楽天証券の出金可能額が0円になる原因と解決方法

楽天証券の出金可能額が0円になる原因と解決方法

楽天証券で出金しようとしたら「出金可能額が0円」と表示されて困っていませんか。

残高があるのに出金できない状況は不安になりますが、多くの場合は一時的なもので、資金が消えたわけではありません。

出金可能額が0円になる主な原因は、受渡日がまだ来ていない、マネーブリッジの自動出金設定、信用取引の保証金拘束、資金の口座間移動などです。

この記事では、出金可能額が0円になる原因を詳しく解説し、それぞれの解決方法と解決までにかかる時間を具体的にお伝えします。

画面での確認手順やチェックリストも用意していますので、自分で原因を特定して解決できるようになります。

この記事の要約
  • 出金可能額が0円になる主な原因は受渡日未到来・マネーブリッジ・保証金拘束の3つ
  • PC・スマホアプリで出金可能額と資金の内訳を確認できる
  • 原因別に解決方法と所要時間が異なるため、まず原因を特定することが重要
SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

楽天証券の出金可能額が0円になる主な原因

楽天証券で出金可能額が0円と表示される場合、主に4つの原因が考えられます。

それぞれの原因を理解することで、適切な対処法が分かります。

受渡日が来ていない

株式や投資信託を売却した場合、売却した日(約定日)と実際に資金が受け取れる日(受渡日)には時間差があります。

受渡日が来るまでは、売却代金が口座に反映されていても出金可能額には含まれません。

株式の場合は約定日から3営業日後、投資信託の場合は商品によって異なりますが、多くは約定日から4〜7営業日後が受渡日となります。

受渡日前の資金は「未受渡金」として表示され、出金することはできません。

マネーブリッジで自動出金されている

楽天証券と楽天銀行をマネーブリッジで連携している場合、自動スイープ機能により証券口座の余剰資金が自動的に楽天銀行へ出金されることがあります。

この場合、証券口座の出金可能額は0円と表示されますが、資金は楽天銀行に移動しているだけです。

自動スイープは営業日の夜間に実行されるため、前日まで証券口座にあった資金が翌朝には楽天銀行に移動していることがあります。

楽天銀行の口座残高を確認することで、資金の所在を把握できます。

信用取引や先物取引の保証金に使われている

信用取引や先物取引を利用している場合、保証金として資金が拘束されます。

保証金として使われている資金は出金可能額から差し引かれるため、残高があっても出金できない状況になります。

建玉(未決済のポジション)がある間は保証金が必要なため、出金するには建玉を決済して保証金を解放する必要があります。

保証金の状況は口座管理画面で確認できます。

証券取引口座以外に資金がある

楽天証券には複数の口座区分があり、資金が証券取引口座以外の口座(FX口座、先物・オプション口座など)に配分されている可能性があります。

証券取引口座の出金可能額が0円でも、他の口座に資金がある場合があります。

各口座の資金は独立して管理されているため、他の口座から証券取引口座へ資金を振り替えることで出金可能になります。

口座管理画面で各口座の資金状況を確認しましょう。

出金可能額が0円か確認する方法

出金可能額と資金の内訳を正確に確認することで、原因を特定しやすくなります。

PCサイトとスマホアプリのそれぞれで確認する手順を説明します。

PCサイトでの確認手順

1. 楽天証券のPCサイトにログイン後、画面上部のメニューから「口座管理」を選択します
2. 口座管理画面で「出金可能額」「買付余力」「預り金」などの項目が表示されます
3. 出金可能額が0円の場合は「預り金の内訳」をクリックして詳細を確認しましょう

ここでは「受渡前金額」「保証金代用有価証券評価額」「保証金現金」などの内訳が表示され、資金がどのように配分されているかが分かります。

さらに詳しく確認したい場合は、「精算表」から日々の資金の動きを追うことができます。

売却した株式の受渡日や、マネーブリッジによる自動出金の履歴も確認できます。

楽天証券:口座管理画面の見方

スマホアプリでの確認手順

1. 楽天証券のスマホアプリ「iSPEED」を開き、画面下部の「メニュー」から「口座管理」をタップします
2. 口座管理画面で「出金可能額」と「買付余力」の金額を確認できます
3. 詳細な内訳を確認するには「預り金」の項目をタップします

ここで「受渡前金額」「保証金」などの内訳が表示され、出金できない理由を特定できます。

スマホアプリでも「精算表」を確認できるため、外出先でも資金の動きを追うことが可能です。

マネーブリッジで楽天銀行に資金が移動している場合は、楽天銀行アプリで残高を確認しましょう。

原因別の解決方法と解決までの時間

出金可能額が0円になる原因が分かったら、それぞれに応じた解決方法を実行します。

原因によって解決までにかかる時間が異なるため、計画的に対応しましょう。

受渡日を待つ場合(株式・投資信託)

受渡日が来ていないことが原因の場合、基本的には受渡日まで待つしかありません。

受渡日は商品によって異なるため、自分が売却した商品の受渡日を確認することが重要です。

主な商品の受渡日は以下の通りです。

商品 約定日から受渡日まで 例(月曜日売却の場合)
国内株式 3営業日後 木曜日
国内投資信託(株式型) 4〜7営業日後 金曜日〜翌週水曜日
国内投資信託(債券型) 4〜5営業日後 金曜日〜翌週月曜日
米国株式 3営業日後(米国営業日基準) 木曜日(米国祝日を除く)

受渡日は営業日でカウントされるため、土日祝日は含まれません。年末年始やゴールデンウィークなどの連休をはさむ場合は、通常より時間がかかることがあります。

受渡日を確認するには、取引履歴画面で該当する売却取引の「受渡日」欄を見るか、精算表で確認できます。

受渡日になれば自動的に出金可能額に反映されるため、特別な手続きは不要です。

日本証券業協会:受渡日について

マネーブリッジの設定を見直す場合

マネーブリッジの自動スイープ機能が原因で出金可能額が0円になっている場合、設定を変更することで証券口座に資金を残すことができます。

ただし、すでに楽天銀行に移動した資金は、楽天銀行から出金するか、証券口座に戻す必要があります。

マネーブリッジの設定変更は、楽天証券のPCサイトまたはスマホアプリから「マネーブリッジ設定」を選び、「自動スイープ設定」で「証券口座に残す金額」を指定できます。

例えば10万円と設定すれば、10万円を超える部分だけが楽天銀行に自動出金されます。

設定変更は即座に反映されますが、その日の自動スイープがすでに実行された後の場合、翌営業日から新しい設定が適用されます。

楽天銀行にある資金を証券口座に戻す場合は、「入金」操作を行えば即座に反映されます。

楽天証券:マネーブリッジ

信用取引・先物取引の保証金を解放する場合

信用取引や先物取引の保証金が原因で出金できない場合、建玉を決済することで保証金が解放され、出金可能額が増えます。

ただし、建玉の決済には市場の状況や取引時間の制約があります。

信用取引の建玉を決済する場合、反対売買(買建玉なら売却、売建玉なら買戻し)を行います。

決済後、保証金は受渡日(3営業日後)に解放され、出金可能額に反映されます。

すぐに出金したい場合は、建玉をすべて決済して受渡日を待つ必要があります。一部だけ決済する場合は、残りの建玉に必要な保証金を差し引いた金額が出金可能になります。

保証金の計算は複雑なため、口座管理画面で「出金可能額」をこまめに確認しましょう。

証券取引口座に資金を移す場合

FX口座や先物・オプション口座に資金がある場合、証券取引口座への振替手続きを行うことで出金可能になります。

振替手続きは即座に反映されるため、最も早く解決できる方法です。

振替手続きは、楽天証券の口座管理画面から「振替」メニューを選び、振替元口座と振替先口座、振替金額を指定して実行します。

振替が完了すると、証券取引口座の出金可能額に即座に反映され、出金手続きが可能になります。

受渡日と約定日の違いをわかりやすく解説

受渡日と約定日の違いをわかりやすく解説

出金可能額が0円になる原因として最も多いのが受渡日の仕組みを理解していないことです。

約定日と受渡日の違いを正しく理解することで、資金計画を立てやすくなります。

約定日とは?

約定日(やくじょうび)とは、株式や投資信託の売買が成立した日のことです。

注文を出して取引が成立すると、その日が約定日となります。

例えば、月曜日に株式の売却注文を出して取引が成立した場合、月曜日が約定日です。

この時点で売却価格は確定し、取引履歴にも記録されますが、まだ資金を受け取ることはできません。

受渡日とは?

受渡日(うけわたしび)とは、売買代金と有価証券の受け渡しが実際に行われる日のことです。

約定日から一定の営業日数が経過した後に受渡日が到来し、この日になって初めて資金を出金できるようになります。

受渡日の仕組みは、証券取引の決済システムに由来します。売買が成立してから実際の資金移動や株式の名義書換には事務処理の時間が必要なため、約定日と受渡日の間に時間差が設けられています。

この仕組みは投資家保護と市場の安定性を確保するために設計されています。

日本証券業協会:証券取引の仕組み

商品別の受渡日一覧

受渡日は商品によって異なるため、自分が取引している商品の受渡日を把握しておくことが重要です。

以下の表で主な商品の受渡日を確認できます。

商品 約定日から受渡日まで 備考
国内株式(現物) 3営業日後 最も一般的なパターン
国内株式(信用) 3営業日後 決済時に受渡日が発生
投資信託(株式型) 4〜7営業日後 ファンドにより異なる
投資信託(債券型) 4〜5営業日後 株式型より短い傾向
米国株式 3営業日後 米国営業日基準
外国債券 3〜7営業日後 国・通貨により異なる

営業日のカウントには土日祝日は含まれないため、連休をはさむ場合は実際のカレンダー日数より長くかかります。また、海外市場の休場日も営業日から除外されるため、米国株式などは米国の祝日に注意が必要です。

マネーブリッジ(自動スイープ)の仕組みと注意点

マネーブリッジは楽天証券と楽天銀行を連携させる便利なサービスですが、自動スイープ機能により意図せず資金が移動することがあります。

仕組みを理解して適切に設定しましょう。

自動入出金(スイープ)とは?

自動スイープとは、楽天証券の証券口座と楽天銀行の普通預金口座の間で、自動的に資金を移動させる機能です。

証券口座で株式を購入する際に資金が不足していれば楽天銀行から自動入金され、証券口座に余剰資金があれば楽天銀行へ自動出金されます。

この機能により、証券口座と銀行口座の間で手動で資金移動する手間が省け、楽天銀行の普通預金金利(マネーブリッジ適用で年0.10%)も受けられるメリットがあります。

ただし、自動出金により証券口座の出金可能額が0円になることがあるため、注意が必要です。

自動出金のタイミングと条件

自動出金は営業日の夜間(通常23時頃)に実行されます。

その日の取引終了後、証券口座に余剰資金があると判断されると、設定に応じて楽天銀行へ自動的に出金されます。

自動出金の対象となるのは「出金可能額」のみで、受渡前の資金や保証金として拘束されている資金は対象外です。そのため、株式を売却した日の夜には自動出金されず、受渡日以降の夜に自動出金が実行されます。

自動出金は設定で「証券口座に残す金額」を指定できるため、常に一定額を証券口座に残しておくことも可能です。

例えば10万円と設定すれば、10万円を超える部分だけが楽天銀行に移動します。

楽天証券:マネーブリッジの自動入出金

残す金額の設定方法

1. 楽天証券のPCサイトまたはスマホアプリから「マネーブリッジ設定」にアクセスします
2. 「自動スイープ設定」の項目で「証券口座に残す金額」を入力し、設定を保存します

設定できる金額は1,000円単位で、0円から999万9,000円まで指定できます。

0円に設定すると、出金可能額がすべて楽天銀行に自動出金されます。

頻繁に株式を購入する場合は、ある程度の金額を証券口座に残しておくと便利です。

設定変更は即座に反映されますが、その日の自動スイープがすでに実行された後の場合、翌営業日から新しい設定が適用されます。

自動スイープを完全に停止したい場合は、マネーブリッジ設定画面で「自動スイープ機能を利用しない」を選択することもできます。

出金可能額と買付可能額の違い

出金可能額と買付可能額の違い

楽天証券の口座管理画面には「出金可能額」と「買付可能額」という2つの金額が表示されますが、これらは異なる概念です。

違いを理解することで、資金管理がスムーズになります。

出金可能額とは?

出金可能額とは、証券口座から銀行口座へ出金できる金額のことです。

受渡日が到来した資金のうち、保証金などで拘束されていない自由に使える資金が出金可能額として表示されます。

出金可能額には、受渡前の資金(売却したがまだ受渡日が来ていない株式の代金など)は含まれません。また、信用取引や先物取引の保証金として使われている資金も差し引かれます。

そのため、預り金の合計額よりも出金可能額が少なくなることがあります。

買付可能額とは?

買付可能額とは、証券口座で株式や投資信託を購入できる金額のことです。

出金可能額に加えて、信用取引の保証金代用有価証券の評価額や、受渡前の資金の一部も含まれる場合があります。

買付可能額は出金可能額よりも大きくなることが一般的です。

これは、株式の購入には受渡日までの資金を使えるのに対し、出金には受渡日が到来した資金しか使えないためです。

例えば、月曜日に株式を売却した場合、その代金は木曜日の受渡日まで出金できませんが、水曜日には他の株式の購入に使うことができます。

この違いにより、「買付可能額は100万円あるのに出金可能額は0円」という状況が発生することがあります。

これは異常ではなく、証券取引の仕組み上、正常な状態です。

それでも解決しない場合の対処法

ここまでの方法を試しても出金可能額が0円のままで原因が分からない場合は、以下のチェックリストで確認し、必要に応じて楽天証券のカスタマーサポートに問い合わせましょう。

原因を特定するチェックリスト

自分で原因を特定するために、以下の項目を順番に確認してください。

  • 預り金の内訳を確認し、「受渡前金額」がないか確認する
  • 取引履歴で最近の売却取引の受渡日を確認する
  • 楽天銀行の口座残高を確認し、マネーブリッジで資金が移動していないか確認する
  • 信用取引や先物取引の建玉がないか確認する
  • 保証金の状況を口座管理画面で確認する
  • FX口座や先物・オプション口座に資金が配分されていないか確認する
  • 出金予約をしていないか確認する(予約済みの場合は出金可能額から差し引かれる)
  • 口座が凍結されていないか確認する(本人確認書類の期限切れなど)

これらの項目を確認しても原因が分からない場合は、システムエラーやアカウントの設定に問題がある可能性があるため、カスタマーサポートへの問い合わせが必要です。

楽天証券カスタマーサポートへの問い合わせ方法

楽天証券のカスタマーサポートには、電話とメール(問い合わせフォーム)の2つの方法で連絡できます。

緊急で出金が必要な場合は電話、詳細な説明が必要な場合はメールが適しています。

電話での問い合わせは、楽天証券のカスタマーサービスセンター(0120-41-1004、携帯・PHS:03-6739-3322)に連絡します。営業時間は平日8時30分から17時までで、土日祝日は休業です。

電話の際は、口座番号と本人確認情報(生年月日など)を準備しておくとスムーズです。

メールでの問い合わせは、楽天証券のウェブサイトにログイン後、「お問い合わせ」メニューから問い合わせフォームを利用します。

出金可能額が0円になっている状況を具体的に説明し、預り金の内訳や取引履歴のスクリーンショットを添付すると、より的確な回答が得られます。

メールの返信には通常1〜2営業日かかります。

楽天証券:お問い合わせ

営業時間外でも確認できる情報

カスタマーサポートの営業時間外(夜間・休日)に問題が発生した場合でも、楽天証券のウェブサイトとスマホアプリで多くの情報を確認できます。

楽天証券の公式サイトには「よくあるご質問(FAQ)」があり、出金可能額に関する質問と回答が掲載されています。

「出金可能額 0円」などのキーワードで検索すると、関連するFAQを見つけられます。

また、口座管理画面と精算表は24時間いつでも確認できるため、自分の口座の状況を詳しく調べることができます。

受渡日や保証金の状況を確認し、営業時間になってからカスタマーサポートに問い合わせる準備をしましょう。

まとめ

楽天証券で出金可能額が0円になる原因は、受渡日が来ていない、マネーブリッジの自動出金、信用取引の保証金拘束、資金の口座間配分など複数あります。

ほとんどの場合は一時的なもので、資金が消えたわけではありません。

原因を特定するには、口座管理画面で預り金の内訳を確認し、受渡日・マネーブリッジ設定・保証金の状況をチェックすることが重要です。

受渡日の仕組みを理解し、約定日から受渡日までの日数を把握しておくと、計画的に出金できるようになります。

マネーブリッジの自動スイープ機能は便利ですが、証券口座に残す金額を適切に設定することで、意図しない資金移動を防げます。

信用取引を利用している場合は、保証金の状況を常に確認し、必要に応じて建玉を決済することで出金可能額を確保できます。

自分で原因を特定できない場合は、チェックリストで確認し、楽天証券のカスタマーサポートに問い合わせましょう。

電話とメールの両方の問い合わせ方法があり、営業時間外でもFAQや口座管理画面で情報を確認できます。

なお、投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。詳しくは楽天証券の公式サイトでご確認ください。

SOICO株式会社 共同創業者・取締役COO 土岐彩花
共同創業者&取締役COO 土岐 彩花(どきあやか)
SOICO株式会社
慶應義塾大学在学中に19歳で起業し、2社のベンチャー創業を経験。大学在学中に米国UCバークレー校(Haas School of Business, University of California, Berkeley)に留学し、経営学、マーケティング、会計、コンピュータ・サイエンスを履修。新卒でゴールドマン・サックス証券の投資銀行本部に就職し、IPO含む事業会社の資金調達アドバイザリー業務・引受業務に従事。2018年よりSOICO株式会社の取締役COOに就任。

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