新NISAの成長投資枠とは|使い方と注意点を解説

新NISAの成長投資枠とは|使い方と注意点を解説

2024年から始まった新NISA制度で、多くの人が「成長投資枠」の使い方に悩んでいます。

つみたて投資枠との違いが分からない、個別株を買っていいのか迷う、240万円の枠をどう使えば効率的なのか——そんな疑問をお持ちではないでしょうか。

成長投資枠は、つみたて投資枠よりも投資の自由度が高く、個別株式やETF、REITなど幅広い商品に投資できる制度です。

年間240万円まで非課税で投資でき、非課税期間も無期限なので、長期的な資産形成に活用できます。

この記事では、成長投資枠の基本的な仕組みから、つみたて投資枠との違い、具体的な活用方法、注意すべきポイントまで分かりやすく解説します。

制度を正しく理解して、ご自身に合った投資プランを見つけましょう。

この記事の要約
  • 成長投資枠は年間240万円まで投資でき、個別株やETFも購入可能
  • つみたて投資枠との併用で年間最大360万円の非課税投資ができる
  • 除外商品や投資リスクを理解し、自分に合った活用方法を選ぶことが重要
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

新NISAの成長投資枠とは|基本のしくみ

成長投資枠は、2024年から始まった新NISA制度の一部で、年間240万円まで非課税で投資できる制度です。

投資で得た利益(配当金や売却益)に税金がかからず、非課税期間は無期限となっています。

従来の一般NISA枠が進化した制度で、投資信託だけでなく個別株式やETF、REITなど幅広い商品に投資できる点が特徴です。

つみたて投資枠と併用することで、年間最大360万円の非課税投資が可能になります。

非課税保有限度額は全体で1,800万円、そのうち成長投資枠は1,200万円までとなっています。

この枠は売却すると翌年以降に再利用できるため、柔軟な資産運用が可能です。

金融庁:NISA特設ウェブサイト

成長投資枠は、投資の自由度が高い分、商品選択やリスク管理が重要になる制度です。

つみたて投資枠との3つの違い|どう使い分ける?

成長投資枠とつみたて投資枠は、どちらも新NISA制度の一部ですが、投資できる金額や対象商品に大きな違いがあります。

両方の特徴を理解して、自分に合った使い分けをすることが大切です。

年間投資枠の違い(240万円 vs 120万円)

成長投資枠の年間投資枠は240万円で、つみたて投資枠の120万円の2倍です。

まとまった資金を投資したい場合や、ボーナスを活用した投資に適しています。

両方を併用すれば年間360万円まで非課税投資が可能ですが、つみたて投資枠を優先的に使い切ってから成長投資枠を活用する方法もあります。

投資可能な資金と投資スタイルに合わせて配分を決めましょう。

項目 成長投資枠 つみたて投資枠
年間投資枠 240万円 120万円
投資方法 一括・積立どちらも可 積立のみ
非課税保有限度額 1,200万円 1,800万円(全体)

投資対象商品の違い(個別株・ETFも購入可能)

成長投資枠では、上場株式(国内株・外国株)、投資信託、ETF、REITなど幅広い商品に投資できます。

一方、つみたて投資枠は金融庁が定めた長期・積立・分散投資に適した投資信託に限定されています。

個別株式に投資したい場合や、高配当株で配当収入を得たい場合は成長投資枠を活用します。

個別株式は投資信託よりもリスクが高いため、銘柄選定には注意が必要です。

商品種類 成長投資枠 つみたて投資枠
上場株式 ×
投資信託 ○(一部除外あり) ○(金融庁選定)
ETF・REIT ×

非課税保有限度額の内訳(1,800万円のうち1,200万円まで)

新NISA全体の非課税保有限度額は1,800万円ですが、成長投資枠だけで使えるのは1,200万円までです。

残りの600万円はつみたて投資枠専用となります。

つまり、成長投資枠だけを使う場合は1,200万円で上限に達しますが、つみたて投資枠と併用すれば1,800万円まで非課税投資が可能です。

長期的な資産形成を考えるなら、両方をバランスよく活用することをおすすめします。

金融庁:NISA特設ウェブサイト

成長投資枠で購入できる商品|3つのカテゴリー

成長投資枠では、上場株式、投資信託、ETF・REITの3つのカテゴリーの商品に投資できます。

それぞれの特徴を理解して、自分の投資目的に合った商品を選びましょう。

上場株式(国内株・外国株)

成長投資枠では、東京証券取引所に上場している国内株式や、証券会社が取り扱う外国株式に投資できます。

個別企業の株式を購入することで、配当金や株主優待を受け取りながら、株価上昇による利益も狙えます。

整理銘柄や監理銘柄は成長投資枠の対象外です。また、個別株式は企業の業績や市場環境により価格が大きく変動するため、投資信託よりもリスクが高くなります。

  • 国内株式:東証プライム、スタンダード、グロース市場の上場銘柄
  • 外国株式:証券会社が取り扱う米国株、中国株など
  • 配当金・株主優待も非課税で受け取れる

投資信託(インデックス・アクティブファンド)

成長投資枠では、多くの投資信託に投資できますが、一部の商品は除外されています。

インデックスファンド(市場平均に連動する投資信託)とアクティブファンド(市場平均を上回る運用を目指す投資信託)の両方が対象です。

投資信託は、複数の株式や債券に分散投資するため、個別株式よりもリスクを抑えられます。

つみたて投資枠で購入できる商品も成長投資枠で購入できるため、追加で投資したい場合に活用できます。

  • インデックスファンド:日経平均、S&P500などの指数に連動
  • アクティブファンド:ファンドマネージャーが銘柄を選定
  • 信託期間20年以上の商品が対象(一部除外あり)

ETF・REIT(上場投資信託・不動産投資信託)

ETF(上場投資信託)は、株式市場に上場している投資信託で、株式と同じようにリアルタイムで売買できます。

REIT(不動産投資信託)は、不動産に投資する投資信託で、賃貸収入や売却益を分配金として受け取れます。

ETFは低コストで分散投資ができ、REITは不動産投資を少額から始められる点が魅力です。

どちらも配当金(分配金)が非課税になるため、インカムゲイン(定期的な収入)を重視する投資家に適しています。

  • ETF:日経225、TOPIX、S&P500など多様な指数に連動
  • REIT:オフィスビル、商業施設、住宅など不動産に投資
  • 分配金利回りが高い商品も多い

成長投資枠で購入できない商品|4つの除外ルール

成長投資枠には、投資家保護の観点から購入できない商品があります。

除外ルールを理解して、誤って対象外の商品を購入しないよう注意しましょう。

整理銘柄・監理銘柄

整理銘柄は、上場廃止が決定した株式です。

監理銘柄は、上場廃止の可能性がある株式として指定されたものです。どちらも成長投資枠では購入できません。

これらの銘柄は、企業の財務状況の悪化や不正会計などの理由で指定されることが多く、投資リスクが非常に高いためです。証券会社の取引画面で確認できるので、購入前に必ずチェックしましょう。

信託期間20年未満の投資信託

成長投資枠で購入できる投資信託は、原則として信託期間が20年以上、または無期限のものに限定されています。

短期間で償還(運用終了)される投資信託は、長期的な資産形成に適さないため除外されています。

ただし、一部の例外もあります。インデックスファンドなど、金融庁が長期投資に適していると認めた商品は、信託期間が20年未満でも対象になる場合があります。

購入前に証券会社のNISA対象商品リストで確認しましょう。

毎月分配型の投資信託

毎月分配型の投資信託は、毎月決算を行い分配金を支払う商品ですが、成長投資枠では購入できません。

毎月分配型は、元本を取り崩して分配金を支払うケースが多く、長期的な資産形成に適さないためです。

分配金を受け取ると一見お得に感じますが、実際には運用資産が減少し、複利効果が得られにくくなります。長期投資では、分配金を再投資する仕組みの投資信託の方が資産を増やしやすいとされています。

金融庁:投資の基本

デリバティブ取引を用いた投資信託

デリバティブ(金融派生商品)を多用する投資信託も除外されています。

具体的には、レバレッジ型(値動きを2倍・3倍にする)やインバース型(値動きを逆にする)の投資信託です。

これらの商品は短期的な値動きで利益を狙うものであり、長期保有には適していません。また、価格変動が大きく、元本割れのリスクも高いため、新NISA制度の趣旨に合わないと判断されています。

  • レバレッジ型:日経平均ダブルブル、TOPIXトリプルブルなど
  • インバース型:日経平均ベア、TOPIXインバースなど
  • 短期売買向けの商品は対象外

旧NISAとの5つの変更点|何が変わった?

2024年から始まった新NISAの成長投資枠は、旧一般NISA枠から大きく進化しています。

主な変更点を理解して、新制度を有効活用しましょう。

年間投資枠が拡大(120万円→240万円)

旧一般NISAの年間投資枠は120万円でしたが、新NISAの成長投資枠では240万円に倍増しました。

まとまった資金を投資したい人や、ボーナスを活用した投資がしやすくなっています。

年間240万円の枠を使い切れば、5年間で1,200万円の非課税投資が可能です。

つみたて投資枠と併用すれば、年間360万円まで投資できるため、資産形成のスピードが大幅に向上します。

非課税保有期間が無期限化(5年→無期限)

旧一般NISAでは非課税期間が5年間に限定されていましたが、新NISAの成長投資枠では無期限になりました。

5年後に売却を迫られることがなくなり、長期的な資産形成に集中できます。

非課税期間が無期限になったことで、配当金や分配金を長期間非課税で受け取れる点も大きなメリットです。高配当株やREITに投資して、定期的な収入を得る戦略も立てやすくなりました。

非課税保有限度額が設定(1,200万円まで)

旧一般NISAには生涯の投資上限がありませんでしたが、新NISAでは成長投資枠の非課税保有限度額が1,200万円に設定されました。

ただし、売却すると翌年以降に枠が復活するため、柔軟な運用が可能です。

1,200万円の枠を使い切った後も、商品を売却すれば再度投資できます。例えば、株価が上昇した銘柄を売却し、別の銘柄に乗り換えることも可能です。

口座開設期間が恒久化

旧一般NISAは2023年までの期間限定制度でしたが、新NISAは恒久化されました。

いつでも口座を開設でき、長期的な資産形成プランを立てやすくなっています。

期間限定ではなくなったことで、「今すぐ始めないと損」という焦りを感じる必要がありません。自分のペースで投資を始められるため、初心者でも安心して取り組めます。

つみたて投資枠との併用が可能に

旧NISAでは、一般NISAとつみたてNISAのどちらか一方しか選べませんでしたが、新NISAでは成長投資枠とつみたて投資枠を併用できます。

年間360万円まで非課税投資が可能になり、投資の選択肢が大幅に広がりました。

項目 旧一般NISA 新NISA成長投資枠
年間投資枠 120万円 240万円
非課税期間 5年間 無期限
非課税保有限度額 なし 1,200万円
口座開設期間 2023年まで 恒久化
つみたてNISAとの併用 不可 可能

成長投資枠の活用方法|3つのパターン

成長投資枠は投資の自由度が高いため、自分の投資スタイルや目的に合わせて活用方法を選べます。

代表的な3つのパターンを紹介します。

つみたて投資枠の商品を追加購入する

つみたて投資枠で購入している投資信託を、成長投資枠でも追加購入する方法です。

つみたて投資枠の年間120万円だけでは投資額が足りない場合に有効です。

例えば、つみたて投資枠で月10万円(年間120万円)を積み立てている場合、成長投資枠でも同じ投資信託を月20万円(年間240万円)追加購入すれば、合計で年間360万円の投資が可能です。

同じ商品に集中投資することで、管理もシンプルになります。

ただし、1つの投資信託に集中しすぎるとリスクが高まる可能性もあります。複数の投資信託に分散投資するか、個別株式やETFも組み合わせることでリスクを分散できます。

個別株式・REITで配当金を狙う

成長投資枠では個別株式やREITに投資できるため、配当金や分配金を狙った投資が可能です。

高配当株やREITに投資すれば、定期的な収入を非課税で受け取れます。

例えば、配当利回り4%の株式に100万円投資すれば、年間4万円の配当金が非課税で受け取れます。通常なら約20%の税金がかかりますが、成長投資枠なら全額が手元に残ります。

ただし、個別株式は企業の業績悪化により株価が大きく下落するリスクがあります。複数の銘柄に分散投資し、業種や地域も分けることでリスクを抑えましょう。

ボーナス時に一括投資する

成長投資枠は一括投資も可能なので、ボーナスや退職金などまとまった資金を一度に投資できます。

年間240万円の枠を活用して、効率的に非課税投資を進められます。

1.夏・冬のボーナス時に各120万円ずつ投資する
2.投資信託やETFに分散投資してリスクを抑える
3.一括投資後は放置せず、定期的に運用状況を確認する

一括投資は、投資タイミングが悪いと短期的に損失が出る可能性があります。市場が高値圏にある場合は、数回に分けて投資する方法も検討しましょう。

年代別・資産額別の具体的な投資プラン

成長投資枠の活用方法は、年代や資産状況によって異なります。

自分のライフステージに合ったプランを参考にしてください。

20代・30代|長期投資で資産形成

20代・30代は投資期間が長く取れるため、成長投資枠では株式中心の積極的な投資が適しています。

つみたて投資枠で安定的な投資信託を積み立てながら、成長投資枠で個別株式やETFに挑戦する方法がおすすめです。

つみたて投資枠:月10万円(年間120万円)
全世界株式インデックスファンドに投資
成長投資枠:月20万円(年間240万円)
米国株式ETFや成長株に投資

若いうちはリスクを取れるため、値動きの大きい商品でも長期保有で成果を狙えます。

ただし、個別株式は銘柄選定が難しいため、最初はETFや投資信託から始めることをおすすめします。投資の知識が身についてから、徐々に個別株式の比率を増やしていきましょう。

40代・50代|ボーナスを活用した積極投資

40代・50代は収入が安定し、ボーナスも増える時期です。

成長投資枠を活用して、まとまった資金を効率的に投資しましょう。つみたて投資枠と成長投資枠を併用し、年間360万円の枠をフル活用することで、老後資金の準備を加速できます。

つみたて投資枠:月10万円(年間120万円)
投資信託に積み立て
成長投資枠:ボーナス時に各120万円(年間240万円)
株式と債券のバランス型ファンド、高配当株、REITなど分散投資

この年代は住宅ローンや教育費の負担も大きいため、無理のない範囲で投資額を決めることが大切です。生活防衛資金(生活費の6ヶ月分程度)を確保してから投資を始めましょう。

60代以降|配当金重視の安定運用

60代以降は、資産を増やすよりも守りながら定期的な収入を得ることが重要です。

成長投資枠では、高配当株やREIT、債券型投資信託など、配当金や分配金が安定している商品を中心に投資しましょう。

年代 つみたて投資枠 成長投資枠 投資スタイル
20代・30代 月10万円(全世界株式) 月20万円(米国株・成長株) 積極的な成長重視
40代・50代 月10万円(バランス型) ボーナス時240万円(分散投資) バランス重視
60代以降 月5万円(債券型) 高配当株・REIT中心 安定収入重視

配当金や分配金は非課税で受け取れるため、年金の補完として活用できます。

ただし、配当利回りが高すぎる銘柄は、企業の業績悪化で減配(配当金の減少)のリスクもあるため注意が必要です。

成長投資枠で気をつけたい5つのこと

成長投資枠は自由度が高い分、注意すべきポイントも多くあります。

失敗を避けるために、以下の5つのポイントを押さえておきましょう。

個別株投資は元本割れリスクが高い

個別株式は、投資信託よりも価格変動が大きく、元本割れのリスクが高い商品です。

企業の業績悪化や不祥事により、株価が大きく下落する可能性があります。

個別株式に投資する場合は、1つの銘柄に集中せず、複数の銘柄に分散投資しましょう。また、投資する企業の財務状況や業績を定期的に確認することが大切です。

除外商品を誤って購入しないよう確認

成長投資枠では、整理銘柄や毎月分配型投資信託など、一部の商品が除外されています。

誤って購入すると、非課税枠を無駄にしてしまう可能性があります。

購入前に、証券会社のNISA対象商品リストで確認しましょう。多くの証券会社では、NISA口座で購入できる商品のみが表示される仕組みになっているため、安心して選べます。

一括投資はタイミングリスクに注意

成長投資枠では一括投資が可能ですが、投資タイミングが悪いと短期的に大きな損失が出る可能性があります。

市場が高値圏にある時に一括投資すると、その後の下落で含み損を抱えるリスクがあります。

一括投資を避けたい場合は、数ヶ月に分けて投資する「時間分散」の方法を検討しましょう。例えば、240万円を4回に分けて各60万円ずつ投資すれば、タイミングリスクを軽減できます。

非課税枠の使い切りを焦らない

年間240万円の枠を使い切ることに焦る必要はありません。

無理に投資額を増やすと、生活資金が不足したり、リスクの高い商品に手を出してしまう可能性があります。

自分の収入や生活状況に合わせて、無理のない範囲で投資を続けることが大切です。少額から始めて、徐々に投資額を増やしていく方法も有効です。

つみたて投資枠との配分バランスを考える

成長投資枠とつみたて投資枠のどちらを優先するか、配分バランスを考えることが重要です。

初心者の場合は、まずつみたて投資枠で安定的な投資信託を積み立て、余裕があれば成長投資枠を活用する方法がおすすめです。

  • 初心者:つみたて投資枠を優先し、成長投資枠は少額から始める
  • 中級者:両方をバランスよく活用し、年間360万円を目指す
  • 上級者:成長投資枠で個別株式やETFに積極投資
  • リスク許容度に応じて配分を調整する
  • 定期的に見直し、ライフステージに合わせて変更する

成長投資枠での失敗パターンと回避方法

成長投資枠を活用する際、よくある失敗パターンを知っておくことで、同じ失敗を避けられます。

実際に起こりやすい3つの失敗例と、その回避方法を解説します。

高リスク商品に一括投資して大損

成長投資枠で個別株式やレバレッジ型ETFなど、リスクの高い商品に一括投資してしまい、短期間で大きな損失を出すケースがあります。

特に、投資経験が浅いうちに高リスク商品に手を出すと、市場の急落時にパニックになりやすくなります。

回避方法としては、最初は投資信託やETFなど分散投資された商品から始めることです。個別株式に投資する場合も、投資額を抑え、複数の銘柄に分散しましょう。また、一括投資ではなく、数回に分けて投資することでタイミングリスクを軽減できます。

投資の基本は「長期・積立・分散」です。短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な視点で資産形成に取り組むことが大切です。

除外商品を購入して非課税枠を無駄に

成長投資枠の除外商品を誤って購入してしまい、非課税枠を無駄にするケースがあります。

特に、毎月分配型の投資信託やレバレッジ型ETFは、一見魅力的に見えるため注意が必要です。

回避方法としては、購入前に必ず証券会社のNISA対象商品リストで確認することです。多くの証券会社では、NISA口座で購入できる商品のみが表示される仕組みになっているため、安心して選べます。不安な場合は、証券会社のカスタマーサポートに問い合わせましょう。

また、除外商品の特徴を理解しておくことも重要です。毎月分配型、信託期間20年未満、デリバティブ取引を用いた商品は、基本的に成長投資枠では購入できないと覚えておきましょう。

証券会社選びを誤って手数料で損失

証券会社によって、取扱商品数や手数料、サービス内容が大きく異なります。

手数料が高い証券会社を選んでしまうと、せっかくの利益が手数料で削られてしまいます。

  • 取扱商品数が多い証券会社を選ぶ(SBI証券、楽天証券など)
  • 株式売買手数料が無料または低コストの証券会社を選ぶ
  • 投資信託の購入時手数料が無料(ノーロード)の商品が多い証券会社を選ぶ
  • ポイント還元やクレカ積立などの特典も比較する
  • 口座開設前に複数の証券会社を比較検討する

特に、個別株式の売買を頻繁に行う場合は、売買手数料が無料の証券会社を選ぶことで、コストを大幅に削減できます。

よくある質問(Q&A)

成長投資枠とつみたて投資枠は併用できる?

はい、成長投資枠とつみたて投資枠は併用できます。

両方を活用すれば、年間最大360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)の非課税投資が可能です。

併用する場合は、つみたて投資枠で安定的な投資信託を積み立て、成長投資枠で個別株式やETFに投資するなど、使い分けることで効率的な資産形成ができます。

成長投資枠で米国株は買える?

はい、成長投資枠で米国株は購入できます。

証券会社が取り扱っている米国株式であれば、成長投資枠の対象になります。SBI証券や楽天証券では、約4,000〜5,000銘柄の米国株を取り扱っています。

米国株は配当金も非課税で受け取れるため、高配当株に投資して定期的な収入を得る戦略も有効です。

ただし、為替リスクがあるため、円安・円高の影響を受ける点に注意しましょう。

非課税枠を売却したら再利用できる?

はい、成長投資枠で購入した商品を売却すると、翌年以降に非課税枠が復活します。

例えば、100万円分の株式を売却した場合、翌年以降に再び100万円分の非課税枠が使えるようになります。

ただし、売却した年内に枠が復活するわけではありません。年間240万円の投資枠は、その年の1月1日時点でリセットされるため、計画的に活用しましょう。

旧NISAの資産はどうなる?

旧NISA(一般NISA・つみたてNISA)で保有している資産は、非課税期間が終了するまでそのまま非課税で保有できます。

新NISAとは別枠で管理されるため、新NISAの非課税保有限度額には影響しません。

旧一般NISAは5年間、旧つみたてNISAは20年間の非課税期間が適用されます。非課税期間が終了した後は、課税口座に移管されるか、売却するかを選択できます。

証券会社によって成長投資枠の商品は違う?

はい、証券会社によって取扱商品数や種類が異なります。

特に、投資信託や外国株式の取扱銘柄数には大きな差があります。SBI証券や楽天証券は取扱商品数が多く、選択肢が豊富です。

個別株式の取扱銘柄は基本的にどの証券会社でも同じですが、外国株式やETFの取扱数は証券会社によって異なります。口座開設前に、自分が投資したい商品を取り扱っているか確認しましょう。

まとめ

新NISAの成長投資枠は、年間240万円まで非課税で投資でき、個別株式やETF、REITなど幅広い商品に投資できる制度です。

つみたて投資枠との併用で年間最大360万円の非課税投資が可能になり、長期的な資産形成を加速できます。

成長投資枠を活用する際は、除外商品に注意し、自分のリスク許容度に合った商品を選ぶことが大切です。

個別株式は元本割れのリスクが高いため、投資信託やETFから始めることをおすすめします。

また、一括投資のタイミングリスクや、非課税枠の使い切りに焦らないことも重要です。

自分の収入や生活状況に合わせて、無理のない範囲で投資を続けましょう。

証券会社選びも重要なポイントです。取扱商品数が多く、手数料が低い証券会社を選ぶことで、効率的に資産形成ができます。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。不明な点があれば、各証券会社や専門家にご相談ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

この記事のキーワード

キーワードがありません。

この記事と同じキーワードの記事

まだ記事がありません。

キーワードから探す

資料請求

資料請求

カンタン1分登録で、気になる資料を無料でお取り寄せ

お問い合わせ

そんなお悩みをお持ちの方は、まずはお問い合わせください!