税務調査とは?実施時期や何を調べるのかを知っておこう

税務調査とは?実施時期や何を調べるのかを知っておこう

経営者であればほとんどの方が経験すること、それは「税務調査」です。
税務調査と言えば「税務署の人がいきなり入ってきて、勝手に事務所や店の中を物色され、最後には追加の税金として有り金をすべて持っていかれる」といった怖いイメージを持つ人もいると思います。
しかし、実際には税務調査はそこまで怖いものではなく、焦らず適切に対処すれば会社にとって大事になることは基本的にありません。
今回はそんな税務調査をテーマに、税務調査とはどのようなものか、いつ行われるのか、どこまで調べられるのかについて解説します。
税務調査については経営者として必ず持っておくべき知識です。
税務調査に備えて普段から準備しておくべきことについても触れますので、ぜひ参考にして下さい。

はじめに税務調査とは?

税務調査とは、個人や法人が毎年行う税務申告が正しく申告されているかを行政が調査するもの。
実は会社だけではなく、個人に対しても調査が行われることがあります。
税務調査の目的は、公正且つ適正な申告納税制度を維持することであり、毎年約20万件、全法人の約6%あたりが調査の対象となります。
税務調査の対象者を選ぶのは国税庁であり、毎年、個人や法人が行った税務申告のデータを基に所得税や法人税などの申告状況を確認し、税務調査の対象者を選んでいます。
例えば、「あれだけ繁盛している会社なのに売上額が前年とほとんど変わっていない」「同じ会社なのに前年に比べて経費が高くなり過ぎている」など、申告状況に怪しい点があると判断されると税務調査の対象となります。
税務調査が行われると、税務署の職員によって、すでに申告している税務内容が適切であるのかを確認されます。
申告内容に間違いがあれば、修正申告し直す必要があり、追徴課税を支払う必要があります。
申告の仕方に間違いや違法性があった際には、税法に従って正しく申告、納税をするように税務署から指摘が入ります。

税務調査には種類がある

実は税務調査には種類があり、調査対象となる会社の申告内容によって調査の仕方が変わります。
申告内容に違法性が高い場合や、脱税額が高額である場合は、刑事罰を前提とした強制的な調査が入ります。
ここでは、2種類ある税務調査の内容について解説します。

任意調査

通常、脱税などの疑いがない場合の税務調査はこの任意調査になります。
任意調査の場合は、皆様がイメージされるようにいきなり税務署職員が入ってくることはなく、事前に税務調査に入る旨の告知があります。
ただ、任意調査とは言っても、調査に従うことに関してはほぼ強制的なものになります。
税務職員には、質問検査権が認められていますので、税務職員からの質問に黙秘することや調査に必要な帳簿書類などの提出を拒否することなどは原則できません。
もし正当な理由なく職員からの調査に関わる要求を拒否した場合には、罰則を受ける場合もありますので注意が必要です。

強制調査

強制調査は、税務申告の内容から脱税が疑われる個人や法人に対して強制的に行う調査です。
調査を行うのは通称「マルサ」と呼ばれる国税局査察部であり、裁判所の令状に基づいて行います。
強制調査の場合は、国税局査察部に対して調査に必要な資料などはすべて強制的に押収する権利が認められていますので、調査対象者の協力は関係ありません。
テレビのニュースで稀に見る、事務所から段ボールが次々に運ばれているところを想像するとイメージしやすいです。
強制調査は、悪質な脱税を行う者に対して刑罰を与えるために行う調査ですので、もちろんですが、事前に調査をする通知などもありません。
強制調査の対象となるのは、「脱税の手口がかなり悪質である」ことに加えて、「脱税額が1億円以上」であるような場合です。
そのため規模が大きい場合に限られますが、逆に言うと会社規模が大きくなるにつれて税金面についてはより注意が必要であると言うことです。

税務調査はいつ来る?頻度は?

税務調査の時期は明確に決まっている訳ではありませんが、一般的に9月~11月の期間がピークと言われています。
税務調査を行うのは大半が税務署の職員であるため、例えば1月~3月の確定申告時期には、税務署自体が繁忙期に当たりますので、調査はほとんど行いません。
次に税務調査の頻度ですが、3年に一度や10年に一度など諸説ありますが、こちらについても明確なルールはありません。
税務調査の時期と合わせて、いつ来るのかと言うことを気にするよりも、いつ来ても問題ないと言う状態を作っておくことが大切になります。

税務調査でどこまで調べられる?

税務調査と言っても何をどこまで調査されるのか分からないという方も多いと思います。
強制調査は、犯罪行為の疑いがある納税者に対して行う例外的な調査になりますので、ここでは一般的な任意調査の場合の調査範囲について解説します。
税務調査は「国税通則法」と言う法律の定めに従い、一般的に3年から5年にさかのぼって、決算書類関係の内容について調査をされます。
税務調査に入る段階で、調査官は基本的に追徴課税をする前提で調査をします。
追徴課税をするには、会社であれば課税所得に当たる利益の部分が申告時よりも大きくなる必要がありますので、売り上げの計上漏れ、原価・費用の課題計上がないかを重点的にチェックします。

税務調査に向けて普段から準備できること

税務調査は長く会社経営をしていれば、高い確率で調査対象となります。
「入られると面倒くさい」「入られたくない」と思うのではなく、調査が入った際に協力的に応じられるようにしておくことが大切です。
税務調査では、基本的に「売り上げ」「原価」「費用」の部分を調査されます。
帳簿や請求書など収入と支出の部分に関わる書類は、その内容別に整理し管理しておきましょう。
書類が整理されておらず、利益額が明確にならない場合、推計課税によって納税額が決められる可能性もあります。
そうなると、本来支払うべき税額より高額な納税を要求される可能性もあります。
決算に関わる書類を保管しておくことは当然ですが、整理した状態で管理することも重要なのです。

まとめ│税務調査は税務について見直す良い機会

今回は税務調査について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
税務調査は、一般的に「嫌なもの」「怖いもの」として認知されているところがありますが、真っ当に納税をしている納税者であれば全く恐れることはありません。
特に経営者であれば、長く経営をしていく中で税務についての知識は必ず大切になります。
税務調査は、税金を課す側である税務署職員の話を聞ける貴重な機会ですので、前向きにとらえて調査に協力するようにしましょう。
経営者であれば接することが多い税理士とは立場が全く違いますので、普段にはない気付きが必ずあります。
税務調査の連絡があった際には、会社の経理や財務の部門を見直し、強化するチャンスですので、しっかりと準備して税務調査に応じるようにして下さい。

著 者

SOICO株式会社
共同創業者&代表取締役CEO
茅原 淳一 (かやはら じゅんいち)

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。

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