確定申告で戻る還付金はいつもらえる?計算方法は?

確定申告で戻る還付金はいつもらえる?計算方法は?

確定申告の手続きを終えてから、いつ還付金が振り込まれるか気になりますよね。
そこで今回は、還付金の特徴や計算方法について解説していきます。

還付金とは?

還付金とは、源泉徴収によって所得税等を支払い過ぎた場合に、納税者に後日返還される税金のことを指します。
確定申告書を提出する義務のない人でも、給与等から源泉徴収された所得税額や予定納税をした所得税額がその年の所得金額について計算した所得税額よりも多いときは、確定申告をすることで、納め過ぎの所得税の還付を受けることができます。
この申告を「還付申告」といいます。

還付金を受け取るための手続き

還付金を受け取るための手続きは、年末調整・確定申告のどちらで還付申告をするかによって異なってきます。

年末調整で還付申告をする場合

会社で年末調整を行う場合、申告書に家族・適用される控除に関する情報などを記入することで、その内容をチェックした会社側が、後日還付金を振り込んでくれます。
還付金の受け取り方は会社によって異なっており、給与と合わせて振り込まれる場合もあれば、中には手渡しで受け取ることもあります。
ちなみに「年末調整の対象とならない人」は以下の通りです。
①給与の収入金額が2,000万円を超える人
②災害減免法の規定により、給与に対する所得税及び復興特別所得税の源泉所得税について徴収猶予または還付を受けた人
③2ヶ所以上から給与の支払を受けている人で、他の勤務先で年末調整を行う人
④年の途中で退職した人
⑤非居住者
⑥派遣社員など、直接雇用をしていない人

確定申告で還付申告をする場合

所得控除に必要な資料や税額控除に必要な資料、還付に関する書類を揃え、確定申告書を作成します。
作成した確定申告書を税務署に提出することによって、余分に支払っていた還付金を受け取ることができます。
確定申告で還付金を受け取る場合では、申告書に還付金の受け取り方を記載する必要があります。
そこに、申告者本人名義の金融機関名や、預貯金の種別及び口座番号を記載することで、希望の口座に還付金が振り込まれます。

還付金はいつ戻ってくる?

還付金を受け取る時期においても、年末調整で還付申告をした場合と確定申告で還付申告をした場合によって異なってきます。

年末調整で還付申告をする場合

年末調整の書類提出の時期は、会社によっても異なりますが、一般的に11月から12月にかけてが多くなります。
還付金の支払い時期について法的な決まりはありませんが、12月の給与支払日に還付されることが多いです。
12月の給与に間に合わない場合は、翌年1月の給与支払日に還付されることもあります。

確定申告で還付申告をする場合

確定申告の場合は、還付申告のやり方によって還付金を受け取る時期に違いがあります。
申告書を税務署に持参する場合・郵送する場合においては、1〜2ヶ月後に振り込まれるのが一般的です。
一方、インターネットを通じて手続きを行うことができる「e-Tax」で還付申告をした場合は、約3週間後に振り込まれます。
「e-Tax」で行う場合、書類で申告した場合よりも早めに還付されるため、受け取りを急いでいる際は、「e-Tax」を選ぶ方が良いでしょう。

還付金はいくらもらえる?計算方法について

還付金の計算方法は決して簡単なものではありません。
また、人によって還付金の額は大きく異なります。
そのため、正しい計算をしなければ、正確な金額を出すことができないため、これを機に理解していきましょう。
還付金の計算方法は以下の通りです。
①総所得金額(給与所得・事業所得・不動産所得・配当所得など)から所得控除額(医療費控除・社会保険料控除・生命保険料控除・地震保険料控除など)を差し引きます。
②算出された課税所得額に一定の税率をかけて所得税額を算出します。
③税額控除がある場合は、算出された所得税額から税額控除(住宅借入金等特別控除・住宅耐震改修特別控除・配当控除など)を差し引き、納付すべき所得税額を導き出します。
④すでに源泉徴収されている源泉所得税と所得税額の差額を計算します。
⑤④の差額が還付される金額になります。
差額がマイナスになる場合は、追加で所得税を納める必要が出てくるでしょう。
また、還付金の申告については5年前まで遡って行うことができます。
会社で年末調整をする場合には、経理担当者がその手続きのほとんどを行ってくれますが、自営業やフリーランスの場合は、自分で行わなければなりません。
定められた所得税を納めなかったり、期限に遅れたりした場合には、ペナルティが発生することもあるため、十分に注意が必要です。

まとめ

本記事では、還付金の特徴・受け取り方・時期・計算方法についてご紹介しました。
還付金は、源泉徴収によって所得税等を支払い過ぎた場合に、納税者に後日返還される税金のことを指します。
還付金の受け取り方や還付される時期は、年末調整と確定申告のどちらで還付申告をするかによって異なってきます。
還付金の計算は決して簡単ではありません。
会社で年末調整を行う場合もそうですが、特に自分自身で確定申告を行う場合には、税金の仕組みや計算方法を正しく理解することが大切になってきます。

著 者

SOICO株式会社
共同創業者&代表取締役CEO
茅原 淳一 (かやはら じゅんいち)

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。

この記事のキーワード

キーワードがありません。

この記事と同じキーワードの記事

まだ記事がありません。

キーワードから探す

資料請求

資料請求

カンタン1分登録で、気になる資料を無料でお取り寄せ

お問い合わせ

そんなお悩みをお持ちの方は、まずはお問い合わせください!