仮想通貨の税制改正はいつから?税率20%で変わる節税対策【2026年最新】

仮想通貨の税制改正はいつから?税率20%で変わる節税対策【2026年最新】
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この記事の要約
  • 2025年12月の税制改正大綱で、仮想通貨の申告分離課税20%と3年間の損失繰越控除が明記された
  • 施行は金融商品取引法改正後の翌年1月からで、2028年1月が有力視されている
  • 高所得者ほど減税効果が大きく、年収1000万円・利益1000万円なら約350万円の節税が可能

仮想通貨取引で利益が出ても、税金の高さに悩んでいませんか。

現在の税制では最大55%もの税率がかかり、利益の半分以上が税金で消えてしまいます。

しかし、2025年12月19日に公表された令和8年度税制改正大綱により、仮想通貨の税制が大きく変わることが決まりました。

申告分離課税20%への移行と3年間の損失繰越控除が明記され、株式投資やFXと同等の税制が実現する見込みです。

この記事では、税制改正の最新スケジュール、具体的な節税効果、2025年中に取るべき対策を詳しく解説します。

税制改正を正しく理解して、賢く資産を守りましょう。

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SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

目次

仮想通貨の税制改正とは?いつから変わるのか

仮想通貨の税制改正は、2025年12月19日に公表された令和8年度税制改正大綱で正式に決定しました。現在の総合課税(最大55%)から申告分離課税(20%)への移行が明記され、長年の業界要望がついに実現する運びとなりました。

2025年12月の税制改正大綱で正式決定

令和8年度税制改正大綱では、「国民の資産形成に資する暗号資産」に限り、現物取引・デリバティブ取引・ETFから生じる所得を申告分離課税の対象とすることが明記されました。これは金融庁の2025年8月の要望を受けたもので、暗号資産を株式投資と同等の金融商品として位置づける重要な転換点となります。

税率は所得税15%+住民税5%の合計20%

復興特別所得税を含めると20.315%となり、現行の最大55%から大幅に引き下げられます。

実施時期は2028年1月から(見込み)

税制改正の施行時期は、金融商品取引法の改正法施行日の翌年1月1日と定められています。金融庁は2026年の通常国会に金商法改正案を提出する予定で、法改正と施行準備に約1年を要すると想定されるため、新税制の開始は2028年1月が有力視されています。

最新の動向は金融庁の公式サイトで確認できます

ただし、法改正のスケジュールや施行準備の進捗によって前後する可能性があり、最新の動向を注視する必要があります。

改正の3つの柱|申告分離課税・損失繰越・交換時課税繰延べ

今回の税制改正には3つの重要な柱があります。

  • 第一に申告分離課税の導入で、所得金額にかかわらず一律20.315%の税率
  • 第二に3年間の損失繰越控除制度の創設で、損失が出た年の翌年以降3年間にわたり利益と相殺可能
  • 第三に暗号資産同士の交換時課税の繰延べで、DeFiやNFT取引での税負担が軽減

これらの改正により、株式投資やFXと同等の税制環境が整います。

現在の仮想通貨の税制|何が問題なのか

現行の仮想通貨税制は、個人投資家にとって非常に不利な仕組みとなっています。総合課税による高税率、損失繰越の不可、株式投資との不公平感など、複数の問題点が指摘されてきました。

総合課税で最大55%の税率

仮想通貨の利益は「雑所得」として総合課税の対象となり、給与所得などと合算して税額が計算されます。所得税の累進課税により、所得が増えるほど税率も上昇し、最高税率45%に住民税10%を加えると最大55%となります。

利益の半分以上が税金で消える可能性があります

例えば年収1000万円の会社員が仮想通貨で1000万円の利益を得た場合、合計所得2000万円に対して約900万円の税金がかかり、手元に残るのは約1100万円のみです。

損失の繰越控除ができない

現行税制では、仮想通貨取引で損失が出ても翌年以降に繰り越すことができません。例えば2024年に300万円の損失を出し、2025年に500万円の利益を得た場合、2025年の利益500万円全額に対して課税されます。

株式投資やFXでは3年間の損失繰越が認められています

同じ金融商品でありながら不公平な扱いとなっています。価格変動が激しい仮想通貨では、バブル期に大きな利益を得ても翌年の暴落で損失を抱えるケースが多く、損失繰越制度の欠如は投資家の大きな負担となっています。

株式投資(20%)との不公平感

株式投資の利益は申告分離課税で一律20.315%の税率が適用されるのに対し、仮想通貨は総合課税で最大55%と、同じ金融商品でありながら税制上の扱いが大きく異なります。

米国でビットコイン現物ETFが承認されて以降、国内でもETF組成への期待が高まっていますが、ETFは20%、現物取引は55%という税率格差が生じる問題が指摘されていました。この不公平な税制が、日本の仮想通貨市場の発展を阻害する要因となっていました。

確定申告の複雑さ

仮想通貨の確定申告は、取引履歴の管理と損益計算が非常に複雑です。売却時だけでなく、暗号資産同士の交換や商品購入時にも課税されるため、すべての取引を記録する必要があります。

複数の取引所利用時は統合計算が必須です

複数の取引所を利用している場合、各取引所の年間取引報告書を統合して計算しなければならず、手作業では膨大な時間がかかります。損益計算ツールを活用しても、DeFiやNFT取引の履歴は自動取得できないケースが多く、投資家の大きな負担となっています。

申告分離課税への変更|税率20%でどう変わる?

申告分離課税への移行により、仮想通貨の税制は株式投資やFXと同等の扱いとなります。税率の大幅な引き下げと課税方式の変更により、投資環境が劇的に改善されます。

申告分離課税とは

申告分離課税とは、特定の所得を他の所得と分離して、一定の税率で課税する方式です。給与所得や事業所得などと合算せず、独立して税額を計算するため、所得金額の大小にかかわらず税率が一定となります。

株式の譲渡益や配当所得、FX取引で既に採用

仮想通貨も同じ枠組みに組み込まれることになります。これにより、高額所得者でも税率が上がらず、税負担の予測が容易になります。

税率20%の内訳(所得税15%+住民税5%)

申告分離課税の税率は、所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%(所得税額の2.1%)の合計20.315%となります。復興特別所得税は2013年から2037年までの期間限定で課されるため、2038年以降は20%となる予定です。

所得金額にかかわらず一律で適用されます

年収が高い人や仮想通貨の利益が大きい人ほど、現行税制と比べて大幅な減税効果を得られます。

他の所得と合算されない仕組み

申告分離課税では、仮想通貨の利益を給与所得や事業所得と完全に分離して計算します。例えば年収1000万円の会社員が仮想通貨で500万円の利益を得た場合、現行税制では合計所得1500万円として累進課税が適用されますが、改正後は給与所得1000万円と仮想通貨利益500万円を別々に計算します。

給与所得は通常の累進課税、仮想通貨利益は一律20.315%となるため、税負担が大幅に軽減されます。この仕組みにより、高額所得者でも安心して仮想通貨投資を行えるようになります。

株式投資・FXと同じ税率に

改正後の仮想通貨税制は、株式投資やFXと完全に同じ税率となります。これにより、投資家は資産配分を税制面で考慮する必要がなくなり、純粋に投資判断に基づいてポートフォリオを構築できます。

国際的に見ても競争力のある水準です

日本の税率20.315%は、米国(最大37.1%)やフランス(30%)と比べても有利です。シンガポール(非課税)には及びませんが、韓国(20%)やドイツ(25%)と同等またはそれ以下の税率となり、日本の仮想通貨市場の国際競争力が向上すると期待されています。

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税額シミュレーション|改正前後でいくら変わる?

税制改正による節税効果を、年収と利益額別に具体的にシミュレーションします。高所得者ほど減税効果が大きくなることがわかります。

ケース年収仮想通貨利益現行税額改正後税額節税額
ケース1500万円100万円約20万円約20万円±0円
ケース2500万円500万円約170万円約100万円約70万円
ケース31000万円1000万円約550万円約200万円約350万円

年収500万円・利益100万円の場合

年収500万円の会社員が仮想通貨で100万円の利益を得た場合、現行税制では合計所得600万円として計算され、仮想通貨利益部分の税額は約20万円となります。改正後も申告分離課税で約20万円(100万円×20.315%)となるため、このケースでは節税効果はほとんどありません。

これは、現行税制でも比較的低い税率が適用される所得水準であるためです。ただし、損失繰越控除が利用できるようになる点は大きなメリットです。

年収500万円・利益500万円の場合

年収500万円の会社員が仮想通貨で500万円の利益を得た場合、現行税制では合計所得1000万円として計算され、累進課税により仮想通貨利益部分の税額は約170万円となります。改正後は申告分離課税で約100万円(500万円×20.315%)となり、約70万円の節税が可能です。

利益の約34%が税金→20%に抑えられます

手元に残る金額が大きく増えます。このケースでは、税制改正の恩恵を十分に受けられます。

年収1000万円・利益1000万円の場合

年収1000万円の会社員が仮想通貨で1000万円の利益を得た場合、現行税制では合計所得2000万円として計算され、最高税率が適用されて仮想通貨利益部分の税額は約550万円となります。改正後は申告分離課税で約200万円(1000万円×20.315%)となり、約350万円の大幅な節税が実現します。

手元に残る金額は約2.75倍に増加

利益の55%が税金で消えていたものが、20%に抑えられるため、高所得者にとって税制改正は極めて大きなメリットとなります。

高所得者ほど減税効果が大きい理由

現行の総合課税は累進課税のため、所得が増えるほど税率も上昇します。年収1000万円を超える高所得者では、仮想通貨利益に対して最高税率45%(住民税含めて55%)が適用されます。

一方、申告分離課税は所得金額にかかわらず一律20.315%のため、高所得者ほど現行税制との差が大きくなります。例えば、利益1000万円の場合、税率差は約35%となり、節税額は約350万円に達します。この仕組みにより、高額所得者ほど税制改正の恩恵を大きく受けることになります。

損失繰越控除の導入|3年間の赤字を繰り越せる

損失繰越控除制度の導入により、損失が出た年の翌年以降3年間にわたり、利益と相殺できるようになります。価格変動が激しい仮想通貨投資において、リスク管理の自由度が大幅に向上します。

損失繰越控除とは

損失繰越控除とは、ある年に発生した損失を翌年以降に繰り越し、将来の利益から差し引くことができる制度です。株式投資やFXでは既に認められており、仮想通貨でも同様の仕組みが導入されます。

損失が生じた年から継続して確定申告が必須です

繰越控除の適用を受けるためには、損失が生じた年から継続して確定申告を行う必要があります。取引がない年でも確定申告が必須となるため、注意が必要です。また、繰越期間は最大3年間で、4年目以降は繰り越せません。

具体例|2024年200万円損失、2025年300万円利益の場合

2024年に仮想通貨取引で200万円の損失を出し、2025年に300万円の利益を得たケースで考えてみましょう。現行税制では、2024年の損失は切り捨てられ、2025年の利益300万円全額に対して課税されます(税額約60万円)。

改正後は約40万円の節税が可能

改正後は、2024年の損失200万円を2025年に繰り越し、利益300万円から差し引いて100万円に対してのみ課税されます(税額約20万円)。この例では損失繰越控除の効果が明確にわかります。

株式投資・FXと同じ仕組みに

仮想通貨の損失繰越控除は、株式投資やFXと全く同じ仕組みとなります。ただし、現時点では株式等との損益通算はできず、あくまで「暗号資産グループ内」での通算となる見込みです。

株式の利益との相殺はできません

つまり、仮想通貨の損失を株式の利益と相殺することはできません。一方、仮想通貨の現物取引とデリバティブ取引の間では損益通算が可能となり、柔軟な投資戦略が立てられるようになります。将来的には株式等との損益通算も検討される可能性がありますが、当面は別枠での扱いとなります。

暗号資産同士の交換時課税の繰延べ|DeFi・NFTへの影響

暗号資産同士の交換時に課税される現行制度は、DeFiやNFT取引を行う投資家にとって大きな負担となっています。交換時課税の繰延べが実現すれば、Web3分野の活性化が期待されます。

現在の交換時課税の問題点

現行税制では、ビットコインでイーサリアムを購入するなど、暗号資産同士を交換した時点で課税されます。例えば、30万円で購入した1ビットコインが100万円に値上がりした時点でイーサリアムと交換すると、70万円の利益が発生し課税対象となります。

日本円を得ていないのに納税資金が必要です

しかし、この時点では日本円を得ていないため、納税資金を別途用意する必要があります。DeFiでは頻繁にトークンをスワップするため、交換のたびに課税が発生し、損益計算が極めて複雑になります。この問題が、日本のWeb3産業の発展を阻害する要因となっていました。

繰延べが認められるとどうなるか

交換時課税の繰延べが実現すれば、暗号資産同士の交換時には課税されず、最終的に日本円や外貨と交換した時点で課税されるようになります。例えば、ビットコインをイーサリアムに交換し、さらにNFTを購入した後、最終的にNFTを売却して日本円を得た時点で、当初のビットコイン取得価額と最終的な売却価額の差額に対して課税されます。

DeFiやNFT取引での税負担が大幅に軽減

この仕組みにより、投資家は自由に資産を運用できるようになります。

DeFi・NFT取引での実務的な効果

DeFi取引では、流動性提供やステーキング、イールドファーミングなど、複数のトークンを頻繁に交換します。現行税制では交換のたびに課税されるため、損益計算が非常に複雑で、多くの投資家が確定申告に苦労しています。

損益計算が大幅に簡素化されます

交換時課税の繰延べが実現すれば、最終的に日本円に換金した時点でのみ課税されるため、損益計算が大幅に簡素化されます。NFT取引でも、イーサリアムでNFTを購入した時点では課税されず、NFTを売却して日本円を得た時点で課税されるため、投資戦略の自由度が向上します。

実現時期は他の改正項目より遅れる可能性があります

ただし、この改正は理論面・実務面の検討を要するため、他の改正項目よりも実現時期が遅れる可能性があります。

税制改正のスケジュール|2028年1月施行までの流れ

税制改正の実現には、複数の段階を経る必要があります。2025年12月の税制改正大綱公表から施行までのスケジュールを整理します。

2025年7月30日|業界団体が要望書提出

日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)と日本暗号資産取引業協会(JVCEA)は、2025年7月30日に金融庁へ2026年度税制改正要望書を提出しました。要望の最優先事項は、暗号資産取引の申告分離課税(20%)導入で、損失繰越控除(3年間)、暗号資産同士の交換時課税の繰延べ、相続・贈与時の評価方法の合理化なども含まれています。業界団体の要望は、投資家調査(26,002件)に基づいており、年収300万円〜700万円層が50.7%を占めるなど、中間所得層にも恩恵があることが示されました。

業界団体の要望は投資家調査に基づいています

2025年8月29日|金融庁が要望書公表

金融庁は2025年8月29日、令和8年度税制改正要望を公表し、「暗号資産取引に係る必要な法整備と併せて、分離課税の導入を含めた暗号資産取引等に係る課税の見直しを行うこと」と明記しました。金融庁の要望は、暗号資産を金融商品取引法の枠内で扱う新制度の整備とセットで税制改正を進める方針を示しており、投資家保護のための説明義務や不公正取引の防止など、健全な取引環境の構築を前提としています。また、暗号資産ETFの組成を可能にするための検討も税制面を含めて行う必要性に言及しました。

金融商品取引法の整備とセットで進める方針

2025年12月19日|税制改正大綱に記載(決定)

自民党・日本維新の会は2025年12月19日、令和8年度税制改正大綱を決定しました。暗号資産取引への申告分離課税の導入が正式に盛り込まれ、税率は株式と同様の一律20%(所得税15%、住民税5%)となることが明記されました。対象は「国民の資産形成に資する暗号資産」に限定され、現物取引・デリバティブ取引・ETFから生じる所得が分離課税の対象となります。また、3年間の繰越控除制度の創設も明記され、2025年度大綱の「検討」段階から大きく前進しました。ただし、金融商品取引法改正を前提とした条件付き導入となっています。

税率20%と3年間の繰越控除が正式決定

金融商品取引法改正が前提条件です

2026年1月|通常国会で法改正審議

金融庁は2026年の通常国会に、暗号資産を金融商品取引法の規制対象とする法改正案を提出する見込みです。この法改正では、暗号資産を資金決済法から金商法へ移行させ、投資家保護のための説明義務やインサイダー取引規制などを導入します。法案が可決・成立すれば、施行までに約1年の準備期間を要するため、新税制の適用開始は金商法改正法施行日の翌年1月1日、すなわち2028年1月からとなる見込みです。ただし、政令改正で対応できる部分については前倒しの可能性もあり、最終的なスケジュールは今後の国会審議で確定します。

最終的なスケジュールは国会審議で確定します

税制改正の実現可能性|FXの歴史から予測する

仮想通貨の税制改正は、過去のFX税制改正の経緯と類似点が多く、実現可能性は高いと考えられます。FXの事例から今後の展開を予測します。

FXの税制改正(2012年)の経緯

FX取引は当初、店頭取引と取引所取引で税制が異なっていました。取引所FX(くりっく365など)は2005年から申告分離課税(20%)が適用されていましたが、店頭FXは総合課税(最大50%)で、税制の不公平が問題視されていました。2011年に税制改正が決定し、2012年1月から店頭FXも申告分離課税に統一され、3年間の損失繰越控除も認められました。外為法改正から約15年を要しましたが、最終的には公平で分かりやすい税制が実現しました。この改正により、FX市場は大きく拡大し、個人投資家の裾野が広がりました。

仮想通貨とFXの類似点

仮想通貨とFXには多くの類似点があります。どちらも価格変動が激しく、レバレッジ取引が可能で、24時間365日取引できる金融商品です。また、当初は総合課税が適用され、高税率に対する不満が投資家から上がっていた点も共通しています。FXでは取引所と店頭で税制が異なる不公平が問題となり、仮想通貨でも将来的にETFと現物取引で税率が異なる不公平が懸念されています。金融庁が法整備と税制改正を同時に進める方針も、FXの時と同様です。これらの類似点から、仮想通貨もFXと同じ道をたどる可能性が高いと考えられます。

FXと同様の道をたどる可能性が高い

実現可能性は高いが確実ではない

税制改正大綱に明記されたことで、実現可能性は大きく高まりました。金融庁が正式に要望を提出し、与党も税制改正大綱に盛り込んだことから、政府の方針は明確です。また、国内暗号資産口座数が2025年10月時点で1,300万口座を超え、国民の資産形成手段として定着しつつあることも、改正を後押ししています。ただし、金融商品取引法改正が前提条件となっているため、法改正が遅れれば税制改正の施行も遅れます。また、対象となる「特定暗号資産」の範囲や、海外取引所での取引の扱いなど、詳細な制度設計は今後の議論で決まります。確実ではありませんが、実現の可能性は非常に高いと言えます。

金融商品取引法改正が前提条件です

詳細な制度設計は今後の議論で決まります

2025年中に取るべき税金対策|含み損銘柄の売却タイミング

税制改正を見越して、2025年中に取るべき具体的な対策を解説します。含み損銘柄の売却や利確のタイミングなど、戦略的な判断が重要です。

含み損銘柄を2025年中に売却すべきか

含み損を抱えている銘柄は、2025年中に売却して損失を確定させることを検討しましょう。現行税制では、2025年の損失は同年の他の雑所得(仮想通貨利益)と相殺できます。例えば、A銘柄で100万円の損失、B銘柄で150万円の利益がある場合、A銘柄を売却すれば課税対象は50万円に圧縮されます。一方、2028年以降は申告分離課税となるため、雑所得との相殺ができなくなります。ただし、今後価格が回復する可能性がある銘柄を損切りするリスクもあるため、慎重な判断が必要です。

価格回復の可能性も考慮して判断しましょう

含み益銘柄は改正後まで保有すべきか

含み益を抱えている銘柄は、税制改正後まで保有を継続することで、税率20.315%の恩恵を受けられます。例えば、1000万円の含み益がある場合、2025年中に利確すると最大550万円の税金がかかりますが、2028年以降に利確すれば約200万円で済みます。約350万円の節税が可能となるため、保有を継続する価値は大きいです。ただし、2025年から2028年までの間に価格が暴落するリスクもあります。価格変動リスクと節税効果を天秤にかけ、自身のリスク許容度に応じて判断しましょう。

約350万円の節税が可能となります

価格暴落のリスクも考慮が必要です

法人化の検討タイミング

現在、個人で仮想通貨取引を行っている場合、法人化を検討する価値があります。法人税率は最大23.2%(中小企業の場合)で、住民税や事業税を含めた実効税率は約34%です。所得が大きい場合は個人の総合課税(最大55%)よりも有利ですが、2028年以降は個人も申告分離課税(20.315%)となるため、法人の方が不利になります。したがって、法人化を検討するなら2025年〜2027年の間が最後のチャンスとなります。ただし、法人化には設立費用や維持コストがかかり、期末時価評価課税(含み益にも課税)の問題もあるため、税理士に相談して総合的に判断しましょう。

法人化は2025年〜2027年が最後のチャンス

期末時価評価課税の問題もあります

税理士への相談が必要なケース

以下のケースでは、税理士への相談を強く推奨します。年間利益が500万円を超える場合、複数の取引所やDeFi・NFT取引を行っている場合、海外取引所を利用している場合、法人化を検討している場合などです。税理士費用の相場は、年間利益500万円以下で5万円〜10万円、500万円〜1000万円で10万円〜20万円、1000万円以上で20万円〜が目安です。適切な税務アドバイスを受けることで、節税効果が税理士費用を大きく上回るケースが多いため、専門家の活用を検討しましょう。

税理士費用の相場は5万円〜20万円が目安です

確定申告の方法|損益計算ツールと年間取引報告書

仮想通貨の確定申告は、損益計算が複雑なため、ツールを活用することが重要です。取引所の年間取引報告書と損益計算ツールを使った申告方法を解説します。

取引所の年間取引報告書を取得する

国内の主要取引所では、年間取引報告書をダウンロードできます。GMOコイン、Coincheck、bitFlyer、SBI VCトレードなどの取引所では、マイページから「年間取引報告書」または「年間損益報告書」をPDF形式でダウンロード可能です。報告書には、1年間の売買損益、スワップ損益、手数料などが記載されています。複数の取引所を利用している場合は、すべての取引所から報告書を取得し、合算して損益を計算する必要があります。報告書は確定申告の添付資料としても使用できるため、必ず保管しましょう。

報告書は確定申告の添付資料として保管しましょう

損益計算ツール(クリプタクト等)を活用する

仮想通貨の損益計算は、専用ツールを使うことで大幅に効率化できます。代表的なツールとして、クリプタクト(Cryptact)やGtaxがあります。これらのツールは、取引所から取引履歴をダウンロードし、自動的に損益を計算してくれます。24,000銘柄以上の時価情報を保有しており、移動平均法や総平均法による取得価額の計算も自動で行います。DeFiやNFT取引にも対応しており、ウォレット接続だけで取引を自動識別・損益計算できます。無料プランでも年間50件まで利用可能なため、まずは無料で試してみることをおすすめします。

無料プランでも年間50件まで利用可能です

税理士への相談タイミングと費用相場

税理士への相談は、年間利益が500万円を超える場合、または取引が複雑な場合に検討しましょう。相談タイミングは、確定申告期限の2〜3ヶ月前(11月〜12月)が理想的です。この時期なら税理士も比較的余裕があり、丁寧に対応してもらえます。費用相場は、確定申告のみの依頼で5万円〜20万円、年間を通じた税務顧問契約で月額2万円〜が目安です。DeFiやNFT取引など複雑な取引がある場合は、暗号資産専門の税理士に相談することをおすすめします。Aerial税理士法人やカオーリア会計事務所など、暗号資産に特化した税理士事務所も増えています。

相談は11月〜12月が理想的なタイミングです

よくある質問(Q&A)

過去の取引に遡って適用されますか?

いいえ、過去の取引には遡及適用されません。新税制は金融商品取引法改正法施行日の翌年1月1日以降に行う取引から適用されます。2025年〜2027年に発生した利益は、現行税制(総合課税・最大55%)で申告する必要があります。したがって、2025年中に利確した利益は高税率で課税されるため、含み益銘柄は税制改正後まで保有する戦略が有効です。

海外取引所での取引も対象ですか?

海外取引所での取引も、日本の居住者である限り申告義務があります。ただし、申告分離課税の対象となるのは「特定暗号資産」に限定される見込みで、海外取引所のみで扱われるマイナー銘柄(いわゆる草コイン)は対象外となる可能性があります。対象外の銘柄は従来通り総合課税(最大55%)が継続されるリスクがあるため、詳細な制度設計を待つ必要があります。海外取引所を利用している方は、今後の政令等で対象範囲が明確化されるまで注視しましょう。

ステーキング報酬も申告分離課税になりますか?

ステーキング報酬の取扱いについては、税制改正大綱で明確に示されていません。現行税制では、ステーキング報酬は受け取った時点で雑所得として課税されます。改正後も同様の扱いとなる可能性が高いですが、詳細は今後の制度設計で決まります。ステーキング報酬を多く得ている方は、税理士に相談して最新情報を確認することをおすすめします。

NFT取引も対象ですか?

NFT取引の取扱いも、税制改正大綱では明確にされていません。現行税制では、NFTの売却益は譲渡所得または雑所得に分類されます。改正後、NFTが「特定暗号資産」に含まれるかどうかは、今後の政令等で決まります。NFTを暗号資産で購入する際の暗号資産売却益は、申告分離課税の対象となる可能性が高いですが、NFT自体の売却益の扱いは不明確です。NFT取引を行っている方は、今後の制度設計を注視しましょう。

特定口座制度は導入されますか?

株式投資で利用できる特定口座(源泉徴収あり)のような制度は、当面導入されない見込みです。特定口座制度は、証券会社が自動的に税額を計算し源泉徴収する仕組みですが、仮想通貨では複数の取引所やウォレットを利用するケースが多く、一元的な管理が困難です。また、DeFiやNFT取引では取引所を介さないため、源泉徴収の仕組みを構築することが現実的ではありません。当面は、投資家自身が損益計算ツールを使って確定申告を行う必要があります。

税制改正が実現しない可能性は?

税制改正大綱に明記されたことで、実現可能性は非常に高まりました。ただし、金融商品取引法改正が前提条件となっているため、法改正が遅れれば税制改正の施行も遅れます。また、国会審議で内容が修正される可能性もゼロではありません。しかし、金融庁が正式に要望を提出し、与党も方針を明確にしていることから、実現しない可能性は低いと考えられます。最新の動向は、金融庁や財務省のウェブサイトで確認しましょう。

法人と個人でどちらが有利ですか?

2028年以降は、個人の申告分離課税(20.315%)の方が法人税率(実効税率約34%)よりも有利になります。したがって、長期的には個人で投資する方が税制面で有利です。ただし、2025年〜2027年の間は個人が総合課税(最大55%)のため、所得が大きい場合は法人化した方が有利なケースもあります。法人化には設立費用や維持コストがかかり、期末時価評価課税の問題もあるため、税理士に相談して総合的に判断しましょう。

相続・贈与時の評価方法は変わりますか?

業界団体の要望書では、相続・贈与時の仮想通貨評価方法の見直しが求められています。現行制度では相続発生日の時価で評価されるため、価格が高騰している時期に相続が発生すると、過大な税負担が生じる問題があります。要望書では「過去3ヶ月平均最安値」など、より合理的な評価方法の採用が提案されていますが、税制改正大綱では明記されませんでした。今後の制度設計で検討される可能性はありますが、当面は現行の評価方法が継続されます。

仮想通貨の税制改正に関して、読者からよく寄せられる質問に回答します。

まとめ

仮想通貨の税制改正は、2025年12月の税制改正大綱で正式に決定し、申告分離課税20%と3年間の損失繰越控除が明記されました。施行は金融商品取引法改正後の翌年1月、すなわち2028年1月が有力視されています。

改正により、現行の最大55%から20.315%へと税率が大幅に引き下げられ、高所得者ほど大きな減税効果を得られます。年収1000万円・利益1000万円のケースでは約350万円の節税が可能となり、手元に残る金額が大幅に増加します。また、損失繰越控除により、価格変動が激しい仮想通貨投資でもリスク管理がしやすくなります。

2025年中に取るべき対策として、含み損銘柄の売却による損失確定、含み益銘柄の保有継続、法人化の検討などがあります。ただし、価格変動リスクも考慮し、自身のリスク許容度に応じて判断することが重要です。確定申告は、取引所の年間取引報告書と損益計算ツールを活用し、複雑な取引がある場合は税理士に相談しましょう。

価格変動リスクを考慮して判断しましょう

税制改正の実現可能性は高いですが、詳細な制度設計は今後の政令等で決まります。海外取引所やDeFi・NFT取引の扱い、特定暗号資産の範囲など、不明確な点も残されています。金融庁や財務省のウェブサイトで最新情報を確認し、適切に対応していくことが大切です。

最新情報は金融庁・財務省のウェブサイトで確認しましょう

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SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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