あと3年・・・猶予が迫る建設業の働き方改革

あと3年・・・猶予が迫る建設業の働き方改革

「建設業の2024年問題」という言葉を耳にしたことはありますか?
2019年4月から、「働き方改革関連法」が施行されました。しかし、建設業に至っては、5年間の猶予が与えられ、2024年の施行と先延ばしされました。
「まだ先の話しだから・・・」と思われている方も多いと思いますが
気が付けばあと3年に迫っています。

このブログでは、2024年までに対応すべき事柄やポイントについてご紹介します。
最後までお付き合いください。

1.2024年に何が変わるのか

他の業種に比べ、建設業では働き方改革を進めることが難しく、2024年まで猶予をもらっています。ですので、働き方改革の詳しい内容についてまだまだ理解されていない方もいらっしゃると思います。
特に注意すべき点としては「時間外労働の上限規制」が挙げられます。簡単に言うと「残業できる時間の最大が規制される」ということです。

労働基準法で定められている一般的な労働時間は【1日8時間】【1週間40時間】までになります。これを超える場合は、「時間外労働」いわゆる【残業】となります。
時間外労働を行う場合、36協定の提出が必要となります。
しかし、一度結んでしまえば、法律上は上限なく時間外労働をさせることができてしまうのです。

今後は、原則として月45時間年360時間となり、臨時的な事情がなければこれを超えることができなくなりました。

「工期が迫り、致し方なく残業をしなくてはならない」といったケース等もあると思いますので、建設業の方にとっては難しい問題となっています。

2.建設業が抱えている働き方の課題

建設業に対し、働き方改革の実施に5年間の猶予を与えたのには、建設業特有の問題があり、すぐに解決できない点が多かったことが理由です。
下記に挙げる点は業界全体の問題ではありますが、どの会社も改善しなくてはいけない点となります。ぜひ頭の片隅に入れていただきたいと思います。

① 長時間労働

国土交通省の発表による「年間実労働時間の推移」によると、建設業は全産業平均と比較して年間300時間以上長時間労働をしている状況にあるそうです。他業種に比べ、労働時間がかなり長くなっています。
また、「建設業における休日の状況(技術者)」で週休2日をちゃんととれているのは、なんと1割以下と発表されています。

そのため、人材確保をし、週休2日で会社が回る環境を作ることができれば他社との違いを生み、会社の強みに繋がります。

② 職場環境

建設業は肉体労働が基本です。そして、高所作業など危険が伴う・土や塗装で汚れてしまうといったイメージもあります。
そのため他業種よりも離職率が高く、特に高卒3年目までの離職者の割合が45.8%と高い傾向です(※)。
このようなことが原因となり、現在における人材不足・若者の建設業離れに繋がっています。
(※)厚生労働省プレスリリース「新規学卒就職者の離職状況(平成 29 年3月卒業者の状況)を公表します」より

会社としての安全配慮はもちろん、福利厚生の一環として「年数回の作業着の支給」「有休休暇を取りやすい環境を作る」など、企業側が従業員に寄り添う形で環境改善を行う企業も増え始めています。

3.建設業働き方改革加速化プログラム

国土交通省はこれらの問題点を3つのカテゴリに分け、働き方改革を推進させるために対策を打ちました。

① 長時間労働の是正

「週休2日制の導入を後押しし、残業や長時間労働などの現場の負荷を少なくするための適正な工期設定を推奨する」としています。
また、積極的に週休2日制の実現に取り組む企業を評価する仕組みを確立することも目指しています。

② 給与・社会保険

社会保険への加入が必須の現場も増えてきていると思いますが、これは従業員にとって福利厚生の一環となります。
加入することで受けられる保証も多いので、加入を希望する従業員は多いでしょう。
また、給与などの待遇に関して、今後5年を目途に「全ての建設技術者(約330万人)に「建設キャリアップシステム」の加入を推進すること」「高い技能・経験を有する建設技能者に対する評価や施工能力の『見える化』」などを策定しています。

③ 生産性の向上

長時間労働の上限規制により、労働時間を短くしつつ従来の利益を確保するためには、生産性の向上・業務効率化が必要不可欠です。
現場作業はもちろんのこと、IT技術を活用し、事務作業の効率化をすることも推奨しています。

ITシステムの導入は、どうしてもコストがかかってしまいます。
しかし、IT導入補助金をはじめ国がさまざまな種類の補助金・助成金を用意しています。
どのような補助金や助成金があるのか気になる方は、お問い合わせください。

まとめ

建設業はまだまだ解決しなければならない問題点が多く、国の施策に追い付いていないのが現状だと思います。
しかし、少しずつでも国の方針に合わせながら会社を経営していかなければ、時代に付いて行けずに取り残されてしまいます。
将来、組織を拡大するうえで「国から選ばれる」「企業から選ばれる」「従業員から選ばれる」会社の経営を目指していきましょう!

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著 者

SOICO株式会社
共同創業者&代表取締役CEO
茅原 淳一 (かやはら じゅんいち)

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。

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