楽天証券の確定申告|必要なケースと手順を解説

老後資金の準備を考えたとき、「iDeCoを始めたいけど、どこで口座を開けばいいの?」と悩んでいませんか。
iDeCoは金融機関によって運営管理手数料や商品ラインナップが大きく異なるため、選び方次第で将来の資産額に数十万円の差が出ることもあります。
この記事では、主要な金融機関5社を徹底比較し、あなたに最適な選び方を解説します。
手数料無料で商品が充実している金融機関を選べば、効率的に老後資金を準備できます。
金融機関選びのポイントから具体的な節税シミュレーションまで、iDeCoを始めるために必要な情報をすべてお伝えします。
目次
iDeCo(イデコ)を始めるならこの5社
iDeCoを始めるなら、運営管理手数料が無料で商品ラインナップが充実している金融機関を選ぶことが重要です。ここでは、初心者から経験者まで幅広くおすすめできる主要5社の特徴を紹介します。
各社とも運営管理手数料は無料ですが、商品数やサポート体制、使いやすさに違いがあります。自分の投資スタイルや重視するポイントに合わせて選びましょう。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約15,000,000口座 ※2025年11月25日時点(SBIネオモバイル証券など含む) |
| 取引手数料 | 【スタンダードプラン(1注文ごと)】 取引金額に関係なく0円【アクティブプラン(1日定額制)】 1日100万円以下の取引:0円※現物取引・信用取引・単元未満株(S株)もすべて対象です。 |
| NISA対応 | 〇 |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(259銘柄)※2025年3月3日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 外国株 / 投資信託(約1,329銘柄 ※2025年3月3日時点) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年3月3日時点 |
| 外国株 | 8カ国/米国株式(5,000銘柄) |
| 取引ツール(PC) | HYPER SBI 2 / HYPER SBI / SBI CFDトレーダー |
| スマホアプリ | SBI証券 株アプリ / 米国株アプリ / かんたん積立 / HYPER FX / HYPER 先物 / HYPER CFD |
| 提携銀行口座 | SBI新生銀行 / 住信SBIネット銀行 |
| ポイント投資・付与 | Pontaポイント / dポイント / Vポイント(クレカ積立) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
SBI証券の特徴
商品数約90本でiDeCo業界トップクラス
eMAXIS Slimシリーズなど信託報酬0.1%以下の低コスト商品が充実
口座数約1,500万口座の実績と信頼性
SBI証券は約90本の商品ラインナップを誇り、iDeCo取扱金融機関の中でトップクラスの品揃えです。eMAXIS Slimシリーズをはじめとする信託報酬0.1%以下の低コスト商品が充実しており、長期投資で手数料負担を最小限に抑えられます。
全世界株式や米国株式(S&P500)など人気の投資信託はもちろん、バランス型ファンドや債券ファンドまで幅広く取り揃えています。商品選びの自由度が高いため、自分でポートフォリオを組みたい中級者以上の方にも最適です。
管理画面もシンプルで見やすく、スマホアプリからも資産状況を簡単に確認できます。口座数は約1,500万口座を超え、多くの投資家から信頼されている実績があります。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約12,000,000口座 ※2025年1月時点 |
| 取引手数料 | 【ゼロコース】 国内株式(現物・信用):0円 かぶミニ®(単元未満株):0円 投資信託:0円 ※ゼロコース選択時。 ※一部、スプレッドや信託財産留保額が発生する場合があります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 263銘柄 ※2025年4月24日時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式 / 外国株式 / 投資信託(約1,345銘柄) |
| 投資信託 | 約2,550本 ※2025年4月24日時点 |
| 外国株 | 6カ国/米国株式(約4,500銘柄) |
| 取引ツール(PC) | マーケットスピード / マーケットスピード II / 楽天MT4 |
| スマホアプリ | iSPEED / iSPEED for iPad / iSPEED FX / iSPEED 先物 |
| 提携銀行口座 | 楽天銀行(マネーブリッジ) |
| ポイント投資・付与 | 楽天ポイント(投資信託 / 国内株式 / 米国株式<円貨決済>) |
| 口座開設スピード | 最短 翌営業日 |
楽天証券の特徴
運用残高に応じて楽天ポイントが貯まる
商品数約35本で厳選された低コスト商品
楽天経済圏との連携で資産管理を一元化
楽天証券の最大の魅力は、楽天経済圏との連携です。iDeCoの運用残高に応じて楽天ポイントが貯まり、貯まったポイントは楽天市場でのお買い物や楽天モバイルの支払いに使えます。
商品数は約35本と厳選されたラインナップですが、eMAXIS Slimシリーズや楽天バンガードシリーズなど低コストで人気の商品はしっかりカバーしています。初心者が迷わないよう、質の高い商品を絞り込んでいる点が特徴です。
管理画面の「iDeCo NAVI」は直感的で使いやすく、投資初心者でも迷わず操作できます。楽天銀行や楽天カードを利用している方なら、資産管理を一元化できるメリットもあります。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約1,670,000口座 ※2025年3月時点 |
| 取引手数料 | 【ボックスレート(1日定額制)】 1日の約定代金合計50万円まで:0円 50万円超:1,000円(税込1,100円)~※25歳以下なら約定代金に関わらず手数料無料 |
| NISA対応 | 〇(日本株、米国株、投資信託すべて売買手数料無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(銘柄数は公式サイトで確認) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 投資信託(約1,800本以上) |
| 投資信託 | 約1,900本以上(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 米国株:約4,900銘柄(2025年4月23日時点) |
| 取引ツール(PC) | ネットストック・ハイスピード(無料) |
| スマホアプリ | 日本株アプリ / 投信アプリ / 米国株アプリ(すべて無料) |
| 提携銀行口座 | MATSUI Bank(松井証券専用銀行) |
| ポイント投資・付与 | 松井証券ポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | 最短即日(スマートフォンによるオンライン申込) |
松井証券の特徴
専用のiDeCoサポートデスクで平日8時30分~17時まで電話相談可能
商品数約40本で厳選された低コスト商品
HDI-Japanの問い合わせ窓口格付けで最高評価の三つ星
松井証券は創業100年を超える老舗証券会社で、サポート体制の充実度が際立っています。専用のiDeCoサポートデスクがあり、平日8時30分から17時まで電話で相談できるため、投資初心者でも安心して始められます。
商品数は約40本で、厳選された低コスト商品が中心です。「どの商品を選べばいいか分からない」という初心者向けに、リスク許容度診断ツールも用意されており、自分に合った商品を見つけやすくなっています。
手数料は運営管理手数料が無料で、他社と同水準です。HDI-Japan(ヘルプデスク協会)の問い合わせ窓口格付けで最高評価の三つ星を獲得しており、サポート品質の高さが第三者機関からも認められています。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数 | 約2,700,000口座 ※2025年2月時点 |
| 取引手数料 | 【取引毎手数料コース】
|
| NISA対応 | 〇(日本株・米国株・中国株・投資信託の売買手数料が無料) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 〇(銘柄数は公式サイトで確認) |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株 / 米国株 / 中国株 / 投資信託(約1,750本以上) |
| 投資信託 | 約1,800本(購入時手数料すべて無料) |
| 外国株 | 2カ国/米国株:約5,000銘柄以上(2025年1月27日時点) |
| 取引ツール(PC) | マネックストレーダー / 銘柄スカウター |
| スマホアプリ | マネックス証券アプリ / 米国株アプリ / 投信アプリ |
| 提携銀行口座 | マネックス証券専用銀行口座(詳細は公式サイトで確認) |
| ポイント投資・付与 | マネックスポイント / dポイント(投資信託の積立に利用可能) |
| 口座開設スピード | オンライン申込で最短翌営業日 |
マネックス証券の特徴
米国株式インデックスファンドのラインナップが充実
商品数約30本で信託報酬0.1%前後の低コスト商品
MONEX VISIONで将来の資産予測がグラフで分かりやすい
マネックス証券は米国株投資に強みを持つ証券会社として知られており、iDeCoでも米国株式インデックスファンドのラインナップが充実しています。商品数は約30本で、厳選された低コスト商品が中心です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)やiFree NYダウ・インデックスなど、米国市場に投資できる商品が豊富で、米国株式への長期投資を考えている方に最適です。信託報酬も0.1%前後の低コスト商品が揃っています。
管理画面は「MONEX VISION」というツールで資産分析ができ、将来の資産予測もグラフで分かりやすく表示されます。マネックスポイントが貯まり、dポイントや他のポイントに交換できる点も魅力です。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 口座数(残あり口座) | 約105.3万口座 ※2025年3月末時点 |
| 取引手数料 | 【国内株式】 約定代金 × 最大1.265%(税込) ※最低手数料2,750円(税込) 【米国株式】 約定代金 × 0.495%(税込) ※最低手数料22米ドル(税込) ※手数料は取引チャネルや銘柄により異なります。 |
| NISA対応 | 〇(新NISA:つみたて投資枠・成長投資枠ともに対応) |
| つみたて投資枠取扱銘柄数 | 29銘柄 ※2025年時点 |
| 成長投資枠対象商品 | 国内株式(約4,000銘柄) / 米国株式 / 投資信託(約285本) |
| 投資信託 | 約4,054本 ※2025年7月時点 |
| 外国株 | 米国株:約4,500銘柄 その他外国株:取扱限定的 |
| 取引ツール(PC) | オンライントレード(WEB) 専用取引アプリ(PC版) |
| スマホアプリ | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券アプリ(iOS / Android対応) |
| 提携銀行口座 | 三菱UFJ銀行(即時入出金サービス対応) |
| ポイント投資・付与 | なし(ポイント投資制度は未対応) |
| 口座開設スピード | 通常2〜3営業日 ※オンライン申込後、書類提出状況により変動 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の特徴
三菱UFJフィナンシャル・グループの安心感
全国に支店があり対面での相談も可能
商品数約30本でeMAXISシリーズを中心に低コスト商品
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJフィナンシャル・グループの一員として、大手金融機関ならではの安心感があります。口座数は約1,800万口座を超え、国内トップクラスの実績を誇ります。
商品数は約30本で、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS」シリーズを中心に低コスト商品が揃っています。全国に支店があり、対面での相談も可能なため、ネットだけでは不安という方にも安心です。
運営管理手数料は無料で、Pontaポイントが貯まる仕組みもあります。大手ならではの充実した投資情報レポートも定期的に配信され、投資判断の参考になります。
iDeCo(イデコ)ってどんな制度?
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を拠出し、自分で運用方法を選んで老後資金を準備する私的年金制度です。国民年金や厚生年金に上乗せして、自分で老後資金を積み立てる仕組みになっています。
iDeCoの最大のメリットは、掛金が全額「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象になる点です
例えば月2万円(年間24万円)を積み立てた場合、その24万円が課税所得から差し引かれるため、所得税と住民税が軽減されます。
年収500万円の会社員が月2万円を積み立てた場合、所得税率10%・住民税率10%として、年間約4.8万円の節税効果があります。これは預金や通常の投資信託にはない、iDeCo独自のメリットです。
節税効果は掛金を拠出した年から受けられるため、早く始めるほど累計の節税額は大きくなります。会社員の場合は年末調整で、自営業の方は確定申告で手続きを行います。
通常、投資信託や株式で得た利益には20.315%の税金がかかりますが、iDeCoで運用した場合は運用益が非課税になります。これにより、利益をそのまま再投資に回せるため、複利効果を最大限に活かせます。
例えば月2万円を30年間積み立て、年率5%で運用できた場合、通常の課税口座では約1,330万円になりますが、iDeCoの非課税口座では約1,660万円になります。この差額約330万円が、運用益非課税のメリットです。
長期投資では複利効果が大きく働くため、運用益非課税のメリットは運用期間が長いほど大きくなります。20代・30代の若い世代ほど、この恩恵を受けやすいと言えます。
iDeCoは受け取る際にも税制優遇があります。一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」が適用され、税負担が軽減されます。
退職所得控除は勤続年数(iDeCoの場合は加入期間)に応じて控除額が決まり、20年以下の場合は「40万円×加入年数」、20年超の場合は「800万円+70万円×(加入年数-20年)」となります。例えば30年加入した場合、1,500万円までは税金がかかりません。
年金として受け取る場合も、公的年金等控除が適用されるため、通常の所得よりも税負担が軽くなります。受取方法は一時金・年金・併用から選べるため、退職金の有無や他の収入状況に応じて最適な方法を選択できます。
iDeCoは原則として60歳まで引き出せないという制約があります。急な出費や住宅購入などで資金が必要になっても引き出せない点に注意が必要です
そのため、iDeCoは余裕資金で行うことが基本です。生活防衛資金(生活費の6か月分程度)を確保したうえで、無理のない金額で始めましょう。掛金は月5,000円から1,000円単位で設定でき、年1回まで変更可能です。
また、転職や収入減で掛金の拠出が難しくなった場合は、掛金を停止することもできます。停止しても口座は維持され、それまでの資産は運用を続けられますが、停止中は所得控除のメリットは受けられません。
金融機関選びで見るべき5つのポイント
iDeCoの金融機関選びでは、長期的な資産形成に影響する重要な要素を比較することが大切です。手数料や商品ラインナップだけでなく、使いやすさやサポート体制も含めて総合的に判断しましょう。
一度金融機関を決めた後も変更は可能ですが、手続きに時間と手数料がかかるため、最初から自分に合った金融機関を選ぶことが重要です。
運営管理手数料は金融機関が独自に設定できる手数料で、金融機関によって無料から年間数千円まで差があります。現在は主要なネット証券の多くが無料としているため、必ず無料の金融機関を選びましょう。
仮に運営管理手数料が月300円(年間3,600円)かかる金融機関で30年間運用した場合、総額10.8万円の手数料負担になります。この金額は運用益を圧迫するため、無料の金融機関を選ぶだけで大きな差が生まれます。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などの主要金融機関は、いずれも運営管理手数料が無料です。ただし、国民年金基金連合会や信託銀行への手数料(月171円)は別途必要で、これはどの金融機関でも同じです。
iDeCoで選べる商品は金融機関によって異なり、数十本から数本まで幅があります。商品数が多いほど選択肢は広がりますが、初心者の場合は逆に迷ってしまうこともあります。
重要なのは商品数よりも、自分が投資したい資産クラス(全世界株式、米国株式、バランス型など)の低コスト商品が揃っているかです。特に「eMAXIS Slim」シリーズのような信託報酬0.1%以下の商品があるかを確認しましょう。
SBI証券は約90本と最多で、自分でポートフォリオを組みたい中級者以上に向いています。一方、楽天証券やマネックス証券は30〜40本程度に厳選されており、初心者でも選びやすい構成です。
投資信託の信託報酬(運用管理費用)は、保有している間ずっとかかるコストです。年率0.1%と0.5%では小さな差に見えますが、30年間の長期運用では大きな差になります。
例えば、月2万円を30年間積み立て、年率5%で運用した場合、信託報酬0.1%なら約1,650万円、0.5%なら約1,550万円になり、約100万円の差が生まれます。信託報酬は0.2%以下、できれば0.1%以下の商品を選ぶことが重要です。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は信託報酬0.05%〜0.09%程度の超低コスト商品で、多くの金融機関で取り扱われています。これらの商品があるかを確認しましょう。
iDeCoは長期間運用するため、定期的に資産状況を確認しやすい管理画面やアプリがあると便利です。残高や運用状況がひと目で分かるデザインになっているか、スマホアプリから簡単にアクセスできるかを確認しましょう。
楽天証券の「iDeCo NAVI」は直感的な操作性で初心者にも使いやすく、SBI証券の管理画面もシンプルで見やすいと評価されています。マネックス証券の「MONEX VISION」は将来の資産予測機能があり、長期的な計画を立てやすいのが特徴です。
実際に使ってみないと分からない部分もありますが、各社の公式サイトで管理画面のデモ画面を確認できる場合もあります。口コミサイトやSNSでの評判も参考にしましょう。
投資初心者の場合、分からないことがあったときに気軽に相談できるサポート体制があると安心です。電話サポートの対応時間や、チャット・メールでの問い合わせができるかを確認しましょう。
松井証券は専用のiDeCoサポートデスクがあり、平日8時30分から17時まで電話で相談できます。SBI証券や楽天証券もコールセンターがあり、基本的な質問には対応してもらえます。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は全国に支店があり、対面での相談も可能です。ネットだけでは不安という方や、資産運用全般について相談したい方には、対面サポートがある金融機関が向いています。
手数料のしくみ
iDeCoにかかる手数料は、金融機関によって異なる部分と、どの金融機関でも共通してかかる部分があります。手数料の全体像を理解して、無駄なコストを抑えることが大切です。
特に長期運用では、わずかな手数料の差が将来の資産額に大きく影響します。手数料の仕組みを正しく理解し、コストを最小限に抑えられる金融機関を選びましょう。
iDeCoの手数料は、加入時・運用時・受取時の3つのタイミングで発生します。まず加入時には、国民年金基金連合会に支払う加入手数料2,829円が必要です。これは初回のみで、どの金融機関でも同額です。
運用時には毎月、国民年金基金連合会に105円、信託銀行に66円の手数料がかかります。これに金融機関の運営管理手数料が加わりますが、主要なネット証券では運営管理手数料が無料のため、月171円(年間2,052円)で済みます。
| 手数料の種類 | 金額 | 支払先 | 備考 |
| 加入時手数料 | 2,829円 | 国民年金基金連合会 | 初回のみ |
| 口座管理手数料(月額) | 171円 | 国民年金基金連合会・信託銀行 | 毎月必須 |
| 運営管理手数料(月額) | 0円~ | 金融機関 | 金融機関により異なる |
| 給付手数料 | 440円/回 | 信託銀行 | 受取時 |
| 還付手数料 | 1,048円/回 | 国民年金基金連合会・信託銀行 | 掛金が還付される場合 |
運営管理手数料は金融機関が独自に設定できる手数料で、無料から月数百円まで差があります。現在、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などの主要ネット証券は無料です。
一方、一部の地方銀行や信用金庫では月300円〜500円程度の運営管理手数料がかかる場合があります。月300円の場合、30年間で総額10.8万円の負担になり、これは運用成果を大きく圧迫します。
運営管理手数料が無料の金融機関を選ぶだけで、この10万円以上のコストを削減できます。商品ラインナップやサポート体制も重要ですが、まずは運営管理手数料が無料であることを最優先に確認しましょう。
iDeCoで選べる商品は、大きく分けて「元本確保型」と「投資信託(元本変動型)」の2種類があります。元本確保型は定期預金や保険で元本割れリスクはありませんが、金利が低くインフレに負ける可能性があります。
長期的な資産形成を目指すなら、投資信託を中心に運用することをおすすめします。ただし、投資信託は価格が変動するため、適切な商品選びと分散投資が重要です。
投資信託には、市場平均に連動する「インデックスファンド」と、市場平均を上回ることを目指す「アクティブファンド」があります。初心者にはインデックスファンドをおすすめします。
インデックスファンドは日経平均やS&P500などの指数に連動するため、分かりやすく、信託報酬が低いのが特徴です。アクティブファンドは高い運用成績を目指しますが、信託報酬が高く、必ずしも市場平均を上回るとは限りません。
長期投資では、低コストで市場全体の成長を享受できるインデックスファンドが有利です。金融庁の調査でも、長期的にはアクティブファンドの多くがインデックスファンドに劣後するという結果が出ています。
信託報酬は投資信託を保有している間ずっとかかるコストで、年率で表示されます。例えば信託報酬0.5%の商品に100万円投資している場合、年間5,000円のコストがかかります。
インデックスファンドの場合、信託報酬0.2%以下、できれば0.1%以下の商品を選びましょう。「eMAXIS Slim」シリーズは信託報酬0.05%〜0.09%程度の超低コスト商品で、多くのiDeCo取扱金融機関で選べます。
信託報酬の差は長期運用で大きな影響を与えます。月2万円を30年間、年率5%で運用した場合、信託報酬0.1%なら約1,650万円、0.5%なら約1,550万円になり、約100万円の差が生まれます。
iDeCoで人気の商品は、全世界の株式に分散投資する「全世界株式インデックスファンド」と、米国の主要500社に投資する「S&P500インデックスファンド」です。どちらも長期的な成長が期待できる商品です。
全世界株式は、先進国から新興国まで世界中の株式に分散投資できるため、地域リスクを分散しながら世界経済の成長を享受できます。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は信託報酬0.05%程度で、多くの投資家に選ばれています。
S&P500は米国の代表的な500社に投資する指数で、過去の長期リターンが高いことで知られています。「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は信託報酬0.09%程度で、米国株式への投資を考えている方に最適です。
どちらを選ぶかは好みですが、迷ったら全世界株式を選ぶのが無難です。米国経済の成長に賭けたい方はS&P500、より広く分散したい方は全世界株式を選びましょう。
バランス型ファンドは、株式と債券を組み合わせた商品で、1つの商品で分散投資ができます。株式比率が高いほどリターンは大きくなりますが、リスクも高くなります。
「株式50%・債券50%」のような中程度のリスクの商品や、「株式30%・債券70%」のような低リスクの商品もあります。年齢が高く、リスクを抑えたい方や、自分でポートフォリオを組むのが面倒な方に向いています。
ただし、バランス型ファンドは信託報酬がやや高めの傾向があります。信託報酬0.2%以下の低コスト商品を選ぶか、自分で株式と債券のインデックスファンドを組み合わせる方法も検討しましょう。
iDeCoの最大のメリットは所得控除による節税効果ですが、年収によって節税額は大きく異なります。ここでは年収別に具体的な節税額をシミュレーションし、自分の場合どれくらいのメリットがあるかを確認しましょう。
節税額は所得税率と住民税率によって決まります。所得税率は課税所得に応じて5%〜45%の累進課税、住民税率は一律10%です。年収が高いほど所得税率が高くなるため、節税効果も大きくなります。
年収300万円の会社員が月1万円(年間12万円)をiDeCoに拠出した場合、所得税率5%・住民税率10%として、年間約1.8万円の節税効果があります。30年間続けた場合、累計で約54万円の節税になります。
月1万円の積立なので、30年間の掛金総額は360万円です。これに節税効果54万円を加えると、実質的な負担は約306万円で済む計算になります。さらに運用益が非課税になるメリットも加わります。
| 項目 | 金額 |
| 年収 | 300万円 |
| 月額掛金 | 1万円 |
| 年間掛金 | 12万円 |
| 所得税軽減額(年間) | 約6,000円 |
| 住民税軽減額(年間) | 約12,000円 |
| 年間節税額 | 約18,000円 |
| 30年間の累計節税額 | 約54万円 |
年収500万円の会社員が月2万円(年間24万円)をiDeCoに拠出した場合、所得税率10%・住民税率10%として、年間約4.8万円の節税効果があります。30年間続けた場合、累計で約144万円の節税になります。
月2万円の積立なので、30年間の掛金総額は720万円です。これに節税効果144万円を加えると、実質的な負担は約576万円で済みます。年収500万円前後の方は、月2万円程度の積立で大きな節税メリットを享受できます。
| 項目 | 金額 |
| 年収 | 500万円 |
| 月額掛金 | 2万円 |
| 年間掛金 | 24万円 |
| 所得税軽減額(年間) | 約24,000円 |
| 住民税軽減額(年間) | 約24,000円 |
| 年間節税額 | 約48,000円 |
| 30年間の累計節税額 | 約144万円 |
年収800万円の会社員(企業年金なし)が月2.3万円(年間27.6万円)をiDeCoに拠出した場合、所得税率20%・住民税率10%として、年間約8.3万円の節税効果があります。30年間続けた場合、累計で約249万円の節税になります。
月2.3万円は企業年金がない会社員の上限額です。年収が高い方ほど所得税率が高くなるため、節税効果も大きくなります。年収800万円以上の方は、上限まで拠出することで大きなメリットを得られます。
| 項目 | 金額 |
| 年収 | 800万円 |
| 月額掛金 | 2.3万円 |
| 年間掛金 | 27.6万円 |
| 所得税軽減額(年間) | 約55,200円 |
| 住民税軽減額(年間) | 約27,600円 |
| 年間節税額 | 約82,800円 |
| 30年間の累計節税額 | 約248万円 |
自営業・フリーランスの方は、月6.8万円(年間81.6万円)まで拠出できます。年収600万円で所得税率20%・住民税率10%として、年間約24.5万円の節税効果があります。30年間続けた場合、累計で約735万円の節税になります。
自営業・フリーランスの方は国民年金のみで厚生年金がないため、老後資金の準備がより重要です。iDeCoの上限額も会社員より高く設定されており、大きな節税メリットを受けられます。
ただし、月6.8万円は大きな金額なので、無理のない範囲で始めることが大切です。まずは月2〜3万円から始めて、収入が安定してきたら増額するという方法もあります。
| 項目 | 金額 |
| 年収 | 600万円 |
| 月額掛金 | 6.8万円 |
| 年間掛金 | 81.6万円 |
| 所得税軽減額(年間) | 約163,200円 |
| 住民税軽減額(年間) | 約81,600円 |
| 年間節税額 | 約244,800円 |
| 30年間の累計節税額 | 約734万円 |
口座開設の流れ
iDeCoの口座開設は、金融機関の選定から実際に運用を開始するまで、通常1〜2か月程度かかります。手続き自体は難しくありませんが、必要書類の準備や勤務先への書類提出など、いくつかのステップがあります。
ここでは口座開設の具体的な流れと、スムーズに手続きを進めるためのポイントを解説します。
iDeCoの口座開設には、本人確認書類と基礎年金番号が分かる書類が必要です。本人確認書類は運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証などが使えます。基礎年金番号は年金手帳や「ねんきん定期便」で確認できます。
会社員の方は、勤務先に「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」を記入してもらう必要があります。この書類で、企業年金の有無や掛金の上限額を確認します。勤務先の人事・総務部門に依頼しましょう。
自営業・フリーランスの方は、勤務先への書類提出は不要です。本人確認書類と基礎年金番号が分かる書類があれば手続きできます。
金融機関の公式サイトから資料請求または直接オンラインで申し込みます。申込書には、基本情報(氏名、住所、生年月日など)、掛金額、掛金の引落口座、運用する商品を記入します。
掛金額は月5,000円から1,000円単位で設定できます。最初は無理のない金額で始めて、後から増額することも可能です。運用商品は後から変更できるため、最初は迷ったら全世界株式インデックスファンドなどの基本的な商品を選んでおきましょう。
書類は郵送またはオンラインで提出します。オンライン申込に対応している金融機関なら、書類の郵送が不要で手続きが早く完了します。SBI証券や楽天証券などはオンライン申込に対応しています。
申込書類が国民年金基金連合会に到着すると、加入資格の審査が行われます。審査には1〜2か月程度かかり、審査が完了すると「個人型年金加入確認通知書」が郵送されます。
通知書が届いたら、金融機関のウェブサイトやアプリにログインして、運用商品の配分を確認・変更できます。掛金は申込時に指定した口座から毎月引き落とされ、自動的に購入されます。
運用開始後も、商品の配分変更(スイッチング)や掛金額の変更は可能です。年1回まで掛金額を変更でき、商品の配分変更は何度でも無料で行えます。定期的に資産状況を確認し、必要に応じて調整しましょう。
つみたてNISA(つみたて投資枠)とiDeCoは、どちらも税制優遇のある投資制度ですが、目的や特徴が異なります。最大の違いは、つみたてNISAはいつでも引き出せますが、iDeCoは60歳まで引き出せない点です。
つみたてNISAは年間120万円まで投資でき、運用益が非課税になります。一方、iDeCoは掛金が所得控除になるメリットがありますが、60歳まで引き出せません。両方を併用することは可能で、多くの人が併用しています。
併用する場合の優先順位は、老後資金の準備ならiDeCoを優先し、それ以外の資金準備(住宅購入、教育資金など)ならつみたてNISAを優先するのが基本です。余裕があれば両方を活用しましょう。
掛金は年1回まで変更できます。変更したい場合は、金融機関のウェブサイトから「加入者掛金額変更届」を提出します。変更は届出が受理された月の翌月から反映されます。
また、掛金の拠出を停止することも可能です。停止する場合は「加入者資格喪失届」を提出し、「運用指図者」に変更します。停止中も口座は維持され、それまでの資産は運用を続けられますが、新たな掛金の拠出はできず、所得控除のメリットも受けられません。
転職や収入減で掛金の拠出が難しくなった場合は、停止せずに最低額の月5,000円に減額する方法もあります。少額でも拠出を続ければ所得控除のメリットを受けられます。
金融機関は後から変更できますが、手続きに時間と手数料がかかります。変更には「運営管理機関変更届」を提出し、現在の金融機関から新しい金融機関に資産を移管します。
変更手続きには2〜3か月程度かかり、その間は新たな掛金の拠出や運用商品の売買ができません。また、金融機関によっては変更手数料(4,400円程度)がかかる場合があります。
金融機関を変更すると、現在保有している商品はすべて売却され、現金化されて新しい金融機関に移管されます。その後、新しい金融機関で改めて商品を購入します。最初から自分に合った金融機関を選ぶことが重要です。
企業型DC(企業型確定拠出年金)は、企業が掛金を拠出する年金制度で、会社員の一部が加入しています。iDeCoは個人が掛金を拠出する制度で、自営業や企業型DCがない会社員が加入できます。
2022年10月から、企業型DCに加入している方もiDeCoに併用加入できるようになりました。ただし、企業型DCとiDeCoの合計掛金には上限があり、企業型DCの掛金額によってiDeCoの上限が決まります。
企業型DCに加入している方がiDeCoに加入する場合、勤務先の規約でiDeCo加入が認められているか確認が必要です。詳しくは勤務先の人事・総務部門に問い合わせましょう。
専業主婦(夫)の方は所得がないため、iDeCoの最大のメリットである所得控除の恩恵を受けられません。しかし、運用益が非課税になるメリットはあります。
専業主婦(夫)の方の掛金上限は月2.3万円です。60歳まで引き出せない制約があるため、つみたてNISAを優先し、余裕があればiDeCoも活用するという順序がおすすめです。
将来パートや正社員として働く予定がある場合は、その時点で所得控除のメリットを受けられます。また、配偶者が亡くなった場合は遺族が資産を受け取れるため、長期的な資産形成の手段としては有効です。
iDeCoは掛金が全額所得控除になり、運用益も非課税、受取時も税制優遇がある優れた制度です。特に会社員や自営業の方にとって、老後資金を効率的に準備できる貴重な手段と言えます。
金融機関選びでは、運営管理手数料が無料で、低コストな投資信託が充実しているところを選びましょう。SBI証券は商品数が最多で選択肢が広く、楽天証券は楽天ポイントが貯まり楽天経済圏の方に便利です。松井証券はサポート体制が充実しており初心者も安心、マネックス証券は米国株に強く、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は大手の安心感があります。
投資信託を選ぶ際は、インデックスファンドで信託報酬0.2%以下の商品を選ぶのが基本です。全世界株式やS&P500のような低コスト商品なら、長期的に安定したリターンが期待できます。年収別の節税シミュレーションを参考に、自分に合った掛金額を設定しましょう。
60歳まで引き出せない制約はありますが、その分確実に老後資金を準備できます。つみたてNISAと併用しながら、無理のない範囲で資産形成を進めていくことが大切です。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しい制度内容や商品の詳細は、各金融機関の公式サイトでご確認ください。
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