野村インデックスファンド 外国株式の評価|手数料と運用実績を解説

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)に投資を始めたけれど、チャートをどう読めばいいのか分からない。
基準価額が上がったり下がったりするたびに、このまま保有していいのか不安になる。
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)のチャートの見方を初心者向けに解説し、投資判断に役立つポイントをお伝えします。
過去の暴落局面や為替の影響、積立投資との関係まで、チャート分析に必要な知識を網羅的にまとめました。
チャートの読み方を理解することで、価格変動に一喜一憂せず、冷静に長期投資を続けられるようになります。
目次
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)のチャートとは
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)のチャートは、このファンドの基準価額がどのように推移してきたかを視覚的に示すグラフです。
投資判断の重要な材料となる情報を、一目で把握できます。
基準価額とは、投資信託の1万口あたりの値段のことです。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の場合、この基準価額はS&P500指数(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動するように運用されています。
S&P500指数(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動する投資成果をめざして運用を行います
基準価額は毎営業日更新され、前日の米国市場の終値と為替レートをもとに算出されます。
チャートを見ることで、設定来からの価格推移や、特定期間の騰落率を確認できます。
基準価額は「株価」と「為替レート」の2つの要素によって変動します。
米国株式市場が上昇すれば基準価額も上がりますし、円安になれば円換算の基準価額は上昇します。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)のチャートは、複数の場所で確認できます。
最も信頼性が高いのは、運用会社である三菱UFJアセットマネジメントの公式サイトです。
また、Yahoo!ファイナンスや日本経済新聞のサイトでも、チャートを確認できます。
証券会社の取引画面でも、保有しているファンドのチャートを簡単に見られます。
チャートを見ることで、さまざまな情報を読み取れます。
まず、長期的なトレンド(上昇傾向か下落傾向か)が一目で分かります。
また、過去の暴落局面や回復のスピードも確認できます。
コロナショック時にどれくらい下落し、どれくらいの期間で回復したかといった情報は、今後の投資判断に役立ちます。
チャートを見るとき、初心者が押さえておくべき5つのポイントがあります。
これらを理解することで、チャートから正しい情報を読み取り、冷静な投資判断ができるようになります。
チャートを見るときは、表示期間の設定が重要です。
短期(1ヶ月〜3ヶ月)、中期(6ヶ月〜1年)、長期(3年〜設定来)の3つの視点で見ることをおすすめします。
積立投資をしている方は、特に長期のチャートを重視しましょう。短期的な上下動は、長期で見れば小さな変動に過ぎないことが多いです。
投資期間に応じた時間軸でチャートを見ることが大切です。
チャートから上昇トレンドか下落トレンドかを読み取る基本は、高値と安値の推移を見ることです。
高値も安値も切り上がっていれば上昇トレンド、両方とも切り下がっていれば下落トレンドと判断できます。
トレンドを見るときは、短期的な上下動に惑わされないことが大切です。
数日や数週間の変動ではなく、数ヶ月から数年単位の大きな流れを見るようにしましょう。
チャート上で、過去に何度も反発したり、逆に下落が止まったりする価格帯があります。
ただし、投資信託の長期投資においては、こうしたテクニカル分析はあまり重要ではありません。
重要なのは、高値圏だからといって積立をやめたり、安値だからといって一括で大量に購入したりしないことです。機械的に積立を続けることが、長期投資の基本です。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、S&P500指数(配当込み、円換算ベース)に連動することを目指しています。
そのため、チャートを見るときは、S&P500指数の動きと比較することが有効です。
連動性を確認することで、ファンドが正しく運用されているかをチェックできます。
大きく乖離している場合は、何か問題がある可能性もあるため注意が必要です。
S&P500指数(株価)が上昇していても、円高局面においては基準価額が下落することがあります。
一方、円安局面では、S&P500指数(株価)が下落していても基準価額が上昇することがあります。
為替の影響を見るには、ドル円チャートと基準価額チャートを並べて表示するとよいでしょう。
ただし、長期投資では為替の影響は平準化される傾向があります。短期的な為替変動に一喜一憂せず、長期的な視点で投資を続けることが大切です。
過去の価格推移を分析
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の過去の価格推移を振り返ることで、暴落局面でどのような動きをするか、そしてどれくらいの期間で回復するかを理解できます。
これは、今後の投資判断に役立つ重要な情報です。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は2018年7月に設定されました。
設定来で見ると、基準価額は大きく上昇しています。
この成長は、米国株式市場の好調と円安の進行が主な要因です。
設定来のチャートを見ることで、長期的には右肩上がりの成長を続けていることが確認できます。
2020年2月19日から3月23日までの約1カ月で、S&P500指数は33.9%下落しましたが、約5カ月後の8月18日には、下げを完全に埋めました。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)も、この時期に大きく下落しました。
この経験から学べることは、暴落は必ず起こるが、回復も早いということです。コロナショックのような歴史的な暴落でも、数ヶ月で回復し、その後は過去最高値を更新し続けました。
2022年は、米国の金利上昇とインフレ懸念から、米国株式市場が調整局面に入りました。
S&P500指数は年初から大きく下落し、弱気相場入りとなりました。
興味深いのは、S&P500指数自体は、年初来で見るとリターンはマイナス圏(▲18.2%)に沈んでいますが、インデックスファンドのリターンは、コスト控除後で約2.3%と、プラス圏でした。
これは、円安が進行したことで、円換算の基準価額が下支えされたためです。
過去の暴落局面を振り返ると、回復までの期間には違いがあります。
コロナショックでは約5ヶ月で回復しましたが、リーマン・ショックでは、金融システムの機能が著しく低下したため、株価の回復に4年超の時間を要しました。
重要なのは、どの暴落局面でも最終的には回復し、新たな高値を更新してきたという事実です。短期的な下落に動揺せず、長期的な視点で投資を続けることが、資産形成の鍵となります。
チャートから読み取る投資タイミング
チャートを見ていると、「今は買い時なのか、それとも待つべきか」と悩むことがあります。
しかし、投資信託の長期投資において、タイミングを計ることは非常に難しく、また必要ないとも言えます。
チャートを見て「今は高値圏だから買うのを控えよう」と考える方もいるでしょう。
しかし、高値圏と思っていた価格が、数年後には安値圏に見えることもあります。
プロの投資家でも、短期的な高値・安値を正確に予測することは困難です。
「今が高値圏かどうか」を気にするよりも、「長期的に成長する資産に投資しているか」を重視しましょう。
投資信託の長期投資では、「タイミングを計らない」ことが最も効率的な戦略です。
これを実現する方法が、毎月一定額を積み立てる「ドルコスト平均法」です。
ドルコスト平均法では、価格が高いときは少ない口数を、価格が安いときは多い口数を購入します。
新NISAのつみたて投資枠を活用すれば、自動的にドルコスト平均法で投資できます。
基本的にはタイミングを計らない投資が推奨されますが、大きな暴落時に余裕資金で買い増しをする戦略も有効です。
月間5%超の下落時に10万円を追加購入した場合のシミュレーション結果では、毎月一定額の積立投資よりも、評価益を1,541万円増やすことができました。
ただし、この戦略には注意点があります。まず、「暴落」の定義が難しいこと。また、暴落後にさらに下落する可能性もあること。そして、暴落時に冷静に買い増しできる精神力が必要なことです。
積立投資とチャートの関係
積立投資をしている方にとって、チャートの見方は通常の投資とは少し異なります。
ドルコスト平均法の効果を理解することで、価格変動に対する考え方が変わります。
積立投資とは、毎月一定額を投資し続ける方法です。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)を毎月3万円ずつ購入する場合、基準価額が高いときは少ない口数を、安いときは多い口数を購入できます。
積立投資の最大のメリットは、投資のタイミングを考えなくてよいことです。
市場が上昇していても下落していても、機械的に投資を続けることで、長期的には市場の成長の恩恵を受けられます。
積立投資をしていると、基準価額が下がったときに不安になるかもしれません。
しかし、積立投資の視点では、価格が下がったときこそチャンスです。
例えば、基準価額が40,000円から30,000円に下落した場合、毎月3万円を積み立てているなら、40,000円のときは0.75口しか買えませんでしたが、30,000円なら1口購入できます。
このように考えると、チャートが下落しているときも、積立投資を続ける意義があることが分かります。
積立投資を始めた直後に市場が下落し、含み損を抱えることもあります。
これは決して珍しいことではなく、長期投資では避けられない経験です。
含み損は、あくまで「現時点で売却した場合の損失」です。
売却しなければ、損失は確定しません。
過去のデータを見ると、S&P500指数は長期的には右肩上がりで成長しています。一時的な含み損は、長期的な成長の過程での通過点に過ぎません。
為替変動がチャートに与える影響
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の基準価額は、米国株式市場の動きだけでなく、為替レートの影響も大きく受けます。
為替の仕組みを理解することで、チャートの動きをより正確に読み取れます。
円高は基準価額の下落要因、円安は基準価額の上昇要因です。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は米ドル建ての資産に投資しているため、為替レートが変動すると、円換算の基準価額も変動します。
基準価額の変動を正しく理解するには、「株価の変動」と「為替の変動」を分けて考えることが重要です。
両方の要素を把握することで、今の基準価額が適正なのかを判断できます。
2022年3月中旬以降は、115円近辺だった米ドル円が120円台後半に円安が進み、本来の指数値(米ドルベース)のパフォーマンスよりも円ベース(緑色)でのパフォーマンスが上振れていました。
このように、円安時には基準価額が大きく上昇する傾向があります。
円安時に注意すべきは、「今は高値圏だから売却しよう」と考えないことです。為替は常に変動するため、一時的な円安を理由に売却すると、その後の成長機会を逃す可能性があります。
為替変動はリスクでもありますが、同時にチャンスでもあります。
円安時には基準価額が上昇し、円高時には下落します。
長期の資産形成が目的であるならば為替の水準に合わせて投資判断をしたり、タイミングを計ったりする必要はありません。
為替リスクを過度に恐れる必要はありませんが、理解しておくことは大切です。基準価額が大きく変動したとき、それが株価の変動なのか、為替の変動なのかを把握することで、冷静な判断ができるようになります。
他のS&P500ファンドとの比較
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)以外にも、S&P500指数に連動するファンドは複数あります。
これらのファンドと比較することで、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の特徴が見えてきます。
SBI・V・S&P500は、SBIアセットマネジメントが運用するS&P500連動ファンドです。
信託報酬は0.0938%程度と、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の0.09372%とほぼ同水準です。
チャートを比較すると、両者はほぼ同じ動きをしています。
どちらを選ぶかは、信託報酬の差よりも、購入する証券会社のポイント還元率や使いやすさで判断するとよいでしょう。
たわらノーロード米国株式(S&P500)は、アセットマネジメントOneが運用するファンドです。
信託報酬は0.09372%と、eMAXIS Slimと同水準です。
こちらもチャートを見ると、eMAXIS Slimとほぼ同じ動きをしています。
複数のS&P500連動ファンドを比較すると、信託報酬が同水準であれば、長期的なリターンもほぼ同じになることが分かります。
信託報酬は、ファンドの運用にかかるコストで、基準価額から日々差し引かれます。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の信託報酬は0.09372%と、業界最低水準です。
信託報酬の違いは、長期的にはチャートの差として現れます。
ただし、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のリターンはコスト差を凌駕するレベルで優秀なので問題ないと言えるでしょう。
チャート分析で気をつけたい3つのこと
チャートを見るときには、いくつか注意すべき点があります。
これらを理解することで、チャートに振り回されず、冷静な投資判断ができるようになります。
チャートを毎日チェックしていると、日々の上下動が気になってしまいます。
しかし、短期的な変動は、長期投資においてはほとんど意味がありません。
長期投資では、チャートを見る頻度を減らすことも重要です。月に1回、あるいは四半期に1回程度チェックするだけでも十分です。
日々の変動に心を乱されず、淡々と積立投資を続けることが、資産形成の近道です。
チャートを見ると、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は設定来で大きく成長していることが分かります。
しかし、この過去の実績が、将来も同じように続くとは限りません。
投資信託の目論見書にも「過去の運用実績は将来の運用成果を示唆・保証するものではありません」と記載されています。
過去の実績を参考にしつつも、将来の不確実性を理解した上で、分散投資やリスク管理を行うことが大切です。
チャートを見るサイトによって、情報の更新頻度が異なります。
運用会社の公式サイトは毎営業日更新されますが、一部の情報サイトでは更新が遅れることもあります。
また、基準価額は前日の米国市場の終値をもとに算出されるため、リアルタイムではありません。
正確な情報を得るためには、運用会社の公式サイトや、信頼性の高い金融情報サイトを利用することをおすすめします。
「今が買い時かどうか」を正確に判断することは、プロでも困難です。長期投資の観点では、「今すぐ始める」ことが最も重要です。市場のタイミングを計ろうとして待っていると、その間に市場が上昇してしまい、結果的に機会損失になることが多いです。毎月一定額を積み立てるドルコスト平均法なら、高値掴みのリスクを減らしながら投資を始められます。
いいえ、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の基準価額はリアルタイムでは更新されません。基準価額は、前日の米国市場の終値と為替レートをもとに、毎営業日1回算出されます。一部のサイトでは、当日の推計値を表示していますが、これはあくまで推計であり、確定値は翌営業日に公表されます。
暴落時に売却することは、一般的におすすめできません。なぜなら、暴落時に売却すると損失が確定してしまい、その後の回復による利益を得られなくなるからです。過去のデータを見ると、S&P500指数は暴落後も回復し、新たな高値を更新してきました。暴落時こそ、積立投資を続けることで、安い価格で多くの口数を購入できるチャンスです。
積立額を増やすタイミングは、「収入が増えたとき」や「余裕資金ができたとき」が基本です。市場の状況を見て増やすタイミングを計る必要はありません。ただし、大きな暴落時に余裕資金で買い増しをする戦略は有効です。市場が大きく下落しているときに積立額を一時的に増やすことで、平均購入単価を下げられます。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、信託報酬が業界最低水準で、運用実績も優秀なファンドです。他のS&P500連動ファンドに乗り換えても、大きなメリットは少ないでしょう。ただし、投資方針を変更する場合は別です。例えば、米国だけでなく全世界に分散投資したい場合は、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)への乗り換えを検討してもよいでしょう。
売却のタイミングは、「投資の目的を達成したとき」です。例えば、老後資金として2,000万円を貯めることが目標なら、その金額に達したときが売却のタイミングです。市場の状況を見て売却タイミングを計ることは、買い時を計るのと同じくらい難しいです。目標金額に達したら、一括で売却するのではなく、数年かけて少しずつ売却する「出口戦略」を立てることをおすすめします。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)のチャートは、投資判断に役立つ重要な情報源です。
基準価額の推移を確認することで、ファンドの成長性や過去の暴落からの回復力を理解できます。
過去の暴落局面を振り返ると、コロナショックでは約5ヶ月で回復し、2022年の下落局面でも円安効果により損失が軽減されました。
為替の影響は大きいですが、長期投資では平準化される傾向があります。
投資タイミングを計ることは非常に難しく、プロでも正確な予測はできません。
ドルコスト平均法による積立投資なら、高値掴みのリスクを減らしながら、長期的な資産形成を進められます。
チャート分析で最も大切なのは、短期的な変動に惑わされず、長期的な視点を持つことです。
過去の実績は将来を保証しませんが、S&P500指数は長期的には右肩上がりで成長してきました。
この成長に連動するeMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、長期投資に適したファンドと言えます。
なお、投資には元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任で行ってください。過去の運用実績は将来の成果を保証するものではありません。ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、慎重にご検討ください。詳しくは、運用会社の公式サイトや投資信託説明書(交付目論見書)をご確認ください。
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