CASE STUDY

支援事例

『窓』が面白いから、やる。メンバーの貢献を後押しする信託型ストック・オプション

MUSVI様支援事例_1.2

写真中央右:MUSVI株式会社 代表取締役 / Founder & CEO 阪井 祐介氏
写真右:MUSVI株式会社 取締役 CFO 大野木 健氏
写真中央左:SOICO株式会社 代表取締役CEO 茅原淳一
写真左:SOICO株式会社 本件主担当 大門弘和

MUSVI株式会社は、独自開発のテレプレゼンスシステム「窓」を通じて、距離の制約を超えて人が集い、あたかも同じ空間にいるかのような感覚でお互いの存在を認識できる“場”を創出することで、人々の関係性の質を向上させることを目指しています。

「窓」は、常時複数の空間を結び、話している人同士があたかも同じ空間にいる感覚を生み出すという点で、従来の中心視野の情報のみを扱うテレビ会議とは本質的に異なります。等身大の相手を映し出す縦型の大画面により、人の気配や周辺視野に映る空間の奥行きを作出するほか、双方向の高音質技術によって会話だけでなく相手の存在感や些細な環境音を伝達し、自然なコミュニケーションを実現します。遠隔診療の提供やリモートワーク、リテール金融といった場面で既に活用されています。

MUSVI株式会社では、「窓」に関わる社内外の人材に対して、その成果に応じて付与し、挑戦を後押しすることができるインセンティブの一環として信託型ストック・オプション(タイムカプセル ストックオプション)を導入しました。

信託型ストック・オプションとは

SOICOは、株式報酬・資本政策・上場準備に特化したコンサルタントチームです。2016年に上場企業として日本で初めて信託型ストック・オプションを発行したKLab株式会社のメンバーを中心に設立され、累計100社以上(上場、未上場及び未上場時点導入後に新規上場した会社を含む)の信託型ストック・オプションの発行・運用支援を行っております。起業経験のあるメンバーや経営者、イグジット経験者、エンジェル投資家としても活躍するIPO経験者が、実際に経営者として体験した悩みをもとに、会計士・弁護士・税理士及び外資系投資銀行・監査法人・コンサルティングファーム出身の専門チームとともに効果的なソリューションを提供しています。

信託型ストック・オプションとは、将来の企業価値向上に備えて、良い条件のストック・オプションを信託に冷凍保存するという新しいタイプのストック・オプションです。通常のストック・オプションとは異なり、発行した後から貢献度に応じて付与することができるという点から、従来の課題を解決するインセンティブ制度として各方面から注目を浴びています。

SOICOは上記の「信託型」を含めた、あらゆるストックオプションの設計及び評価、株価算定業務に対応可能です。ストックオプションの発行支援においては、上場・未上場企業向けを問わず、国内随一の実績を持ち合わせています。また、導入企業のうち、2022年にはAnyMind Group株式会社、株式会社ティムス、monoAI technology株式会社が東京証券取引所より上場承認を受けています。

詳細は下記をご覧ください。
支援企業のAnyMind Group株式会社のマザーズ市場への上場承認に関するお知らせ (2022年3月15日)
支援企業・株式会社ティムスの東証グロース市場への上場承認に関するお知らせ (2022年10月20日)
【上場のお知らせ】SOICOが信託型ストック・オプション導入を支援したmonoAI technology株式会社の東証グロース市場への上場に関するお知らせ(2022年12月20日)

今回は、信託型ストック・オプションを導入した背景や想い、パートナーとしてSOICOを選んで頂いた理由等をお伺い致しました。なお、信託型ストック・オプションについて詳しく知りたい方は、以下の信託型ストック・オプションの基礎的な解説記事を参照ください。
⇒【経営者向け】話題の「信託型ストックオプション」を徹底解説

【課題・要望】
・本当にコミットした人が、コミットしただけ、どのタイミングからでも関われるDAO的な世界を創りたい

【解決策】
・信託型ストック・オプション(タイムカプセルストック・オプション)の導入

【期待・成果】
「窓」に関わるメンバーが、頑張りに応じて評価され、報われる仕組みを導入できた
「窓」に関わる理由を、周囲の人に説明する材料の一つに
通常のストックオプションに比べて煩雑な手続きがなく、「窓」に集中可能

 

20年間にわたる「窓」の研究開発を経て設立されたMUSVI

まず、阪井社長と大野木さんのご経歴をお伺いさせて下さい。

阪井:私は1999年、ソニーに入社しました。学生時代は通信工学科で無線通信の通信方式の研究をしていたため、入社してからはWi-FiやBluetoothの商品化を担当していました。もともと放浪癖があり、学生時代からいろいろな国に行って、そこで出会う人や空間に感動し、そういうものを生き甲斐にしていた部分があります。必然的に、通信の技術と自分の旅の感覚を、いかに組み合わせられるかがテーマになりました。

入社2年目の時に、出井さん(当時のソニー社長 出井伸之 氏)が企業内大学である「ソニーユニバーシティ」を作り、全社から2010年以降の基幹事業の提案を募りました。その時に、私が提案したのが「人と世界をつなぐ『窓』と空間事業戦略」だったのです。そこから、通信の技術に加えて、建築、インタラクティブデザイン、認知心理学、特許・知財等の知識を20年間積み上げて、今回、独立したのが、このMUSVIの「窓」事業です。

大野木:私はソニーに2002年入社で、ネットワークやサーバー関連のソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタートしました。2005年にテレビ事業部に異動し、テレビをインターネットに繫いで新しい価値を提供していきたいという想いから、アプリケーションをネットワーク配信する仕組みの開発と市場導入を携わっていました。2015年からはテレビ事業部の中で業務用ディスプレイという新規事業の立ち上げを、中心メンバーとして推進してきました。

どのようなきっかけがあって、お二人は出会われたのですか?

大野木:テレビ事業部に所属をしていた2006年頃、ソニーの次世代製品やサービスを開発するために作られた原宿コンセプトラボに訪問する機会があり、そのときまさに「窓」の中核となるプロトタイプを開発していた阪井さんに出会いました。直感的に、これは面白いなと感じました。

阪井:当時はまだ原理試作のようなレベルで、それをなんとかテレビ製品に組み込んでいきたいと考えていたのですが、大野木さんが「これならテレビで動かせるんじゃない?」と即座にプロトタイプを動かしてくれました。衝撃を受けたのを覚えています。ソフトウエアの実装能力はもちろん、その決断力というか、スピード感がすごいなと。

ぜひとも、大野木さんと仕事がしたいと思い、2007年からテレビ事業部に兼務させてもらいました。MUSVIチームの中では、一番古い付き合いになりますね。それ以来、組織的には分かれたりしつつ連携をとりながら一緒にいろんなチャレンジをしてきたこともあって、今回MUSVIの立ち上げにも参画してもらうことになりました。

「窓」にはどのような方が関わっていらっしゃるのですか?

阪井:現在のMUSVIの社員は私と、これまでソニーグループ内でプロジェクトにかかわってくれた6人で、この事業を何としても立ち上げたいという強い思いで、各部署を退職して、この会社に参画してくれています。

また、「窓」を通じていろいろな方々が出会ったり、企業の枠を超えたコラボレーションが拡がったりといった面白さを原動力に、ソニー社内やパートナーの方が数十人レベルで「窓」に関わっていただいて、本当にありがたく思っています。

「窓」の、従来にない特長を教えてください。

大野木:既存のビデオ会議で何時間話しても、そしてチャットやメールで頻繁にやりとりをしていても、リアルで会ったら「初めまして」になるかと思います。でも、不思議なことに「窓」越しなら、話を数分したら「会った」という感覚になってしまいます。だから、次にリアルで会っても「初めまして」とならないのです。

阪井:この“あたかも同じ空間にいるような自然なコミュニケーション”ができるということが「窓」の最大の特長になっています。相手が目の前にいるようなリアリティと、同じ空間を共有しているような気配や空気感を感じさせるために、独自の映像音声技術と認知心理学的なノウハウを組み合わせています。

MUSVIでは、これまでにないこの「窓」の特長を活かして、リアルとバーチャルと統合した新しい「会う」という形を定義していきたいと思っています。

MUSVIが目指すチームの在り方に、信託型ストック・オプションがフィットしていると感じた

信託型ストック・オプションに興味を持たれたきっかけを教えてください。

阪井:もともとソニー社内で20年間以上続けてきた「窓」プロジェクトでも、組織や予算がない中で、どうやったら関わってくれるメンバーが、「窓」ならではの面白さや可能性に感じてもらえるか、主体的なモチベーションを持ってもらえるか、といったことを大切に考えてきました。今でいうDAO*的なアプローチでしょうか。

*DAO(Decentralized Autonomous Organization、分散型自立組織)同じ目的を持つメンバーが協同して管理・所有する組織。代表者は存在せず、各個人の投票によりプロジェクト遂行に係る意思決定を行う。

MUSVIは、そういった流れから生まれてきた会社でもあり、同じ目的を共有できる方々との輪を大きく広げていきたいと思っていたところに、信託型ストック・オプションのことを聞いて、面白そうだなと感じました。

大野木:MUSVIの現在のフェーズでは、ご縁のなかで、「窓」やMUSVIの事業に興味を持っていただき、その思いに共感しながら、一緒に何か面白いことをやってみたい・関わっていきたい、といった方をうまく巻き込んでいけるような仕組みがいいなと思っています。とはいえ、インセンティブも何か必要ではないかと考えた時に「信託型ストック・オプション」という選択肢にいきつきました。

信託型ストック・オプション導入の決め手となった想いとは?

阪井:MUSVIは、世界中の80億人がリアルに会えるプラットフォームをつくることを目指しており、そのプロジェクトにどのタイミングで入っても、頑張った人が頑張った分だけ報われる仕組みが重要だと思っています。また、私たちのように大企業を辞めて起業し、新たな事業を立ち上げる際の事例(ソニー流でいう“モルモット”)として、信託型ストック・オプションを活用したチーム作りに挑戦してみることは意味があるのではないかと考え、今回導入を決めました。

信託型ストック・オプションはどのような基準に従って付与していく予定でしょうか?また、付与にあたって、どのような考え方をお持ちでしょうか?

大野木:信託型ストック・オプションは実際の運用はこれから始めるので、当初は試行錯誤だと思っています。基本は、MUSVIに面白い人をどんどんと巻き込んでいきたくて、すでに、エンジニアから士業、医者、実業家、お坊さん、クリエーターといった皆さんに入ってもらっているのですが、事業を成長させながら、使い方を定めていくような流れを考えています。そのあたりの自由度、柔軟な設計ができるところも魅力ですね。

「窓」を広げていくことそのものが楽しくてやっています

今後の事業展開についてお聞かせください。「窓」をどのように広めていくのでしょうか?

阪井:一つのアプローチとして、「MUSVIの会」という、「窓」を通じて全国、世界中のユーザー同士をつなぐ交流イベントを拡げています。現在導入が加速している事業者様のオフィスや現場をつなぐケースに加えて、これまで全くつながりのなかった場所同士、例えば学校、コワーキングスペース、図書館、役場、ホテルのラウンジなどが「窓」でリアルにつながることで、想像もしていなかった出会いやご縁、まさに“むすび”が生まれています。

大野木:「窓」の面白いところは、そういった“むすび”を体験して頂いた人が、それぞれの方の視点で新しい活用法を次々と考えてくれるところだと思っています。そういうプロダクトは世の中にあまりないなと思っていて、MUSVIや「窓」が関わった方々と一緒に、これまでになかった新しいバリューを生み出す事業を探索していきます。

同時に、強力なパートナー企業とも連携が進んでおり、様々な領域にフィットした空間接続ソリューションを作りこむことで、多様かつスピーディに「窓」事業を展開していければと思っています。

最後に一つ、メッセージをお願いします。

阪井:「窓」は、距離を超えてリアルに会うことができる全く新しいプロダクトです。今後もソニーとの共同研究によって映像、音声、インタラクション技術を進化させるとともに、5-10年後には、世界中に「窓」を開き、80億の人々がリアルにつながり、結ばれる社会を実現していきます。

大野木:今回導入するSOICOさんの信託型ストック・オプションのおかげで、どのタイミングからでも、MUSVIのプロジェクトで活躍いただくことができます。この記事を読んで、ご興味を持っていただいた方がいらっしゃれば、ぜひとも一緒に「窓」を広げていきましょう。

▼MUSVI株式会社のウェブサイトはこちら
https://musvi.jp/