CFDとは?初心者向けに仕組みと始め方をやさしく解説

つみたてNISAを始めたものの、思うように資産が増えずに悩んでいませんか。
実は、つみたてNISAで失敗する人には共通するパターンがあります。価格が下がったときにすぐ売却してしまったり、無理な金額設定で続けられなくなったりと、多くの人が同じような失敗を経験しています。
この記事では、つみたてNISAでよくある失敗パターン7つと、それぞれの対策方法を詳しく解説します。失敗から回復した実例や、年代別の注意点もご紹介するので、これから始める方も既に運用中の方も参考にしてください。
目次
つみたてNISAとは?
つみたてNISAは、投資で得た利益が非課税になる制度です。通常の投資では利益に約20%の税金がかかりますが、つみたてNISAなら税金がかからないため、効率的に資産を増やせます。
失敗を理解する前に、まずは基本的な仕組みをおさらいしておきましょう。
つみたてNISAは2024年から新NISA制度に統合され、つみたて投資枠として継続しています。年間120万円まで投資でき、非課税保有期間は無期限です。
従来のつみたてNISAは20年間の非課税期間でしたが、新制度では期限がなくなりました。長期的に資産を育てられる環境が整っています。
投資信託の運用益や分配金が非課税になるため、複利効果を最大限に活かせるのが大きなメリットです。
つみたてNISAは月100円から始められる証券会社もあり、投資初心者でも気軽にスタートできます。毎月一定額を自動的に積み立てる仕組みなので、投資のタイミングを考える必要がありません。
積立投資では価格が高いときは少なく、安いときは多く買うことで、平均購入価格を抑える効果(ドルコスト平均法)が期待できます。
一度設定すれば自動で続くため、忙しい方でも無理なく続けられます。給料日後に自動引き落としにしておけば、貯金感覚で投資できるのも魅力です。
つみたてNISAで購入できるのは、金融庁が定めた基準をクリアした投資信託とETFのみです。販売手数料がゼロ、信託報酬が低水準、分配金を頻繁に出さないなど、長期投資に適した商品に限定されています。
2024年12月時点で約270本以上の商品が対象となっており、全世界株式や米国株式、バランス型ファンドなど多様な選択肢があります。
金融庁のお墨付きがある商品だけなので、悪質な商品を選んでしまうリスクは低いと言えます。
ただし、対象商品であっても元本割れのリスクはあるため、商品選びは慎重に行う必要があります。
つみたてNISAでよくある失敗7つ
つみたてNISAで失敗する人には、共通するパターンがあります。ここでは実際によくある失敗事例を7つ紹介し、それぞれの原因を詳しく解説します。
自分が同じ失敗をしないよう、しっかり確認しておきましょう。
最も多い失敗が、価格が下がったときにパニックになって売却してしまうケースです。
30代会社員のAさんは、つみたてNISAで全世界株式ファンドを月3万円ずつ積み立てていました。しかし、運用開始から半年後に株価が急落し、含み損が5万円に達したところで不安になり全額売却してしまいました。
その後、株価は回復して1年後には含み益が出る水準まで戻りましたが、Aさんは売却済みだったため利益を得られませんでした。価格変動は投資につきものであり、短期的な下落で売却すると損失が確定してしまいます。
つみたてNISAは長期投資を前提とした制度です。一時的な価格下落は、むしろ安く買い増せるチャンスと捉えることが大切です。
過去のデータを見ても、15年以上の長期投資では元本割れのリスクが大幅に低下することが分かっています。
収入に対して無理な積立金額を設定し、生活費が足りなくなって解約せざるを得なくなる失敗も多く見られます。
20代会社員のBさんは、早く資産を増やしたいと考え、手取り月収25万円のうち月10万円をつみたてNISAに回しました。しかし、冠婚葬祭や家電の故障などで急な出費が重なり、3ヶ月後には生活費が足りなくなりました。
結局、積み立てた資金を解約することになり、短期間での売却となったため含み損を抱えたまま終了してしまいました。
つみたてNISAは余裕資金で行うことが鉄則です。生活費の3〜6ヶ月分の貯金を確保した上で、無理のない金額から始めましょう。
月1万円からでも十分に資産形成できます。継続することが最も重要なので、生活を圧迫しない範囲で設定することが成功の鍵です。
つみたてNISAは長期投資の制度ですが、短期間で利益を出そうとして失敗する人もいます。
40代主婦のCさんは、SNSで「1年で資産が1.5倍になった」という投稿を見て、自分も同じように短期間で増やそうと考えました。値動きの激しい新興国株式ファンドを選び、価格が上がったタイミングで売却して利益を確定させようとしました。
しかし、思うように価格が上がらず、逆に大きく下落してしまいました。焦って売却した結果、元本の15%を失う結果となりました。
つみたてNISAは20年以上の長期運用を前提とした制度です。短期的な値動きを予測して売買を繰り返すのは、投資のプロでも難しいことです。
金融庁も長期・積立・分散投資を推奨しており、じっくり時間をかけて資産を育てる姿勢が大切です。
つみたてNISAでは、一度購入した商品を売却しても非課税枠は復活しません。この仕組みを理解せずに、銘柄を頻繁に変更して非課税枠を無駄に消費してしまう失敗があります。
30代会社員のDさんは、運用開始後に「もっと良い商品があるのでは」と考え、3ヶ月ごとに銘柄を変更していました。その都度、保有していた商品を売却して新しい商品を購入していたため、1年間で年間枠の120万円をすべて使い切ってしまいました。
売却しても非課税枠は戻らないため、頻繁な銘柄変更は非課税枠の無駄遣いになります。
商品選びは慎重に行い、一度決めたら基本的には長期保有する方針が望ましいです。どうしても変更したい場合は、新規の積立分から別の商品を選ぶようにしましょう。
つみたてNISAの対象商品は金融庁の基準をクリアしていますが、それでもリスクの程度には差があります。自分のリスク許容度を超えた商品を選んでしまい、大きな含み損に耐えられなくなるケースもあります。
50代会社員のEさんは、高いリターンを期待して新興国株式100%のファンドを選びました。しかし、新興国市場の急落により、わずか半年で資産が30%も減少しました。
老後資金の準備として始めたつみたてNISAだったため、大きな損失に精神的に耐えられず売却してしまいました。
年齢や運用期間、資産状況によって適切なリスクレベルは異なります。50代で老後資金を準備する場合は、全世界株式やバランス型ファンドなど、比較的リスクが抑えられた商品を選ぶ方が適しています。
高リターンを狙うほどリスクも高くなることを理解し、自分が許容できる範囲で商品を選びましょう。
「卵を一つのカゴに盛るな」という投資の格言がありますが、1つの商品だけに集中投資してしまう失敗もよくあります。特定の地域や業種に偏った商品を選ぶと、その市場が不調のときに大きな影響を受けます。
30代会社員のFさんは、米国株式のみに投資するファンドを選びました。米国市場が好調な時期は良かったのですが、米国経済の減速懸念が広がった際に大きく資産が減少しました。
他の地域に分散していれば影響を抑えられたはずですが、集中投資していたため損失が大きくなりました。
投資の基本は分散です。全世界株式ファンドを選べば、自動的に世界中の株式に分散投資できます。
あるいは、先進国株式と新興国株式、株式と債券など、複数の商品を組み合わせることでリスクを分散できます。日本証券業協会も分散投資の重要性を強調しています。
明確な目標がないまま何となく始めてしまい、運用方針がブレて失敗するケースもあります。
20代会社員のGさんは、周りがつみたてNISAを始めているからという理由だけで口座を開設しました。何のために投資しているのか、いつまでにいくら必要なのかを考えずに始めたため、価格が下がったときに「本当に続ける意味があるのか」と迷い、結局やめてしまいました。
目標がないと、困難な状況で継続する理由が見つからず、途中で諦めてしまいやすくなります。
つみたてNISAを始める前に、「老後資金として2,000万円貯める」「子どもの教育資金を準備する」など、具体的な目標を設定しましょう。
目標があれば、一時的な価格下落があっても「長期的な目標のためだから」と割り切って継続できます。目標金額と期間を決めれば、必要な月々の積立額も計算できます。
つみたてNISAで失敗しても、諦める必要はありません。ここでは実際に失敗から回復できた3つの事例を紹介します。
失敗を経験した方も、これから始める方も、リカバリーの方法を知っておくことで安心して投資を続けられます。
30代会社員のHさんは、つみたてNISAで全世界株式ファンドを月3万円ずつ積み立てていましたが、コロナショックで資産が30%減少しました。100万円投資していたため、含み損は約30万円に達しました。
周りの友人は「損が広がる前に売った方がいい」とアドバイスしましたが、Hさんは長期投資の原則を信じて積立を継続しました。価格が下がっている間は、同じ金額でより多くの口数を購入できることを理解していたからです。
その結果、市場が回復するにつれて資産も増加し、2年後には含み損がプラスに転じました。さらに3年後には投資元本に対して40%以上の利益が出る状態になりました。
Hさんは「あのとき売らずに続けて本当に良かった。価格が下がっているときこそ、冷静に積立を続けることが大切だと実感した」と語っています。
40代主婦のIさんは、価格下落に耐えられず一度つみたてNISAを売却してしまいました。50万円投資していたところ、含み損が10万円に達したタイミングで不安になり全額売却しました。
しかし、その後に投資の勉強をし直し、長期投資の重要性を理解しました。「失敗したからこそ、今度は正しい方法で続けよう」と決意し、半年後につみたてNISAを再開しました。
今度は無理のない月2万円の積立に設定し、価格変動を気にしないよう証券口座を頻繁にチェックしないルールを作りました。
再開から4年が経過した現在、資産は順調に増えており、投資元本96万円に対して約120万円の評価額になっています。
Iさんは「一度失敗したからこそ、長期投資の大切さが身に染みて分かった。価格が下がっても動揺しなくなった」と話しています。失敗を経験したことで、メンタル面が強くなり、正しい投資行動が取れるようになった好例です。
20代会社員のJさんは、当初は値動きの激しい新興国株式ファンドを選び、短期的な利益を狙っていました。しかし、価格の変動が大きすぎて精神的に疲れてしまい、投資を続けるのが苦痛になっていました。
そこで、投資方針を根本から見直しました。短期的な利益ではなく、20年後の資産形成を目標に設定し直しました。商品も新興国株式から全世界株式のインデックスファンドに変更し、月々の積立額も無理のない1万円に減額しました。
方針を変えてからは、価格変動を気にすることなく淡々と積立を続けられるようになりました。3年間継続した結果、資産は着実に増加し、投資元本36万円に対して45万円の評価額になっています。
Jさんは「自分に合った商品と金額を選ぶことが、長く続けるコツだと分かった。今は投資が生活の一部になっている」と語っています。
つみたてNISAで失敗しないための5つの対策
ここまで紹介した失敗パターンを踏まえて、つみたてNISAで失敗しないための具体的な対策を5つ解説します。
これらを実践すれば、多くの失敗を未然に防ぐことができます。
つみたてNISAを長く続けるために最も重要なのは、無理のない積立金額を設定することです。年間120万円の上限いっぱいまで使う必要はありません。
生活費や緊急時の貯金を確保した上で、余裕資金の範囲で始めましょう。
目安としては、手取り月収の10〜15%程度が適切です。月収25万円なら2.5万〜3.75万円、月収30万円なら3万〜4.5万円といった具合です。
ただし、住宅ローンや教育費などの固定費が多い場合は、もっと少額でも構いません。月1万円でも20年続ければ大きな資産になります。
また、ボーナス時に増額設定をすることもできます。無理なく続けられる金額を基本とし、余裕があるときだけ増額するという柔軟な運用がおすすめです。
つみたてNISAは短期的な利益を狙う制度ではありません。20年以上の長期運用を前提に、じっくりと資産を育てる姿勢が大切です。
短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的な成長を信じて継続しましょう。
過去のデータを見ると、株式市場は短期的には上下を繰り返しますが、長期的には右肩上がりの傾向があります。15年以上保有すれば元本割れのリスクが大幅に低下することが、様々な研究で示されています。
一時的な下落は、長期的な視点で見れば誤差の範囲内です。
具体的には、「老後資金として65歳までに2,000万円貯める」「子どもの大学資金として18年後に500万円準備する」など、明確な時間軸を持った目標を設定しましょう。
目標までの期間が長いほど、短期的な価格変動の影響は小さくなります。20年後の自分や家族のために投資していると考えれば、目先の値動きに動揺しなくなります。
投資の基本原則である分散投資を実践しましょう。1つの国や地域、業種に集中せず、幅広く分散することでリスクを抑えられます。
つみたてNISAの対象商品には、分散投資に適したファンドが多数あります。
最も簡単な分散方法は、全世界株式インデックスファンドを選ぶことです。1本で世界中の株式に分散投資できるため、特定の国や地域のリスクを軽減できます。
日本、米国、欧州、新興国など、世界中の株式市場に自動的に投資できます。
もう少し細かく調整したい場合は、先進国株式と新興国株式を組み合わせたり、株式と債券を組み合わせたりする方法もあります。年齢が高く、リスクを抑えたい場合は、株式と債券をバランス良く組み合わせたバランス型ファンドも選択肢になります。
投資で成功するには、メンタル面のコントロールが非常に重要です。価格が下がったときにパニックにならず、冷静に積立を続けられるかどうかが成否を分けます。
価格変動に一喜一憂しないための具体的な方法を紹介します。
つみたてNISAを始める前に、具体的な目標を設定しましょう。「何のために」「いつまでに」「いくら必要か」を明確にすることで、困難な状況でも継続する理由が明確になります。
例えば、「老後資金として65歳までに2,000万円貯める」という目標なら、現在の年齢から逆算して必要な月々の積立額を計算できます。30歳から始めるなら35年間あるので、月3万円を年利5%で運用すれば目標に到達できる計算になります。
目標は具体的であるほど効果的です。「将来のため」という漠然とした目標ではなく、「子どもの大学資金として18年後に500万円」「住宅購入の頭金として10年後に300万円」など、金額と期限を明確にしましょう。
目標が明確なら、価格が下落しても「目標達成のために続ける」と割り切れます。
また、目標を達成したらどうするかも考えておきましょう。老後資金なら65歳以降は少しずつ取り崩す、教育資金なら必要な時期に解約するなど、出口戦略も含めて計画を立てることが大切です。
失敗しない銘柄選びのポイント3つ
つみたてNISAで失敗しないためには、適切な商品を選ぶことも重要です。金融庁の基準をクリアした商品とはいえ、自分に合った商品を選ばなければ長続きしません。
ここでは銘柄選びの3つのポイントを解説します。
信託報酬とは、投資信託を保有している間、継続的にかかる運用管理費用のことです。年率で表示され、保有資産から自動的に差し引かれます。
信託報酬が高いと、長期運用での利益が大きく目減りしてしまうため、できるだけ低い商品を選びましょう。
つみたてNISA対象商品の信託報酬は、インデックスファンドなら年0.1〜0.2%程度、アクティブファンドなら年1%前後が一般的です。
例えば、100万円を20年間運用する場合、信託報酬が年0.1%なら約2万円、年1%なら約20万円のコストがかかる計算になります。
特に初心者には、信託報酬が低いインデックスファンドがおすすめです。全世界株式や米国株式のインデックスファンドなら、年0.1%前後の低コストで運用できます。
商品を選ぶ際は、必ず信託報酬を確認し、同じような内容なら信託報酬が低い方を選びましょう。証券会社のウェブサイトや目論見書で確認できます。
商品を選ぶ際は、どの地域や資産に投資しているかを確認しましょう。分散が効いている商品ほど、特定の市場の影響を受けにくく、リスクが抑えられます。
商品名や目論見書で投資対象を確認できます。
主な商品タイプの分散度
全世界株式インデックスファンド
1本で50カ国以上、数千社の株式に投資。最も分散効果が高く初心者に適しています。
米国株式インデックスファンド
米国市場のみに投資。分散度は低いが、世界最大の市場で様々な業種をカバー。
バランス型ファンド
株式と債券を組み合わせ。値動きが異なる資産の組み合わせでリスクを抑制。
自分のリスク許容度に合わせて、適切な分散度の商品を選びましょう。
商品を選ぶ際は、過去の運用実績と純資産総額も確認しましょう。
ただし、過去の実績が将来を保証するわけではないことを理解しておく必要があります。あくまで参考情報として活用してください。
運用実績は、証券会社のウェブサイトで過去1年、3年、5年のリターンを確認できます。同じカテゴリーの他の商品と比較して、極端に成績が悪い商品は避けた方が無難です。
純資産総額は、その商品に集まっている資金の総額です。純資産総額が大きい商品ほど、多くの投資家に選ばれている人気商品と言えます。
目安としては、純資産総額が100億円以上ある商品を選ぶと安心です。純資産総額が少なすぎると、運用が非効率になったり、最悪の場合は繰上償還(運用終了)のリスクもあります。
また、純資産総額が増加傾向にあるかもチェックしましょう。減少傾向が続いている商品は、投資家が資金を引き揚げている可能性があります。
年代別・状況別の失敗パターンと注意点
つみたてNISAの失敗パターンは、年代やライフステージによって異なります。ここでは年代別によくある失敗パターンと、それぞれの注意点を解説します。
自分の状況に当てはまる内容をチェックしてください。
20代は投資期間が長く取れるため、つみたてNISAに最も適した年代です。しかし、投資経験が少ないため、基本的な失敗をしやすい傾向があります。
最も多いのは、SNSやYouTubeの情報を鵜呑みにして、リスクの高い投資をしてしまうケースです。「1年で資産が2倍になった」といった成功事例だけを見て、同じように短期的な利益を狙ってしまいます。
20代は時間が最大の武器です。年利5%で月3万円を35年間積み立てれば、約3,300万円になります。
焦って短期的な利益を狙う必要はありません。全世界株式インデックスファンドのような堅実な商品を選び、淡々と積み立てることが成功への近道です。
また、収入が少ない時期に無理な金額を設定しないことも大切です。月1万円からでも十分に資産形成できます。収入が増えたタイミングで積立額を増やしていけば良いので、まずは無理なく始めることを優先しましょう。
30〜40代は、結婚・出産・住宅購入・教育費など、ライフイベントによる出費が多い時期です。そのため、つみたてNISAとの両立が難しく、途中で解約してしまう失敗が多く見られます。
よくあるのは、子どもの教育費が予想以上にかかり、つみたてNISAを解約せざるを得なくなるケースです。習い事や塾の費用、私立学校の学費など、想定外の出費が重なることがあります。
対策としては、教育費は別途貯金で準備し、つみたてNISAは老後資金など長期的な目標のために使うと決めることです。生活費・教育費・老後資金を明確に分けて管理しましょう。
どうしても資金が足りない場合は、積立額を減額して継続する方が、完全に解約するよりも良い選択です。
また、住宅ローンの返済とつみたてNISAのバランスも重要です。住宅ローンの金利が高い場合は、繰上返済を優先した方が有利なこともあります。ファイナンシャルプランナーに相談して、自分に合ったバランスを見つけましょう。
50代以上は老後が近づいているため、投資期間が短くなります。そのため、リスクの取り方や商品選びに注意が必要です。
最も注意すべきは、老後が近いのに高リスクの商品を選んでしまうことです。「老後資金が足りないから、短期間で増やしたい」と考え、新興国株式やレバレッジ型ファンドなど、リスクの高い商品を選んでしまうケースがあります。
大きく下落したときに回復を待つ時間がないため、損失を抱えたまま老後を迎えることになりかねません。
つみたてNISAで損失が出た場合、他の課税口座(特定口座や一般口座)の利益と相殺できません。これを「損益通算できない」と言います。
通常の課税口座では、A証券で10万円の利益、B証券で5万円の損失が出た場合、差し引き5万円に対して課税されます。しかし、つみたてNISAの損失は、他の口座の利益と相殺できないため、税金面で不利になる可能性があります。
ただし、つみたてNISAは利益が非課税になるメリットの方が大きいため、損益通算できないことは大きな問題ではありません。長期投資で利益が出ることを前提に運用すれば、税制上のメリットを最大限に活かせます。
2024年から新NISA制度が始まりましたが、旧つみたてNISAで保有している商品は自動的に新NISAに移行されるわけではありません。旧制度で保有している商品は、非課税期間が終了するまでそのまま保有できますが、新たに買い付けることはできません。
失敗リスクとしては、旧制度の商品を慌てて売却してしまうことです。旧つみたてNISAの商品は、非課税期間内であればそのまま保有し続けられます。無理に売却する必要はありません。
また、新NISAでは年間投資枠が360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)まで拡大されましたが、無理に上限いっぱいまで使おうとして生活費が足りなくなる失敗も考えられます。無理のない範囲で利用しましょう。
含み損が出ているときは、基本的には何もせず積立を継続することが最善の対処法です。価格が下がっているときは、同じ金額でより多くの口数を購入できるため、将来価格が回復したときに大きな利益につながります。
ただし、含み損の原因が商品選びのミスである場合(自分のリスク許容度を大きく超えた商品を選んだ場合など)は、商品の見直しを検討しても良いでしょう。その場合でも、慌てて売却するのではなく、新規の積立分から別の商品に変更する方法がおすすめです。
含み損が精神的に辛い場合は、証券口座を見る頻度を減らしましょう。月に1回程度の確認にとどめることで、日々の価格変動に動揺しなくなります。
つみたてNISA口座は、1人1口座しか開設できません。証券会社を変更したい場合は、金融機関変更の手続きが必要です。
まず、金融機関変更は年に1回しかできず、その年に既に買付をしていると翌年まで変更できません。変更したい場合は、その年の買付を行う前に手続きを開始する必要があります。
また、変更前の証券会社で保有している商品は、そのまま保有し続けることになります。新しい証券会社に移管することはできません。
証券会社を変更する際は、手数料やサービス内容をよく比較しましょう。ただし、頻繁に変更すると手続きが煩雑になるため、最初から自分に合った証券会社を選ぶことが大切です。
つみたてNISAは、いつでも解約(売却)できます。ペナルティはありませんが、売却すると非課税枠は復活しないため、長期的な資産形成の機会を失うことになります。
どうしても資金が必要な場合は、全額解約ではなく、必要な分だけ一部売却する方法もあります。残りの資産は運用を続けることで、長期的な資産形成を継続できます。
また、積立を一時停止することも可能です。資金的に厳しい時期は積立を止めて、余裕ができたら再開するという柔軟な運用もできます。
ただし、一度売却すると、その分の非課税枠は二度と使えません。安易に解約せず、本当に必要かどうかをよく考えてから判断しましょう。
つみたてNISAでよくある失敗パターンは、価格下落時の売却、無理な金額設定、短期的な利益追求、銘柄の頻繁な変更、リスクの高い商品選び、分散投資の不足、目標の欠如の7つです。
これらの失敗は、長期投資の原則を理解し、無理のない計画を立てることで防げます。
失敗しないための対策として、無理のない積立金額の設定、20年以上の長期的な視点、分散投資の実践、価格変動に動揺しないメンタル、明確な目標設定が重要です。また、信託報酬が低く、分散が効いた商品を選ぶことで、リスクを抑えながら着実に資産を増やせます。
年代やライフステージによって注意すべきポイントは異なります。20代は時間を味方につけて堅実に、30〜40代は教育費とのバランスを考慮し、50代以上はリスクを抑えた運用を心がけましょう。
失敗しても諦めずに積立を続けることで、多くの場合はリカバリーできます。
つみたてNISAは、正しい知識と適切な運用方法を身につければ、将来の資産形成に大きく貢献する制度です。この記事で紹介した失敗パターンと対策を参考に、自分に合った投資スタイルを確立してください。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。
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