FXドテン注文とは|レンジ相場で往復利益を取る方法と注意点

FX取引を始めて、ポジションを保有したものの、思惑と反対方向に相場が動いて損失が発生している状態を「含み損」といいます。
含み損を抱えると、「このまま損切りすべきか」「待てば回復するのではないか」と判断に迷い、精神的にも追い詰められる方が少なくありません。
本記事では、含み損の基本的な意味から、含み損を抱える原因、対処法、損切りルールの決め方まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
含み損との正しい向き合い方を理解し、今後の取引に活かしていきましょう。
目次
含み損とは?FXにおける意味と計算方法
FX取引において、含み損を正しく理解することは、リスク管理の第一歩です。
ここでは、含み損の定義と具体的な計算方法について解説します。
含み損とは、保有しているポジションが現在のレートで損失を抱えている状態を指します。
まだ決済していないため、損失は確定していません。決済した時点で初めて「確定損失」となります。
含み損は「評価損」や「未実現損失」とも呼ばれます。これらはすべて同じ意味で、決済前の損失を表す用語です。
対義語は「含み益(評価益・未実現利益)」で、保有中のポジションが利益を抱えている状態を指します。
含み損の計算方法を、米ドル/円の具体例で見ていきましょう。
例えば、1ドル=150円のときに1万通貨の買いポジションを保有したとします。その後、相場が1ドル=145円まで下落した場合、含み損は以下のように計算されます。
(150円 – 145円)× 1万通貨 = 5万円の含み損
相場が150円まで戻れば含み損はゼロになります
この時点では、まだポジションを決済していないため、損失は確定していません。逆に、140円まで下落すれば、含み損は10万円に拡大します。
含み損の金額は、現在のレートとエントリー時のレートの差、そして取引数量によって決まります。
含み益は、含み損とは逆に、保有中のポジションが利益を抱えている状態です。
先ほどの例で、1ドル=150円で買いポジションを持った後、相場が1ドル=155円まで上昇した場合を考えます。
(155円 – 150円)× 1万通貨 = 5万円の含み益
含み益も含み損と同様に、決済するまでは確定しません。相場が反転して150円まで戻れば、含み益はゼロになります。
含み益を確保するには利益確定の決済注文が必要です
含み損を抱える3つの原因
含み損を抱えてしまう原因を理解することで、同じ失敗を繰り返さないための対策が見えてきます。
ここでは、多くのトレーダーが陥りやすい3つの原因を解説します。
含み損を抱える最大の原因は、損切りができない心理です。
損失を確定させることに強い抵抗を感じ、「もう少し待てば相場が戻るかもしれない」と期待してしまいます。
行動経済学では、人間は利益よりも損失を大きく感じる傾向があるとされています。これを「損失回避バイアス」といいます。
損失回避バイアスにより含み損が拡大するリスクがあります
このバイアスにより、含み損を抱えたまま放置してしまい、結果的に損失がさらに拡大するケースが少なくありません。
損切りは損失を確定させる行為ですが、それ以上の損失拡大を防ぐための重要なリスク管理手段です。
感情的なトレードも、含み損を生む大きな原因です。
特に「ポジポジ病」と呼ばれる状態では、常にポジションを持っていないと落ち着かず、根拠が薄い状態でもエントリーしてしまいます。
損失を取り戻そうと焦って無計画な取引を重ねると、さらに損失が膨らむ悪循環に陥ります。
冷静な判断ができないときは、一度相場から離れることも有効な対策です。
事前に決めたルールに従って取引することが重要です
明確な根拠がないまま、なんとなくエントリーしてしまうことも、含み損の原因です。
「上がりそうだから買う」「下がりそうだから売る」といった曖昧な判断では、相場が逆行したときに対処できません。
エントリー前に、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析を行い、エントリーの根拠を明確にすることが重要です。
また、エントリーと同時に損切りラインと利益確定ラインを設定しておくことで、計画的な取引が可能になります。
含み損を抱えたときの5つの選択肢
含み損を抱えた場合、取るべき行動は主に5つあります。
それぞれの選択肢にはメリットとデメリットがあり、状況に応じて適切な判断が求められます。
損切りとは、含み損を抱えたポジションを決済し、損失を確定させることです。
損失を認めることは心理的に辛いものですが、これ以上の損失拡大を防ぐための最も基本的なリスク管理手段です。
事前に設定した損切りラインで機械的に決済しましょう
損切りを徹底することで、資金を守り、次の取引機会に備えることができます。
ナンピンとは、含み損を抱えたポジションと同じ方向に追加でポジションを持つことで、平均取得単価を有利にする手法です。
例えば、1ドル=150円で買った後に145円まで下落した場合、145円でさらに買い増しすれば、平均取得単価は147.5円になります。
相場が反転すれば、より早く損益分岐点に到達できるメリットがあります。
相場がさらに逆行すると含み損が急速に拡大します
しかし、相場がさらに逆行した場合、ポジション数が増えているため、含み損も急速に拡大します。証拠金維持率が低下し、強制ロスカットのリスクが高まる点に注意が必要です。
ナンピンは、明確な戦略と十分な資金管理のもとで行うべき手法であり、初心者には推奨されません。
両建てとは、同じ通貨ペアで買いと売りのポジションを同時に保有することです。
例えば、1ドル=150円で買いポジションを持ち、145円で含み損を抱えた状態で、145円で売りポジションを追加すると、それ以降は相場がどちらに動いても損益が固定されます。
損失を一時的に固定し、相場の動きを見極める時間を稼ぐことができます。
両建て中もスワップポイントの差額が発生します
ただし、両建てをしても含み損が解消されるわけではありません。その後、どのタイミングでどちらのポジションを外すかという判断が必要になります。
また、両建て中もスワップポイントの差額が発生するため、長期間保有するとコストがかかる場合があります。両建ては高度な戦略であり、初心者には難易度が高い手法です。
塩漬けとは、含み損を抱えたポジションを損切りせず、相場が回復するまで長期間保有し続けることです。
「いつか相場が戻るだろう」という期待から、損切りを先延ばしにする状態を指します。
相場が実際に回復すれば、損失を回避できる可能性があります。
塩漬け中は証拠金が拘束され新たな取引機会を逃します
しかし、相場がさらに逆行した場合、含み損は拡大し続け、最終的には強制ロスカットに至るリスクがあります。また、塩漬け中は証拠金が拘束されるため、新たな取引機会を逃すことにもなります。
塩漬けは、明確な根拠がない限り避けるべき選択肢です。
証拠金維持率が低下し、強制ロスカットが近づいている場合、追加で証拠金を入金することでロスカットを回避できます。
証拠金維持率が回復し、ポジションを保有し続けることが可能になります。
相場がさらに逆行すると追加証拠金も失うリスクがあります
ただし、相場がさらに逆行した場合、追加した証拠金も失うリスクがあります。追加入金は、相場が反転する明確な根拠がある場合に限定すべきです。
無計画な追加入金は、損失を拡大させる原因となります。
損切りルールの決め方
含み損を最小限に抑えるには、事前に損切りルールを決めておくことが不可欠です。
ここでは、損切りルールを決める4つの基準を紹介します。
損失額を基準に損切りラインを決める方法は、初心者にもわかりやすい手法です。
例えば、「1回の取引で1万円以上の損失は出さない」というルールを設定します。
エントリー後、含み損が1万円に達したら、自動的に損切りを実行します。
複雑な計算が不要で損失額を明確に管理できます
ただし、損失額を見ると感情的になりやすく、ルールを破ってしまうリスクがある点に注意が必要です。
損失率を基準にする方法は、資金管理の観点から最も推奨される手法です。
代表的なのが「2%ルール」で、1回の取引で許容する損失を総資金の2%以内に抑えるというものです。
例えば、総資金が50万円の場合、1回の取引で許容する損失は1万円(50万円×2%)となります。
5連敗しても資金は約90%残ります
2%ルールを守ることで、連敗しても資金の大部分を残すことができます。
この方法は、資金に対して一定割合のリスクを取るため、資金が減少すれば損失額も自動的に調整され、破産リスクを大幅に低減できます。
値幅(pips)を基準に損切りラインを決める方法もあります。
例えば、「エントリー価格から30pips逆行したら損切りする」というルールです。
この方法は、通貨ペアごとのボラティリティ(価格変動の大きさ)に応じて調整することが重要です。
ボラティリティが高い通貨ペアでは損切り幅を広めに設定します
ボラティリティが高い通貨ペアでは、損切り幅を広めに設定しないと、通常の値動きで頻繁に損切りされてしまいます。
逆に、ボラティリティが低い通貨ペアでは、損切り幅を狭めに設定することで、損失を抑えられます。
テクニカル分析を用いて、損切りラインを決める方法もあります。
代表的な基準は、サポートライン(支持線)やレジスタンスライン(抵抗線)、移動平均線などです。
例えば、買いポジションを持つ場合、直近の安値やサポートラインの少し下に損切りラインを設定します。
価格がサポートラインを下抜けた場合、下降トレンドに転換する可能性が高いため、損切りして次の機会を待つのが合理的です。
「だまし」と呼ばれる一時的な誤シグナルに注意が必要です
含み損が拡大すると、最終的には強制ロスカットが発動するリスクがあります。
ここでは、証拠金維持率と強制ロスカットの仕組みを解説します。
証拠金維持率とは、取引に必要な証拠金(必要証拠金)に対して、どの程度資金に余裕があるかを示す指標です。
計算式は以下の通りです。
証拠金維持率(%)= 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100
有効証拠金は、口座残高に含み損益を加減した金額です。必要証拠金は、現在保有しているポジションを維持するために必要な金額です。
例えば、口座に10万円を入金し、1ドル=100円で1万通貨の買いポジションを保有した場合、必要証拠金は4万円(レバレッジ25倍の場合)となります。
出典: 金融庁
含み損がゼロの状態では、証拠金維持率は250%(10万円÷4万円×100)です。
相場が1ドル=99円まで下落し、含み損が1万円発生すると、有効証拠金は9万円となり、証拠金維持率は225%に低下します。
強制ロスカットとは、証拠金維持率が一定水準を下回った場合に、FX会社が自動的にポジションを決済する仕組みです。
出典: 金融先物取引業協会
ロスカット水準はFX会社によって異なります。主要なFX会社のロスカット水準は以下の通りです。
| FX会社 | ロスカット水準(証拠金維持率) |
| みんなのFX | 100%以下 |
| GMOクリック証券(FXネオ) | 50%未満 |
| DMM FX | 50%以下 |
| SBI FXトレード | 50%未満 |
| LIGHT FX | 100%以下 |
| LINE FX | 100%未満 |
ロスカット水準が100%の場合、有効証拠金と必要証拠金が同額になった時点で強制決済されます。
ロスカット水準が50%の場合、有効証拠金が必要証拠金の半分まで減少した時点で強制決済されます。
相場急変時は預けた証拠金以上の損失が発生する可能性があります
ただし、相場が急変動した場合、設定されたロスカット水準を大幅に下回る価格で決済される可能性があります。この場合、預けた証拠金以上の損失が発生するリスクがあります。
追証(おいしょう)とは、証拠金維持率が一定水準を下回った場合に、FX会社から追加の証拠金の入金を求められることです。
国内FXでは、多くの会社が追証制度を採用していませんが、一部の会社では証拠金判定時刻に証拠金維持率が100%を下回ると、追証が発生する場合があります。
追証が発生した場合、指定された期限までに不足額を入金しないと、全ポジションが強制決済されます。
急激な相場変動時は証拠金を上回る損失の支払い義務が生じます
なお、国内FXでは、急激な相場変動により証拠金を上回る損失が発生した場合、不足金の支払い義務が生じます。
含み損を抑えるための実践テクニック
損切りルールの設定以外にも、含み損を抑えるための実践的なテクニックがあります。
ここでは、3つの有効な手法を紹介します。
逆指値注文とは、指定した価格に達したら自動的に注文が発注される注文方法です。
損切りに活用する場合、エントリーと同時に損切りラインに逆指値注文を設定しておきます。
例えば、1ドル=150円で買いポジションを持ち、148円に逆指値の売り注文を設定すれば、相場が148円まで下落した時点で自動的に損切りが実行されます。
相場を常に監視する必要がなく感情的な判断を排除できます
特に、仕事や睡眠中など、相場を見られない時間帯には、逆指値注文の設定が不可欠です。
リスクリワード比率とは、1回の取引における損失(リスク)と利益(リワード)の比率のことです。
計算式は以下の通りです。
リスクリワード比率 = 平均利益 ÷ 平均損失
例えば、平均利益が2万円、平均損失が1万円の場合、リスクリワード比率は2となります。
リスクリワード比率が1より大きい場合、損小利大のトレードが実現できています。勝率が50%でも、トータルで利益を出すことが可能です。
損切りラインを浅く利益確定ラインを深く設定しましょう
逆に、リスクリワード比率が1より小さい場合、勝率が高くても、1回の大きな損失でトータルの利益を失うリスクがあります。
デモトレードとは、実際の資金を使わずに、仮想資金でFX取引を体験できるサービスです。
デモトレードを活用することで、含み損を抱えた際の心理的なストレスを疑似体験し、損切りの練習ができます。
実際の資金を使わないため、冷静に損切りルールを検証し、自分に合ったルールを確立できます。
みんなのFX、GMOクリック証券、DMM FX、ヒロセ通商、外為どっとコム、楽天証券、GMO外貨、JFXなど、多くのFX会社がデモトレードを提供しています。
実際の取引を始める前に十分に練習することをおすすめします
含み損は、決済していない未実現損失のため、確定申告の対象にはなりません。
確定申告が必要になるのは、ポジションを決済して損失が確定した場合です。
確定した損失は、同じ年の利益と相殺でき、損失が利益を上回る場合は「繰越控除」により翌年以降3年間にわたって損失を繰り越すことができます。
含み損を抱えたまま週末を迎えることは可能ですが、リスクがあります。
週末は為替市場が休場しますが、週明けの月曜日に市場が再開する際、金曜日の終値と大きく乖離した価格で取引が始まることがあります。これを「窓開け」といいます。
特に、証拠金維持率が低い状態で週末を迎えることは避けるべきです。週末前にポジションを決済するか、証拠金に余裕を持たせることが推奨されます。
含み損が大きくなった場合、まず冷静に現状を分析することが重要です。
相場が反転する明確な根拠があるかを確認し、根拠がなければ速やかに損切りすることを検討します。
証拠金維持率が低下している場合、追加証拠金の入金も選択肢ですが、相場がさらに逆行するリスクを考慮する必要があります。
損失を確定させることは辛いですが、資金を守り、次の取引機会に備えるためには、勇気を持って損切りすることが重要です。
スワップポイントとは、2つの通貨間の金利差から生じる損益で、ポジションを翌日に持ち越すと発生します。
プラスのスワップポイントが発生する場合、毎日一定額が口座に加算されます。
理論上は、スワップポイントで含み損を相殺することも可能ですが、現実的には困難です。
為替差損がスワップポイントを大きく上回る場合が多く、含み損を相殺するには長期間の保有が必要になります。
スワップポイント目的でポジションを保有する場合も、損切りラインを設定し、リスク管理を徹底することが重要です。
| 米ドル/円スプレッド | 0.2銭(原則固定) |
| 取扱通貨ペア | 51通貨ペア |
| 最小取引単位 | 1,000通貨 |
含み損は、FX取引を行う上で避けられないものです。
重要なのは、含み損を抱えないことではなく、含み損を最小限に抑え、適切に対処することです。
事前に損切りルールを決め、逆指値注文を活用し、感情に流されず機械的に損切りを実行することが、長期的に利益を上げるための鍵となります。
また、リスクリワード比率を意識し、損小利大のトレードを心がけることで、勝率が低くてもトータルで利益を出すことが可能です。
デモトレードで十分に練習し、自分に合った損切りルールを確立してから、実際の取引に臨みましょう。
FX取引は元本や利益が保証された金融商品ではありません
FX取引(外国為替証拠金取引)は、元本や利益が保証された金融商品ではありません。レバレッジにより、少額の証拠金で大きな取引が可能ですが、為替相場・金利の変動により、預入証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。
出典: 金融庁取引を行う際は、金融商品取引業者の登録の有無を確認し、契約締結前交付書面等をよくお読みのうえ、ご自身の判断と責任でお取引ください。
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