経理に資格は必要?経理に関する資格について解説

経理に資格は必要?経理に関する資格について解説

今回は経理の仕事をする上での資格の必要性や優位性について解説します。
具体的に、どのような資格を持っている人が経理の仕事に向いているのか、資格についても解説します。

経理の仕事に資格は必要?

そもそも経理の仕事をする上で資格は必要なのでしょうか?
結論から言うと、必須ではないけれど、持っているとかなり有利になります。
資格を取得するための学習の中で、経理に必要な知識を習得することができます。
会社によって業務内容は変わりますが、経理の仕事は会社の売り上げ予算や経費の管理など、会社内のお金を管理する仕事。
専門的な知識がかなり必要になります。
仕事をしている中でその都度覚えるのも良いですが、資格学習をすることで、経理に必要な知識を予め網羅的にインプットすることができます。
言うまでもなく知識がない状態よりも仕事を覚えるのが早くなります。

昇給・昇進の指針になることも

会社によって異なりますが、同じ能力の従業員の中で、資格保有者を優先的に昇給・昇格させます。
当然ですが、経理は専門的な職業ですので、資格保有者の方が優遇されることが多いです。
採用する側からすると、その人がどんな知識を持っているのか、何ができるのか判断材料にもなります。

経理担当者が持っておきたい資格

前述したように、経理の仕事は資格を持っていないとできないという仕事ではありません。
絶対にこの資格が必要と言うものはありません。
また、資格ごとに経理に役立つ要素も違います。
今回は経理担当者が持っておきたい資格について解説します。

日商簿記検定

日商簿記は商工会議所が主催となっている検定試験。
知名度も高いため、経理と言えば一番に思い浮かべる方も多いと思います。
実際、実務をする上で役に立つ知識が多いため、たくさんの経理担当者が取得しており、試験ごとにたくさんの方が受験します。
簿記検定は初級から3級、2級、1級まであります。
1級までなると、合格率も低くなり、平均して10%ほどですが、試験によっては10%を大きく下回ることもあります。
初級・3級はかなり初心者レベルとなりますが、2級になると、合格難易度が一気に上がり、業務に役立つ知識も身につけられるでしょう。
日商簿記の場合、最低2級、できれば1級まで取得していると良いでしょう。

FASS(Finance Accounting Skill Standard)検定

経理・財務部門の人材育成のため経済産業省から委託を受けて日本CFО協会が2005年から実施している検定がFASS検定です。
簿記試験と比べて、より実務に役立つ内容になっているのが特徴。
比較的新しい検定試験ではありますが、多くの大手企業で取り入れられています。
FASSを取得することで実務レベルでも評価を受けられます。
出題科目は資産、決算、税務、資金の4科目あり、簿記よりも科目数は多いですが、難易度は簿記2級よりも低いものとなっています。

給与計算実務能力検定

その名の通り、給与計算についての知識やスキルがあることを証明する検定であり、1級と2級があります。
内閣府が許可している実務能力開発支援協会という団体が実施している検定で、経理をする上での基礎知識の有無を証明できる資格です。
難易度については、1級でもそこまで高くないため、経理未経験の方が初めに取得するのに適した試験です。

ワンランク上の資格も

・税理士
税理士資格は受験資格がいくつかありますが、簿記1級を取得していれば学歴、実務経験に関係なく受験が可能です。
税理士試験の特徴は、試験科目のそれぞれが一つの試験となっている科目合格制である点です。
合格要件は、複数の科目から会計学に関する科目を2科目、税法に関する科目を3科目合格することになっています。
試験日は1年に1回で1度に5科目まで受験が可能ですが、1科目ごとの合格率が10%前半と低いため、大半の方は1年に1科目合格を目指して受験をします。
合格科目に有効期限がないため、1科目ごとにじっくりと合格を目指すことが可能です。
会社に勤めながら取得を目指すことも不可能ではありません。

・公認会計士
日本の難関資格トップ3に入る超難関資格ですが、取れば人生を変える威力があるのが公認会計士です。
合格して公認会計士になれば、経理の仕事で有利になるだけでなく、監査役やCFО(最高財務責任者)など社内の重要につける可能性もあります。
難関資格ですが、受験資格はなく、だれでも受験することができます。
短答式試験と論文式試験の2つに合格する必要があり、学習時間も多くの時間を必要としますが、その分取得したときのメリットはかなり大きいものがあります。

海外でも活躍できる資格

海外進出をしている場合は、海外でも通用する経理・会計関係の資格を持つスタッフを迎えたいものです。
ここでは海外でも通用する資格2つを解説します。

BATIC(国際会計検定)

BATICは東京商工会議所が実施しているグローバルに活躍できる会計知識と英語力を証明できる資格です。
問題はすべて英語で出題され、科目は英文簿記と国際会計理論の2科目です。
BATICは合否ではなく、点数でレベルが判定されることが特徴です。
日商簿記2級と同等のレベルが「アカウンティングマネージャーレベル」と言われていますので、それを目安に目指してみると良いでしょう。
ちなみにトップレベルに当たる「コントローラーレベル」は、日商簿記1級レベルと言われており、かなり高く評価されます。

USCPA(米国公認会計士試験)

USCPAはアメリカの公認会計士資格のことです。
こちらを取得することで、会計についての知識やスキルを証明できることはもちろんですが、英語力でも高い評価を受けることができます。
問題はもちろんすべて英語ですのでハードルは高いですが、会計士としての試験の難易度は日本の公認会計士よりも低いと言われています。

4.まとめ

経理に資格は必要ないという声もありますが、試験勉強によって、基本的な知識を身につけていることが証明されます。
また、経理に役立つ資格は基本的にお金についての知識を必要としますので、経理の仕事以外にも役に立つ資格が多いです。
資格ごとに持っている知識は異なるので、経理担当者を迎える際は、資格の傾向も頭に入れて選考しましょう。

著 者

SOICO株式会社
共同創業者&代表取締役CEO
茅原 淳一 (かやはら じゅんいち)

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。

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