酬が高くなる傾向があります。

信用リスク(発行体の倒産)

信用リスクとは、投資信託が保有する株式や債券の発行体(企業や国)が倒産したり、財務状況が悪化したりすることで、投資信託の価値が下落するリスクです。

株式の場合、企業が倒産すると株式の価値はゼロになります。投資信託が倒産企業の株式を保有していた場合、その分の損失が発生します。ただし、投資信託は複数の銘柄に分散投資しているため、1社の倒産が全体に与える影響は限定的です。

債券の場合、発行体が債務不履行(デフォルト)を起こすと、利息や元本が支払われなくなります。特に、信用格付けの低い企業や国の債券を組み入れた投資信託は、信用リスクが高くなります。

信用リスクを軽減するには、信用格付けの高い企業や国の債券を中心に投資する投資信託を選ぶことが有効です。また、複数の発行体に分散投資することで、特定の発行体の倒産による影響を抑えられます。

流動性リスク(換金できない可能性)

流動性リスクとは、投資信託を換金したいときに、すぐに換金できなかったり、不利な価格で換金せざるを得なかったりするリスクです。

一般的な投資信託は、換金の申し込みから数営業日で換金できます。しかし、市場が混乱している時期や、投資信託が保有する資産の売却が困難な場合、換金に時間がかかることがあります。

特に、新興国の株式や債券、不動産など、取引量が少ない資産に投資する投資信託は、流動性リスクが高くなります。市場の流動性が低下すると、投資信託が保有する資産を売却する際に、想定よりも低い価格でしか売れないことがあります。

また、投資信託によっては、一定期間換金できない「クローズド期間」が設定されている場合があります。目論見書で換金の条件を確認し、急に資金が必要になった場合でも換金できるかを把握しておくことが大切です。

投資信託の始め方|5つのステップで解説

投資信託を始めるには、いくつかのステップを踏む必要があります。ここでは、初心者でも分かりやすいように、5つのステップで具体的な手順を解説します。

証券会社または銀行で口座開設

投資信託を購入するには、まず証券会社または銀行で口座を開設する必要があります。口座開設は、オンラインで完結できる証券会社が増えており、最短で即日から数営業日で開設できます。

口座開設に必要なものは、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)、マイナンバー確認書類、銀行口座情報です。スマートフォンで本人確認書類を撮影してアップロードするだけで、簡単に申し込みができます。

証券会社を選ぶ際のポイント

取扱商品数が豊富

手数料が安い

使いやすいツール・アプリ

サポート体制が充実

初心者には、SBI証券や楽天証券などの大手ネット証券がおすすめです。これらの証券会社は、取扱商品が豊富で、手数料が安く、初心者向けのサポートも充実しています。

NISA口座を開設する場合は、通常の口座開設と同時に申し込むことができます。NISA口座は1人1口座しか開設できないため、どの金融機関で開設するかは慎重に選びましょう。

投資信託を選ぶ(目論見書を確認)

口座開設が完了したら、次は投資信託を選びます。証券会社のウェブサイトやアプリで、投資信託を検索・比較できます。

投資信託を選ぶ際は、必ず目論見書を確認しましょう。目論見書には、投資信託の運用方針、投資対象、手数料、リスクなどの重要な情報が記載されています。特に、信託報酬や購入時手数料などのコスト面は必ずチェックしてください。

初心者におすすめの投資信託は、インデックスファンドです。信託報酬が低く、仕組みがシンプルで分かりやすいため、最初の投資に適しています。代表的なものとして、日経平均株価やS&P500に連動するインデックスファンドがあります。

投資信託を選ぶ際の基準

投資対象(国内株式、海外株式、債券など)

コスト(信託報酬、購入時手数料)

運用実績

純資産総額

純資産総額が大きい投資信託は、多くの投資家から支持されている証拠であり、安定性の目安になります。

購入方法を決める(一括・積立)

投資信託の購入方法には、一括購入と積立購入の2つがあります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った方法を選びましょう。

一括購入は、まとまった資金で一度に投資信託を購入する方法です。手元に余裕資金がある場合や、市場のタイミングを見て投資したい場合に適しています。ただし、購入後に価格が下落するリスクもあるため、タイミングの判断が重要です。

積立購入は、毎月一定額を自動的に投資する方法です。少額から始められ、購入タイミングを分散できるため、価格変動のリスクを軽減できます。初心者には積立購入がおすすめです。

積立購入のメリットは、ドルコスト平均法の効果を得られることです。価格が高い時は少ない口数を、価格が低い時は多くの口数を購入できるため、平均購入単価を抑える効果があります。また、自動的に積み立てられるため、投資を習慣化しやすいのも利点です。

多くの証券会社では、月100円から積立投資が可能です。最初は少額から始めて、慣れてきたら金額を増やすという方法も有効です。

購入金額を入力して注文

購入方法を決めたら、実際に注文を出します。証券会社のウェブサイトやアプリで、購入したい投資信託を検索し、購入画面に進みます。

購入画面では、購入金額または購入口数を入力します。投資信託は「口数」という単位で取引されますが、多くの証券会社では金額指定での購入が可能です。たとえば、「1万円分購入」というように、金額で指定できます。

積立購入の場合は、毎月の積立金額、積立日、引き落とし方法(銀行口座またはクレジットカード)を設定します。一度設定すれば、毎月自動的に積み立てられるため、手間がかかりません。

注文内容を確認し、問題がなければ注文を確定します。注文が成立すると、通常は翌営業日以降に投資信託が購入されます。購入価格は、注文日の翌営業日の基準価額(投資信託の1口あたりの価格)で決まります。

運用状況を定期的にチェック

投資信託を購入したら、定期的に運用状況をチェックすることが大切です。ただし、毎日チェックする必要はありません。月に1回程度、運用成果を確認する習慣をつけましょう。

証券会社のウェブサイトやアプリで、保有している投資信託の評価額、損益、運用実績を確認できます。評価額が購入時より増えていれば利益が出ており、減っていれば損失が出ている状態です。

短期的な価格変動に一喜一憂する必要はありません。投資信託は長期投資が基本です。一時的に価格が下落しても、長期的には市場の成長に合わせて回復する可能性があります。

定期的にチェックすべきポイント

運用方針が変わっていないか

信託報酬が変更されていないか

純資産総額が大きく減少していないか

運用報告書が定期的に発行されるので、内容を確認しておきましょう。また、ライフステージの変化に応じて、投資信託の見直しも必要です。結婚や出産、住宅購入などのライフイベントがあった場合は、投資方針やリスク許容度を再確認し、必要に応じてポートフォリオを調整しましょう。

銀行と証券会社の違い|どちらで買うべき?

投資信託は銀行でも証券会社でも購入できますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。どちらで購入すべきか、判断基準を解説します。

銀行で買うメリット・デメリット

銀行で投資信託を購入するメリットは、普段利用している銀行で取引できる安心感と、対面での相談がしやすいことです。銀行の窓口で担当者に相談しながら投資信託を選べるため、初心者には心強いでしょう。

また、銀行口座と同じ金融機関で投資信託を管理できるため、資金の移動がスムーズです。給与振込口座と同じ銀行で投資信託を購入すれば、積立投資の設定も簡単にできます。

一方、銀行で投資信託を購入するデメリットは、取扱商品数が少ないことと、手数料が高めなことです。銀行が取り扱う投資信託は、証券会社と比べて選択肢が限られています。また、購入時手数料がかかる商品が多く、信託報酬も高めの傾向があります。

さらに、銀行の窓口での相談は、営業時間内に店舗に行く必要があるため、時間的な制約があります。仕事が忙しい人にとっては、利用しにくい場合もあります。

証券会社で買うメリット・デメリット

証券会社で投資信託を購入するメリットは、取扱商品数が圧倒的に多いことと、手数料が安いことです。特にネット証券では、2,000本以上の投資信託を取り扱っており、幅広い選択肢から選べます。

また、多くの投資信託を購入時手数料無料(ノーロード)で購入でき、信託報酬も低い商品が豊富です。コストを抑えた投資ができるため、長期的なリターンを最大化しやすくなります。

ネット証券では、24時間いつでもオンラインで取引できるため、時間や場所を選びません。スマートフォンアプリも充実しており、外出先でも簡単に取引や確認ができます。

証券会社のデメリットは、対面での相談がしにくいことです。ネット証券の場合、基本的にオンラインでの取引が中心となるため、担当者と直接相談する機会は少なくなります。ただし、電話やチャットでのサポートは充実しており、初心者向けの情報提供も豊富です。

初心者におすすめの購入先は?

初心者には、ネット証券での購入をおすすめします。理由は、取扱商品が多く、手数料が安く、初心者向けのサポートが充実しているためです。

おすすめのネット証券

SBI証券:取扱本数が業界トップクラス

楽天証券:楽天ポイントを投資に使える

マネックス証券:米国株に強い

これらの証券会社は、取扱商品数が2,000本以上あり、多くの投資信託をノーロードで購入できます。また、100円から積立投資ができるため、少額から始めたい初心者に適しています。

SBI証券は、投資信託の取扱本数が業界トップクラスで、ポイント投資やクレジットカード積立など、お得なサービスが充実しています。楽天証券は、楽天ポイントを投資に使えるため、楽天経済圏を利用している人に特におすすめです。

一方、対面での相談を重視したい人や、投資に不安が大きい人は、銀行での購入も選択肢の1つです。ただし、手数料が高くなることを理解した上で選びましょう。

最終的には、ご自身の投資スタイルや優先事項に合わせて選ぶことが大切です。コストを重視するならネット証券、対面サポートを重視するなら銀行という基準で判断するとよいでしょう。

投資信託の資産保護|倒産しても大丈夫?

投資信託を購入する際、販売会社や運用会社が倒産したらどうなるのか、不安に思う人も多いでしょう。ここでは、投資信託の資産保護の仕組みを解説します。

分別管理の仕組み

投資信託の資産は、分別管理という仕組みで保護されています。分別管理とは、投資家の資産と金融機関の資産を明確に分けて管理する仕組みです。

投資信託では、投資家から集めた資金を信託銀行が管理し、運用会社とは別に保管します。この仕組みにより、運用会社や販売会社が倒産しても、投資家の資産は保全されます。

金融商品取引法により、金融機関は顧客の資産を自社の資産と分別して管理することが義務付けられています。この法律により、投資家の資産が金融機関の経営破綻の影響を受けないよう保護されています。

分別管理の仕組みは、投資信託の安全性を支える重要な基盤です。投資信託を購入する際は、金融庁に登録された正規の金融機関で取引することが大切です。

販売会社が倒産した場合

販売会社(証券会社や銀行)が倒産した場合でも、投資家の資産は保護されます。投資信託の資産は信託銀行が管理しており、販売会社の資産とは分別されているためです。

販売会社が倒産した場合、投資家は別の販売会社に口座を移管することで、引き続き投資信託を保有できます。口座移管の手続きは、移管先の販売会社が案内してくれるため、投資家自身で複雑な手続きをする必要はありません。

また、投資者保護基金という制度により、万が一分別管理が適切に行われていなかった場合でも、1人あたり1,000万円まで補償されます。この制度は、投資家を二重に保護する仕組みとして機能しています。

運用会社が倒産した場合

運用会社が倒産した場合も、投資家の資産は保護されます。投資信託の資産は信託銀行が管理しており、運用会社の資産とは完全に分離されているためです。

運用会社が倒産した場合、通常は別の運用会社が投資信託の運用を引き継ぎます。投資家は引き続き同じ投資信託を保有でき、運用方針も基本的に維持されます。

ただし、運用会社の倒産により、投資信託が繰上償還(予定よりも早く運用を終了すること)される可能性もあります。繰上償還された場合、投資家は保有する投資信託を強制的に換金されることになります。その際の価格は、償還時の基準価額で計算されます。

投資信託を選ぶ際は、運用会社の経営状況や純資産総額もチェックしておくとよいでしょう。純資産総額が大きく、安定した運用実績のある投資信託は、繰上償還のリスクが低い傾向があります。

まとめ

投資信託は、販売会社・運用会社・信託銀行の3つの機関が役割分担することで成り立つ仕組みです。少額から始められ、プロに運用を任せられ、分散投資でリスクを軽減できるため、初心者に適した金融商品と言えます。

投資信託にはインデックスファンドとアクティブファンドがあり、初心者にはコストが低くシンプルなインデックスファンドがおすすめです。購入時手数料、信託報酬、信託財産留保額の3つのコストを理解し、できるだけ低コストの投資信託を選ぶことが長期的なリターンを高めるポイントです。

投資信託には元本割れのリスク、為替変動リスク、信用リスク、流動性リスクがあることを理解しておきましょう。リスクを軽減するには、長期投資と分散投資が有効です。購入先は、取扱商品数が多く手数料が安いネット証券がおすすめです。

投資信託の資産は分別管理により保護されており、販売会社や運用会社が倒産しても投資家の資産は守られます。まずは少額から積立投資を始めて、投資信託の仕組みや値動きに慣れることから始めましょう。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは各証券会社や金融機関にご確認いただくことをおすすめします。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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